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【SS】異世界に咲く、白百合の花(アサルトリリィ×きららファンタジア)
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1 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/03 21:55:27 ID:RMyPYf55.W
お久しぶりです。そうでない人は初めまして。
以前このBBSで、以下のSSを投稿させてもらった者です。

【SS】ハッピーシュガーライフ×きららファンタジア
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=775&ukey=0&log=past

【SS】小鳥と不死鳥と(機動戦士ガンダムNT×アニマエール)
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=1471&ukey=0&log=past

最初に投稿したSSを基に、ハピシュガの人というコテハンを使いたいと思います。
今回は、昨年アニメが放送され、現在アプリゲームが配信中のアサルトリリィときらファンのクロスSSを書きました。
今回は10万3千字ほどの文章を、何回かに分けて投稿したいと思います。
全15章分、お付き合いのほどよろしくお願いします。
今回はさっそく、第1章と2章を投稿します。

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786 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/11 23:34:39 ID:SDa0620o5x
ギガント級が口を開く。
その中にいたのは、間違いなくヒナゲシだ。
彼女は正面から飛来するマギスフィアめがけ、黒い矢を放つ。
梅が縮地を用い阻止に向かうが、紙一重の差で矢はマギスフィアへ命中する。
刹那、マギスフィアは漆黒に染まり、その余波で梅は吹き飛ばされてしまった。

787 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/11 23:35:03 ID:SDa0620o5x
神琳「梅様!」

梅「こっちは無事だ、でもあれじゃ・・・!」

788 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/11 23:35:55 ID:SDa0620o5x
黒く、絶望のクリエに染まったマギスフィアが命中する。
それは敵を討つどころか、多大なエネルギーを与える結果になった。
ギガント級の身体に変化が起こる。
全身が白黒に明滅し、体表のエトワリウムは漆黒に染まって肥大化した。
背中から触手が生え、それらが翼のように寄り集まる。
手足と首、尾がスラリと伸び、全体的なフォルムが大きく変化する。
それはまさしく、西洋に伝わる邪龍そのものだ。

789 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/11 23:36:37 ID:SDa0620o5x
ギガント級「!!!!!」

ギガント級が触手を地面に突き刺す。
瞬間、地を混ぜるほどの大地震が発生し、陣形が大きく崩され、前方と後方が入り乱れてしまう。
やがて敵は触手を翼状に戻し、それを大きく広げる。そこからはバチバチと耳障りな音が響いていった。

790 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/11 23:37:14 ID:SDa0620o5x
梅「!?みんな伏せろ!!」

翼「あれは!?」

小夢「ダメぇ!!」

791 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/11 23:38:03 ID:SDa0620o5x
龍は、余剰となったエネルギーを雷として一面に降らす。
地を砕き割り、全てを切り裂き、燃やし尽くす一撃だ。
辛うじて対応できたナイト達がとっておきを用い、防御を全体に敷く。
一部のそうりょたちも支援を行っているが、とても間に合わない。
やがて力の奔流は弾け、全員を襲った。

792 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/11 23:38:25 ID:SDa0620o5x
琉姫「きゃああああ!!!!」

かおす「うわあああああ!!!!」

793 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/11 23:38:59 ID:SDa0620o5x
しばらくして、かおすはむくりと目を覚ます。
だいぶ遠くに吹き飛ばされたようで、全身がズキズキと痛むが、何とか生きているらしい。
だが、眼前の光景を見て、かおすはあの光景を思い出してしまった。
否、思い出したという表現は正しくないだろう。そこに広がっていたのは、あの悪夢さながらの光景だったのだったから。

794 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/11 23:39:22 ID:SDa0620o5x
かおす「そんな、あれが正夢に・・・」

焦燥感に駆られた彼女は、辺りを見回す。
すると遠くに、見知った顔を見つけることが出来た。

795 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/11 23:40:33 ID:SDa0620o5x
小夢「うう・・・」

梨璃「はあ、はあ・・・」

かおす「・・・!!二人とも大丈夫ですか!?」

796 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/11 23:40:42 ID:SDa0620o5x
かおすは少し安堵した。あの夢と違い、まだ皆が生きている。
だが、予断を許さない状況に変わりはない。加えて、動けるのは自分しかいないらしい。その認識が彼女を再び強い不安へ駆り立てた。

