がっこうぐらし!の現時点での単行本を全部読みました・・・。
ラスト12巻が気になります。
胡桃とクロのクロスssです。拙作ながら付き合っていただけると嬉しいです。
最初の話はシリアスな内容ではないので大丈夫です。
「カンパーイ!」
「乾杯」
夜、ライネの食堂で二人の少女が新年を祝っていた。この二人は学園生活部の一人、胡桃と棺を担ぐ旅人、クロである。
「2020年もよろしくな!クロ」
「えっと・・・私の所はまだ2020年になっていないな、私にとっては相当な未来だ」
一応言っておくが、胡桃が飲んでいるのはコーラ、クロが飲んでいるのはオレンジである。ちなみにすぐそばでセンが酒を飲んでいる。
「ああそうか、まるで浦島太郎だな」
「うらしまたろう・・・?なんだいそれは?」
「ああ!これがジェネレーションギャップって奴か!!」
「ジェネレーションギャップっていうのは・・・」
「話が進まねえ!」
この二人にはかなりの世代の差が存在するようだ。
「それにしても胡桃、君達が肉を勝手に食べたせいで悠里に怒られていたな」
「ああ、りーさんは怒るとおっかねえんだ・・・」
「彼女にはどう上手く子供に叱ればいいかよく教わっているよ。それとあのコウモリのしつけ方も」
クロとセン、学園生活部のメンバーは実はお互いの「事情」を知っている真柄なのである。一種の協力関係にあり、クロは旅人としての知識を、学園生活部は生活する力を共有しあっているのである。
「うう・・・そんなとこばっか見習わないでくれ・・・」
「クロだってガキの頃は取っておいた食糧を食べちまったことが・・・」
「そういうセンはいい加減酒を飲む量を減らすんだ・・・」
横から話しかけたセンの翼を、クロがギュッと掴んだ・・・。
「はあ・・・しかしまあ去年はあたしらかなり協力してきたな」
「ああ、私も胡桃の敏捷さにはかなり助かった。君はこの世界では大先輩だからな」
「先輩か〜。みきと同じ後輩か〜。去年クロ達が私達に協力を申し出てきた時は驚いたな・・・」
「ああ、まあ由紀は私のことを、君達に面白い話を伝えに来る吟遊詩人であると未だに思っているみたいだけど・・・」
「ああ!吟遊詩人とかすっかりこのファンタジーな世界に馴染んじまって・・・」
クロと胡桃はそのような雑談をしていた。
「クロは今年一体何をお願いしたんだ?」
そう聞かれて、クロは一瞬躊躇った。
「聞いても笑わないか?誰にも言わないか?」
「ああ!アタシは口は固いぜ!!」
「うむ、私はニジュクとサンジュが元気に暮らせますように、だ」
「クロ相変わらずあの双子好きなんだなはっはっはっ」
「!笑うなと言っただろう!!」
クロは口に出したことを少し後海してしまった。
「ごめんごめん・・・うちのりーさんもみんなが健康で暮らせますようにって願ってくれてな」
「大事にされているじゃないか。そのような友人をがいるのは大切だ」
「ああ、みんなを思ってくれる存在がいるってのは幸せだぜ・・・」
クロと胡桃はこのような平和な日常を暮らしていた。
とりあえず今回は以上です。読んでくださる方がいるならば、感謝いたします。
多分また何か投稿すると思います。
角コンピ、いいですよね。
セン − クロ − ニジュサン
りーさん − 胡桃 − 由紀
は、どことなく似た関係のようにも思えます。(学園生活部の方は同級生ですが)
明けましておめでとうございます、感想ありがとうございました。
>>7
その考えでいけば、佐倉先生はクロのあのキャラに似ているかも・・・
>>7の意見を聞き、センと悠里を絡ませてみました。
正月悠里を進化させると登場する「あの子」が出てきます
正月悠里を進化させると登場する「あの子」が出てきます
大事なことなので二回いいました。
「せんぴきのこうもりと姉妹」
「あー頭いてえな・・・ん・・・?」
昨日まで飲んでいたセンは目を覚ますと、見覚えのある部屋にいた。側を見てみると、見覚えのある少女が正月らしい服を着ていた。
「あ・・・すまねえ、介抱してもらったか」
「もう・・・センさんたら飲みすぎはよくありませんよ。街の道路に寝ていて、誰かに踏まれていたかもしれませんよ」
彼女の名前は若狭悠里。学園生活部の部長である。この部屋は学園生活部出張所である
「ああ・・・悠里が拾ってくれたのか。ありがとよ。くそ・・・クロの奴俺を放って置きやがって」
「自業自得です。るーちゃんはこんな大人になっちゃダメですよー」
そういって悠里は自分より小さな、そして大切な存在を撫でた。
「・・・お前まで俺のこと教育に悪いっていうのかよ。クロも散々俺のことをニジュクサンジュの教育に悪い悪い言うよ」
センはその小さな存在の前で、少し気まずそうにしていた。センはさっき見た初夢のことを思い出していた。
それは美しくて優しくて世話好きの少女が明るく笑っている夢であった。その少女の姿を、センは一度だけ見たことがあった。
(あの夢は縁起がいいのか・・・?悪いのか・・・?)
センはどう判断すればいいのかわからなかった。
「さっききららさんに会ったわ。クロさんに迎えにいくよう伝えに行くって」
「あいつがそんなかいがいしいことするわけねえだろ」
するとドタバタと音がした。悠里とセンが音のした方を見ると、ランプが入ってきた。
「悠里様!セン様!明けましておめでとうございます!!さっきクロ様からセン様が倒れたと聞きまして!!」
「かいがいしいというレベルじゃないのがいた・・・」
ランプは手早くコップに水を入れてセンに渡した。
「おお、ありがとよ・・・」
「私がクロ様の所へ運んでいきます!悠里様は新年のテレビありがとうございました!!これをお渡しします!!」
ランプは悠里に本のようなものを渡した。
「これは・・・?」
「昨日の放送がその本に記録されています!もう一度悠里様の麗しき活躍を見たければぜひ!」
「そうなの・・・え?るーちゃんも私がテレビに写っている自分を見てみたいですって?」
悠里はるーと呼ばれている存在にそう話しかけた。
「るー様!昨日の悠里様のご活躍はそれはそれは素晴らしいものですよ!!」
センはそんなランプを見て呆れていた。
「本当にランプは俺たちクリエメイトが好きだな・・・ありがとよ・・・」
センはランプに抱かれながらクロの所へ運ばれた。
「やれやれランプ、センをそんなに甘やかさないでくれ」
「いえいえ!クリエメイトの皆様のためなら例え火の中水の中です!!それでは私は他の皆様のために奔走しなければならないので!」
ランプはそう言って去っていった。
「セン?今年一年は酒を禁止してやろうか?」
「勘弁してくれ。それよりもクロ、俺は悠里嬢ちゃんに助けられたんだ。るーちゃんって呼ばれるチビにも会ったぞ」
「・・・・・・そうか」
「ああ、るーちゃんはお前にとってのニジュクサンジュみてえな存在なんだろうな」
「・・・センって結構優しいよね」
「結構は余計だ」
クロとセンはそのような他愛もない会話をしていた。
見ていただき、ありがとうございました。
一応るーちゃんは参戦キャラで初の子供のキャラクターになるんですかね。
なんと、※個人の感想ですに合わせた話を半日で書いてくるとは…。
センを中心に話が進むのも面白いですね。
>>15
感想ありがとうございました。
そうですね、クロ本編でのセンメイン回も結構気に入っています。
双子が参戦したらニジュクは由紀と、サンジュは美紀と絡ませようかなって考えています。
『くろのかみと由紀。』
「ねーねークロちゃん髪を二つに結んでみよ」
「は・・・?」
今の学園生活部出張所はクロと由紀だけいた。クロは突然由紀に突拍子もないことを命令された。
「君は急に何を言うんだい?」
「いいからいいから!」
由紀はクロの髪を触ってきた。
「ちょっとちょっと・・・」
クロは戸惑いながらもそのままジッとしていた。
「できた!鏡を見て!」
「由紀、こんなの私に似合わないよ・・・」
「そんなことないよー。そうしてみるとクロちゃんって胡桃ちゃんに似ているねー。やっぱり性格も似ているからかな」
「ん?そうかい?」
「そうだよ・・・胡桃ちゃんもね、結構一人で背負っちゃう所があるからさ・・・」
由紀は後ろからクロに抱きついてきた。
「クロちゃんもきっと大丈夫だからね・・・」
「・・・・・・」
クロはその言葉を聞いて、なんと返事をすればいいかわからなかった。
すると突然ドアが開いた。
「ただいまー。ライネさんとこでお菓子買ってきたぞー」
「私もご一緒しています!」
そこには胡桃とランプがいた。
「!クロ様その髪は!!」
胡桃とランプはクロの髪を見て驚いた。
「クロ様の珍しい少女らしいお姿!!これはばっちり目に焼き付けねば!!」
「おいおい、クロお前までその髪型になるのかよ。これでアタシを入れて4人か・・・」
「胡桃様!是非いずれ紫髪ツインテパーティーをいつか・・・」
「やれやれ、2020年もランプは相変わらずみたいだね・・・」
クロはこの騒々しさがなんとなく心地よく感じた。
なんかのイベントでツインテのクロとか出ても面白いですね。
ココアとかこはねとかランプとか底抜けに明るいキャラと絡ませてくれると尚良い。
感想ありがとうございました!
