初投稿です。よろしくお願いします。
アニメは視聴しましたが、原作が未読なので設定におかしなところありましたらご指摘お願いします。
完結まで書き溜めてあるので未完にはなりません。
少しずつ小出しにしていきます。
――学校
たまて「いつもやかましいくらいに元気な栄依子ちゃんが、ため息などつくとは」
たまて「進級してピカピカの二年生になったばかりだというのに」
たまて「何かあったんでしょうか?」
冠「心配」
花名「どうしたんだろう……」
栄依子「あれ?やかましいくらい元気なポジションって私が就任しちゃっていいの?」
たまて「どうしたんですか?悩みがあるのでしたら微力ながら私達が相談に乗りますよ?」
栄依子「ごめんごめん、別に何でもないのよ」
冠「本当に?」
栄依子「本当よ、大したことじゃないから」
冠「…………」
栄依子「さっ、次は体育だから、早く準備しましょう」
花名「そうだね……」
たまて「大したことじゃないってことは、何かあったってことですよね?平たく言うと」
冠「栄依子、何か隠してる」
たまて「そういえば私、春休みに栄依子ちゃんと一度も会ってません」
たまて「冠ちゃんと花名ちゃんはどうですか?」
冠「私も会ってない」
花名「私も……。何かあったのかな……?」
――翌日
栄依子「フゥ……」
たまて「ため息が若干マイルドになってますが、栄依子ちゃん、やっぱり何かあったんですよ」ゴニョゴニョ
冠「栄依子、らしくない」ゴニョゴニョ
花名「何とか力になってあげられないかなあ?」ゴニョゴニョ
たまて「ここはストレートに聞くほかありませんね!!」
たまて「栄依子ちゃん、昨日からため息ばかりですよ!!」
たまて「一体何があったというんですか!?」
栄依子「あら、たまったら、今日は一段とテンション高いのねえ」
たまて「栄依子ちゃんが悩みなんかないとか言っておきながらため息ばっかりついてるからですよ!!」
たまて「悩みがあるなら話してみてくださいよ!!」
たまて「あなたの友人たちはそんなに頼りになりませんか!?」
栄依子「いやあ……、そんな話すほどのことでもないからねえ……」
花名「栄依子ちゃん、私達じゃ大して力になれないかもしれないけど」
花名「話せば多少は気が紛れるかもしれないから、だから話してみて」
花名「それに、栄依子ちゃんが落ち込んでるのをただ見てるだけなんてできないよ……」
栄依子「花名……」
冠「えーこ……」
栄依子「…………」
たまて「それに、なんかそんなにため息つくほどの悩み、気になるじゃないですか!!」
栄依子「ああ……、せっかくいい感じの空気だったのに……」
栄依子「じゃあ……、悪いけど……、話聞いてもらっちゃおうかなあ」
たまて「おお〜、そうこなくっちゃ」
たまて「ささっ、話してください」
たまて「どんな悩みもたまちゃんがサクッと解決ですよ」
たまて「でも、お胸の悩みはたまちゃん専門外です」
たまて「って!!誰が貧乳ですかー!!」
冠「私は身長が専門外。あと早食い」
花名「ええっ、私は、えっと……、専門外がいっぱいあって……、ごめんなさい……」
栄依子「花名〜、無理に乗っからなくていいのよ〜」
たまて「脱線してしまい申し訳ありません」
たまて「それでは栄依子ちゃん、悩みを聞かせてください」
栄依子「うん、まあ、私のことじゃなくてね、実はミッキのことなんだけど……」
栄依子「……………………」
花名・たまて・冠「……………………?」
栄依子「……ここじゃ何だし、帰りながらでいいかな?」
たまて「ええ、まあ、いいですよ?」
――放課後 帰り道
たまて「はいっと!!あっという間に放課後なわけです!!」
たまて「さあさあ栄依子ちゃん!!悩みを打ち明けちゃってください!!」
栄依子「……楽しんでないかい?百地さん?」
たまて「ええ、なんというか、ルックス、スタイル、家柄、学力、体力等々」
たまて「あらゆる点で平均を上回るぱーふぇくとがーるの栄依子ちゃんが」
たまて「等身大の人間と同じように悩みを抱いていると知って」
たまて「なんか嬉しくなってしまっているのは確かです」
栄依子「あれ?私嫌われてる?」
たまて「違います違います。そういうんじゃないですって」
たまて「栄依子ちゃんをより身近に感じれてなんか安心したって感じでしょうか?」
たまて「よくは分からないのですが」
花名「……少しだけ共感できるような……」
たまて「分かっていただけますか!?この気持ち!!」
栄依子「まあ……、いっか……」
たまて「さて、栄依子ちゃんのお悩み……」
たまて「先程、妹さんがどうとかおっしゃってましたが」
たまて「妹汁さんとの間に何かあったのですか?」
花名「そういえば光希ちゃん、受験生だったよね?」
冠「星尾に受かったの?」
栄依子「受かってない……、というか受けれなかったのよ……」
花名「ええ〜〜っっ!!??」
たまて「うわぉ、花名ちゃんナイスリアクションです」
たまて「いや、そんなことになっていたとは……」