797 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/11 23:41:19 ID:SDa0620o5x
ヒナゲシ「良いのかおすちゃん?このままだと夢と同じになるよ?」

かおす「・・・!」

龍の口元から、ヒナゲシが降り立つ。
それはまさに、あの夢の声の主だった。

798 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/11 23:41:58 ID:SDa0620o5x
今回の投稿はここまでです。
明日は第13章を投稿します。

799 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:17:50 ID:/WVizzh78q
投稿を再開します。
今回は第13章です。

800 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:18:24 ID:/WVizzh78q
第13章 エーデルリリィ(イノチ感じるほどに)

二水「まさか、ヒュージの体内に隠れていたなんて・・・!」

ヒナゲシ「木を隠すなら森の中・・・。あなたの目でも中までは見えないでしょ?」

神琳「ですが、それではあなたも無事で済むはずが・・・!」

ヒナゲシ「分からないの?あの子が私に力をくれたんだよ」

801 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:19:02 ID:/WVizzh78q
見れば、ヒナゲシから不気味なオーラが立ちこめている。
それは絶望のクリエだけでなく、負のマギもない交ぜになったものだった。

802 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:20:33 ID:/WVizzh78q
夢結「本当にヒュージと心を通わせた、とでも言うの?」

ヒナゲシ「うふふ、だからこーんなことも出来ちゃうよ?」

ヒナゲシが虚空から大量の矢を取り出す。
それを空に向かって放つと、たちまちウツカイへと変化した。

803 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:20:59 ID:/WVizzh78q
ヒナゲシ「あいつを押さえて」

ウツカイ「ウツツ!」

鶴紗「ぐっ・・・!」

梅「鶴紗!」

ヒナゲシ「傷が癒えても、動けないなら意味ないよね?」

804 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:21:47 ID:/WVizzh78q
逼迫する状況。そこにエンジン音が響いていく。
ポルカとカンナがバイクで駆けつけたのだ。

ポルカ「おい!どうなってるんだよこれは!?」

カンナ「向かっている途中、凄まじい音がしたと思えばこれか・・・!」

805 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:22:06 ID:/WVizzh78q
ヒナゲシ「・・・例のものを奪って」

再び矢を放ちながら、そう呟くヒナゲシ。
彼女の願いに応え、虫型に姿を変えたそれは、二人に大群で襲いかかった。

806 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:22:43 ID:/WVizzh78q
カンナ「ポルカ!飛び降りろ!!」

ポルカ「お、おう!」

二人がバイクから飛び降りた直後、ウツカイがそこに群がる。
バイクは瞬く間に爆破炎上した。

807 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:23:12 ID:/WVizzh78q
だが、それで済ますほど敵は甘くない。
まるで鳥葬のように二人に覆い被さり、目当ての品を探し始める。

カンナ「ぐっ・・・、どけ、どくんだ!!」

ポルカ「やめろ!それを持って行くんじゃねえ!!」

808 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:23:38 ID:/WVizzh78q
二人の抵抗も虚しく、最後の希望たる特殊弾頭も奪われてしまう。
怪物はそれを丁寧に掴むと、主の元へ届けた。

809 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:23:55 ID:/WVizzh78q
ヒナゲシ「良い子だね」

ウツカイの頭を撫でながら彼女はそう言い、懐から最後の黒い矢を取り出す。

810 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:24:27 ID:/WVizzh78q
きらら「あれは・・・」

アルシーヴ「遠目でも分かる・・・。なんて禍々しい気だ!」

ミリアム「それをどうする気じゃ!」

ヒナゲシ「うん?こうするんだよ」

811 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:24:52 ID:/WVizzh78q
そう微笑むと、彼女は矢と弾頭をコツンとぶつけ合わせる。
するとどうだろうか、矢が霧のように霧散し、弾頭へと吸い込まれていく。
彼女の手元には、黒い球体が出来上がっていた。

812 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:25:20 ID:/WVizzh78q
楓「あれは、マギスフィア?」

雨嘉「でも、あんなの見たことない・・・!」

ヒナゲシ「それはそうなの。これは特製なんだから」

813 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:25:46 ID:/WVizzh78q
ボウリングほどのそれを手に、彼女はかおすの下へ歩み寄る。
そしてマギスフィアを強引に、彼女の杖へとねじ込んだ。
たちまち杖も黒く染まっていく。