>>21
その三人の明るさに振り回されながらも、心の中では自分と仲良くしようとしてくれることに感謝するクロを想像しました。
「はい!できましたよ胡桃さん!!」
GAに所属する山口如月は一枚の絵を胡桃に渡した。
「お、出来たか」
「すみません人物画の練習に付き合ってもらいまして・・・」
「なに、絵を描いてくれといったのはアタシの方だ」
ちなみに由紀は『ヌード!?』とか言ってきたため胡桃にしばかれた。
胡桃は自分が描かれた絵を見てみた。
「おお、さすが美術学校の生徒。とても上手だ」
「え・・・ありがとうございます!!」
「でもなんだかアタシのシャベルがゴムで出来たおもちゃみたいだな」
胡桃はあまりにもシャベルらしくないシャベルを見て笑ってしまった。
「あははは・・・私の絵は柔らかすぎるってよく言われます・・・」
二人は完成した絵について一喜一憂をしていた。
「そういや如月、クロの絵も描いているのか?」
「はい、よくモデルになってもらっています!」
「如月ってクロと仲いいよな・・・見せてもらってもいいか?」
如月がクロッキー帳を開き、胡桃はクロの絵を見せてもらった。
「お、あいつらしさがよく出ているな」
「そういわれるとうれしいです!そういう胡桃さんもクロさんと仲いいですよね」
「まあな!!あいつには妙な縁を感じるというかなんか・・・」
「私も胡桃さんともっと仲良くなりたいです!」
如月はいつものような屈託のない笑顔を浮かべた。その表情に、胡桃を笑い返した。
胡桃はクロに如月に絵を描いてもらったことを話した。
「そうか・・・私は彼女と出会えた事を光栄に思うよ」
「ああ、如月って本当に眩しいよな・・・これから先の人生、幸せに生きられて将来素敵な女性になるんだろうな」
「ところで胡桃、君の絵も見せてもらおうか・・・」
クロは胡桃の絵を見てみた。
「柔らかいな、この絵からは君が男勝りな口調であることを想像できないだろうな」
「るっせーな、お前の絵もかなり女の子らしかったよ」
「・・・如月いや他のクリエメイトの皆は、私達のことを知らないんだよな・・・」
クロはそのことに複雑な感情を抱いた。
「それでいいんじゃねーか?そんなこと教えても、変によそよそしくなったり気を使わせすぎたりするからさー」
「呪いとか感染とか関係なく、私達は今まで数えきれない程のの人の優しさに触れてきた。だから・・・」
「・・・ああ、そうだな!その善意を絶対に忘れちゃならねーな!」
タイトル:『えかきとシャベル。』
読んでくれた方、ありがとうございました。
GAやひだまりのみんな、後勇魚って他のクリエメイトの絵を描いているんでしょうか・・・?
俺と悠里は、外で偶然出会った。
「これがモチって食い物か・・・」
俺は悠里から渡された食べ物に興味津々だった。
「ええ、とってもおいしいですよ。よかったらセンさんもどうぞ」
「そうか、ありがとな」
「ただし一匹だけです」
「へいへいと・・・」
俺はモチを食べてみた。それは実に奇妙な感覚だった。
「おおう・・これはまるで粘土を美味しくしたような・・・酒と合ううううう!!!」
俺は突如世界が逆転するような感覚に襲われた。モチを喉に詰まらせたのだ。
「センさん!?センさん!?大丈夫ですか」
悠里は慌てて水を飲ませた。
「プハ・・・助かったぜ・・・酒とは違うベクトルで危険だな」
「いや、慌てて食べなければ大丈夫ですよ。はい、るーちゃんも小さいのをあげましょうね」
悠里はるーちゃんって奴にお餅をあげた。
「・・・お前は気を付けて食えよ。他人のふり見てわが身を治せだ」
俺が話しかけるとるーちゃんが笑ったような気がした。
そんなこんなで俺たちはしばらく話していた。
「・・・私ね、妹がいたんです。センさんは兄弟はいるの?」
「ああ、いるぜ」
俺は真面目で融通が聞かない兄と、素直で俺たち兄を慕っていた弟のことを思い出していた。兄とはもう二度と面も合わせたくないと思っていたが・・・。
(全くお前は・・・そう本ばかり読んで領主の息子の自覚はあるのか)
(まあまあ兄さんたち落ち着いて・・・。そう喧嘩ばかりしてはいけませんよ)
「最近疎遠だけどな」
「そう・・・少しは顔を合わせてもいいんじゃないんですか?」
「そうだな、でもこの姿じゃまた兄貴に問い詰められそうだがな。はっはっは」
俺はあの2人がいなくて寂しいと思った。
『餅ときょうだい。』
私と胡桃の出会いは、助けるー助けられる関係から始まったのだ。
あの日私達はきららとランプで呪いを解く手がかりを探すために、とある森の中へと入っていった。そこで手ごわい魔物に出会った。
私は魔物の攻撃を受け、崖から転げ落ちてしまった。
「クロさん!!」
「クロ様!!」
「クロ!!」
3人の声が落ちていく私の声に聞こえた。
気が付いた時、私は体を動かすことができなかった。足をねん挫したらしく、青く腫れていた。棺も魔物に攻撃されたとき手放してしまったらしい。
私は声をあげてみたが、誰かが気づいている様子はなかった。この時、私は一人であると思った。私はセン、ニジュク、サンジュ、きらら、ランプもいなくてどうしようもなく寂しさを感じた。
「おい!大丈夫か!!」
声が聞こえてきた。声の方向を見てみると、そこにはシャベルを担いだ勝気そうな女の子がいた。
「崖から落ちたのか?足をねん挫しているみたいだな・・・。ほら、アタシの背中に乗りな」
彼女は私を背負っていった。そしてある違和感に気づいた。
「ありがとう・・・。助かったよ」
私は運ばれながら、また眠りについた。
気が付くと、どこか見慣れない机やイスがたくさんある所にいた。随分変わったデザインをしていると思った。
「!気が付いたか!」
さっき私を助けてくれた少女がすぐ傍にいた。さらに黒い帽子を被った明るそうな子、長い髪の優しそうな子、髪が短い子もいた。
「大丈夫ですか?長く眠っていたから心配になりました」
「君達が・・・私達の看護をしてくれたのか・・・ありがとう、ここは一体?君達も他の世界からきたクリエメイトなのか?」
私はよくだれかに看病されるな。
「よくぞ聞いてくれました!ここは学園生活部!学園の中で暮らしていく部活なのです!」
「由紀ちゃん、それじゃあそのままよ」
長い髪の子の台詞に、私も同じことを思ってしまった。
「クロさん!大丈夫ですか!!」
「クロ様!私達がついていながら・・・」
「全く、心配かけやがって」
セン、きらら、ランプがこの学園生活部にやってきた。
「すまない、迷惑かけたね」
「いえ、私がクロさんを守れなかったから・・・」
「いや、きららはよくやってくれてるよ」
そんなこんなで話していると、悠里という名の子が私に話しかけた。
「クロさん・・・私達と向こうでお話、いいかしら」
その表情に、きららとランプが反応した。
「・・・私達もご一緒します」
私達は学園生活部の外へ移動した。由紀と呼ばれる子は美紀と呼ばれる少女と遊びに行った。
「悪い、さっきあたしが看病をした時・・・見ちまった。お前もそうなんだな?」
「・・・・・・」
そうか、彼女たちは知ってしまったのか・・・。
「ん?おまえ”も”それは一体どういうことなんだ?」
センが胡桃の発言に引っかかった。
「何言っいるんだ?お前もあたしたちと同じ世界から召喚されたんだろう」
なんのことだかわからない・・・。
「あなたも・・・胡桃と同じ、感染してしまったのね・・・」
感染?一体なんの話だ?呪いとは違うのか?
