【SS】 椿 「普通になりたかった女の子の話」
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1 名前:ペンギノン (あおちゃんSSの人) [age] 投稿日:2023/12/24 23:59:52 ID:0TYCkygRHF
[Attention!]
この作品は『あんハピ♪』を題材としたSSです。
あくまで上記原作とは一切無関係な所謂二次創作 (或は三次創作) です。
創作の関係上、大いに独自設定 ・ 捏造 ・ 原作を逸脱した点が存在します。
SSによくある会話形式ではなく、モノローグや背景描写などを多分に含みます。
その関係で文字が多く、読みづらいです。
アニメ化範囲外のネタバレを盛大に含みます。まず主役からしてネタバレです。
書き溜めありです。と言うより、既に最後まで完成しています。
最後に、今回はいつも以上に登場人物の考え方などが私自身のそれに寄ってしまっている可能性があります。その旨充分にご注意ください。

以上の点を了承してくださる方は、どうかお付き合いください。

2 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:02:02 ID:0TYCkygRHF
 「起動 (アクティベーション)... チモシー!!!」
 文化祭の日、叫び声が大荒れの空に響き、休眠状態 (スリープモード) だった機械仕掛けの兎は不幸体質の少女を救った。ほんの少しでも『それ』が遅れていたら、ボクは生涯その罪と後悔を背負っていくことになっていただろう。
 もしも、正体が知られたら。もしも、キミに嫌われたなら。そんなことを普段は考えてしまうが、最早猶予はなかった。彼女が傷ついてしまうくらいなら、ボクの全てをかなぐり捨てる方が何十倍もましだった。
 果たしてその行動は功を奏し、その少女 ─花小泉杏さん─ は、竜巻とそれによって飛んできたテントで怪我をすることはなかった。ボクは、花小泉さんを守れたんだ。
 直後のボクは、バグでも起こったかのようにびくびくしていることしかできなかったけれど。屈託のない笑顔を見せる花小泉さんの姿を見たとき、ほんのちょっとだけ。
 ほんのちょっとだけ、自分のことが誇らしく思えた。

3 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:04:01 ID:0TYCkygRHF
 ボクは、異質だ。
 それを自覚した頃には、引き返せる地点をとっくに通り過ぎていた。
 生まれつき金髪で、日本人離れした容姿だった。そのせいで、変な視線をしょっちゅう浴びてきた。そのことが、兎に角苦痛だった。
 その苦痛は、ボクを人との関わりを避ける方向に誘導した。結果として、ボクは対人関係が極端に苦手な性格に育ってしまった。人よりも、機械やシステムと向き合っている方が気楽に感じる。我ながら気難しい性分だ。
 天之御船学園に進学してからも、それは変わらなかった。1年7組、通称 “幸福クラス” の担任である小平先生の計らいで個室登校が認められたことは、臆病なボクにとって救いだった。

4 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:06:07 ID:0TYCkygRHF
 ボクが機械に強かったことも、ボクの特殊すぎる『学校生活』を下支えしてくれた。ボクは、遠隔で授業を受けると共に、学校で行われる行事の手助けをするようになった。一見矛盾する役割を両立させる方策は、まさにボクの得意分野である機械工学が叶えてくれた。それが、チモシーだった。
 チモシーは、うさぎを模したゆるキャラのようなロボットだ。見た目だけはぬいぐるみだが、れっきとした機械。ボクはチモシーを使って、学園のサポートをしつつ幸福クラスの “生徒” として日々を過ごした。
 実のところ、楽しさは感じていた。特に、花小泉杏さん、雲雀丘瑠璃さん、久米川牡丹さん、萩生響さん、江古田蓮さんの五人は、想定外のトラブルも多い分笑顔も多かった。チモシーとしてそんな五人と関わるうちに、ボクはこっそり考えるようになった。
 もしボクが『普通』の生徒だったら、『普通』の人間だったら、本当の意味であの場にいられたのかな、と。

