【きらファンSS】ゆっくりでも、がんばりますっ
▲▲▲全部▼▼▼
1 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/08/05 16:37:41 ID:wDG7LGFm5m
きららBBS新参者のルナ・ソレイユと申します。

別の所で投稿した作品ですが、細かいところ(場合によっては大きなところ)が違う加筆修正版になります。

あとそこそこ百合要素強めなので注意です。

< 123
150 名前:名無しさん[age] 投稿日:2019/08/30 18:58:16 ID:G7YGUZcZih
他作品のキャラを絡めて物語を進行できる文章力が凄いと思いました。
この先どうなるかは分かりませんが、ひとまず仲直りできたみたいでよかったです。

151 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/08/30 20:46:18 ID:m/iEZ02fFO
>>150
ありがとうございます!
それでも2作品までのクロスオーバーが限界ですね…もっと精進せねば…!
そうですね!ひとまず…!

152 名前:脱出かおすの人です[age] 投稿日:2019/08/30 22:56:16 ID:YkiWrFKwaz
今まではただ周りの人が普通にフォローしてた感じだったが、
クレアと花名の禁断症状を由紀の経験で解決するという、
「特定の人しか理解できない悩み」と「2人の愛の重さ」を同時に再現するところが凄いです。
たまちゃんもちゃんと謝れてとりあえず、一件落着かな?

153 名前:名無しさん[age] 投稿日:2019/08/30 23:26:58 ID:yg5zHAlwUp
るーちゃん関連の事でりーさんのために話を合わせていたときのゆきちゃんみたいな感じでしょうか…
ゆきちゃんだからこそ気持ちも理解できたし、踏み込めたんでしょうね

普段は手を焼きつつもなんだかんだゆきちゃんを信頼してるくるみちゃんもらしいな〜と思いました

154 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/08/31 11:56:54 ID:gFDuFlc4MI
>>152
ありがとうございます!
正直なところ、ここまできらファンやスロウスタート以外の作品に踏み込むことはこの先ないかなというレベルには大変でした…
「とりあえず」一件落着ですね!

>>153
ありがとうございます!
きらファンに召喚されているクリエメイト達は、基本的にアニメから来ている印象があったので、アニメの後の由紀の性格を出すことにだいぶ悩みました…
結果、アニメでもラスト若干覚醒していたし大丈夫だろうという結論に至りました。
なんだかんだくるみも由紀のことを信頼してるんですよね!

155 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/09/04 19:11:40 ID:XbE3RKVAZS
お久しぶりです。第10話です。
7〜9話のシリアス路線を楽しんで頂いた方には申し訳ないのですが、今回からはまた平常運転のほのぼの系に戻ります。ご了承ください。

156 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/09/04 19:12:15 ID:XbE3RKVAZS
side花名
「クレア、本当に、私が行ってもいいのかな?」

「大丈夫です!私が許可もらいましたから!それに、花名がいないなら私も行きません!」

 今日は喫茶店『ラビットハウス』のオープン日。それえ、ラビットハウスオープンのために手伝った人たちに向けたお疲れ様会があって、そのお疲れ様会に私も来ていいって言われたんだけど…本当に大丈夫なのかな?

157 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/09/04 19:13:36 ID:XbE3RKVAZS
   *   *   *
sideクレア

「あなたが花名ちゃん?えへへ、かわいいね!妹にならない?」

「え!?えーっと…」

「だめです。」

 ココアさんの妹攻撃はブロックします。

「えーいいじゃんー!…え、なになにきららちゃん…え!?えっと…花名ちゃんはクレアちゃんに返すね!」

 きららさんがココアさんに耳打ちしていたみたいです。

「全く、ココアさんは落ち着いてください。…クレアさんと花名さんですね。こちらに席を用意していますので、どうぞ。」

 チノさんの先導で椅子に座ります。

158 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/09/04 19:14:54 ID:XbE3RKVAZS
「それでは皆様、この度はラビットハウスの開店にご協力いただき…」

「もうっ、かんぱーい!」

「えぇ、ちょ、ココアさ…」

「「「「「かんぱーい!」」」」」

「あ、あれれ…」

「チノちゃん長いよ?」

「…納得いきません。」

 …花名はコーヒーを見つめています。…もしかして…

「花名…」

「あっ、ごめんね!なんでもないから!」

「大丈夫です。…思い出してしまったんですか?」

「うん。クレアにはお見通しだね…。えへへ、ちょっとうれしい、かな。クレアには、私のこと全部、知っててもらいたいから。」

「花名…!」

「クレア…!」

 私達は目をつむって、唇を近づけて…

159 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/09/04 19:15:46 ID:XbE3RKVAZS
「おーい、お二人さん?こっちのこと、忘れてないか?」

「はうっ!」

「へぴっ!」

 忘れてました…

「まぁ、別にいいけどな?アタシも昔色々あったし。」

「ちょっと、カンナ!」

「別にいいじゃないか、ライネ?」

「そ、それは…だめ…」

「…ま、まあアタシたちはいいんだが、そこのラビットハウス組、固まってるぞ?」

 わ、悪いことしちゃいました…。

「よ、よーしチノちゃん!私達もやろっか!」

「な、なんでですか。…コーヒーのおかわりはいりますか。」

「お、おねがいします!」

「お願いできる?」

「花名さんとライネさんの分ですね。少々お待ちください。」

 チノさんがコーヒーを淹れに行きました。

160 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/09/04 19:17:15 ID:XbE3RKVAZS
「あ!忘れるところだった!この前、コルクちゃんのお店でロシアンルーレットチョコ買ってきたんだー!」

「はずれって何が入ってるんですか?」

「わかんない!」

「おいおい…」

 ココアさんが真ん中にチョコの箱を置きます。ちなみにチノさんには別のチョコを買っているそうです。

「それじゃあいくよ!せーの!」

 んっ!これはおいしいです!あたりれすね〜!

「く、クレア!?顔が真っ赤だよ!」

「もうっはなっ!はなはいっつもそうれす!いつもわらしのことをみてくれれ、うれしいんれすよ!わかってますかぁ!」

「く、クレア!?」

「れすから、はなにおしおきれす!」

「うわぁ!クレア!急に押し倒して…だめだよ!…むぐっ」

「んっ…もう、なんれ…らんれはならかありーんれうあ!」

「も、もう何言ってるかわからないよっ!」

「れすあら、ろーういーれうららい!わらしら、はなろおろあ、らあーいすき!」

161 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/09/04 19:17:54 ID:XbE3RKVAZS
   *   *   *
side花名

 あぁぁ、クレア、寝ちゃった…。

「…もう、クレアったら。」

 酔った寝顔もかわいいよ、クレア…

「ねぇ、花名ちゃん?」

 うぐっ

「流石にあれはないんじゃないかしら?私達もいるのよ?」

「お待たせしました。こーひ…何があったんですか、ココアさん?」

「な、なにもしてないよ!」

「えっと…ライネさん?」

「…チノちゃんにはまだ早いわよ。」

 …15歳以上対象になっちゃった…

162 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/09/04 19:19:16 ID:XbE3RKVAZS
   *   *   *
sideクレア

「んぅ…あれ…?」

 目が覚めると、そこは見慣れた天井。

「花名?…あ、わ、わた、わたた…」

「クレアだけ恥ずかしがらないでよ。私だって…恥ずかしかったんだよ…?」

「うぐっ、す、すみません…できれば…その…忘れていただけると…」

「だめ。あれだってクレアなんだから。」

「ううぅ…それじゃあせめて、話題にしないでください…」

「…それじゃあ、その敬語。やめてくれたら考えてあげる。」

「…花名の悪魔。」

「だって、もう出会ってだいぶ経ってるのに、クレアはずっと敬語なんだもん。ランプちゃんとかは敬語じゃないから、私はランプちゃんより下なのかなって…」

「…花名の小悪魔。」

 …花名はいじわるです。

「…こっ、これでいい?花名。」

「クレア…!」

「や、やっぱり、はずかしいよぉ…」

「大丈夫だよ!さっきのよりは、恥ずかしくないでしょ?」

「あぁー!言ったよね!話題にしないって!」

「えへへ、考えるだけって言っただけですー!」

「花名のばかばかばかばかばなな!」

 でも、花名に敬語を使わずに話す口実ができて、とても嬉しかったのは内緒です。

163 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/09/04 19:26:23 ID:XbE3RKVAZS
というわけで、少し短めですが第10話終了です。
10話ですよ!アニメだったらあと2話で終わりですがそこはss。まだまだ頑張っていきますよ!なんなら誰も読んでなくても細々と続けますよ!