私達3人はなんとも言えない空気になった。一歩踏み込めないような・・・そんな感じになった。
「あの・・・!私からお互いのこと・・・説明してもらってもいいですか?クロ様、胡桃様、悠里様はどうですか」
そう手をあげたランプが、説明を始めた。
「ああ、お願いしよう」
「アタシからも頼むぜ、ランプ」
私と胡桃の意見は同じであった。
私はランプからの話を聞いて驚いた。まさか私の「呪い」によく似た現象が、起こってしまっている世界があるとは・・・。
「全く、俺たちに呪いをかけた魔女をゾンビみてえだと思ったことはあったが・・・」
センも驚いているようであった。
「そして胡桃、君は・・・」
「ああ、そのゾンビに変化してしまうウイルスに感染しちまった」
胡桃は二の腕をまくり上げた。そこは包帯で巻かれていた。
「クロさん、センさん。あなたたちの世界はどうなっているの?」
「何人か私と同じ呪いにかかっている子達には何人か出会ったけど、全世界の人間ががそうなっているわけではない」
「そうか・・・」
私は、かつての親友モーを思い出した。私達は境遇だけ見れば姉妹のような存在であった。一緒に世界中を旅したかった。胡桃の背負っているものは私のそれとは違う。しかし、私は言わざるを得なかった。
「君達・・・厚かましいお願いかもしれないが・・・私に君達の協力をさせてもらいないであろうか?」
胡桃と悠里は驚いた表情をした。
「いいのかよ・・・お前もその呪いのせいで自分のことでいっぱいいっぱいだろ?」
「いや、これは私のわがままだ。私の旅人としての知識が役立つかどうかわからないが・・・」
傍で聞いていたきららは
「私は・・・クロさんのことをランプさんから聞いて、始めてクリエメイトの皆さんを召喚することの重さに気づいたんです・・・。だから、私はクロさんも胡桃さん達も助けたいって思うんです・・・」
「きらら・・・」
胡桃はきららの言葉にうれしさを感じているようであった。
「よし、じゃあ協働戦線だな!これからよろしくな、クロ!!」
胡桃は私に手を差し伸べた。
こうして、私と胡桃達は手を結ぶことになったのである。
その日、夢の中で『彼女』が出てきた。
「全く、あんたって本当になんでもかんでも抱えたがる性格ね。別世界の子のことまで背負おうって所なの?」
「違うよ・・・私は一人で背負いたくなったんじゃなくて、一緒に歩んでいきたいと思ったんだ」
『助けることとたすけられること。』
>>83
感想ありがとうございました。
『棺担ぎのクロ。』も『がっこうぐらし!』も本当登場人物が仲間思いで・・・。
だからこうやって仲間を作って協力していくのはすばらしいと思います。
「小さな子が大人しくしないのなら、あえて笑顔を崩さずにね・・・。その手はあのセンさんにも効くわ」
「なるほど、そういう手もあるのか。しかし私は表情が乏しいからな」
「だったら表情を作るトレーニングをした方がいいかもしれないわね」
クロと悠里は、言うことを聞かない子にどうすればいいのか聞いていた。
「全く悠里、君は随分博学だね。それでいてしっかりした性格だ。センも博学なのは一緒なんだけどね・・・」
「あら?センさんだってあなたの立派な保護者だと思うわよ」
「それは買い被りすぎだ。確かに、センの助言に救われたことが多いけど・・・」
すると悠里は少し静かになってから言った。
「あなた・・・センさんにある『約束』をしたのね」
「・・・センに聞いたのかい?」
クロは小さい頃、自分が黒い呪いで浸食されたら棺に入れて地面の深くまで葬ってほしいと約束した。
「実はね、私も胡桃に似たようなお願いをされたの。感染したら迷わずに死なせて欲しいって」
「・・・なんだって?」
クロはその言葉を聞いて驚いた。まさかそんな所まで似ていたとは・・・。彼女も自分の『終わり』を覚悟していたのはわかってはいたが・・・。
「胡桃が感染した時、私はナイフで胡桃を殺そうとした・・・。でも、どうしてもできなかった」
「悠里・・・」
沈んだ表情をする悠里に、クロは、非常に申し訳ない気持ちになった。センと悠里に対してだ。
「でも、そのことを私、センさんに打ち明けたの」
「え・・・?」
「そして、私を助けてくれた・・・」
(私は・・・友達の約束を破った卑怯者です・・・私のせいで胡桃は今とても苦しんで・・・)
(卑怯者なんかじゃねえよ・・・)
(え・・・?)
(そんな残酷で誰も救われねえ約束を守ってやる義務なんてお前にはねえ!!誰かを見殺しにしたくない・・・そんなの当たり前の事だろ!?)
(センさん・・・)
(ふ、こんなの綺麗ごとかも知れねえ・・・。でも、そんな綺麗ごとを捨てたら・・・終わりかもな・・・)
「・・・あのセンが・・・」
「クロさん、センさんはあなたのことを本当に大切に思ってくれているわ、だから・・・」
「ああ、わかっているよ・・・ところで、私も君のことをりーさんって呼んでもいいかい?」
「ええ!もちろんよ!!」
悠里は明るく笑った。
「たらいまー。うー、今日も飲んできたぜ・・・」
センはクロの所へ酔っぱらって帰ってきた。
「セン・・・いつもありがとう」
「急になんだよお前?気持ち悪いな・・・」
クロはセンという存在の大きさを改めて知ったのであった。
「クロさんはニジュクちゃんとサンジュちゃんを、屋敷で見つけて連れていったんですよね?」
直樹美紀はクロに双子のことについて質問した。
「ああ、あの2人は自分の主人である博士をずっと地下深くで待っていたんだ」
「その博士はどうしたんですか?」
「恐らく・・・もう亡くなっている。その人らしき骨が屋敷の中にあった」
「・・・・・・」
美紀は言葉を失ってしまった。
「私は、あの2人を連れ出して、一緒に旅をした。でも、本当にあの2人にとってよかったことなのかどうか、今でも思い悩むことがある」
クロはそう、思いにふけた。
「・・・私も、先輩たちに外の世界に連れ出されたんです」
「え?」
「私が親友の圭と一緒にショッピングしていた時、あの出来事が起こったんです」
「・・・・・・」
「それから私たちは二人でその店の倉庫に籠っていたんです。でも、圭がそんな日々の時に言ったんです」
クロは真剣な表情で美紀の話を聞いていた。
「生きていれば、それでいいのって・・・」
「圭が外を出てしばらくして先輩達がやってきて私を見つけたんです。そして私は学園生活部に入ったんです
私は、先輩達に出会えて、この部活に入って心からよかったと思います。だから、ニジュクちゃんもサンジュちゃんもあなたと旅をして幸せであると思います」
しかし、クロは美紀の言葉を聞いても納得しなかった。
「しかし私のせいで2人が呪いに染められるかもしれない・・・」
「それでもあの子達のためにをやってあげられることをやめませんよね?」
「ああ、その通りだ。2人がエトワリアに来たら、いつも通り、あの元気いっぱいな彼女たちの世話をしないとね・・・。危なっかしくて心配だ」
「おーい!みーくん!!一緒にショッピングに行こうよ!!」
突然現れた由紀がそう言って美紀の腕を引っ張った。
「私も由紀先輩の世話で大変です!」
『こどもと外の世界。』
やさしい世界。
いろんなしがらみに囚われた人が、一時的にでも解放されるというのは、こういうパーティーゲームのいいところだと思います。
恥ずかしながら棺担ぎのクロのほうは見てないんですが、がっこうぐらしのほうみたいにクロもしがらみから解放されるといいですね。
感想ありがとうございました。
>>53
ええ、きららの方が力を借りている側とはいえ、学園生活部やクロに代わってきららに感謝したいぐらいです。
エトワリアではその住民や他のきららキャラとの出会いもあって素晴らしいと思います。
ある意味では美紀と双子って似てるのかもしれないですね…
次の話も楽しみにしてます!
>>55
感想ありがとうございました。
確かにその点を見れば、そういえるかも知れませんね。
生きているだけでも上等、生きているだけでは意味がないという二つの言葉がありますが、どちらも正しい言葉であると思います。
楽しみに思ってもらえると嬉しいです!