冠「どうして受験できなかったの?」
栄依子「ちょっとめんどうな病気になっちゃってね……」
栄依子「病気自体はもうとっくに治ってるんだけどね」
栄依子「その頃にはもう入試の日程が過ぎちゃってたのよ……」
たまて「……それは不幸な出来事ですねえ」
たまて「でも栄依子ちゃん、周りの人間がそんなに落ち込んでたら本人さんもかわいそうですよ」
たまて「たとえ志望校に入れなかったとしても」
たまて「それで人生が決まるわけじゃないんですから」
花名「そうだよ、栄依子ちゃん!!志望校に落ちたくらいなんてことないよ!!」
花名「世の中にはもっと大変な思いをしている人がたくさんいるんだよ!!」
たまて「……なんだか今日の花名ちゃん、やたらと真に迫ってますねえ」
冠「さすが身近に浪人生がいる人は違う」
栄依子「私もたまや花名の意見には同感なんだけどね」
栄依子「ミッキは今、高校生ですらないのよ……」
栄依子「もっと言えば……、その……」
たまて「その?」
栄依子「部屋から出てこないの……。そろそろ一ヶ月になるかしら……」
たまて「oh……」
栄依子「第一志望が無理でも、二次募集とか、他にもいろいろ手段はあったんだけどね?」
栄依子「ミッキったら、星尾を受けることすらできなかったのが」
栄依子「よっぽどショックだったみたいで……」
栄依子「このまま引きこもりになっちゃったらと思うと……」
たまて「ああ〜、それは〜〜」
たまて「我々の手に負える案件ではありませんね……」
たまて「栄依子ちゃん、そこまで重い内容とは知らずに軽はずみにはしゃいだりしてしまって申し訳ありません」
たまて「それと生意気なことを言っておきながら、私では力になれそうにありません」
冠「栄依子、ごめん」
栄依子「いいのよ、気にしないで。身内にすらどうにもできないことだもの」
栄依子「簡単に解決できることではないと思ってるし」
栄依子「まあでも、たまのはしゃぎっぷりにはちょっとイラッとしたけどね」
たまて「言い訳のしようもありません……」
栄依子「それでも、少し気が楽になった気がする。聞いてくれてありがとね、みんな」
たまて「そんなぁ……、妹さんが元気になったら知らせてくださいね……」
冠「待ってる」
栄依子「うん、わかった」
花名「……………………」
――夜 十倉家 光希の部屋の前
栄依子「ミッキ、お風呂あがったからね」
栄依子「いつでも入っていいからね」
「……………………」
栄依子「……………………」
----
--------
------------
栄依子『ミッキ、受験できなかったのは残念だけど』
栄依子『いつまでも落ち込んでてもしょうがないからさ』
栄依子『そろそろ切り替えていきましょ』
栄依子『とりあえず夕飯食べよ』
栄依子『ミッキ、聞いてる?』
『……………………』
栄依子『ねえミッキ、本当にそろそろ考えないと』
栄依子『どこも行く所無くなっちゃうわよ』
栄依子『とりあえず部屋から出てきてさ』
栄依子『一緒にこれからのこと考えましょう?』
『……………………』
栄依子『ミッキ、あなた、いつまでそうしてるつもりなの?』
栄依子『時間が経てば経つほど出づらくなるのよ?』
栄依子『引きこもってても何にも解決しないでしょ?』
栄依子『だから、お願いだからさ……』
栄依子『出てきてよ……』
『……………………』
栄依子『ミッキ、今日はあなたの友達が心配して来てくれてるんだけど……』
栄依子『会ってみる気はない?』
栄依子『ミッキがどうしたいのか解らないから家の前で待っててもらってるんだけど』
『……………………』
栄依子『やっぱり…………、帰ってもらうことにするわね…………』
栄依子『ミッキ、今日、あなたの卒業式よ』
栄依子『今日学校に行かないともう会わなくなる人とかいるかもしれないのよ』
栄依子『お世話になった先生とかもいるでしょう?』
栄依子『あなたはこれでいいの?ミッキ……』
『……………………』
栄依子『ねえミッキ、ちょっと一緒に出掛けない?』
栄依子『今日はいい天気だし、少しずつ暖かくなってきたしさ』
栄依子『しばらくあなたの声も聞いてないし…………』
栄依子『ねえ……、返事してよ……』
『……………………』
栄依子『ねえミッキ、私、どうすればいいのかなあ』
栄依子『あなたに何をしてあげられるのかなあ』
栄依子『あなたを励ますことが私にできることだと思ってたけど』
栄依子『ただプレッシャーを与えてるだけなのかなあ』
栄依子『ねえ…………、ミッキ…………』
『……………………』
栄依子『ミッキ、今日から私また学校に行くから』
栄依子『……………………』
栄依子『行ってきます……』
『……………………』
------------
--------
----
栄依子「……………………」バフッ
栄依子「寝よ……」
この街には、花名や万年さんがいるから…(震
>>20〜28のだんだん時が過ぎて行って、ことが悪化していく所を細かく描けてます
読ませていただきました!