814 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:26:08 ID:/WVizzh78q
ヒナゲシ「どうすれば良いかは、分かっているよね?」

かおす「・・・」

ヒナゲシ「ほら、あれを見て?」

815 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:26:34 ID:/WVizzh78q
ヒナゲシが指さす方向には、あのギガント級がいる。
敵はゆっくりと、だが確実に、翼へと再びエネルギーを貯めていた。

816 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:27:11 ID:/WVizzh78q
ヒナゲシ「このままだと、みんな死んじゃうよ?夢の通りになっちゃうの」

かおす「・・・」

ヒナゲシ「でもね、あの子の体はもう限界なの。無理もないよね、傷ついた体に無理やりエネルギーを入れたんだから」

かおす「・・・」

ヒナゲシ「だからさ、それ持ってぶつかれば倒せるよ・・・?」

817 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:27:29 ID:/WVizzh78q
その場に立ち尽くすかおす。
その脳内には、あの光景が目まぐるしくループしていた。

818 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:28:11 ID:/WVizzh78q
ミリアム「いかん!そんなことをすれば確実に死ぬぞ!!」

神琳「それに、あなたが自ら希望を砕くような真似をするとは思えません!」

翼「どう考えても罠だ!」

ヒナゲシ「でも仮に罠だとして、これ以外に状況を切り抜ける手段がある?」

琉姫「それは・・・」

819 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:28:33 ID:/WVizzh78q
先ほどの一撃を受けて、かおす以外は体を動かすことさえままならない。
動ける可能性のある鶴紗、カンナ、ポルカも拘束を受けている。

820 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:29:00 ID:/WVizzh78q
楓「全てあなたの仕組んだことでしょうに・・・!」

ヒナゲシ「何とでも言えば良いの。それにあなたとはお話ししてない」

そういうと彼女は、他の面々にもウツカイを取り付かせる。
強い拘束を受けて、皆が苦しそうに呻き声を上げる。
ヒナゲシは満足げな顔をすると、再びかおすに声をかける。

821 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:29:21 ID:/WVizzh78q
ヒナゲシ「夢では助けが来てくれたけど、現実はいつも無情で、残酷で、冷酷なの」

かおす「・・・結梨ちゃん」

ヒナゲシ「うん、だからその結梨ちゃんも来ないんだよ」

822 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:30:11 ID:/WVizzh78q
彼女は一方的に話を続ける。

ヒナゲシ「愚図でのろまで、何の取り柄もない自分が嫌いなんだよね?だから物語に憧れるんだよ。でも、所詮そんなものは自分を助けてくれない。」

かおす「・・・そうですね。私はずーっと自分のことをそう考えて、いいえ、今でもそう考えてしまいます」

小夢「かおす、ちゃん・・・!」

823 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:30:50 ID:/WVizzh78q
ヒナゲシ「最後に勝利して、みんな笑顔なんて幻想なんだよ。これは戦争なの。何かを犠牲にしなければ戦いは終わらない」

夢結「どの口が言うの・・・!」

ヒナゲシ「ふふ、でもあなた達の世界だって同じでしょ?あの子も人間同士がいざこざを起こした結果生まれたんだから。私はそれに乗っかっただけなの」

824 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:31:31 ID:/WVizzh78q
ヒナゲシ「だからさ、最低限の犠牲でことを成し遂げたら、何者でも無い自分に・・・、ヒーローになれると思わない?」

かおす「・・・ええ、犠牲は最低限に。私も同じ考えです」

雨嘉「駄目だよ、そんなの詭弁だよ!」

825 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:32:07 ID:/WVizzh78q
皆の言葉に対し、かおすは押し黙ったままだ。
そこに、少女はトドメの言葉を投げかけた。

ヒナゲシ「だからさ、“いって”」

826 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:32:48 ID:/WVizzh78q
その言葉を受け、かおすが走り出す。
皆の叫び声も尻目に、彼女は速度を上げていく。
それを見て、ヒナゲシは勝利を確信した。

827 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:33:37 ID:/WVizzh78q
ヒナゲシ『うふふ、倒せるって言葉に嘘はないの。でもその後のことは知らないよ・・・?』