初出:pixiv・BBS同時投稿
pixiv: https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11628770

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各話ジャンプ

第1話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res1

第1話おまけ: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res20

第2話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res26

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第4話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res47

第5話前半: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res69

第5話後半: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res82

第6話前半: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res93

第6話後半: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res105

第7話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res115

第8話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res129

第9話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res141

第10話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res155

164 名前:名無しさん[age] 投稿日:2019/09/04 19:59:30 ID:i0D//kmqDH
シリアスもいいけどほのぼの路線も和みますね。
クレア、花名以外にもカプがありそうな予感…

165 名前:人見知り◆tAB7QcnOfQk[age] 投稿日:2019/09/04 20:22:37 ID:RK22X8oQSq
花名クレ以外の登場人物も通常運転の安心感がありますね。
全く喫茶店でけしからんことをする人たちです。(自分が書いた話棚上げ)

166 名前:脱出かおすの人です[age] 投稿日:2019/09/05 07:32:32 ID:.KIA1W3bFw
R15指定は草
この場に桜trick勢がいなかったことが救いかもしれません。

167 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/09/06 20:49:21 ID:jTP7tWa5jP
お返事が遅くなって申し訳ありません!
>>164
ありがとうございます!
あの二人は冒険者時代のパーティだったらしいですし、色濃い沙汰の一つや二つはあったのでしょう!
>>165
ありがとうございます!
(棚の上に上がってるミルク色の異次元や千矢紺をちらりと見ながら)本当にけしからんですよね!
>>166

168 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/09/06 20:51:23 ID:jTP7tWa5jP
途中送信してしまいました…申し訳ありません。
>>166
ありがとうございます!
確かに桜trick勢(特に春香)がいたら恐ろしいことになってたかもしれません…!

169 名前:◆BaMzAK82VoE[age] 投稿日:2019/09/09 16:53:58 ID:4km5iHs7Y0
SS拝見させて頂きました。そうか思い出はエトワリアでしか持っていられなかったんでしたね、あっちの世界に帰ったらまた平和な日常があるけど、大好きな花(クレア)の存在を花名は覚えてはいない……そしてクレアだけは自分を愛してくれた花の名前を覚えている、ゲートときららが存命な内は永遠だけど、その思い出は不確かで有限、そしてある種の一方通行なのですね(語彙力)

あとやっぱりクレアちゃんにお酒飲ませるのは止めよう(戒め)

追伸:由紀サイドの心の闇、インスパイアします!

170 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/09/09 17:42:44 ID:1sOxHna/r6
>>169
ありがとうございます!
最初は友達の友達は友達大作戦の続きを書きたくて書き始めた作品だったのですが、書き進めて、設定の裏を取るために色々調べていたら、あれ、これは悲劇の恋なのでは!?となって現在に至ります。
一人で花名のことを覚えているクレア、というのも寂しいものですね…

そうですね。お酒、ダメ、ゼッタイ!

どぞどぞ、楽しみにしています!

171 名前:人見知り◆tAB7QcnOfQk[age] 投稿日:2019/09/12 22:37:40 ID:NLrWJOrP6N
クレアスレ等で最近出てきた(悲恋含む)花名クレはこのSSがきっかけの一端なんでしょうか。(以前はあまり見なかった)
シャミ悪とか、ある種のムーブのきっかけって、「このキャラ、この組み合わせならありそう」と思わせるものがありますね。

172 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/09/13 18:48:32 ID:xt4pHdVb.M
>>177
はわわ!?そんな、恐れ多い…
実は私がこのシリーズを書き始めたとき、そこまで長くするつもりはなく、pixivのほうでも短編扱いで投稿していました。ところが、ちょうど「海の家インザカップル」(このスレで言う第4話)を投稿した直後あたりに、 https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=134&ukey=0!#res49 こちらのssを発見しまして(実は当時から見てました)、まだクレ花名を書きたいと思ってシリーズを作成を決めました。(シリーズ名が決まらず実際の作成には時間がかかりましたが)すなわち、きっかけって輪廻のようにくるくる回っているものな気がします。
ちなみに、pixivの方に投降した「コールパニック!」は「ランプ「最近きららさんがコールをしていない」に触発されてたりもしてます。

つまり、みんなすごい(語彙力)


第11話ももうそろそろ完成しますのでお待ちいただければと思います!

173 名前:人見知り◆tAB7QcnOfQk[age] 投稿日:2019/09/13 21:46:55 ID:0VVbpXLhRI
>>172
そのきららンプの話、確か私が初めてスレ立てしたSSですね。それこそ恐れ多いことです。
私もいろんなところで有形無形の影響を受けてますし、そういうものなんでしょう。

174 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/02 17:15:28 ID:Mws95jPV0K
第10話です。
9/13にもうそろそろ完成とか言っていたら1ヶ月経っていました…遅くなって申し訳ありません。

175 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/02 17:15:43 ID:Mws95jPV0K
 …あれ、身体が変です。

 いつもと比べて、頭が軽い…

 それに、身体の中に強いクリエを感じます。このクリエの反応は、まさか…!

 私は身体を鏡に映します。するとそこには…

 透き通ったようにきれいな瞳、可愛らしい鼻、ぷるんとした唇…

 愛らしいをそのまま具現化したような人、つまり、

「わ、わわっ、私、花名になってます!」

 そして私を襲うのは激しい渇望感。私が花名と一緒にいないと感じるあの症状にそっくりです。

 まさか…。私はベッドで眠る私…というか花名に近づいて手を握りました。

 あぁ、この満たされていって、渇望感が充実感に変わる感じ…!間違いありません。花名欠乏症…いえ、相手が私なわけですから、クレア欠乏症ですね。

 …そう考えると同時に耳まで赤くなります。だってこれ、花名が私のことをこんなにも考えてくれているってことですよ!

 もうだめですっ!今すぐ花名を抱きしめたいっ!

176 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/02 17:17:14 ID:Mws95jPV0K
 でも…花名は今、私です。自分で自分を抱きしめるのは…違います。

「ん…ぁ…クレア…?」

 あ、花名が起きたみたいです。

「…って私!?え、じゃあ私はどこなの!?」

「花名、落ち着いて、鏡を見てっ!」

「えっ…あれっ、く、クレア!?じゃっじゃじゃじゃじゃあ、そこに居る私は…」

「うん。私はクレア。」

「どっどどっどうしようっ!」

 慌て方は花名のままですね。

「…そういえば以前、聖典でキスをすると入れ替わる話を読んだよ…?」

「じゃ、じゃあ…」

 私達は唇を重ねます。

「んっ…ぷはっ。…だめだね…」

「そっそれじゃあ、私は一生クレアとして生きるしかないの!?…いやだっ!クレアを眺めることも、クレアと抱き合うことも、クレアとキスをすることもできなくなるなんて…」

「花名…!私だっていやだよっ!花名と話せないし、花名の匂いもかげないし、花名の寝顔を見ることだってできない…」

 私達はお互いにうなずき合いました。

「「元に戻る方法を見つけよう!」」

177 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/02 17:18:06 ID:Mws95jPV0K
   *   *   *
「ん。入れ替わる薬?」

「そうなんで…そうなの。は…えっと、クレアと入れ替わってみたいなって。」

 私はアルケミストの冠さんのもとへ。花名の振りをして話しかけます。

「つくれる。けど、2,3日が限度。」

「そうなんだ…」

「あと、なりきるときはもっと堂々としてたほうがいい。」

 あれ、バレてます!?

「花名と居る時間は伊達じゃない。」

 そう言うと冠さんはくるっと後ろに向き直り、

「ついてきて。」

 と言ってとてちてと歩いていきました。

178 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/02 17:19:06 ID:Mws95jPV0K
   *   *   *
 冠さんに連れられてきた森には私…ではなく花名がいました。そしてもう2人、妖精さん…それも強い力を持っている妖精さんがいました。

「花名っ…」

「しずかに。」

 冠さんに押さえられました…。

「かっ、身体をもとに戻してくださいっ!」

「お断りだ。そう願ったのは花名、お前だろ?」

「私は、身体を入れ替えてなんて頼んでないっ!ただ…クレアに私の気持ちを知ってほしくて…。」

「だから入れ替えたんだ。花名のからだに染み付いたあれこれをクレアが感じている。これ以上の解決策があるか?」

「そ、それは…」

 もうっ!私はいてもたってもいられなくなって、木の影から飛び出しました。

「クレアっ!?」

「花名っ!私はずっと前から、花名の愛情を受け取ってる!」

「クレア…」

「だから…花名は心配しなくていいよ。私は花名のもの。花名は私のもの。これはこの先も変わらないものなんだから。」

「うん、クレアっ!」

 花名が抱きついてきます。姿が違っても、間違いなく花名でした。

179 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/02 17:19:59 ID:Mws95jPV0K
「…もういいか?オレは帰るぞ…な、アモル。」