また執筆してみました。相変わらず拙いですが、よろしくお願いします。
二次創作って難しいですね・・・。
「胡桃、今までありがとう・・・。私は先に終わってしまうみたいだ」
「なに言ってやがる!最後まで諦めんな!!」
「いや、私はもうだめだ・・・。私は君達と出会えて本当によかった・・・」
「ちくしょう・・・しっかりしろクロ!!」
クロは今にも死にそうな顔をしていた。今、アタシらは地上から切り離された場所にいるのだ・・・。
クロは感染とは違うけど、アタシと同じようなものを抱えた奴だ。だから他人のようには思えない。
そんなクロが・・・あるものに屈されようとしている。
ここは・・・船の上だ。クロは船にすごく弱い。
アタシたちはきららから聞いた、凄腕のヒーラーがいるという噂がある島へと向かっていった。
「ああ・・・エトワリアに来てもやはり船はダメだ・・・」
「この船一日もかかるぞ、大丈夫か!?」
「一日・・・思い出してしまった・・・」
アタシは必死に自分が出来ることを考えた。こういう時りーさんなら持ち前の知識で乗り物酔い対策をしてくれるのに・・・。
「よし!こいつ一緒に寝るといい!!」
苦肉の策として、アタシはクロにシャベルを貸してやった。
「君のこれで・・・どうやって船酔いを解決するんだい?」
「なんだ、知らねえのか?シャベルは兵士にとっては地獄のような戦場のなかで唯一の相棒みたいな存在なんだぜ?相棒と一緒にいると安心するだろ?だからそいつと一緒にいりゃ船酔いなんてへっちゃらさ!」
「ごめん・・・意味が・・・よくわからない」
今言ったことは忘れてくれ、クロ。饒舌に喋った自分が、顔から火が出るくらい恥ずかしい・・・。
それにしてもこの船はすごい揺れる。心なしかアタシも気分が悪くなってきた。すると船がガクンと揺れ、アタシは転んでしまった。
アタシは傍に置いてあったクロの棺に飛びつく形になってしまった。
「その棺は私のだぞ・・・胡桃・・・」
「ク、クロ・・・これは違うぞ!アタシはシャベル以外に浮気する気はないぞ!!お前の棺に乗り換える気なんてねぇ!!」
「大丈夫だ・・・誰も君がシャベルから棺に乗り換えようなんて考えないだろう」
そんなこんなでアタシとクロはドタバタしながら船上を暮らした。
『恐怖のせんじょうぐらし!』
ちなみにアタシとクロが船に乗る前はこんなやりとりをした。
「どうしても船じゃないといけないのかい?」
「そりゃ海を渡るからな」
「胡桃だけがいくというのは・・・」
「そういうわけにはいかないだろ」
「君は船に酔わないからそんなこと言えるんだ」
「いい加減にしろって!お前は注射を嫌がる子どもか!!そんなことを言っている間に船が出航するぞ!」
アタシは無理やりクロの腕を引っ張った。
「魔女と同じくらい、あの船という乗り物は恐ろしいってことを胡桃は知らないみたいだ・・・」
「船なんて元の世界で乗ったことあるから・・・。お前が酔ったらフォローしてやるからさ」
クロとのコンビを組んで、まず乗り越えないといけない壁はこれなのかも知れないと思った。
今回は以上です。読んでくださりありがとうございました。
船が苦手なのはクロのチャームポイントだと思います。
「さあめぐねぇ!!あっちの先生とお話してみようよ!!」
「えっと・・・あなたが・・・セン先生っていい方でよろしいですか?初めまして、佐倉慈といいます」
「・・・初めまして、佐倉先生。俺は別に教職についているわけじゃねえんだけどな・・・」
センは由紀に無理やり連れていかれた。由紀によれば、同じ『先生』同士なのだから佐倉先生とセンは一度話すべきだというのである。言わば「職員会議」であるらしい。
「でもクロさんに色々と教えてあげているんじゃありませんか?誰かに何かを教えている時点で先生であると私は思います」
「そうだよ!クロちゃんにとっては1000匹もいるすごく面白い教師だよ!!」
「まああいつに先生として敬われている気はしねえけどな。うちのチビもセンって呼び捨てしているし。そっちもめぐねぇって言われているみたいだな」
センは今まで多くの女性を口説いて来たが、「めぐねぇ」にはどのように接すればいいのかわからなかった。
「いいえ、セン先生はクロさんやニジュクちゃん、サンジュちゃんにとって頼りになる大人であると思います」
「うちのめぐねぇも頼りになる学園生活部の顧問だよ!」
「ま、俺は佐倉先生みてえなことができるかどうかはわかんねえけどな・・・」
「・・・セン先生、クロさん。私の大切な生徒と付き合ってくださり、ありがとうございます。
私はもう、彼女達の手を繋げないし、繋ぐ資格ももはやありませんから・・・」
その後、クロとセンは佐倉先生の話をした。
「どうだった?先生同士の会話は?」
「ああ、なかなかの美人だったと思うぜ」
「センったら相変わらずそればかりだね」
「うるせえ、俺は美しい女性に口説くことしかできねえんだよ」
くるみちゃんのシャベルLOVEが爆発…!
『どのように接すればいいかわからなかった』つまり…セン…
>>68
感想ありがとうございました!
胡桃ちゃんは何時間もシャベルを磨くほどですから。
めぐねぇはセンにとって難攻不落な女性だと思います、ある意味。
「なあクロ、お前のそのクロって名前本名じゃないんだな」
クロは胡桃の突然の質問に非常に驚いた。
「なんで胡桃がそんなことを知っている?」
「前酔っぱらったセンがそう言ってたんだ。かわいい名前だってな」
「後で覚えていろよ・・・セン」
「本当の名前はなんて言うんだ?」
「教えないよ・・・今の私に似合わない」
「いいじゃねえか、どうせ元の世界では覚えられねえんだから」
「無理だ」
クロはそれでも、教えるのが嫌であった。
「よし、当ててやる。クウか?」
「違う」
「エマ?」
「違う」
「レイラ?」
「違う、適当に言ったて当たるものか。しつこい子は嫌いだ」
2人はそのような押し問答をした。
「ま、アタシも恵飛須沢なんて仰々しい名字にクルミって名前だからな。気持ちはすげえわかる・・・」
胡桃は子供の頃、自分の名字と名前の漢字をなかなか覚えられなかったことを思い出していた。テストの時ものすごく苦労した。何しろ画数がすごく多い・・・。名前書くだけで大分時間を取られる。
「そうかい?私は君の上の名前も下の名前を素敵だと思うよ。君は私と違って十分女の子らしいよ」
「ありがとな、女の子らしいって言われると照れるな・・・。ところでいつからクロって名乗ったんだ?」
「ニジュクとサンジュに出会ってからだ。あの二人に名前を聞かれたから適当につけてみた」
「そっか・・・じゃあそのクロって名前はある意味双子に名付けられたようなものだな」
「確かにそう言えるかも知れないね。そんな名前がセンや旅先で出会った人、君たち他のクリエメイトやエトワリアの人々に呼ばれるのも不思議な感じだ」
クロはクロという自分の名前に、そのような感情を抱いた。
『かわいい名前!』
胡桃「安田大〇ーカスのクロちゃんからつけられたわけじゃないんだな」
クロ「他のクリエメイトにしょっちゅうそんなこと言われるが、一体どんなサーカス団体なんだ?」
「クロ!お前のチョコはどんなのだ?」
「私はブラックチョコだ。苦いのはわりと好きだ」
「名前の通りだな。アタシはシャベルの形をしたチョコだ!」
「ナッツ入りじゃないんだな」
「いくらなんでもそのまんますぎだろ・・・」
二人はランプからチョコをもらった。ランプはそれぞれのクリエメイトの好みに合わせたチョコを配っているのだ。
例えばセンにはお酒の入ったチョコ、悠里には野菜の入ったチョコなどをあげている。
「バレンタインっていうのはどんな日なんだい?」
「簡単に言えば女の子が好きな男の子にチョコをあげる日だな」
「とても素敵そうな日だね。あれ、私たち別に男じゃないけど・・・」
「まあ、絶対に男から女にあげなきゃなんない決まりとかはないし。友チョコとかいろいろあるぞ」
「エトワリアではそのチョコで大変だったみたいだね。買い占められて値段が高騰したり、依存性のあるチョコが売られたり」
クロと胡桃もエトワリアのチョコ事件のことを聞いていた。
「なんだってチョコレートでそんな騒ぎにならないといけねぇんだ・・・。買い占めや薬中は元の世界だけで十分だっての」
胡桃はそうため息をついた。
「ま、今は事態が収束したみたいでよかったじゃないか」
「ああ、カルダモンさんがなんとかやってくれたみたいだ。クリエメイトも何人か協力してくれたらしい」
「クリエメイトは助け合い・・・か。なんていうか、この世界に召喚されなければ、そういうこともなかっただろうね」
「そうだな、ところでこのチョコはセンにどのタイミングで渡せばいい?」
「気楽に渡せばいいんだよ、気楽に」
「やれやれ、まさかセンにあげることになるなんてな・・・ま、いつも世話になっているから仕方ないか。君も由紀達に渡す気だろう?」