夢で洗脳の下地を作り、攻撃から敢えて彼女を外すことで、同様の状況を作り出す。
そしてかおすが龍にぶつかれば、彼女ごとその体は四散するだろう。

828 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:34:06 ID:/WVizzh78q
だがそれは、負のマギに汚染されたヒュージ細胞が、広範囲に撒き散らされるのと同義である。
やがて細胞は、寄生、増殖、分裂を繰り返し、ヒュージとしてネズミ算的に増殖する。そうなればもはや対処は不可能だ。
あとはじんわりとエトワリアを汚染し、女神を喰らわせ、聖典の世界も汚染すれば良い。それが彼女の企てであった。

829 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:34:31 ID:/WVizzh78q
だがそれだけなら、弾頭を奪い汚染した時点で、彼女自身がそれを投げつければ良かったのである。
かおすを利用したのは完全な余興であり、リリィやクリエメイトに対する意趣返しでしかない。

830 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:34:57 ID:/WVizzh78q
ヒナゲシ『大切な仲間が、憧れを持ってくれた人が、命と引き換えに最悪の事態を引き起こすのを、ゆっくりと眺めると良いの。それがあなた達への復讐なんだから・・・!』

831 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:35:35 ID:/WVizzh78q
かおすは転びそうになりながらも、必死に走る。
そうして段々と龍に近づき、そして・・・。

832 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:35:54 ID:/WVizzh78q
ヒナゲシ「は・・・?」

ヒナゲシは何が起こっているのか、一瞬把握できなかった。
かおすは自分の思い通りに動くはずだったのだ。
だが、その目に映る彼女は・・・。

833 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:36:49 ID:/WVizzh78q
かおす「梨璃さん!しっかり!!」

梨璃「かおすちゃん・・・」

かおすは龍ではなく、梨璃の下へ駆け寄っていた。
黒く染まった杖を、マギスフィアごと梨璃のチャームに重ねている。
そして必死に回復の術を唱え、憧れの人へとかけていた。

834 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:37:18 ID:/WVizzh78q
梨璃「ありがとう、かおすちゃん。少しだけ元気が出てきたよ」

かおす「梨璃さん!」

梨璃「うん、分かってる!」

835 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:37:38 ID:/WVizzh78q
そういって彼女はカリスマを発動する。
杖がふれ合った先から、段々と桜色に戻っていく。
二人が武器を掲げると、そこには黒く肥大化したマギスフィアが乗っていた。

836 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:38:10 ID:/WVizzh78q
かおす「ぐううう・・・」

梨璃「まだ、力が足りない・・・」

ヒナゲシ「なんでよ・・・」

837 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:38:26 ID:/WVizzh78q
ヒナゲシが思わず叫ぶ。

ヒナゲシ「なんであなたはそんなことをしているの!萌田薫子!!」

838 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:39:04 ID:/WVizzh78q
かおす「確かに私は愚図でのろまです。だから一柳隊の皆さんに憧れました。自分に持っていないものを皆さんは持っているように思えたから・・・」

ヒナゲシ「なら!」

839 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:39:30 ID:/WVizzh78q
かおす「でも、触れ合って改めて知ったんです。皆さんも私たちと同じで、感性豊かな女の子なんです。何度も挫けて迷って、それでも前に進もうとしてるだけなんです!」

ヒナゲシ「それが何だというの!?そんな力でマギスフィアを浄化できるわけない!」

840 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:40:24 ID:/WVizzh78q
かおす「出来るどうかじゃありません!犠牲は誰も出さない!私たちと変わらないリリィがヒーローでヒロインなら、私だって今のままでヒーローにもヒロインにもなれる!それを証明するためにも、私たちはやってみせます!!」

梨璃「残念だったね。かおすちゃんはあなたが思っているよりもずっと優しくて、そして強い娘なんだから!!」

ヒナゲシ「ああ、そう」

841 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:40:50 ID:/WVizzh78q
それを聞いたヒナゲシの目に、黒い炎が灯る。
彼女は再度矢を放ち、ウツカイを生成する。

842 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:41:11 ID:/WVizzh78q
ヒナゲシ「やっちゃえ」