「ごめんなさいっ!」

「…アモル。」

「入れ替わりは私のせいなの。」

「待てよアモル!魔力の暴走だろ?アモルのせいじゃ…」

「ごめんなさい。オルバにも嘘ついてた。」

 アモルさんはそう言うと、私達の方を見ました。

「私、オルバのことが好きなの。」

「お、おい…」

「でも、運命がそれを許さなかった。私は成就、オルバは破局の妖精。で、力関係が崩れると、どちらかが存在ごと消えてしまう関係なの。人々の願いは破局の願いが圧倒的に多くて、オルバの力は大きくなっていった。ちょっと前、とあるクリエメイトの子たちのおかげで、一時的に私達の力関係は均衡になったけど、それは一時しのぎに過ぎなかったの。この祠が作られた後も、私達に破局の願いをする人は絶えなかった。私達が一緒に居ることは絶望的だった。…そのとき、花名さんが来たの。あなた達の愛の力は凄まじかった。それこそ、二人の力だけでオルバとほぼ同等の力が生まれるほど。私はあなた達に嫉妬した。…私はオルバの近くにいられないのに、あなたたちはそんなに愛を育んでいる。だから、すこしいじわるしたくなって、入れ替わりの魔法をかけたの。…今から解くわね。」

 アモルさんは光を空中から生みだし、その光を私達にかざしました。…刹那。一瞬のめまい。それが落ち着いたときにはもう、私達の身体は元に戻っていました。

180 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/02 17:20:45 ID:Mws95jPV0K
「本当にごめんなさい。私のできることなら何でもさせてもらうから…」

「ふふっ。私はもう十分です。恋の妖精に嫉妬してもらえたんです。」

「私もクレアと同じ。これ以上のことはないよ。」

「それは…そうかもしれないけど…でも…。」

「でしたら、私達のことを応援してください。」

「…そんなことで、いいの?」

「うん。…だって、私達にとって十分すぎるくらいなんだから。」

 そう言って笑う花名は、とても愛おしかったんです。

   *   *   *

「…なあ、今の人間たち、片方はクリエメイトだったよな…?」

「えぇ。もうひとりは、この世界の人間だったわね…」

「…進む先は破滅なのに、なんであそこまで笑えるんだろうな…。」

181 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/10/02 17:26:19 ID:Mws95jPV0K


というわけで第11話でした!一応この話のおまけもありますので、遅くとも明後日までには投稿しようと思います。
大変お待たせしまして申し訳ありませんでした!

初出:書き下ろし

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182 名前:名無しさん[age] 投稿日:2019/10/02 18:12:11 ID:8Uyzo/WKi4
愛の力は偉大

183 名前:人見知り◆tAB7QcnOfQk[age] 投稿日:2019/10/02 21:26:05 ID:oeuuj54CqK
「私が私を見つめてました」の一形態?(どうでもいい話)
確かに、花名って自分の気持ちが伝わってるか必要以上に気にするタイプのような気がします。めんどくさ尊い感じ好きです。

184 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/10/02 22:39:19 ID:Mws95jPV0K
>>182
ありがとうございます!
そうですよね!愛の力は偉大。偉大故に様々な問題も起きますがそれも愛の力で超えられるあたり愛の力は偉大なのです!
>>183
ありがとうございます!
「なんで?なんで?二人…居ない!?」
花名が花名である所以ですよね!

185 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/04 19:48:13 ID:244gif6xQy
すみません、今日中には11話おまけ挙げられそうにないです…(主に自爆のせいでやられたメンタルのせいで)
5秒で読める回なのに投稿遅れて申し訳ありません…

186 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/05 10:43:57 ID:ZSBoyeHwTb
メンタルも少し回復したので投稿します。
遅くなってすみません!

第11話おまけです。3秒で読み終わります。

187 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/05 10:44:29 ID:ZSBoyeHwTb
 …身体に違和感がある。

 ちょっと頭が重いし、来ているのはピンクのパジャマ。

 そして、目の前には目を輝かせた…私!?

「どっどどどどどどういうこと!?」

「ふふっ、実は冠さんに頼んで入れ替わりの薬を作ってもらったの!」

「冠ちゃんが!?」

「これで花名にあんなことやこんなことを…」

「…も、戻れるんだよね…?」

「もちろん、元に戻す薬も作ってもらったし、1日経てば戻るんだって。」

「そっか。それなら…」

 安心したら、自分の今の状態が気になってきた。

 これが、クレアの身体…

 すべてがクレアのものなのに、私が動かしている…。

「じゃあ私は、お部屋に戻ってるね!」

 クレアが部屋に戻っちゃった…。

 …わ、私も自分の部屋に戻ろうかな…い、いやっ、他意はないよっ!自分の部屋に帰るだけっ!帰るだけなんだからっ!

188 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/10/05 10:54:49 ID:ZSBoyeHwTb


第11話は以上となります。
さて、書くのも10秒読むのは2秒のこの回を投稿出来なかったのは申し訳ありませんでした!

12話以降の話になりますが、そろそろマンネリかな…とも思うので、最終回に向けて舵切りするかもしれません(しないかもしれません)。
書きたいシチュエーションはまだまだあるのですが、同じような回が続いてもな…という心境です。

初出:書き下ろし

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第4話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res47

第5話前半: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res69

第5話後半: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res82

第6話前半: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res93

第6話後半: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res105

第7話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res115

第8話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res129

第9話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res141

第10話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res155

第11話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res174

第11話おまけ: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res186

189 名前:脱出かおすの人です[age] 投稿日:2019/10/05 13:15:23 ID:sQLkMQzOFX
アモル達から聞き捨てらならない言葉が…。
破局を願う人が多い辺り、やはり平和なエトワリアにもそういう所あるのですね…w

190 名前:名無しさん[age] 投稿日:2019/10/05 14:07:36 ID:Cd.Rwif8T1
自分の部屋で何するんですかねぇ…?

191 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/10/05 17:47:25 ID:ZSBoyeHwTb
>>189
ありがとうございます!
今思い返せばフェアリーズトリックからただ平和な世界じゃないんだぞ、という片鱗はあったのですよね…
>>190
ありがとうございます!
「はーなー?あれから自分の部屋で何してたの?」
「な、なんでもないよ…」
「じゃあ、なんでこの服、ちょっと冷えてたのー?」
「な、なんでだろうね…?」

192 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/09 17:22:31 ID:w0iD2Oekte
第11.5話を投稿します。
第12話につながる話となります。

193 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/09 17:23:10 ID:w0iD2Oekte
 sideクレア
「えへへっ。」

 花名はとてもごきげんです。なぜなら、

「まさか私にも、専用武器を作ってもらえるなんて…!」

 先日ちょっとした事件がありまして、その事件の話をポルカにしたら、なんと優先で専用武器を作ってもらえたんです!

「これはクレアとの努力の証だね!」

 花名の笑顔が眩しいです!

「でも、いいのかな。私だけこんなに幸せで。」

「大丈夫ですよ!私も幸せだし!」

「うん。なんだけど、ほら。お母さんに報告とか出来てないし…。」

 ご両親へのご挨拶…そうですよね。

 そもそも花名の世界からはたまてさん、冠さん、栄依子さんしか召喚出来てません。

 …花名の世界の人をもっと召喚したら、喜んでくれるのでしょうか…?

194 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/09 17:27:51 ID:w0iD2Oekte


という訳で11.5話終了です。
次は第12話となりますが、今までに比べて恐ろしく長くなります。投稿は明後日頃になると思います。

初出:書き下ろし

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第11.5話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res192

195 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:16:19 ID:aCGXbHewk.
お待たせしました!第12話です!
今までの回が3,000字ほどだったのに対し、今回は1万字程となっております。
ぜひ、きらら展の待ち時間などにお読みください。

196 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:17:48 ID:aCGXbHewk.
side花名
 私は杖のお手入れ、クレアは鍵の整備。

 静かだけど、心地良い時間。

「ね、花名。」

 不意に、クレアが私に声をかける。

 「花名は志温さんや葉月さん、光希さんに万年さん…。花名のもとの世界の方々を召喚したら、嬉しいですか?」

 難しい質問してくるな…。

「確かに、みんなが来てくれたら嬉しいかな…。でも…」

「やっぱり、そうですよね…。よしっ。このあと、きららさんが来るんです。頑張るので、見ててくださいね!」

「あ…うん。」

 無理、しないといいんだけどな…。

 …こんこんこん、とノックの音がして、1人の女の子…きららさんが入ってきた。

「クレア、来たよー!」

「きららさん、お待ちしておりました!」

 私は部屋の奥へ。他の人が魔法陣近くに居ると危険だから、いつも少し離れて見てる。

 ただ今日は…今日も先客がいた。

「…きんぱつ、きんぱつ、きんぱつ、きんぱつ…。」

「忍ちゃん…。」

「花名ちゃん!今日は金髪少女、出ますかね!」

「う、うーん…。」

 私達が話してる間にも、クレアときららちゃんは集中し、床に光の魔法陣を展開している。

「…開きますよ。」

 鍵を魔法陣の中心に突き刺し、回す。

 いつもより長いのって、もしかして…

『頑張るので、見ててくださいね!』

 もう、クレアは…

 私はクレアのもとに歩いて…

「花名っ!来ないでっ!」

「花名さんっ!来てはいけません!」

 きららちゃんとクレアの声に一瞬怯んで、…あっ

「花名っ!」

 転んだ拍子に、クレアの鍵に手をついてしまった。

 そこで頭が白くなって…何も考えられなくなった。

197 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:18:58 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
sideきらら