「ああ、みんなにはいつも助けられているからな!」
『甘いちょこ!』
胡桃「あれ、そういえば今のクリエメイトって何人だ?」
クロ「140人以上はいるんじゃないか?」
胡桃「ランプってそんな人数にチョコを配っているのか?」
クロ「・・・まあ・・・あの子だから」
140人分のチョコレート……聖典世界より物価が高いことを考えると、ランプって結構裕福なんだな。
女神候補生だし、自衛隊士官学校みたいに勉強しながら給料も出るんでしょうかね。
>>76
すみません クリエメイトは助け合い〜のところはクロの台詞ですが、その次のセンのチョコ〜は胡桃ではなくクロの台詞です。
一緒にすればよかった・・・
「二人が召喚されたらどうする?セン」
「とりあえずあのチビ達の好奇心が暴走しないようにしないと・・・このエトワリアにはお子様にとって刺激的なのがたくさんあるからな」
「ニジュクちゃんとサンジュちゃんの話ですか?」
クロとセンの会話に、直樹美紀が入ってきた。
「ああ、そうだ。なかなか来ないものだね。召喚されたらされたで、この世界で危なっかしいことをしないか心配だけどね。本当は、待っているだけではなくこっちから会いたいんだけどね・・・」
きららのコールは好きなクリエメイトを召喚できるわけではない。
例えるなら釣り竿を垂らしても狙った種類の魚が釣れるわけではないのと同じことである。
「・・・実は私も、いつかこの世界に彼女が呼ばれるんじゃないかって期待しているんです」
「それは前話していた君の友達かい?」
「そうです。きららさんが呼べば、この世界で再会できるんじゃないかと・・・。本当は私が自分で見つけなきゃいけないのに・・・」
「それでいいんじゃないかな。どうしても必要な時に誰かの力を借りることは恥じゃないと思うよ。もっとも、きららにプレッシャーをかけるわけにはいかないけど」
「そうだそうだ、俺なんてしょっちゅう俺の体を探してもらっているぜ」
「センはいい加減体を無くしたりしないように努力すべきだ・・・」
「はははは・・・」
ふと、美紀はもし圭がこの世界に召喚されたら、由紀、胡桃、悠里の3人の先輩とも会うことになることに気が付いた。
(圭・・・もしこの世界に呼ばれたら、この部活での思い出を教えるからね・・・)
美紀は自分の自慢の先輩たちを圭に紹介したいと思った。
『圭をしょうかん!』
読んでいただき、ありがとうございます。
もしかしたら、学園生活部は圭も入部していた可能性もあるんですよね・・・
めぐねえが、キャラシナリオできららや由紀にも認識されてなかったり、ワンダーランドでしか会えないような扱いだったので、圭も見えないだけで居るのかもしれない・・・という想像はできますね。
(編成に入れて一緒に戦えることについては深く追求しない方がいいでしょう)
>>85
感想ありがとうございました。
確かにその可能性もありえますね・・・。
きららも知らないうちにコールしたのかも・・・
「あら!恵飛須沢さん!!」
街を歩いていた胡桃は偶然鬼頭先生に話しかけられた。
「あ、こんにちは鬼頭先生」
「元気そうでなによりです!他の世界の学生さんと交流すると頑張れる気持ちになります!」
鬼頭先生はとにかく熱い性格である。エトワリアに来てからも相変わらずこの調子である。
「そ、そうですね・・・」
胡桃は鬼頭先生の熱さに押されながらも、そんな鬼頭先生が好きであった。
「ところで佐倉先生はご機嫌いかが?」
胡桃はその言葉を聞いてドキッとした。
「え、ええ・・・めぐねぇは元気です」
「私は他の世界の先生方とお話したいと思っているの!松本先生や棗先生ともお話ししたわ!由紀さんによればとても素敵な先生らしいですね!」
「その・・・めぐねぇはなかなか忙しくて時間取れなくて・・・すみません」
「そう・・・お時間がある時に会わせていただきますね」
その後、胡桃はクロにそのことを話した。
「それは困ったね・・・」
「ああ、ちょっとごまかし切れねえかも・・・」
他のクリエメイトは胡桃達の世界のこととクロの呪いの事を知らない。
きららもランプも秘密を守ってくれて他のクリエメイトの誰にも話していないのだ。
「しかし、こういうのにみんなと一種の距離感を感じてしまうね」
「ああ、全くだ・・・」
読んでいただき、ありがとうございました。
去年の11月のゲームブックイベントの時、美紀が「選択は慎重にならなければならない」と発言したとき唯は大げさだなと思っていました。
唯は美紀たちのことを知らないので当然なのですが・・・。
本日のライネのトレーニングを終えたクロと胡桃は、ライネの食堂で食事を取っていた。
「2人ともお疲れ様。胡桃ちゃんはやっぱり腕がいいわね。クロちゃんもよく頭を使っているわ」
「いえいえ、そんな・・・」
「私も戦ったことなんてないからそこまでは・・・」
2人はそう謙遜した。
「それよりどうですか?俺と一緒にデートでも・・・」
「セン!」
いつものように綺麗な女性をナンパしようとするセンを諌めた。
「なんだか2人とも、何か自分より大切な存在のために戦っているような気がするわ」
そうライネに言われて2人は由紀、悠里、美紀とニジュク、サンジュを思い浮かべた。
「でもあなたたち、何か重いものを抱えながら戦っているような気がするわ」
そう言われて、クロと胡桃はドキッとした。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「わかるのか?」
「これでも昔はいろんな経験をしてたから勘は鋭いのよ。あんまり深くはきかないけど、あなたたちって境遇が似ているからお互い助け合っているのね」
「・・・アタシも自分と同じようなことになっている奴に出会ったのは驚きました」
「私も彼女と一緒にいれればと思いまして・・・」
「そうね。でもね、あなたたちはもっと人を頼ってもいいんじゃないのかしら?あなたたちはとてもいい子だから、手をさしのべてくれる人たちはいっぱいいるわ」
胡桃とクロはライネをただものではないと感じた。
『さいきょうの女性。』
今回は以上です。読んでいただきありがとうございました。
ライネさんって若いころどんなだったんだろう・・・。
頼っていくことは勇気のいることでもあるけど、それは相手を信頼することでもある。
幸グラのテーマの一つですが、なるほどそれが当てはまってくる人物は他作品にもけっこういますね
>>95
感想ありがとうございました。
普段は穏やかだけど実はただものではないってキャラは好きです。
そうです、クロと胡桃は性格は違うけど背負っているものは同じ・・・。
>>96
感想ありがとうございました。
確かに多くのきらら作品に言えることでしょうね。きらら作品って部活とか仕事とか、そういうみんなでやらなければ達成できないものがテーマになっているものが多いので。
「ねえ胡桃・・・君は谷に落ちた私を助けてくれたわけだけど、なぜあんな人気のない場所で私が倒れていることに気づけたんだい?普通気が付けるはずがない。前々から疑問に思っていたんだ」
私はふと胡桃と出会った日を思い出した。すると胡桃は微笑んだ。
「実はな、あの時由紀も一緒に来ていたんだよ」
「彼女が?」
「アタシらがあの山で魔物を討伐していたら、由紀が突然向こうで誰かが倒れているって言い出したんだよ」
「なんだって?」
(胡桃ちゃん!あそこで誰かが怪我している!!)
(なんだって?よく見えないが・・・)
(誰なのかはわからないけど・・・もしかしたら胡桃ちゃんと同じような・・・そんな感じがする!)
(アタシと同じ・・・?それはどういうことだ?わかった行ってくる!由紀、お前はここにいろ)
「あいつを信じて行ってみたらお前がいたってわけだ。由紀ってなんだかそういう力があるって言うか・・・。デパートで物資を買いに行ったとき、美紀の奴もそうやって見つけたんだよ」
「そうか・・・どうやら私は、彼女にも感謝しなければいけないみたいだな」
「ああ、アタシも由紀にはいつも感謝しているさ」
その時の胡桃の表情から、私は由紀も仲間を守っていることが伺えた。
一方当の由紀は、めぐねぇと話していた。
「ねえめぐねぇ。あの時私、めぐねぇを助けられなかった時本当に悲しかった・・・」
「だからさ、みーくんの時にしろクロちゃんの時にしろその時自分にできることをしないとって思ったの」
「それに、誰かを助ければ助けるほどその人と手をつなぐようになるでしょ?」
「正直、私だけじゃ胡桃ちゃんの背負っているものを分かち合うことなんてできないよ」
「だからさ、胡桃ちゃんの呪いは私だけじゃなくてりーさん、みーくん、きららちゃん、ランプちゃん、マッチちゃん、セン、クロちゃんみんなで考えると、胡桃ちゃんが助けられる可能性が高くなると思うんだ・・・」
「めぐねぇ、最初は4人だけだった学園生活部も随分賑やかになったね!7人と1001匹だよ・・・」
>>104
感想ありがとうございました!