直後、二人は大量のウツカイに囲まれる。
龍もボロボロの体でとはいえ、チャージを続けている以上、有利不利は変わっていない。

843 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:41:38 ID:/WVizzh78q
ヒナゲシ「あはは。お馬鹿さんにはお似合いの末路なの」

だが、そんな彼女に一種の不快感が押し寄せる。
何か暖かで、強い波動が戦場を包んでいく。
ウツカイが苦しみだし、動きを鈍らせていった。

844 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:42:02 ID:/WVizzh78q
ヒナゲシ「今度は何!?」

彼女は遠くを見やる。
するとそこには、驚くべき人物が立っていた。

845 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:42:28 ID:/WVizzh78q
ソラ「・・・」

ヒナゲシ「・・・っ!!女神ソラぁぁ!!」

846 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:42:59 ID:/WVizzh78q
アルシーヴ「ソラ様!?何故ここに!?」

セサミ「申し訳ございません!強大かつ邪悪な力を感じ取り、外へ飛び出されてしまったのです・・・」

フェンネル「驚きました。私たちより速く走っていくんですもの・・・」

ハッカ「しかし皆、満更でもない」

シュガー「うん!けーごよりこっちの方がシュガーにはあってる!」

ソルト「ふふ、今日は珍しく意見が合いますね」

847 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:43:39 ID:/WVizzh78q
ソラが優しく、だが強くアルシーヴに語りかける。

ソラ「ごめんなさい。お説教なら後でいくらでも聞くから!」

アルシーヴ「全く何を考えているのですか!皆あなたを守るために戦っているのですよ!それが前線に出てくるだなんてそんなことあり得ますか!?」

ソラ「もう!!だって守られてばかりなんて嫌なんだもの!!」

848 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:44:01 ID:/WVizzh78q
アルシーヴ「・・・でも」

アルシーヴもまた、優しく呟く。

アルシーヴ「そのお顔を見られて、正直ホッとしました」

ソラ「うんうん、それで良し!」

849 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:44:29 ID:/WVizzh78q
ソラが皆に勅命を下す。

ソラ「女神ソラが命じます。みんな、立ち上がって!!」

ヒナゲシ「させないの!!」

850 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:45:07 ID:/WVizzh78q
そういって矢を雨のように放つヒナゲシ。
だがそれら全てを弾かれてしまう。

セサミ「それはこちらの台詞です」

フェンネル「ふん、こんなものアルシーヴ様の技に比べれば!」

ハッカ「ここには皆がいる。このようなもの、そよ風と同じ」

シュガー「おりゃおりゃー!!」

ソルト「皆さん!立ち上がってください!!」

アルシーヴ「そして滅ぼしてくれ、歪んだ未来を!!」

851 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:45:35 ID:/WVizzh78q
戦場に、変化が訪れる。
女神の力を受け、皆が続々と立ち上がっていったのだ。

852 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:45:53 ID:/WVizzh78q
カルダモン「ソラ様・・・」

ジンジャー「やるぜ!ここから逆転サヨナラ満塁ホームランだ!!」

853 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:46:12 ID:/WVizzh78q
きらら「行こう三人とも!」

ランプ「ええ!負ける気がしません」

マッチ「ああ!僕らの力、見せてやろう!」

うつつ「いやあんた具体的に何してたのよ」

854 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:46:49 ID:/WVizzh78q
翼「かおす・・・」

琉姫「見ないうちに立派になって・・・」

小夢「何だか泣けてくるよ〜」

855 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:47:15 ID:/WVizzh78q
鶴紗「未来を視るまでもないさ。今の私たちなら・・・!」

梅「ああ!どんな奴にだって負けない!」

夢結「この世界の暖かさ、絶対に奪わせはしない!!」

二水「全くもって同意です!!」

856 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:48:11 ID:/WVizzh78q
ミリアム「紆余曲折あったが、あの弾頭も活かせそうで何よりじゃわい!!」

雨嘉「神琳!楓!」

神琳「ええ、参りましょう。テスタメント!!」

楓「逃げも隠れもしませんわ。何故ならあとは勝利をつかみ取るだけですもの!レジスタ!!」

857 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:48:41 ID:/WVizzh78q
神琳と楓がレアスキルを発動し、戦場全域の仲間に力を与える。
梨璃のカリスマも効果が跳ね上がり、マギスフィアも瞬く間に浄化されていく。
更にその余波を受け、龍も苦しみ出す。チャージも完全に止まってしまった。