5 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:08:10 ID:0TYCkygRHF
 普通。その定義は、個人やかれらが属する集団、あるいは時代や風習によって大きく異なるとされる。しかし一方で、世間は時に所謂『普通の人』と言うべき概念を暗示し、支持する。
 文字に起こすのは困難を極めるが、少しでもはみ出すと異端な存在として苦労することになる。そういう目に見えないテンプレートを、世間は『普通』と呼んでいる。
 ボクは、ことごとく『普通』からはみ出してしまった。こんな歳になるまで引き摺っているのだから、筋金入りと言ってよいだろう。
 人生設計に失敗した。そう思うことも、幾度もあった。そんな中でも何とか生きられるように、独学でプログラミングや機械工学を学び、企業に技術を売り込んだりした。外部組織による証明、つまりは既成事実を作ってしまうことで、ボクはボクの生き場所を強引に作った。

6 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:10:22 ID:0TYCkygRHF
 チモシーとしての自分は、そんな経験があったからこそ存在している。チモシーとしてなら、誰かと接することも多少自然にできる。ただ、それが『普通』とはかけ離れていることに関しては、認めざるを得ない。
 それに負い目を感じないとするのは、はっきり言って嘘だった。
 それでも、踏み出すのはとても怖かった。
 だから、逃げた。逃げ続けた。
 小平先生は、そんなボクのことを見透かしていた。だからこそ、敢えて正面から、ボクに挑戦状を叩きつけた。
 それが、中途半端とも言えるタイミングでのクラスへの紹介であり、文化祭への参加だったのだ。

7 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:12:01 ID:0TYCkygRHF
 文化祭の日を境に、ボクは時々花小泉さんたちと話すようになった。尤も、ボクの方から話しかけに行けるはずもなく、専ら話し相手としての立ち回りではあったが。
 ボクが花小泉さんを助けたことは、多分トリガーではない。少なくとも花小泉さんは、ボクの正体に気付いていないようだった。どう考えても気付かれそうな行動をとっただけに、正直拍子抜けした。
 チモシーを通して会話することは度々あったものの、それを取り払い面と向かって話そうとすると、言葉がつっかえた。考えてみれば、何とも奇妙な現象だ。
 それにも関わらず、コミュニケーションは比較的きちんととれた。無論、コミュ症極まるボクの力ではない。偏に、花小泉さんたちがあたたかかった。それに尽きる。

8 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:14:01 ID:0TYCkygRHF
 ボクには、あの人たちに返せるものなんか何もないというのに。ただただ、貰ってばかりの一方的な関係なのに。こんな身勝手なボクを、気にかけてくれるんだ。
 勇気なんてない。度胸なんてない。どこまで行っても、恐怖心があらゆる感情を上書きしてしまう。そんなボクを、彼女たちは見捨てようともしないから。
 ... 多少なりとも、思っちゃうじゃないか。一緒にいたい、とかさ。

9 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:16:04 ID:0TYCkygRHF
 「... きちゃん? つーばーきーちゃん?」
 「うわぁぁっ!? ご、ごめんね花小泉さん、ちょっとぼーっとしてた」
 突然、意識が引き戻される。ボクのことを、花小泉さんが不思議そうに見つめている。
 そう。まさに今、ボクは花小泉さんと二人きり。
 ある日、偶然学校の帰り際に花小泉さんと鉢合わせて、そのときに今日の予定が立てられた。当初はあまり乗り気ではなかったが、実のところ今のボクは少しばかり浮かれてすらいる。とはいえ、こういう状況は未だに慣れず、どうしたら良いか悩んでいるうちに、その思考が脇道に逸れてしまっていたというわけだ。

10 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:18:08 ID:0TYCkygRHF
 「椿ちゃん、疲れてる? お菓子あげるね、はい」
 「えっ? あ、ど、どうも...」
 花小泉さんは、手早くボクに小さな袋を手渡した。うさぎの形をした、ひとくちサイズのクッキーだ。何個か入っているものの、とてもかわいくて食べてしまうのが勿体ない。
 しかし、そうはいなかさそうだ。期待するような花小泉さんの視線を感じる。

