こはね「じゃーん、こういうものを取ってみました!!」デデーン
宇希「えっ!?なになに……催眠アプリ?なんだそれ?」
こはね「何って、そのままだよ 催眠ができるんだよ」
宇希「ふーん……」
こはね「宇希信じてないね!信じるものは何とやらだよ」
宇希「……まぁ、足は掬われたくはないな」
こはね「もう、ならやってみてよ宇希!!」
宇希「えっ? 何が?」
こはね「だーかーらー 宇希が私に催眠してみてよ」
宇希「ええっ /// 急に……」モジモジ
こはね「いいじゃない、もしかしたら完全に高いところが大丈夫になるかもしれないし」ブンブン
宇希「……!!あっ、そうだな」
こはね「はい! ということで、お話はおわりっ!さっ催眠かけて」テワタシ
宇希「……いいのか?」
こはね「え、なにが? 使いわからないの? 使用説明欄があるから見てみて、でも催眠ボタンを押して相手に見せるだけだから簡単だよ」
宇希「……あの、こはね……聞きたいことがあるんだが……」
こはね「んん? なぁに?」
宇希「こはねはこれ使ったことがあるのか?」ドキドキ
こはね「ううん、宇希がはじめてだよ あっ、でも宇希に使われるからそれもはじめてか」
宇希「そ、そうなのか……」
こはね「じゃあ、お願いね」
宇希「ああ……わかった」
宇希『ええと、説明書……』
ー催眠アプリー
本アプリは、お手軽に相手に催眠をかけることを目的にしています。使い方は、アプリを開いた際の「催眠ボタン」というピンク色のボタンを押していただくことで使用できます。画面に出てくる渦を相手に見てもらうことで催眠が行われ、催眠がかかった相手には暗示をかけたりなどできます。暗示は相手に言ったことを復唱させることでかけられます。
催眠状態を終了する際は、右上に表示される、×ボタンをおして終了してください。催眠、または暗示をやめるときは、解除ボタンをおしてください。
※催眠の成功率は個人差があります。なお、時間をかければほぼすべての人に催眠がかかるようになっているので、すぐかからない場合でも根気よくお試しください。
※催眠によって生じた不都合は、私どもは一切責任を負いません。
※本アプリの不具合などはこちらにご連絡をおねがいします。
宇希『だいたいこんなところか……』
宇希「おっけ、準備できたぞ ポチッ こはね……画面をみてくれ……」ゴクリ
こはね「はーい、じゃあ みるね」グルグル
〜〜
宇希『なんだか、すごくいかがわしいものをやっている気分……おっ、かかったかな』
宇希「あのー、こはね かかったかー?」
こはね「……はい。」ハイライトオフ
宇希「……じゃあ、ジャンプして」
こはね「……はい。」ピョン
宇希『本当にかかっているのかな? そういえば、確か高いところを克服するために催眠をかけたんだよな 暗示か』
宇希「あー、こはね」
こはね「……はい。」
宇希「えーっと、あなたはだんだん高いところが平気になる はい、復唱して」
こはね「……はい、だんだん高いところが平気になる。」
宇希「これでいいのか…… 実験のために、どこか高いところ……でも危ないことはさせられないし…… と、催眠は解除しておくか」ポチッ
こはね「はっ!!あれ、ここは?」キョロキョロ
宇希「おっ、もどってきたか? ちょうど高いところがだいじょうぶになる暗示をかけたんだが、いい場所ないか?」
こはね「ふふん、心配ゴム用!!そのためにVRなるものを買っていたのだよ!」ババーン
宇希「VRゴーグルか!準備がいいな」
こはね「そうそう、それに天空の動画を流せば臨場感マックスだよ!! さっそくスマホと接続してと ピロン 宇希、高所の映像をお願い」
宇希「ああ、わかった ええと、高所恐怖症っと…… こはね……」
こはね「え?なに?」
宇希「本当に大丈夫なんだな 椅子に座らなくてもいいのか?」
こはね「別に大丈夫だよ それに、そのほうが証明しやすいしね」
宇希「わかったけど、ふらついたら動画は止めるからな」