がっこうぐらしのテーマも助けによる繋がりあいですから・・・。
今日も更新してみます。
コロナウイルスも流行っているので、手洗いうがいをしっかりしましょう・・・。
「なあ、お前らクリエメイトはみんな”ニホン”って国に住んでいるのか?」
センは悠里に気になって日本という国について聞いてみた。
「ええ、そうです。私達クリエメイトのほとんどは日本に住んでいるという所は共通しているみたいです」
「なんか妙な共通点だな。ニホンにはこのエトワリアを惹きつける何かがあるのかも知んねーな。」
「もっとも、千矢さんたちうららのみなさんは100年位昔の時代の日本からやってきたみたいですけど・・・」
「じゃあ俺らだけ仲間外れってか・・・。どんな国だ?なかなか興味深い・・・」
「・・・えーと、言語はひらがな、カタカナ、漢字が存在しています。後侍とか忍者とかが有名ですね。食べ物は寿司やテンプラなどが有名ですね」
悠里は自分の国のことを紹介するのは結構難しいことであると思った。
「よさそうな国だな」
「かつては犯罪も少なくとっても平和な国だったんですけどね・・・」
悠里はかつて”あの事件”が起こる前の日常を思い出していた。あの時の平和は、決して当たり前のものではなかったのである。
「あ、後日本は海に囲まれた島国ですね」
「何?じゃあ海を渡んなきゃいけねえから、クロ船酔いに耐えなきゃいけねーじゃねえか」
(そっか、まだクロさんの時代に飛行機はないのね・・・)
今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。
クロって飛行機の方は大丈夫かな・・・。
大変重要なことをいい忘れていました・・・。
自分がきらファンを本格的に始めたのは4月からです。
なので、ワンダーランドイベントをプレイできていません。
もし、キャラに違和感があったらすみません。
しかも、胡桃の☆5を入手できていないから、胡桃のメモクエもできていない・・・
本当にすみません。
キャラに関しては原作に基づいてればいいんじゃないかと思います。(私は違和感はないです)
しかし、りーさんの日本の紹介が海外の間違った日本のイメージみたいなことに…男性はサムライ、女性はゲイシャですね…
感情とか思想とかが絡むことか、もしくはギャグ時空でも描かない限りは、そこまで違和感って出ないと思います、多分……
それに関しても、このBBSではあんまり目くじらたてられてないような。
りーさんの説明だけだと、うららの世界でも全部当てはまりますね。
……『かつては犯罪も少なくとっても平和な国だった』てとこ以外は。
>>113
感想ありがとうございました。
そのように言ってもらえるとうれしいです。
ニジュク「ねーりーさ!おすしにぎって!ニホンのひとたちみんなおすしにぎれるんだよね?」
りーさん「・・・・・・(そんなもの職人以外作れないって・・・)」
クロ「こらニジュク、あんまり困らせちゃいけないよ」
みたいなことになったりしてw
>>114
感想ありがとうございました。
みなさま優しくて感謝です!
結構うらら迷路帖もクロとがこぐら同様割と闇深いとこがあったりしますね。
今更ながら、このssのガイドラインを明記したいと思います。
・「棺担ぎのクロ。」と「がっこうぐらし!」のクロスssです。
・どちらもシリアスな作品であることと、クロと胡桃、2人とも角が生えていることや同じような境遇になっていることから着想を得ました。
・エトワリアで交流しているという設定です。
・基本一話完結です。
・時々シリアスな内容になるかも・・・。
・両作品のネタバレが入る可能性があります。
・基本毎週土曜日更新(土曜日の何時に投稿するかは不明です)
・他のきらら作品のキャラもたまに登場することがあるかも
・両作品の原作とアニメは見ていて、両作品のきらファンでの関連シナリオやイベントは基本やっていますがワンダーランド及びがこぐら登場人物のメモクエは未プレイです。(去年の4月からやったもので・・・)
今日、夢の中でモーが出てきた。どうやら彼女はこのエトワリアにも現れるらしい。
「全く、いつまであの胡桃とかいう子とずっと一緒にいる気?」
「・・・そんなのわからないよ」
「人と積極的に関わろうとしなかった臆病なアンタが、なぜあの『がくえんせいかつぶ』とかいう子たちに自分から協力を申し出たのかとても不思議に思ったわ。でも、それもようやくわかった」
「へえ、それはなんだい?」
「あんた、一人でも大丈夫みたいな顔をして本当は自分といてくれる仲間が欲しいんでしょ?」
「・・・・・・」
「あのコウモリにしろ、あの双子にしろ、きららとかランプという子にしろ、がくえんせいかつぶの子達にしろ、あなたを助けようとしている彼女たちは黒く浸食してくる呪いにかかっていない」
「・・・・・・」
「だから心の奥底で疎外感を感じている。しかもほとんどのクリエメイトとかいう子達が、みんな普通の日常を送れているんならなおさらね」
「・・・確かにね・・・」
クリエメイトという言葉を聞いて、私はGAの生徒の一人、山口如月を思い浮かべた。
「あんたが子供の頃、しょっちゅう発作を起こしたときによく思っていたわね?もしモーと一緒に旅が出来たのならどれだけ寂しくなかったのだろうかって・・・」
「・・・あの時、モーが『終わらなければ』確かに君自信を連れて行っただろう。そして君は私の生涯の友になっていただろう」
「もしかして、あの胡桃って子は私の代わりみたいな子なの?あの子は別に魔女の呪いにかけられているわけじゃないのよ?大分黒い呪いみたいなのには罹っているけど」
「そんなことはわかっている。胡桃とモーは違うよ」
「でも重ね合わせずにはいられないでしょう?私を助けられなかったからって、一緒にいれなかったからって、やり直そうって所?」
モーは随分私に揺さぶりをかけてくる。もしかしたら私の心の奥底にある気持ちを代弁しているのかもしれない。彼女の言葉に私は否定しきれなかった。
「後、アンタはあの双子を黒くしてしまうのを恐れているように、もう一つ怖がっていることがあるわね?」
「それは私が胡桃を3人から連れて行ってしまうかもしれないことかい?」
「よく自分のことをわかっているじゃない」
確かにその通りである。あの4人は誰一人欠けてはいけないことは明白だ。そこに私のよう根無し草がやってきて、胡桃を3人から奪ってしまうのではないかと自分が恐ろしくなってしまう。
これでは本当に、自分は死神ではないか。
「ま、あの娘にどうしても関わりたいのなら、もう私が口出すことではないけど」
そういってモーは霧のように消えた。
私は目を覚まして胡桃のことを考えた。果たして彼女は私と関わってよかったのであろうか?
ここはルーム。エトワリアにやって来たクリエメイトが共有している部屋である。
今胡桃とクロの二人がいた。他のみんなはトレーニングや買い物やらに行っている。
2人は何を話しているのだろう?
「ニジュクとサンジュは元の世界元気にやっているだろうか。風邪を引いたり、怪我をしたり、変な人についていっていないか心配だ」
「きっと大丈夫だろ。子供は案外しっかりしてるものだぜ」
「元の世界に私がいると言っても心配なものは心配だ。私はちゃんと面倒みれているのか?」
「少しは自信を持てよ。お前は十分すぎる程2人のためのことをしているじゃねえか」
「ニジュクとサンジュは本当に危なっかしいことばかりするから・・・」
「はしゃぎ盛りなんだろうな」
「君達にもあいさつをさせないとな」
「ああ、楽しみにしてるぜ」
「魔物から2人を守るために私自身ももっと強くならねば・・・」
「あんまり無茶すんな。過労でぶっ倒れるぞ」
クロは胡桃に双子のことをずっと話していた。もう二時間以上も双子のことを案じている。
「すごく心配しているな・・・。アタシもここまで双子の話に付き合わされるとは思わなかったぜ。まるで妹大好きなココアだな」
「そういう胡桃こそ一体いつまでシャベルを磨いている?もう三時間じゃないか。腕疲れないのか?」
胡桃はクロの話を聞きながらもシャベルを肌身離さず持っていた。
「いや、疲れているんだけど何だかやめられなくて・・・」
「もう十分じゃないか?」
シャベルは磨かれすぎてピカピカに光っていた。
「う〜ん、何だか磨くこと自体が趣味になっていると言うか・・・。せっかくの休みなのにな・・・」
お互い好きなものに集中する質なのである。
クロはエトワリアに来て、少し似たような境遇の人がいて…ある意味依存のような状態になっているのかも…?