11 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:20:03 ID:0TYCkygRHF
 「... えっと、じゃあ、いただくね」
 一応断りを入れて、袋を開ける。ほんのり焼けた小麦のにおいが、僅かに漂う。中のクッキーをひとつ摘んで、恐る恐る口に運んだ。
 その瞬間、広がったのは仄かな甘み。しつこくなくて、けれど確かに感じる、絶妙な味だった。
 「お、美味しい。この味、すごく好き」
 花小泉さんは、ボクの返事を聞いて相当ご機嫌なようだ。

12 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:22:03 ID:0TYCkygRHF
 「ほんとー!? えへへぇ、嬉しいなぁ。いやー、色々事故りながら頑張って良かった良かった」
 「え、えぇー...」
 なかなかに物騒なことを、平然と口にする花小泉さん。多分、小麦粉の袋が宙を舞って辺り一面真っ白になるくらいのトラブルは、彼女にとって取るに足らない日常なのだろう。
 「だ、大丈夫、なの? 怪我とか、してないよね?」
 不安になったボクは、花小泉さんにそう訊いてみる。花小泉さんは、満面の笑みを浮かべながらサムズアップしてみせた。

13 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:24:03 ID:0TYCkygRHF
 「大丈夫大丈夫、ちょっと火傷したくらいだし」
 「や、火傷っ!?」
 もしかして、オーブンが暴走したのかな。それ、普通にやばい状況だと思うんだけど。
 「それに、椿ちゃんがこんなに喜んでくれたもん。頑張った甲斐があったってものだよ!」
 そう。彼女の一番の強みは、このポジティヴさ。どんな逆境も、はねのけるどころか不幸だと解釈すらしない。

14 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:26:06 ID:0TYCkygRHF
 「えへへっ! わたし、とってもツイてるよ!!」
 ほら。キミはいつも、口癖のようにそう言って、全てをポジティヴなものに変えてしまうんだ。まるで ─そう、敢えて非科学的な概念で形容するなら─ 魔法でも使うかのように。
 仮に、魔法なるものがこの世界に存在するとしたなら。目の前で笑うこの少女は、間違いなく超一流の魔法使いに違いない。ボクは苦笑いしながら、食べかけのクッキーを再び口に含んだ。
 ... あれ。このクッキー、さっきより甘さが増したかな。
 気の所為か。うん、きっとそうだよね。

15 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:28:04 ID:0TYCkygRHF
 ボクと花小泉さんは、街を歩いている。
 超インドア派のボクがこんなことをするなんて、衝撃そのものだ。少なくとも、天之御船学園の門を初めてくぐった頃のボクには想定すらできなかっただろう。
 ボクたちの傍を、そよ風がそっと通り過ぎていく。ボクと花小泉さんの髪の毛が、さらさらと揺れる。
 花小泉さんの髪の毛は、鮮やかな金色。数少ない、ボクと彼女の共通点のひとつだ。尤も、普段は特に意識する機会もない。それくらい、ボクたちは別の存在だから。

16 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:30:08 ID:0TYCkygRHF
 ボクと花小泉さんは、お世辞にも似ているとはいえない。何から何まで、違う世界に生きている二人としか言いようがない。
 花小泉さんもまた、天之御船学園1年7組に集められた少女だ。あの空間にいる以上、彼女は不幸を呼び寄せる性を背負っている。ボクたちは、言ってしまえばそういう集団なんだ。
 しかしながら、彼女は自らに降りかかる不幸を不幸と思わない。誰よりも不幸に鈍感で、誰よりも幸福に敏感。そうやって、彼女は毎日を至って楽しく生きている。

17 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:31:53 ID:0TYCkygRHF
 いつしか、ボクは花小泉さんのことをどこか意識するようになっていた。花小泉さんの後ろ姿を自然と目で追うようになり、花小泉さんの笑顔を見ると胸がきゅっと締めつけられた。もどかしくて、苦しくて。
 憧れ。きっと、そうとでも名付けるのが望ましいのだろう。きっと、ボクは花小泉さんに憧れているんだ。
 花小泉さんみたいに、なれたらいいのに。どう足掻いても絶対に叶うことのない願い事を無意識のうちに抱いているボクは、あまりにも惨めだ。