花名にとってもきついですね…
そしてたまてやっぱりいいこです
続きがとても気になります…!
これは…どうなってしまうのでしょうか……たまてちゃんはいい子。
なかなかシリアスですね…続きが気になります!
コメントいただけてるのは本当にありがたいです。
たまていい子という声がありますが、この辺気を使いました。
最初書いてる時は栄依子に対する謝罪とかもなかったのですが、
やるデースのまとめだか作者インタビューだかを読んで、
「そうだった!!たまちゃんっていい子だったんだ!!あずまんがの智ちゃん想像しながら書いてたわ!!」
ってなっていい子に軌道修正しました。
あとたまちゃんだけじゃなくみんないい子です。念のため
それと20からの過去の回想も最初はありませんでした。
ただぞれだと栄依子がどれだけストレスを受けているのか読んでくれている人に伝わりづらいと思い、追加しました。
今後の栄依子の行動に説得力を持たせたかったのです。
それでは再開します。読んでくれる人はいるでしょうか
――同刻 花名の部屋
花名「……………………」
花名(よし……)
プルルルルル
プルルルルル
プルルルルル
プルルルルル
プルルルルル
プルルルルル
プルルルルル
プルルルルル
栄依子『……どうしたの、花名?』
花名「あっ、ごめん栄依子ちゃん、こんな夜中に……」
栄依子『まだ9時よ?それで、どうしたの?』
花名「あっ、えっとね、栄依子ちゃん。今日話した妹さんの話なんだけどね」
花名「やっぱり何か力になれないかなって思って……」
栄依子『……………………』
花名「……………………」
花名「な、何か、私にできることってないかなあ……」
花名「うわっ?」
花名「栄依子ちゃん!?何かすごい音がしたけど!」
花名「あの……」
花名「……………………」
花名「……………………」
栄依子『ごめん、花名』
栄依子『スマホ落としちゃった』
栄依子『あ、あとミッキのこと?』
栄依子『気持ちはありがたいんだけどね?』
栄依子『別に花名がそこまで気にすることじゃないのよ?』
栄依子『だからそんなに心配しないで』
栄依子『きっと大丈夫だから』
花名「……ごめんね、栄依子ちゃん……」
花名「余計なおせっかいかなとは思ったの……」
栄依子『……………………』
花名「でも栄依子ちゃん、聞いてほしいことがあるの」
花名「私、実はね……」
――翌日 学校
たまて「おはようございます、栄依子ちゃん」
冠「おはよう、栄依子」
栄依子「おはよう、たま、冠」
たまて「おや?昨日と比べて少し元気になったように見受けられますねぇ」
たまて「何か妹さん絡みで進展がありましたか?」
栄依子「……まあ進展ってほどじゃないかもだけどね」
栄依子「今回の件で力になってもらえそうな人が見つかったのよ」
たまて「おお〜!!流石栄依子ちゃんです!!」
たまて「まさか心理カウンセラーのお知り合いまでいたとは!!」
たまて「栄依子ちゃんの人脈には私たまちゃんも脱帽です!!」
栄依子「そんな大それた人じゃないんだけどね」
冠「どんな人?」
栄依子「普通の人よ。昔浪人した経験があるんだって」
花名「おはよう」
たまて「おはようございます花名ちゃん!!」
たまて「花名ちゃん、朗報ですよ!!栄依子ちゃんの妹さんに心強い味方が現れました!!」
花名「えっ?えっ?あの……、えっと……」
栄依子「ほぉら、たま、花名が困ってるわよ」
たまて「これはこれは失礼しました」
栄依子「まあそういうわけで、今日の放課後はその心強い方と待ち合わせてるから」
栄依子「今日は先に帰るからね」
冠「わかった」
たまて「分かりました!!」
花名「……………………」
花名(び……、びっくりした……)
――放課後
栄依子「じゃあ、また明日ね、みんな」
冠「また」
たまて「いい報告待ってますよ!!」
花名「またね……、栄依子ちゃん」
たまて「さてさて、栄依子ちゃんは帰ってしまいましたが」
たまて「なんだか最近放課後になったら真っ直ぐ帰る日が続いているとは思いませんか?」
たまて「栄依子ちゃんには申し訳ないですがちょっとだけ」
たまて「ちょぴ〜っとだけでもいいのでどこかに寄って行きませんか?」
花名「あっ、ごめんたまちゃん」
花名「私も今日はその……、予定があって……」
たまて「なはぁぁぁぁ!!」
花名「ごめんね……、その……、また明日ね……」
たまて「うぇぇぇぇん、また明日〜〜〜!!」
たまて「元気な花名ちゃんにお目にかかれる日を楽しみにしてます〜〜〜!!」
冠「また」
たまて「あっという間に二人になっちゃいましたね……、冠ちゃん……」
冠「うん」
たまて「アイス……」
冠「…………」
たまて「せめて帰る前にアイスでも食べていきませんか……?」
冠「合点」
花名(放課後に駅前に集合、放課後に駅前に集合……)
花名(急がないと……、栄依子ちゃんが待ってる……)
花名(急いで……、早く……、早く……)
花名(…………駅、…………遠い…………)
- WEB PATIO -