クロも胡桃も集中するとどっぷりな部分ありますからね……
>>127
感想ありがとうございました!
クロは幼い頃、同じ呪いにかけられたセンに結構甘えていましたので・・・。そういう面もあるかなって・・・。
2人に限らず、エトワリアに来てからクリエメイトのみんなはより自分の好きなことに打ち込んでいるっぽいので・・・。
「なあクロ、ニジュクとサンジュって幽霊をみることができるのか?」
ラビットハウスから買った、自分のお気に入りのブラックコーヒーを飲んでいた(ココアの姉が召喚されてクロは驚いた)クロは胡桃にそのような質問をされた。
「ああ、その通りだ。前とある屋敷を訪れた時、女性の亡霊を確かに視ていた」
「幼い子供ってそういうのが見えるって聞くけど本当なんだな・・・」
「いや、ニジュクとサンジュはそういう不思議な子達だから・・・」
「・・・じゃあさ、2人ってめぐねぇを見ることが出来るのかな・・・」
そういうと胡桃は右腕を抑えた。
そう、佐倉慈は元の世界で既に亡くなっている。しかし由紀にとっては佐倉先生はまだ生きているのだ。
クロとセンも悠里たちからお願いされて、そんな由紀に合わせているのだ。ただしセンは「なんかそこにいる気がする」と言っているが。
クロもセンも誰もいない空間を指して「めぐねぇ」を紹介してきた由紀に動揺したものだ。
「・・・もし、佐倉先生が見えないだけでここにいるとしたら確実にそうだろう」
「そっか・・・めぐねぇとは以前とある世界で再会したことがある。けど、この学園生活部に、エトワリアに来てもなお見守ってくれているって思うと・・・うれしい」
胡桃はワンダーランドの出来事のことを思い出していた。
「・・・もしニジュクとサンジュが佐倉先生が見えるんなら、失礼のないように言わないとな」
「いやいや、めぐねぇだって双子にあったら喜ぶと思うぜ。お前やランプの話から、ニジュクとサンジュはとってもいい子達だってよくわかるからさ」
「私も、佐倉先生はとても素晴らしい先生だと思う。私も是非あって見たかった。うちの飲んだくれで女好きのセンセイも見習って欲しいものだ」
クレアは召喚の館で、あることを考えていた。
(以前クリエメイトを召喚をしたと思ったのに、誰もでてこなかったことがあったな・・・あれは一体なんだったんだろう・・・。多分私の気のせいだよね!)
以下は佐倉慈がエトワリアで書き記した独白である。
去年、クロさんがエトワリアに召喚されてあの人の棺に惹きつけられたらまさか恵飛須沢さんと同じようなことになっている子だったなんて思わなかった・・・。
その後、私が由紀ちゃんと恵飛須沢さんが山の中へとクエストに行っている時にたまたまあの山でクロさんが倒れていたのを、私は由紀ちゃんに教えたのだ。
私がクロさんと学園生活部を出会わせたのは、私が恵飛須沢さんにしたことへのせめてもの罪滅ぼしなのかもしれない。
いや、それ以前にあの黒い呪いに苦しめられている彼女をどうしても放っておけなかった・・・。
今回は以上です。お付き合いいただきありがとうございました。
それにしても自分の書いたものを公開するってって勇気がいる・・・
>>136
感想ありがとうございました!
あくまでも自分の解釈ですが、多分きらら同様クレアも見えないかなって・・・
エトワリアでめぐねぇのことを知っているのはランプだけかな・・・
ライネの訓練所で、夢魔であるメリー・ナイトメアとエンギ・スリーピースが模擬戦をしていて、クロと胡桃は2人の戦いを見学していた。(ちなみに勇魚がメリーを、ユタカがエンギを応援していた。)
クロと胡桃は彼女たち夢魔の噂話をしていた。
「夢魔というものはすごいものだな・・・2人とも恐ろしい身体能力だ」
「全くだ。しかし・・・メリーと出会った時、まさかアタシら以外にも世界に危機が訪れている奴らがいるとは思わなかったぜ」
メリーは自分が夢魔であることや、悪の夢魔と戦っていることを特に隠すことなく他のクリエメイトに話している。
「私は彼女と初めて話した時、私の耳とメリーの耳が同じことをすごく追及された・・・」
クロは自分の耳を触った。
「はは、それはそれは・・・。みきが勇魚から聞いた話だと、メリーが自分のことを話しているのは、他クリエメイトやエトワリアの人達が夢魔の器にされないか気をつけているためらしいぞ」
「そうだろうね。元の世界では夢路という少年が夢魔に取り憑かれた人を見分ける能力を持っていたらしいが、彼はこのエトワリアに来ていないからね。全ての人間の夢を守り、全ての夢魔を返すと発言して実際に行動に移しているんだね」
「全ての人間を守る・・・か。もしメリー達がアタシらのことを知ったらどうするんだろうな」
「絶対に『何かアタシに出来ることはないの?』といって私達を助けようとするだろう」
「でもメリーに限らず、他の皆にはアタシ達の世界のことを言わないつもりだぜ。変に気を使われるのって苦手だしさ・・・。今はこの異世界で出会った友達って関係でいたいよ」
「・・・そうだね。私達も、君達学園生活部ときららとランプだけにしておこうか」
「なに?アタシがどうしたっての?」
メリーが模擬戦を終えて帰ってきた。
「いや、メリーは強くてかっこいいなって話をクロとしていたぜ」
「そう?そういわれると嬉しいわ!」
胡桃はそのように言って誤魔化した。
読んでいただき、ありがとうございました。
勇魚とみーくんってどっちもホラー映画好きなんですよね・・・。
>>143
感想ありがとうございました!
そうですね、意外にもきらら作品ってそういうキャラが多いかなって・・・。
ジンジャーやフェンネルも「守るものがある奴は強い」って言ってましたね。
クロはエトワリアで買ったノートに何かを書き記していた。
「あれ?クロさん何をしているんですか?」
その様子を、たまたま通りかかった美紀が見た。
「ああ、美紀か。他のクリエメイトの皆から聞いた童謡を記録しているんだよ」
クロのノートには「かぐや姫」や「泣いた赤鬼」、「ツルの恩返し」などの日本の民話が書かれていた。クロが描いたイラストがあってわかりやすい。
「もしかして、ニジュクちゃんとサンジュちゃんに読み聞かせするんですか?」
双子のことを考えると、美紀は少し笑ってしまった。クロは双子のことを聞かれるとすこし照れ臭かった。他のクリエメイトからも「クロさんはいっつも双子ちゃんのことを話している」と言われている。
「ああ、そうだ。ニジュクとサンジュも昔話は好きだし、こういうのを聞くときっと喜ぶだろう。それに私もみんなから聞く話が好きだよ。ニホンの童謡はとても素晴らしいものがたくさんあるね」
「・・・そのノート、私にも読ませてもいいですか?」
「構わないよ、そんなに上手くまとめられているわけじゃないけど・・・」
美紀はクロが書いた童話ノートを読んでみた。幼い頃からずっと知っているおとぎ話なのに、こんなに面白くて素晴らしいものであったというのを知った気がした。
「なあに、クロちゃん相談って?」
クロは由紀にとある悩み事を話そうとしていた。センからは「お前が他人に悩みを打ち明けるなんて恐ろしく珍しいな」と言われたが。
「・・・ニジュクとサンジュのことだ。今回、この世界の女神様が君たちのための学校を作ったよね」
「うん!不思議なこともあってとっても楽しかった!」
「・・・君たちがとても楽しそうに学校に行っているのを見ると、ニジュクとサンジュも私と旅するよりは学校に行った方が2人のためになるんじゃないかと思ってしまうんだ」
以前クロは元の世界で魔女の手がかりを探すために学校に入ったことがある。
正直、その時は学校のよさがクロには理解できなかったが、GAや学園生活部など、他のクリエメイトの学校生活が楽しそうなのを聞いて、ニジュクとサンジュも学校に行かせた方が幸せではないかと考えたのだ。
「・・・クロちゃんって本当に双子ちゃんのことが好きだねー。まるで本当のお母さんみたい」
そういわれるとクロは恥ずかしい気がする。
「だから私はあの2人の保護者のつもりはないってば・・・」
「またまたー。ニジュクちゃんとサンジュちゃんを学校に行かせるかどうかの話に戻すけど、クロちゃんは2人に教えたいことってたくさんあるでしょ?」
「・・・まあね」
「ニジュクちゃんとサンジュちゃんはまだ小さいし、とにかく今はいろんなことをクロ先生が教えていくべきじゃないかな?」
「クロ・・・先生?」
その珍妙な言葉にクロはかなり動揺した。