 座標指定中、花名さんが走ってきました。

「花名っ!来ないでっ!」

「花名さんっ!来てはいけません!」

 しかし、かえって驚かせてしまったみたいで、足をもつれさせて…

 鍵に触ってしまいました。

 その瞬間、花名さんの体が光の粒子になりました。その粒子は鍵に吸い込まれ、魔法陣の中に放出されて…

「花名っ!?」

「落ち着いて、クレア!」

「でもっ!」

「花名さんを召喚するよ!」

「…!」

 その言葉でクレアは、花名さんの世界を再び探し始めました。

「花名っ…。」

 まだ、繋がりません。

「花名っ。」

 繋がりません。

「…花名っ!」

 …!つ、繋がりました…。

 クレアの恋心に尊敬の念をいだきつつ、私は魔法陣に集中します。…絡んだパス。その中からクリエメイトの気配を探します。…これは、たまてさん。…たまてさんからのパスが多い…。っ!一本だけ太いパスがっ!…いましたっ!花名さんです!…慎重に、花名さんを喚びます。…。…これは…。

「花名のクリエの気配です!」

「…ごめんね。」

「な、何を謝って…。」

 魔法陣の上に人の形が作られる。そして、

「え、ええっと…ここはどこでしょうか…?」

 周りを見回している少女は、紛れもなく花名さんでした。

198 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:19:59 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
side花名

「どこまで、覚えていますか?」

 杖を持った女の子が聞いてくるけど…周りは見覚えのない部屋。

 …ま、まま、まさか、ゆゆ、誘拐っ!?

「…花名…だよね…?」

「なな、なななななんで私の名前を…。」

「…忍さんっ!」

「は、はいっ!」

「…冠さんと栄依子さん、それからたまてさんを呼んできてください。」

 冠ちゃんに、栄依子ちゃんに、たまちゃんまで…いったい、どうなってるんだろう…。

 忍、と呼ばれたこけしみたいな少女はこのお家のドアを出ていった。

「きららさんっ!花名の記憶の召喚は、できないんですかっ!」

 青い紙の女の子が叫ぶ。私の…記憶?

「…さっきのときに全てが消えちゃったみたいで…。…ここにいる花名さんは、私達が初めて召喚した花名さんなんだよ…。」

「そう…ですか。」

「…クレア?」

「…え、エトワリアへようこそ!こ、この世界…世界、では…」

「…クレア。」

 感情を押し殺して説明している青い髪の女の子は、全く知らない私から見てもとても痛々しく見えた。

199 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:21:44 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
sideたまて

 かむちゃんやえーこちゃん、それからトレーニング帰りだというカレンちゃんと共に、商店街を歩いています。こんな時、花名ちゃんも一緒なら…

「『花名ちゃんも一緒なら良かったんですが…』でしょ?」

「えーこちゃん、人の心を読まないでくださいよ!」

「誰から見てもわかる。」

「むしろわからないわけがないデース!」

「…本当ですか、えーこちゃん?」

「あら、このハンカチの刺繍、全員が金髪の妖精族の金髪を使ったものなんですって!」

「いろいろあって、仕入れたほうが他の商品が安かった。」

「シノが喜びそうデース!」

「ちょっと、聞いてくださいよぷきー!」

「み、みつけました、みなさん!」

「うわさをすれば」

「見て下サイシノ!このハンカチ、金髪少女の金髪で…」

「カレン!もっと詳しく教えて下さい!」

「いやいや、それどころじゃない慌て方してたけど…。」

「はっ!そうでした!みなさん、今すぐ召喚の館に来て下さい!」

「はて、どうしてでしょう?」

「花名ちゃんが大変なんです!」

「花名が…?」

「ん。なら早く向かうべき。」

「そ、そのまえに、その金髪少女のハンカチ…って高いですね!?」

「え、そうデスか?」

「…でも気になります!コルクさん、このハンカチについて教えて下さい!」

「カレン、早く行くわよ!忍は…無理ね。」

 一体、何があったというのですか、花名ちゃん!

200 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:22:26 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
side花名

 …本当に、異世界なんだ。

 私は、目の前で起こった出来事に、ただただ驚いていた。

 こけしみたいな女の子が呼んできてくれたのは、たまちゃん、冠ちゃん、栄依子ちゃん…と金髪の女の子だった。

 たまちゃんは光を飛ばす剣、冠ちゃんは爆発するフラスコ、栄依子ちゃんは何もないところから風を起こしてくれた。

「それにしても…花名ちゃんは何も覚えていないってことですよね?」

「うん。だから、皆とやったことを覚えていないのは残念、かな。ね、何があったのか教えて?」

「「「「「「………」」」」」」

「ど、どうしたの、皆黙っちゃって…。」

「そ、それでは花名さん、里を案内しますよ!」

「う、うん…。」

 どうしたんだろう…。

201 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:23:32 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
side春香

「ねぇ春香?」

「どうしたの、優ちゃん?」

「あれ、クレアちゃんと花名ちゃん、だよね?」

 優ちゃんが示した先には、たしかに二人が。

「じゃあ私達はあっちに行こっか!二人の邪魔になっても…」

「そうじゃなくてね、二人とも、いつもと違うように見えるよ?」

「違うって、どういうふうに?」

「うーん、なんかね、花名ちゃんがクレアちゃんと話してるとき、全然笑顔がないなって。」

「気づいてしまったデスか…」

 私達の後ろから声をかけたのは、カレンちゃん!

「実は…」

 カレンちゃんの話は、私達を凍りつかせるには十分すぎる内容だった。

「私はあの二人を見て『恋』というものがどういうものか、何となく分かった気がするデス。…だからこそ、私は二人に、二人自身に乗り越えてほしいと思ってマス。」

 …私達にできることは、何もないのかな…。

202 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:24:22 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
sideカレン

「それじゃあ、私は再び追いかけに戻るです。何かあったら問題デス。」

 私はハルカとユウに別れを言って二人を追いかけ…二人からかなり離れてしまいマシタ…。

「…<メモリア・ラウズ>。」

 地面に剣を打ち付けて加速…こっちのほうが初速が出るデス。

 それにしても、ハナのあの目…

『…本当に、何もしないの?』

 自分の思考が、問いかけてきマス。

『これは、第三者が介入してもどうにもならないことデス。』

 自身を正当化するデス。

 でも…。こんな時、アリスなら…私のヒーローならどうするデショウ…。

 …自分でも知らないうちに疲れてたみたいデス。

 そして、自分が周りをよく見ずに移動していたことに気付きマシタ。

 …森の中に入って、何をするデス…?

203 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:25:03 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
sideクレア

 …変わってない。

 あのときも同じように、こんなふうにお花が咲いていました。

「…クレアちゃん、ここ、里の中じゃ…。」

「花名さん…いえ、花名…っ!本当に覚えてないの!?ここの事、少しもっ!?」

「…ごめんね。」

 …やはり、花名さんの中に、花名の記憶は残ってないんですね…。

「…クレアちゃん。」

「…里に、帰りましょうか。」

 …痛々しいでしょうか。…醜いでしょうか。

 …でも今は、今だけは、強がらせて下さい。

 強がっていないと。

 せめて、花名さんの前では強がっていないと、壊れてしまいそうですから…。

204 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:26:53 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
sideたまて

 ふと、月を見たくなりました

 真夜中なのは承知の上です。

 …クエストゲート広場にでると、先客がいました。

「あ、たまちゃん。」

「花名ちゃん…。」

 花名ちゃんの隣に失礼します。

「私達の世界と、月って似てるんだね。」

「…そうですね。」

 ……。

「花名ちゃん。一つ、聞いていただいてもいいでしょうか。」

「え?」

「花名ちゃんとしては、この世界に来たばかりで、不安ばかりかもしれませんが…。」

「聞くよっ!何でも言って?」

「…では、お言葉に甘えまして。」

 …本当に、私はずるい人間です。

「…私、好きな人が居るんです。」

「そ、そうなんだ…。」

「でもその人は、他の人と付き合っていて、他の誰もが入り込めないほど相思相愛なんです。」

「…そうなんだ。」

「だけれどある日、アクシデントでその二人は離れてしまったんです。」

「……。」

「そんな時、私はどうすればいいのでしょうか…。」

「……。」

「なーんて、それだけですよ、気にしないで下さい!」

 私は立ち上がって、家に帰ろうと…

「待って!」

 花名ちゃんが声を上げて、立ち上がろうとし、石畳に足を引っ掛けました。って、こっちに倒れて…

「…んっ!」

「んんっ…!」

 …今の…感触は…!