858 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:49:07 ID:/WVizzh78q
夢結「梨璃!萌田さん!」

かおす「はい!」

梨璃「お姉様に、届けぇぇ!!」

マギスフィアを夢結へパスする二人。
その重さを、彼女は確かに感じ取っていた。

859 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:50:11 ID:/WVizzh78q
梅「夢結!今度はこっちだ!」

夢結「ええ!!二人が繋いでくれた希望・・・。今度は私たちが!」

夢結から梅へ、そして今度は二水へパスが回される。

梅「頼むぞふーみん!!」

二水「せ、責任重大ですぅ!!」

860 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:50:32 ID:/WVizzh78q
そう口では言いながらも、彼女は確かにそれをキャッチする。
しかし、敵もそれを見逃すほど甘くはない。

ヒナゲシ「させないって言っているの!!」

861 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:50:54 ID:/WVizzh78q
僅かに残ったヒュージやウツカイが二水めがけて襲いかかる。
ヒナゲシも矢をまとめて束ね、巨大なウツカイを次々に創り出していた。
二水も懸命にかわしていくが、遂にマギスフィアを取りこぼしてしまう。

862 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:51:17 ID:/WVizzh78q
二水「そんな・・・!」

梅「ふーみん!!」

夢結「待って、今そっちにいく・・・」

だが、それを拾ったのはリリィでも、ましてや敵でもなかった。

863 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:51:59 ID:/WVizzh78q
カルダモン「ここは・・・!」

ジンジャー「任せろお!!」

二人がすんでの所でマギスフィアを拾う。
だがチャームと違い、クリエメイトの武器はマギを扱うようには出来ていない。
かおすの杖はともかく、強大なマギを前に武器は砕けるしかないのだ。

864 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:52:27 ID:/WVizzh78q
カルダモン「ヒビが・・・!」

ジンジャー「ええい!ボールなことに変わりはねえ!!」

そう言うとジンジャーはバットでマギスフィアを空高く打ち出す。

865 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:52:49 ID:/WVizzh78q
ジンジャー「野球は得意だろ!なあ、おまえら!!」

粉々になったバットを振り下ろしながら、ジンジャーはそう叫ぶ。
マギスフィアが飛んだ先にいたのは・・・。

866 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:53:13 ID:/WVizzh78q
珠姫「くぅぅぅ!!!」

詠深「ナイスキャッチだよ、タマちゃん!」

珠姫「気をつけてヨミちゃん!とんでもない暴れ馬だよ!!」

867 名前:ハピシュガの人[sage] 投稿日:2021/03/12 22:53:32 ID:/WVizzh78q
そう言ってマギスフィアを受け渡す珠姫。
だが、詠深は笑顔を浮かべていた。

868 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:53:58 ID:/WVizzh78q
詠深「逆に燃えるね、それ!」

珠姫「・・・ほんとに手を燃やさないようにね?」

詠深「うん!!」

869 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:54:15 ID:/WVizzh78q
その一球は、焼けるように熱い。
だが彼女は正確なコントロールで、それをある方向に投げた。

870 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:54:36 ID:/WVizzh78q
詠深「球技は野球だけじゃない・・・。そうでしょ、みんな!!」

遥「もちろん!」

かなた「受け止めて弾くなら、私たちの得意分野だから!」

871 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:55:39 ID:/WVizzh78q
詠深から受け取ったそれを、ビーチバレーを志す者たちが繋げていく。

エミリ「今度はリリィのみんなに!」

クレア「うん、アタシたちの全部を託そう!」

成美「まさか、あなた達と共闘だなんてね」

彩紗「でも悪くないね、こういうのも!」

872 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:56:07 ID:/WVizzh78q
あかり「かなたさん!そちらにパス飛びました!」

かなた「分かった!最後は遥・・・お願い!」

遥「任せて!!」

そう言って、彼女は高くトスを打ち上げる。
それを鶴紗が空中で受け取った。

873 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:56:38 ID:/WVizzh78q
鶴紗「みんなの全力、無駄にはしない!!」