「そ!クロ先生!!旅路が校舎ってことにすればいいかも!!」
「旅が校舎・・・?ちょっとよくわからない」
「上手くいえないけど・・・、学びの方法は一つじゃないと思うの!だからクロ先生との旅がニジュクちゃんサンジュちゃんにとっての授業にしてもいいんじゃないかな?」
「・・・君がいうように、そういうのも2人にとっての学びの選択の一つかもしれないね。旅をしながらいろいろ教えていくか、一つの場所で学んでいくか、どっちがいいのか焦らずじっくり考えるとしよう。ありがとう由紀、私の相談につきあってくれて」
「どういたしまして!クロちゃんルートクリアかな?」
「は?」
クロちゃんルートという言葉は意味がよくわからなかったが、クロは由紀に感謝した。
『クロせんせい?』
クロと胡桃、二人の共通点や対となる点を書きだしていこうと思います。
完全な私見なので、チラシの裏レベルのものだと思ってください。
・黒い呪いと感染
・エトワリアに来てから角が生えた。
・名前を数字直すと96が入る。(クロ→96、胡桃→963)
・目が赤色
・クロは旅、胡桃は陸上と足に関係した特技を持っている。
・守りたい存在がいる。(クロはニジュクとサンジュ、胡桃は学園生活部のメンバー)
・憧れている男性がいる。(クロはフカシギ、胡桃は陸上部の先輩だった)
・知恵がある長い付き合いのある人物(セン、悠里)に心配され、元気で明るい存在(ニジュサンと由紀)に励まされている。
・対比
・クールな性格のクロと活発な性格の胡桃。
・同年代の少女とあまり付き合わないクロと同年代の友人がいる胡桃。
・棺は土に埋められるものであるが、シャベルは土を埋めるものである。
・クロは子供の頃に呪いをかけられたが、胡桃は感染されたばかり。
・クロは体中に包帯を巻いているが、胡桃は腕のみである。
・手が温かいと言われたクロと体が冷たい胡桃。
「あ!胡桃様!クロ様!!」
胡桃とクロの2人が里を歩いていると、ランプとマッチに出会った。
「ランプじゃねえか」
「今日は休日かい?女神になるための勉強は?」
「はい!たった今先生の補修が終わったばっかりで!!」
胡桃とクロはランプの言葉に呆れてしまった。
「全く、ランプも最初から補修なんて受けなければいいんだけど・・・」
「マッチは黙っていて!今日はお二人方に合わせたい子がいるのです!」
「え?誰だ」
「私達に?」
「ニロク、出てきてください!」
「は・・・初めまして・・・」
ランプの後ろから小柄で髪の長い優しそうな子が出てきた。
「なに?さっきからランプの後ろに隠れていたのか?」
「全然気が付かなかった・・・」
胡桃とクロはまずそのことに驚いた。
「ニロクは私と同じ女神候補生で私の友達なんです!」
「ランプと違って真面目で勉強ができるんだけどね」
ニロクはクロと胡桃を見てもじもじしていた。
「わ、私はニロクといいます・・・」
「さっき名前聞いたけど」
クロはこの子は恥ずかしがり屋だと思った。
「ニロクはクロ様と胡桃様の大ファンなんです」
「そうなのか?」
胡桃は自分のファンがいると聞いて照れ臭かった。
「私なんかが・・・クロさんと胡桃さんに会いに行ってよかったわかりませんけど・・・ランプが無理やり連れてきて・・・」
「いや、そんなことはないよ」
「ああ、アタシらのファンってなんだかうれしいな」
ランプとニロクと別れた後、胡桃とクロはニロクの話をしていた。
「いやあ、握手までしてもらったなクロ。考えりゃアタシらが好きなのはランプだけとは限らねえな」
「そうだね。このエトワリアには私達クリエメイトが好きな人がたくさんいるのだろう。私達はそういった人達のことをありがたく思わねばならない」
「ってことはさ・・・アタシらの事情を知っている人たちもこの世界でたくさんいるってことだよな・・・。当然あのニロクって子も・・・」
「・・・そうだね」
「アタシの感染を知ってどう思っているのかな?やっぱりアタシを怖いと思っている人が多いのかな・・・?」
「・・・怖いと思っている人もいるかもしれないが、それ以前に君や私を心配してくれる人も多いだろう」
ふとクロは、自分がこの世界に召喚された時、自分のために泣いてくれたランプや自分と向き合ってくれるといったきららのことを思い出した。
「・・・そうだな!アタシも胡桃ファンクラブのメンバーのニロクちゃんために頑張るか!!」
「ファンクラブって・・・」
クロは胡桃の発言に呆れつつ笑った。
今回は以上です。読んでいただきありがとうございました。
オリキャラを出すのはなかなか勇気があった・・・。
人は自分が持ってないものに憧れるので大切な人のために戦い続けるような強い意志を持つ2人のファンとしてニロクの性格を恥ずかしがりにする所が良いですね。
あと今気づいたけど棺とシャベルが相対するアイテムとして扱われて草
>>159
感想ありがとうございます!
あの二人のファンとなるとノノみたいな人見知りが合うかなって・・・。
棺とシャベルは埋めるものと埋められるものですからね。
胡桃「ようクロ、元気か?」
キョージュ「・・・・・・私はキョージュだ、胡桃殿」
クロ「いい加減私と彼女の区別をつけたらどうだ?胡桃。正直わざとやっているようにしか見えないぞ」
胡桃「あ・・・そっちか・・・。だってお前とキョージュ、どっちも真っ黒だからな・・・」
クロ「全く・・・。注意深く見ればそれぐらいの違いわかるはずだろう?」
リゼ「・・・・・・だから私は胡桃ではないぞ。クロ、お前まで間違えるのか?」
胡桃「お前も全く人のこと言えねえじゃねえか。そりゃ髪のが同じでどっちも武器を持っているという点では同じだけどさ」
セン「しかし世の中にはそっくりな奴が3人いると聞くけどな」
クロ「私もニジュクとサンジュの耳と尻尾と髪型以外で見分けがつけられたらいいんだけど」
胡桃「お〇松くんか、あそこまでそっくりな双子の見分けなんてつけられるわけがねえだろ」
クロ「でもランプは違いがわかるらしい」
胡桃「なんだって!?さすがとでも言うべきか・・・。あいつのクリエメイト好きは半端じゃねえからな」
セン「全く、保護者の面目丸つぶれだな、クロ」
クロ「だから私は保護者になったつもりはないと言っているだろう?」
このssにおけるクロは、学園生活部のメンバーにとって本編の自堕落のメンバーや椎子さんみたいなポジだと言えるかも・・・?
「ニジュクとサンジュが全然この世界にやって来る気配がしない・・・」
「・・・・・・」
そう言いながら、クロは胡桃の髪をいじっていた。
「それがなぜアタシの髪を結ぶことにつながるんだ?」
「いや、サンジュは三つ編みをしているんだ。元の世界ではよくサンジュの髪を直したいてね・・・。最近これをやらないからなんだか手が寂しくて・・・」
「・・・まあいいけどさ・・・」
胡桃はクロが双子がいなくて寂しがっているということをとてもよく感じ取った。クロは胡桃の髪をサンジュのような髪にした。
「サンジュってこういう頭なんだな。かわいいな」
「ん?そうかい?」
「しばらくはこれで過ごすとするか!」
胡桃はこの髪を他のメンバーに見せに行くことにした。
「よう美紀!」
「・・・あの、どちら様ですか?」
美紀は冗談で言っているようではなかった。
「・・・髪型変えたぐらいでそんなに印象変わるのか?」
ふと胡桃はあることを思いつき、近くにあったシャベルを恐る恐る持ってみた。
「え?もしかして胡桃先輩ですか!?」
「お前にとってアタシはシャベルが本体なのか?」
以上です。読んでもらいまして、ありがとうございます。
さて、今回でそろそろこのssも終了させていただきたいと思います。
特にストーリーらしいストーリーもありませんでしたが、これまでお付き合いいただいた方々へご感謝いたします。
別のssでクロと胡桃の絡みを書くかもしれませんが。
今までありがとうございました!
お疲れ様でした。
きららでは異色の経歴の2人だけに、「ストーリーらしいストーリー」がないことが幸せなんでしょうね。
お疲れ様でした!
最後をギャグで締めるのが日常っぽいからか、戦い続ける2人にとって理想的なオチだと思います。
>>168
感想ありがとうございました!
最後はどうしようか考えずに書いてきましたが、そう言われると嬉しいです!
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