「ご、ごごごごごごごごめんね!?ききっききききき…」

「花名ちゃん、落ち着いてください!」

「で、でも、たまちゃん、好きな人が居るって…」

「その人って、花名ちゃんです。」

「え?」

「私が好きなのは、一之瀬花名ちゃんなんです!」

 …言ってしまいました。

「え、ええ、えええええええええええええっ!?」

 その時、視界の隅に、青い髪が映りました。

 …あれは、まさか、

「クレアちゃん!?ち、ちがうんです!い、いまのは…」

 それでもクレアちゃんは足を止めず、走り去っていきました。

205 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:28:04 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
sideクレア

 うそっ!うそですうそですうそですっ!

 花名が、私以外の人とキス…。

 絶対嘘です!

 ……。

 …分かってます。あれは事故だし、そもそも花名がああなってしまったのも私に責任があります…。

 …なので絶賛、引きこもり中です…。

『クレアなら、そうやって塞ぎ込んじゃうかなって思ってた。』

 幻聴、でしょうか。花名の声が聞こえます。

『…もう、少しは信じてよ。私は花名。本物だよ?』

 …本当に、本物なんですか…?

『あーっ!クレア、敬語になってる!じゃあ私もクレアちゃんって呼ぼうかな?』

 …本当に、花名だ…!でもそれなら、なんで私の中から聞こえて…そもそも、どうやって…

『すこしだけ、いいかな。…私は鍵に触った時、ものすごい勢いで鍵に吸い込まれたの。そのときに私の殆どの部分はゲートの中に放出されちゃったんだけど、私の大切な部分は無意識に、流れに逆らってクレアの中に入ったみたいなの。』

「それが、今の花名…。」

 …花名が今、残っているなら、花名をもとに戻せるのでは…?

『さ、さあ、どうかな…?で、でも、このままなら、『クリエメイト』が帰った後でも、私は残れると思うし…。」

 ダメだよ、諦めちゃ!…そうだ、魔法なら、オルバさんやアモルさんが詳しいんじゃ…よし、行ってみよう、ね、花名!

『…う、うん…。』

206 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:29:01 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
「そりゃ、また厄介なことになってるんだな…。たしかに、戻す方法は少ない。」

「でも、ないわけじゃないのよ?」

 オルバさんとアモルさんに話すと、二人はそう言って、森の外を指しました。

「向こうに、記憶を封じ込める宝石、というものがある。本来は忘れたい記憶を封印するためのものだが…」

 記憶を封印する宝石…。またそれを取りに行かないといけないんですね…。

「その顔は知ってるって顔ね。それなら話は早いわ。…今、花名さんはクリエの状態なの。そして、その宝石は記憶をクリエに変換して保持する。記憶はクリエのまま取り出すこともできるから、それくらいなら応用が効くの。」

「…ただ、以前にその宝石で記憶をいじったことがあるって言うなら、花名は気づいていたんじゃないか?」

「…そうなの、花名?」

『…うん。』

「な、なんで…。」

『私、クレアとずっと一緒にいられるなら、このままでもいいって。そう思ったの。クレアと一緒にいられるチャンスがあるのなら、そのチャンスを逃したくないって。…そう思っちゃダメって、分かってはいるんだけど…。』

「…花名さんをもどしたら、もうあなたに戻すことはできないわ。よく考えて使ってね。」

 そういったオルバさんとアモルさんは、静かに箱へと戻っていきました。

「…ね、花名。一つ提案があるんだけど…。」

207 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:30:35 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
side花名

 えぇっと…どういう状況なの…かな?

 目の前には不思議な液体の入ったフラスコ。

 そして、どうぞ飲んでくださいとばかりにこっちを見るクレアちゃん…。

 ももっ、もしかして、あなたは本物の花名じゃないから死んでくださいってこと!?

「…飲むん…だよねこれ。」

「はい、飲んでくだ…え、いいじゃん。花名じゃなくて、花名さんだし…そう、花名は特別なんだから。…あ、すみません。飲んでください。」

 …すっごく不安なんだけど…。

「先に飲んでみてもらえる…かな?」

「わかりました。」

 …クレアちゃんがフラスコの半分を飲んじゃった…。

「ほら、花名さんも飲んでください。」

 …害はないってことだよね。…えいっ!

 クレアちゃんが私の手を握っ…

 な、なにこれ…すごくくらくら…する…。

『ごめんね。入れ替わりの薬を飲んでもらったの。』

 …すごく聞き覚えのある声。

 その声は…!

「私!?あれっ!?」

 身体が、クレアちゃんに…

『私の意識は、クレアの身体に紐付いているみたいだから。…私は、一之瀬花名。あなたが来る前にいた私。』

 …ここに、その記憶があるってことは、もしかして、私に記憶を戻したりすることができるってことなのかな。なら…

「私、あなたに私を返したい。」

『え…?』

「元々、私はここにいるべきじゃないと思う。だって、私よりも先にあなたが来たんだし、それに…あなたはクレアちゃんが好き、なんでしょ?」

『…でも私、ここにいればずっとクレアと一緒だし…。』

「触れ合えなくてもいいの?それに恋人ってことは、きっと将来、き…キス、とかもするだろうし…。私は、『私』にちゃんと生きてほしい、かな…。」

『…そっか。私、むしろ遠くの利益だけを見ちゃってたんだね。…ありがとう、花名。』

「ううん、どういたしまして、花名。…クレアちゃん。」

「はい。…それでは、これを飲んでください。」

 戻るのも薬なんだ…。

208 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:32:20 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
 私が、このエトワリアにいるのもあと少し。

「あれ、花名ちゃん!」

「あ…えっと…春香ちゃん。」

「…どうしたの?」

「…私、『私』を私に返すことになったんだ。」

「…えっと…うん?」

「だから、私の…この気持ちも消えちゃうんだなって。」

「…この気持ち…?」

「うん。私がたまちゃんを好きな気持ち。」

「そう、なんだ。」

「あはは、おかしいよね。同じ人なのに、好きな人が違うなんて。」

「…うーん。…いいんじゃないかな。」

「え?」

「だって、私だって優ちゃんに声をかけてもらえなかったら。私と優ちゃんは親友になってなかったんだもん。…何を経験したか、でその人の好きな人って変わると思うんだ。」

「…私と私は、私だけど、私じゃない、別の経験をした人間なんだね。」

「…ところで、ちょっと顔青いけど、…結構無理してる?」

「…じつはしてます…。」

 緊張でがちがちだったけど、春香ちゃんと話して、少し楽になった…かな。

209 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:33:07 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
sideたまて

 …私個人としてはとても気まずいのですが…。

「では、宝石を取りにでかけましょう!」

 …なぜ、私は呼ばれたのでしょうか?

「…たまてさん、迷わないでください。花名さんたっての希望です。」

 …昨日の、キスの件でしょうか…。

 怒られる!絶対怒られます!

「たまちゃん、よろしくね?」

 …花名ちゃん、少し顔を赤くしています。あのときのことを変に意識されてますねこれ…。

 …では、私を呼ばなければ恥ずかしがる必要もないはず…。

「改めて説明します。以前の騒動のあと、宝石はもとの場所に戻しました。なので、また取りに行かなければいけません。宝石を回収したら、私の中にいる花名をふぉーまっとします。その後、花名さんに宝石からの記憶を読み取って、吸収してもらいます。」

 事前に言われたことの再確認ですが、何度聞いても不思議な気持ちになりますね…。

「…それじゃあ、行こう。」

210 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:36:11 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
sideクレア

「…ここ…でいいんだよね?」

「はい。」

 宝箱の中から宝石を取り出します。

「…花名、いい?」

『うん。……』

 花名が集中した瞬間、宝石が白く光りました。

「花名さん、準備は良いですか。」

「…うん。大丈夫。」

 私が花名さんに宝石を渡そうとしたその時。

「グルルルルルル…」

 魔物に、宝石を取られてしまいました!?

「これは…とんだデジャヴですね…。」

「お、追いかけましょう!」

 …それから5分後。

「…完全に見失いましたね。」

「ど、どうしましょう!あの宝石には、花名がいるのに…」

『落ち着いて、クレア。前の時のこと、思い出して。』

「前の時…は確か…」

 私は息を吸いました。そして、

「ま、魔物さーん!ありがとうございまーす!お礼に1割を差し上げまーす!」

「え、ええぇー…」

「よ、よく覚えてましたね…」

「…グルルルルル…。」

「…さっきの魔物だよ!」

「花名ちゃん、援護お願いしますっ!」

 たまてさんが行きます。しかし…。

「な、なんですかこいつ!前にいたのと、行動パターンが全然違いますよ!」

 目くらましに光球…前の魔物とは別個体みたいです…!

「ま、まずいですよう!?」

 たまてさんに魔物が接近して…!

211 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:37:03 ID:aCGXbHewk.
「カレン、参上デース!」

 たまてさんの前にカレンさんが超高速で跳んでいきました!