落下しながら、次のパス目標を探す鶴紗。
一方で、龍も動きに感づき、攻撃の手を強める。
背中からは爆弾を放ち、口からは火炎、尾の先からは水をカッターのように噴出している。加えて、触手も滅茶苦茶に展開し、彼女を捉えようとした。

874 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:56:56 ID:/WVizzh78q
鶴紗「こんな所で、引き下がるわけにはいかないんだ!!」

冠「メロディ、力を貸して・・・!えーい!!」

875 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:57:19 ID:/WVizzh78q
冠がその姿を変える。
それはかつて心通わせた、サンリオの仲間のものだった。
彼女がステッキを振るうと、そこに虹の橋が出来上がる。
その上に降り立つ鶴紗。そこに見知った顔が駆けつけ、攻撃を払っていく。

876 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:57:50 ID:/WVizzh78q
栄依子「仲間を信じ助けろ、ってね!」

シュガー「シュガー様の参上だよ!ここまで全力で走ってきたんだから!」

鶴紗「みんな・・・」

ハッカ「我々の力、譲渡」

877 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:58:19 ID:/WVizzh78q
そうハッカが言うと、四人のクリエが集まって、マギスフィアへと吸収されていく。
やがて冠と、その友人も集う。

冠「ここは任せて」

花名「そう、ゆっくりでも少しずつ、確実に・・・」

たまて「みんなの心が一つになってきてますよ!!」

鶴紗「・・・そうだね、本当にその通りだ!」

878 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:58:42 ID:/WVizzh78q
少し涙をにじませながら、鶴紗は集まった希望を打ち出す。

鶴紗「ミリアム!頼んだ!!」

ミリアム「任せんかい!!わしの全力も重ねてやる!フェイズトランセンデンス!!」

879 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 22:59:53 ID:/WVizzh78q
己の全てを注ぎ込むミリアム。当然の帰結として枯渇を起こし、その場に倒れ込んでしまう。
だが、彼女は一人では無い。
ミリアムへと飛んだ攻撃を、ある一団が防ぐ。

880 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 23:02:21 ID:/WVizzh78q
衣乃「ミリアムちゃんは・・・」

仁菜「私たちが守る!!」

はゆ「おちこぼれにだって、やれることはあるもん!!」

ロコ「リリィにばっか良いカッコさせるか!!」

ミリアム「お主ら・・・」

881 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 23:03:12 ID:/WVizzh78q
そっとマギスフィアを受け取る衣乃。

衣乃「後は任せてください」

ミリアム「・・・ああ!」

ロコ「大丈夫か衣乃?緊張してトイレ近づいてないか?」

衣乃「そ、そんなことありませんよ!ちょっとだけですもん!!」

はゆ「ちょっとは・・・」

仁菜「あるんだ・・・」

衣乃「とりあえず行きますよ!誰か受け取ってくださーい!!」

ミリアム「あ、誤魔化した」

882 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 23:05:24 ID:/WVizzh78q
その盾を再び砕きながら、衣乃はマギスフィアを繋いでいく。
それを受け取ったメリー達に、変化が訪れる。

883 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 23:05:50 ID:/WVizzh78q
薗部「おや・・・」

メリー「この姿は・・・」

優「きっと、さっきの冠ちゃんに反応してるんだ!」

はなこ「わーい!クロミちゃんも力を貸してくれるんだね!!」

アリス「そうだよね、ずっとみんなで笑い合える世界にしたい・・・、気持ちは同じなんだ!」

メリー「なら行きましょうか、キティ!!」

薗部「そちらに投げるので受け取ってくださいまし、葉子様」

884 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 23:06:22 ID:/WVizzh78q
音符やリンゴ、菓子の形をしたエネルギーがマギスフィアと同化していく。
例え遠く離れていようと、思いは一つだ。

885 名前:ハピシュガの人[age] 投稿日:2021/03/12 23:07:01 ID:/WVizzh78q
葉子「確かに受け取ったわ、薗部!」

ゆの「暖かな陽だまりを・・・!」

ゆずこ「ゆるっとした日常を!」

青葉「夢を!」

こはね「誰かを応援する気持ちを!」

平沢 唯「音楽を!」

なる「踊りを!」

苺香「誰かが大好きって気持ちを!」

千矢「つなごう、みんなで!・・・なでしこ!!」

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