こはね「うん、それくらいがちょうどいいね」
宇希「うん、再生するぞ!」
こはね「よーし、こい!」
宇希『……本当にだいじょうぶそうだな 私もスマホで映像を見ているが、手汗が止まらない…… 本当に、恐怖という感情が麻痺しているみたいに高層ビルの縁を歩いていたり、ひやひやするよ』
こはね「へーっ、ふーん ははっ!結構高いところでやっているんだね」
宇希「マジか……全部見終わったよ!」
こはね「終わっちゃったんだ、もっと見たかったな〜」
宇希「こはね、手を見せて……」
こはね「ん?いいよ」サシダシ
宇希『マジか……冷や汗ひとつかいてない 本当に本物なのか、あのアプリ』
宇希「ああ、ありがと」
こはね「どう?宇希」
宇希「え!? どうって?」
こはね「宇希も幽霊を一時的に克服してみない?」
宇希「……ううん、まぁ……そうだな、やってもいいかな」
こはね「じゃあ、さっそく 催眠するね」ポチッ
宇希「うん、おねがい」グルグル
こはね「催眠かかったかな…… 宇希」
宇希「……はい。」ハイライトオフ
こはね「うん、たぶんかかっているね さて、暗示の前に……」
こはね「ねぇ、宇希 キスして……」
宇希「……はい。」グッ
こはね「……!!だめっ!やめて!!」バッ
宇希「……はい。」
こはね「ハァ……ハァ…… やっぱり、これはダメだな……こんなのでキスしたら、魂が汚れちゃう」
宇希「……。」
こはね「でも、聞きたいことがあったんだ…… あの時、私がアメリカに行くって伝えたとき何も答えてくれなかったよね 本当はあの時どう思っていたの?」
宇希「……。」
こはね「……答えてくれないか……やっぱり、聞かない方がよかったかな」
宇希「……好ましくない感情。」
こはね「ははっ……そっか いきなり伝えたもんね、それに今までずっと一緒だったもんね」
宇希「……。」
こはね「でも、それは夢のため……ってなに言い訳してるんだろ……でも、聞いておいて。私は宇希のことが大好きだよ…… いつか、君に伝えるね」
宇希「……はい。」
こはね「ハァ……さっ、暗示をしよ……ええと、あなたは幽霊がこわくなくなる はい、復唱して」
宇希「……はい、幽霊がこわくなくなる。」
こはね「これで、暗示は終わったし 解除」
宇希「あれ? ううん、催眠はおわったのか?」
こはね「うん!終わったよ さっそくホラー映画をみよー!多分こわくなくなっているとおもうよ!」
宇希「そうだな、なんかあんまり怖くないような気がするな」
こはね「うんうん、映画は前に録画してあったやつだよ 怖さはかなり上で私のお墨付きだよっ!」
宇希「ああ、これかぁ…… そういえば、すごく怖かったって言っていたよな」
こはね「再生するよ〜」
宇希「ああ、だいじょうぶだよ」
〜〜
宇希『あれ?本当に怖くないんだけど…… というか、こはねが怖がっててかわいい。部屋を薄暗くしてるから雰囲気でてるなぁ』
バーン!!!
こはね「うわぁ! びっくりしたぁ……宇希ぃ?……」ギュッ
宇希「ああ……/// 怖くないよ、でもかなりくっつかれると動きにくい」モゴモゴ
こはね「ううん? でも、ピークが過ぎるまではくっついても……いい?」
宇希「ええっ!!/// ん、まぁそうだな」
〜〜
こはね「ふぅ、終わったね」サッ
宇希「そうだな……」
『最後までくっついていたな……』
こはね「どうだった?宇希?」
宇希「えっ、そうだな……催眠とか暗示とか全然信じていなかったけど本当にすごいんだな」
こはね「言ったでしょ? でも、催眠は解除しないとね」ピッ
宇希「ん? 特に問題はないな」
こはね「私も別に何ともないね」
宇希「う〜ん でもだいぶ疲れたな」
こはね「そうだ、いい時間だしご飯食べに行かない? ハンバーグとか食べたいなぁ」
宇希「賛成! じゃ、行こっか」
―完―
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