「人の恋路を邪魔するやつは、許さないデス!」

 そしてカレンさんが集中します。

「…!…今だけ…力を貸して下サイ…!」

 すると、カレンさんの剣に異変が起こりました。

 とても長い、です。魔力で補強された剣は、少なくともカレンさんの身長の1.5倍はありそうです。

「<必殺エターナル波動剣>デス!」

 そして、カレンさんが跳躍します。

「<月夜の鬼コーチ侍>!!」

 すると、魔物が大きくのけぞり、宝石が中を舞って…花名さんの手に収まりました。

「できた、デス…。」

 カレンさんはもとの大きさに戻った剣を突き刺し、身体を支えました。

「…ハナ!ハナがクレアのことを好きなように、ハナにも好きな人がいるのではないデスか!?…今伝えずに、いつ伝えるんデスか!?」

「…!な、何で…」

「見てたら気づいたデス。…今しかないデスよ!」

「…うん!」

 すると、花名さんはたまてさんの方に歩いていって一言、なにかささやきました。

 そして。

212 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:38:29 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
side花名

「ただいま、クレア。」

 私はクレアに向かって一言。これだけで、クレアには通じたみたい。

 私は杖を構え直す。今度は私が…クレアを元気にするんだから!

 その時、杖が光った…!ななな、何が起こってるの!?

 私はあわあわしつづけて…そして、この光の暖かさに気づいた。

 …これは!

 わたしは、杖を天に掲げて叫んだ。

「<秘めた思いを胸に>っ!」

 すると、私と、クレアと、たまちゃんの前に半透明のパネルが現れた。

 私達の攻撃は通るけど、向こうからの攻撃は通らないみたい。

「どんな攻撃でも耐えられますよ!」

「花名、すごいです!」

 私にも何でできたかわからないけど…。あぁ、そっか。あなた、なんだね。

 魔物の攻撃は、全てバリアに弾かれた。私達は少しずつ魔物を追い詰めていって…。

 私達を倒せないと悟った魔物は、森の奥に逃げていった。

「よ、良かったぁ〜。」

 つい気が抜けて、倒れそうになる。

「よっ。」

 でも、クレアがそれを支えてくれる。

「ふふっ」

「えへへっ」

「それじゃあ、帰ろっか。」

「うん。」

 私達は、存在を確かめ合うかのように、強く手を握りあった。

213 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:39:49 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
side???

「何故、私を手助けしてくれたデスか…?」

   *   *   *
sideクレア

「…クレア。話しておかなきゃいけないことがあるの。」

 夜、ベッドの中で、花名がいつになく真剣な表情で言いました。

「実はね、クレアの中に入ったことで、クレアとのつながりが強くなったみたいなの。」

「…えっと…つまり?」

『つまり、こういうこと。』

 花名の声が、頭に…!

「それからね、クレアの記憶、見えちゃったんだ。」

 わ、私の記憶、全部見られっ…!

「ね、クレア。」

 な、なんで、パジャマのボタンを外して…

「私、見ちゃったの。」

 不要になった衣服が、下着が、ベッドの外に追いやられます。

「クレアが前に見た、『もっと親密になる夢』。」

 続いて、花名の手は、私の服のボタンを外します。

「…私、そういうこと知らなかったのに…。」

 花名は焦らすように優しく、私の服を脱がせていきます。

「だからさ、クレア。」

 花名の手は私の下着を脱がして、一度止まりました。

「…しよ?」

214 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:42:18 ID:aCGXbHewk.
   *   *   *
 ふわふわした足取りで、部屋から出ました。

「はぁ…好きぃ…」

 まだ、余韻が消えません。

「…く、クレア、おはよう…。」

「お、おはよう!」

「……。」

「……。」

「さ、流石にこのままじゃ…だめだよね…。」

「お、お風呂入ろっか…。」

 …1時間後。

 なんとか身支度を整えた私達は、朝ごはんを作ろうと思い、立ち上がりました。すると、こんこんこん、とノックの音が聞こえます。

「はい、どなたですか?」

「はい、百地のたまちゃんでいす!本日はおすそ分けに参りました!」

 そう言いながら入ってきたたまてさんが持っていたのは、お赤飯。

 思わず花名と顔を見合わせます。

「今日はお二人のお付き合いからちょうど1年じゃないですか!」

 …!そうでした。

「あ、それでは、邪魔者はこれにて…」

「ちょっと待って。」

 …花名?

「昨日、『私』から託されたの。たまちゃんに渡してって。」

 そう言って花名が出したのは、記憶を封じる宝石でした。

 そしてそれを受け取ったさんは、崩れ落ちました。

「…はな、ちゃん。」

 たまてさんは宝石を見つめ…そして、ちょっと悲しそうな、嬉しそうな複雑な笑顔をして言いました。

「花名ちゃん、ありがとうございます。宝石を、渡してくれて。」

 そう言い残し、たまてさんは館を出ました。

「たまちゃん、大丈夫かな…。」

「大丈夫だよ。だって、あの顔は、なにか大事なものを見つけたって顔だったから。…ところで花名、今日は私達の付き合って1年の日なんだって。」

215 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/13 10:42:38 ID:aCGXbHewk.
「う、うん。…もしかして、忘れてたの?」

「わわ、わすれてないですよー?」

 完全に忘れてました…

「完全に忘れてました…って思ってるでしょ?」

 ぎくっ!

「ふふっ。でも日付単位では覚えてたんだね。付き合い始めて365日って覚えてて。365日と1年がつながらなかったんでしょ?」

「…そこまでわかるなら、私がどこに行きたいか分かるんでしょ?」

「でも、それはクレアから聞きたいな。」

「もう、花名ったら。」

 この一年間、いろいろなことがありました。

 花名と出会って、楽しいことも辛いこともたくさんあったけど。

 きっと、そのどれもがかけても、今の私達はありませんでした。

「…花名。」

 私は、花名が好き。だから。

「私と、あのお花を摘みに行きませんか…?」

216 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/10/13 10:48:12 ID:aCGXbHewk.

と、いうわけで。本編としては最終回となります。
近いうちに(もしかしたら今日中かもしれないレベルで)各話解説、登場作品紹介などをして基本的には終わりです。

…気が向いたら、自己満足のほのぼの回などは投稿するかもしれません。

初出:書き下ろし

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各話ジャンプ

第1話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res1

第1話おまけ: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res20

第2話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res26

第3話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res37

第4話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res47

第5話前半: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res69

第5話後半: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res82

第6話前半: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res93

第6話後半: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res105

第7話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res115

第8話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res129

第9話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res141

第10話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res155

第11話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res174

第11話おまけ: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res186

第11.5話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res192

第12話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res195

217 名前:名無しさん[age] 投稿日:2019/10/13 12:24:55 ID:ZVVJbimpUA
きれいに話がまとまっていて面白かったです。
きらファンの武器や技名を用いた戦闘も斬新でした。
シリアスな中でのこけしみたいな少女でクスッとしまた。
>>211のたまちゃんに「なにか」をささやくのも素敵でした。

218 名前:人見知り◆tAB7QcnOfQk[age] 投稿日:2019/10/13 12:28:56 ID:K.ZjWppgyS
とても良かったです。
三角関係でも、単純な負けヒロインみたいにならないところに優しさを感じました。
エトワリア特有の事情がうまくストーリーに組み込まれてると思います。

219 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/10/13 20:56:20 ID:aCGXbHewk.
>>217
ありがとうございます!
専用武器の技名が台詞寄りじゃなくて助かった…という感じです。
中々ネタが仕込めない中、唯一自然に仕込めた笑いどころです…!ありがとうございます!

>>218
ありがとうございます!
どちらかといえばクレはな派な私ですが、はなたまも好きなんです…!
エトワリアだからこそできる作品を書きたくて…そう感じていただけたなら良かったです!

220 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/14 20:09:21 ID:0HJL4oy1Mx
さて、登場作品紹介と各話解説です。
これで(一応)ラストとなります。

221 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/14 20:09:35 ID:0HJL4oy1Mx
原作・イメージレスポンス作品一覧です。

きららファンタジア
https://kirarafantasia.com

スロウスタート
https://slow-start.com (アニメ)

きんいろモザイク
http://www.kinmosa.com (アニメ)

NEWGAME!
http://newgame-anime.com (アニメ)

うらら迷路帖
https://www.tbs.co.jp/anime/urara/ (アニメ)

Aチャンネル
https://www.a-ch.jp (アニメ)

けいおん!
https://www.tbs.co.jp/anime/k-on/k-on_tv/ (アニメ)

ステラのまほう
http://magicofstella.com (アニメ)

がっこうぐらし!
https://gakkougurashi.com (アニメ)

桜Trick
http://www.tbs.co.jp/anime/sakura/ (アニメ)

こみっくがーるず
http://comic-girls.com (アニメ)

キルミーベイベー
http://killmebaby.tv/top.html (アニメ)

ブレンド・S
https://blend-s.jp/sp/ (アニメ)

はるかなレシーブ
http://www.harukana-receive.jp (アニメ)

ひだまりスケッチ
https://www.tbs.co.jp/anime/hidamari/ (アニメ)

ご注文はうさぎですか?
https://gochiusa.com (アニメ)

すわっぷ⇔すわっぷ
http://www.dokidokivisual.com/comics/book/past.php?cid=1108 (コミック)

天王寺渚「冒険者稼業に飽きた最強パーティーのリーダーが仲間と金髪少女を拝みに遠征へ行くことになった話」
http://kirarabbs.com/index.cgi?read=334&ukey=0 (SS)

THE REASON ~Why Karen Draws Her Dear Sword in This World~
http://kirarabbs.com/index.cgi?read=1480&ukey=0! (SS)

(以上、登場順)

222 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/10/14 20:16:10 ID:0HJL4oy1Mx
第1話「花名とクレアと友達と」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res1
元々、イベント「友達の友達は友達大作戦」の続きが書きたいと思い、投稿した作品です。1話完結にする予定だったのですが、様々な経緯からそこそこの長さの作品になりました。
ちなみに私は召喚した10人が全員花名ちゃんだったことは一度もありません。

第2話「一緒のお家で」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res26
pixiv版では投稿しなかった回です。何故か私の中では花名がクレアと一緒に住んでいるのがデフォだったので、この二人が一緒に住むことになった経緯を書いてなかったんです。なので急遽追加した回となっています。ちなみに、婚姻届はバレンタインイベントを見て思い付きました。

第3話「里の音楽祭!〜Claire & Hana Pickup Version〜」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res37
おそらく、pixiv版と一番大きく変わった回です。pixiv版ではメインがフル☆フルのメンバー(もっと言えばテルさん)だったのですが、クレはな以外のシーンを基本的にカットしました。
ちなみにpixiv版でコルクがマイクを作っている描写がありますが、あれはカンナが忙しすぎて手が回らず、コルクがマニュアルとにらめっこしながら作った経緯があります。

第4話「海の家インザカップル」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res47
海の家オブザイヤーの時系列です。
元はクレアが花名のことを本当に好きなのかを悩む回だったのですが、第2話で使ってしまったので飽きられてしまう、という内容に変更しました。
花名ちゃんの水着実装はよ!!

第5話「勘違いと真実と」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res69
BBSでは初めての「違う視点で同じ話」です。pixiv版ではメリーが出てきますが、ストーリー変更に伴いカットされ、可愛そうなことになりました。ちなみにこの回の春香さんはお気に入りです。

第6話「大切な名前」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res93
pixiv版ではうっかりしていた呼び捨ての回です。あとあぎりさんのキャラつかめない問題がすごいです。
花名のクレアへの愛の大きさを表す回でもあります。

223 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/10/14 20:16:34 ID:0HJL4oy1Mx
第7話「花名の初仕事」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res115
コールは召喚、召喚は基本的には使役魔法とセット…という連想からコールの設定を作成しました。
あとたまてはかなりキャラ崩壊してしまいましたね…たまて好きの皆様、申し訳ないです。

第8話「天国と地獄と」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res129
試練の島をはるかな以外のメンバーが攻略したら…というところからイメージをいただきました。余談ですが煙のなびく方向にゴールがあるというのはゼルダの伝説ブレスオブザワイルドがモチーフだったりします。

第9話「それも私達だから」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res141
がっこうぐらし色が強い回です。前にも書いた気がしますが、由紀のアニメ範囲外の設定を使うのに少し躊躇がありましたがアニメでもラスト覚醒してたよねということで覚醒させました。

第10話「あなたの体温」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res155
酔わせたかった!酔わせたかったんです!クレアちゃんを!!!酔わせたかったんです!!!!あと花名ちゃんのちょっと毒を吐くとこを表現したかったんです。

第11話「私はあなたの中で」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res174
実は入れ替わりネタも好きな私です。アモルちゃんの嫉妬もかわいいと思うんです。
あとおまけは趣味全開です

第12話「ゆっくりでも、がんばりますっ!」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res195
メモクエは「専用武器を入手するためのストーリー」と自己解釈しています。あと最終進化スキルは本当にピンチのときに、様々な条件で発動するものだと考えています。そして、全体の前半部分にはほぼ全話にカレンが登場します。なのでカレンの成長としてカレンの最終進化スキルを登場させました。
あとはなたまも好きです。

途中でコメントしていただいた皆様、とても励みになりました!
あと、疑問などがあればできる限りお答えします。今後の作品の参考にも致しますので、ぜひお願いします。
ここまでお読みいただきありがとうございました!

224 名前:人見知り◆tAB7QcnOfQk[age] 投稿日:2019/10/14 21:13:52 ID:6oc2A0tWAl
改めてお疲れ様でした。
遠回りしながら、愛を深めていく物語が尊かったです。各話のゲストも個性や設定が活きていました。

225 名前:名無しさん[age] 投稿日:2019/10/15 05:53:48 ID:vgOrmqpurX
このふたりがついに一線をこえたのがとてもよかったです。

226 名前:◆BaMzAK82VoE[sage] 投稿日:2019/10/15 06:35:09 ID:d7BY4Zp8Wm
二人の関係がより親密(意味深)に……二人の絆、この均衡を保つ為に神々が力を合わせてエトワリアを守らなきゃですね

227 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/10/16 21:35:20 ID:D2PV1axFzI
>>224
ありがとうございました!
例えメインキャラで無くても、そのキャラが何をしていたのかを考えながら書いています。なので、そう言っていただけるのはとても嬉しいです!

>>225
ありがとうございました!
いやー、一線こえちゃいましたね〜
いつこえてもおかしくはないと思ってましたが…


>>226
ありがとうございました!
親密に…ですね!
よし、課金しましょう(そこじゃない)
あと念の為言っておきますが、Rー18作品ではないですからね?


ちなみに、近いうちにpixivの方にまとめたものを投稿する予定なのでそちらもよろしくお願いします!

228 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/10/25 17:24:27 ID:x4zec7np1L
直接BBSとは関係なく申し訳ありませんが、pixivに「きららファンタジア -ゆっくりでも、がんばりますっ! 〜Blessing Bloom Story〜-」としてこちらのまとめを投稿しました。
基本的に誤字修正以外はベタ移植ですが、おまけとして1本BBS未投稿の回を収録しておりますのでぜひご覧ください!
なお、おまけ回は後日こちらにも投稿させていただく予定です。

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11859799

229 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/11/05 06:47:54 ID:HMBC6zieY0
これより、えくすとら第1話を投稿します。
内容はpixivに投稿したものと同一になりますのでご注意ください。

230 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/11/05 06:50:41 ID:HMBC6zieY0
side花名

 朝。私が机の横にかばんをかけると、後ろからすごい衝撃が襲ってきた。

「はーな!」

「ひゃあっ!もう、クレア…びっくりしたよ…。」

「ふふっ。ごめんなさい。でも、花名に会うのが待ち遠しくて…。」

「クレア…。」

「あらあら、朝から熱いわね〜。」

 横から声をかけてきたのは栄依子ちゃん。冠ちゃんとたまちゃんも一緒。

「朝からアツアツ。」

「でもあんまりいちゃいちゃしてると、たまが拗ねるわよ?」

「なっ!なにをいいますかえーこちゃん!拗ねてませんよ!」

「ふふっ。花名は私のものですよ?」

「い、いくら彼女といえども、花名ちゃんを私物化はいけないですよ!」

 いつもの朝。授業が始まる前の憩いのひととき。

「…ねぇ、栄依子?何で私達、朝から昼ドラ見せられてんの?」

「アハ、いつものことじゃない。」

   *   *   *

sideクレア

「はい、じゃあ分かる奴は手を挙げろー。…つっても誰も挙げないよな…」

 じゃあ、と私の名前を呼ぶ榎並先生。

 私は数学があまり得意ではありません。この問題も、あっているかどうか…。

 私は左隣にいる花名をちらりと見ます。すると、

「!」

 両手で小さくガッツポーズ。それだけで、私の不安は消え去ります。

「…あー、正解なのは良いんだが、授業中は二人の世界に浸らないように。」

 花名と二人で赤くなります。

「じゃあ先生との世界もだめなんですかー?」

「駄目だ。」

「えー、けちー。」

「テストまでに範囲が終わらなくなるだろ?」

「えー、良いじゃないですか少しくらい。」

「…栄依子。」

「な、何故名前で…」

「別に良いだろ、栄依子?…で、何かあるんじゃないのか?」

「い、いえっ…何でも…ないです…」

「そうか?遠慮はいらないぞ?」

「本当に…なんでも…」

「そうか。…じゃあ授業を再開するぞ…」

 ふ、二人の世界でした…

231 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/11/05 06:51:51 ID:HMBC6zieY0
   *   *   *

side花名

「一之瀬さん。日誌とごみ捨て、どっちが良い?」

 今度は、ちゃんと。

「じゃ、じゃあ、日誌を持っていくね。」

「わかった。じゃあ私はごみ捨てね。」

 私は日誌を持って先生のところへ。

「ご苦労だったな、一之瀬。」

「は、はいっ!」

「…どうだ、学校生活は。」

「はい。楽しいです。」

「…そうか。…彼女ができたみたいだが。」

「え!?えぇと…はい…。クレアには、その…浪人のことも話してあって…。」

「頑張ったんだな。…。あー…。こういうの苦手なんだよなぁ…。まあ、学業に支障が出ないようにしろよ?」

「は、はい…」

 私は、失礼しましたと声を出して職員室を出る。すると、

「…花名。」

「クレア?」

「…私、もう我慢できません。」

「ふふっ。本当にクレアは好きだね。…今は人もいないし、少しだけ、だよ?」

「はいっ!」

 私達は目をつむって唇を重ねる。もう何百回もやったのに、今でもドキドキする。

 花名、とクレアが呼びかけてくる。クレア、と呼びかけ返す。

 唇がふさがっていても、感覚だけで分かる。

 …やがて、唇を離す。誰かが来たら困るから。

「それじゃあ、帰ろっか。」

「はい!」

 二人で手をつないで、私達は学校を出た。

   *   *   *

sideきらら

 クレアさんに呼ばれてきましたが…花名さんもクレアさんもぐっすり眠ってますね。召喚はまた今度にしておきましょう。

232 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/11/05 06:54:46 ID:HMBC6zieY0

というわけで、えくすとら第1話でした!
お付き合いいただき、ありがとうございました。

初出:pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11859799

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各話ジャンプ

第1話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res1

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第5話後半: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res82

第6話前半: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res93

第6話後半: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res105

第7話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res115

第8話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res129

第9話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res141

第10話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res155

第11話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res174

第11話おまけ: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res186

第11.5話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res192

第12話: https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res195

えくすとら第1話:https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res229

233 名前:人見知り◆tAB7QcnOfQk[age] 投稿日:2019/11/05 07:17:59 ID:d/zXfEO/KV
夢魔に憑かれてないですか?
先生を召喚すればエトワリアで学校を再現できますよクレアさん

234 名前:名無しさん[age] 投稿日:2019/11/05 12:15:35 ID:Nif/QlxJjl
幸せそうでとても良いです。

235 名前:屑藻津きな◆gO0DHE5DSo6[age] 投稿日:2019/11/05 12:58:57 ID:QKqWq8CTHf
何百回と…やはりいいですね!

236 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/11/05 17:15:07 ID:Wgg7huzvq4
>>233
ありがとうございます!
憑かれてるかもしれないですね…!()
エナセン実装はよ!

>>234
ありがとうございます!
はい、二人ともとても幸せそうです!
いつかこの光景も現実になってほしい…

>>235
ありがとうございます!
そうですね!二人とも暇さえあればキスばかりですし()

237 名前:リゾチウマーΛ[sage] 投稿日:2019/11/05 17:17:41 ID:h1IInTl81C
二人が仲良く同じ夢をみている状況というのはとてもいいですね。

238 名前:雑食ノーマ[age] 投稿日:2019/11/05 20:42:23 ID:sOlXn8G0Xw
クレアが星尾女子にいるという展開は本編では無いことなの斬新でとても良かったです!

239 名前:がんこう◆nb7l6960A8Y[age] 投稿日:2019/11/05 21:42:48 ID:TbI6aIstm/
読ませていただきました
花名クレア尊い…

240 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/11/11 22:49:53 ID:/0r0JBbQOq
>>237
ありがとうございます!
そうですね!二人共、同じ願望を持っていて、それが繋がっている…この手の話はそこがとても尊いと思います!

>>238
ありがとうございます!
クレアちゃんが星尾女子にいる話はずっと書きたいと思っていたので…!ありがとうございます!

>>239
ありがとうございます!
次回も頑張りますっ!

241 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/11/11 22:50:42 ID:/0r0JBbQOq
これより、えくすとら第2話を投稿します。

242 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/11/11 22:51:24 ID:/0r0JBbQOq
sideクレア
 今日は聖典世界ではスティック型チョコの日です。
 実はこのスティックチョコ、エトワリアにも似たようなものがあるんです!
 …ですが、私がしたいのはこのチョコをただ食べることではありません。
 …スティックチョコゲーム。
 このゲームは、二人でスティックチョコを別々の端から食べていって…そして最後は…!
 スティックチョコゲーム、花名とやりたいです…!
「…どうしたの、クレア?」
「は、花名っ!なんでもないよ!」
 花名が来て慌てて取り繕います。
「ほ、ほんとになんでもないよー」
「……」
 若干の疑いの目を向けつつ、花名は立ち上がります。
「それじゃあ、ちょっと買い物してくるから。」
「何を買ってくるの?」
「な、内緒っ!」
 花名は顔を真っ赤にして館を飛び出していきました。
 …怒らせてしまったでしょうか。

243 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[sage] 投稿日:2019/11/11 22:51:41 ID:/0r0JBbQOq
   *   *   *
side花名
 はわわわわ…飛び出してきちゃったよ…
 …今日はスティックチョコの日。スティックチョコと言ったら…スティックチョコゲーム…だよね。
 …クレアちゃんとやりたいよ…。
「あれ?花名ちゃん!」
「あ、裕美音ちゃん…」
「どうしたの?なにか悩んでる?」
「あ…うん。えっと…その…クレアちゃんとスティックチョコゲームをしたいなって…」
「ふむふむ…。しちゃえばいいんじゃない?チャンスは今日だけだよ?」
「あ、うん。そうなんだけど、その…エトワリアにそういう文化があるのかなって…。」
「あー、そっか。…あ、でもそのシチュ良いかも…」
「しちゅ?」
「『ほら、反対側咥えろよ…』『で、でもそんなことしたら、お前…』『いいから…』そしてそのまま歯止めの聞かなくなった二人は…ふへへ…」
 は、歯止めが効かなくなってるのは裕美音ちゃんのほうだよね…?
「あっ!花名ちゃんごめん!」
「あ、ううん、大丈夫だよ。」
「…でも、クレアちゃんなら受け入れてくれると思うよ?それに、聞いてみなくちゃわからないし。」
「クレアなら…そうだよね、聞いてみなくちゃわからないよね!ありがとう、裕美音ちゃん!」
 私は裕美音ちゃんと別れてお店に走った。
「まったく。…さて、私は構想をふくらませるとしますか…」
   *   *   *
sideクレア
「ただいま、クレア。」
「あ、おかえり、花名!」
 花名が何かをためらっています。
 …やがて、意を決したように後ろを向きました。
 そして、再びこちらを向いた時、花名はスティックチョコをくわえていました。
 …花名も、同じ気持ちだったんですね。
 おそらく説明しようとしているのでしょう。口を開こうとして、チョコが揺れて慌てて閉じてます。そんなところもかわいいですが、このままだとスティックチョコが落ちてしまいます。
 私は花名のくわえていない方の端をくわえ、そしてそれを少しずつ食べ進めます。
 チョコを食べるたび、少しずつ距離が近づいていきます。
 やがて、その距離はゼロに達して…

244 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/11/11 22:53:00 ID:/0r0JBbQOq

というわけで、えくすとら第2話でした!
お付き合いいただき、ありがとうございました。

初出:書き下ろし、pixiv同時投稿

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えくすとら第1話:https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1563#res229

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245 名前:がんこう◆nb7l6960A8Y[age] 投稿日:2019/11/11 23:00:39 ID:wlr.fiivLe
読ませていただきました
花名ちゃんがポッキーゲームをしたくて、くわえているけど、説明ができない、というところが不器用な花名ちゃんらしくて良かったです

246 名前:リゾチウマーΛ[age] 投稿日:2019/11/11 23:06:39 ID:v2pnkjw79i
今日はポッキーの日ですからポッキーゲームssは定番ですね。
花名はクレアがポッキーゲームを知っていることを知ってどういう反応をしたのかが気になります。

247 名前:脱出かおすの人です[age] 投稿日:2019/11/11 23:09:46 ID:ldZXnVc50W
なるほど、敢えてその先を書かないという技法ですか。
クリエメイトの影響をある程度受けてるあたりエトワリアっぽいです

248 名前:名無しさん[age] 投稿日:2019/11/12 06:21:26 ID:lVp9PqC9MF
きっとチョコより甘いキスだったことでしょう。
この二人だと本数分、いやそれ以上にやってそう。

249 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/11/12 18:15:58 ID:l.r98AT6WD
>>245
ありがとうございます!
花名ちゃんは不器用ですが、それでも必死になるあたりがかわいいですよね!

>>246
ありがとうございます!
そうですね!ポッキーゲームは定番…ですがとても尊いシチュだとも思います!

>>247
ありがとうございます!
そうですね、きっとなんちゃらトリックとかあっちなんちゃらとかの聖典からの影響なのでしょう…

>>248
ありがとうございます!
この二人のことですからね…!この後のことも想像に難くないです()

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