18 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:34:01 ID:0TYCkygRHF
 「椿ちゃんって、お休みの日はどんなことしてるの?」
 「うひぃ!? は、はぁ、はぁ...」
 花小泉さんの問いかけが、油断していたボクにクリーンヒット。まさかこんなタイミングで話しかけられるなんて、予想もしていなかった。
 「ご、ごめんね椿ちゃん!? だ、大丈夫!? お水飲む!?」
 「だ、だいじょうぶ... けほけほ」
 ボクの顔を覗き込もうとする花小泉さんから視線を必死にそらしながら、ボクは何とか答える。コミュ障は、前もって準備しないとまともに会話もできない。

19 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:36:00 ID:0TYCkygRHF
 花小泉さんが、不安そうにボクを見ている。そんなに気を遣わなくていいのにな。
 息を整えて、言葉を紡ごうとして... 困った。
 彼女が恐らく期待しているような答えは、持ち合わせていない。チモシーのメンテナンス、機械やプログラムの勉強、何年もやり込んでいるMMORPG。要するに、外に繰り出して街を巡るような、『普通』の高校生が嗜んでいそうな休日は、ボクには存在しないのだ。
 「えっと... 椿ちゃん? もしかして、答えづらかったかな?」
 花小泉さんの瞳が、揺れる。フリーズするボクの様子を、敏感に感じ取るように。

20 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:38:06 ID:0TYCkygRHF
 「え、えっと... お、オンラインゲームとか、やってる...」
 一番普通っぽいのがこれって我ながらどうなんだろう、などと思いつつ、ボクは答えた。
 「げーむ! わたしはあんまりやらないけど、椿ちゃんがやってるならきっとすごく面白いよね!!」
 そう言って、花小泉さんは目を輝かせる。眩しい。眩しすぎるよ。
 「そうだ! 椿ちゃん、わたしも椿ちゃんのやってるゲームやってみたい! どうしたらいいかな!?」
 「ちょちょちょ、距離近いよぉ」
 ここぞとばかりに、花小泉さんが急接近。気の迷いか、彼女の背後に一瞬、子犬のしっぽが激しく揺れるような幻覚を見た。

21 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:40:02 ID:0TYCkygRHF
 「あっ、ごめんね椿ちゃん! 迷惑だったよね」
 そう言って花小泉さんは、申し訳無さそうな顔を浮かべる。まるでジェットコースターに乗っているかのごとく、リアクションの起伏が激しい。その辺も、正直子犬みたいだ。
 「そ、そんなことないよっ。ボクが人と接するのに慣れてないだけだから」
 ぐさっ。自分で言った台詞で、勝手にダメージを受けた。自分が一番認識している事実なのに、改めて言葉にするとなかなかクるものがある。
 「そっかぁ。それじゃあ」
 そう言うと、花小泉さんがボクの手を握ってきた... え!? ボクの手を?

22 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:42:05 ID:0TYCkygRHF
 「わたし、お手伝いするね! 椿ちゃんが誰かと一緒に楽しく過ごせるように!!」
 花小泉さんの笑顔が、煌めく。その煌めきは、向けられたもの全てを明るく明るく照らす。その姿は太陽か、あるいはもっと大きな恒星か。
 いずれにしても。心地の良い陽射しだと、思った。

23 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:44:02 ID:0TYCkygRHF
 花小泉さんからほんの少し離れた位置を保ちながら、ボクは歩き続ける。
 手は、もう繋いでいない。いつまでもそうしていられるほど、ボクはけして強くない。
 花小泉さんは、ボクに寄り添ってくれる。得体の知れないはずのボクを、推し量ろうとしている。
 もどかしい。それ自体が、もどかしい。ボクが花小泉さんと根本的に違う人間だから、こんなにつらい。ボクが普通じゃないから、こんなに苦しい。

24 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:46:04 ID:0TYCkygRHF
 努力は、勿論したい。対人関係の改善を手伝うと言ってくれた花小泉さんの思いに応えなきゃいけないし、応えたい。
 でも。そもそも、ボクが普通じゃないから、今ですら花小泉さんに迷惑をかけている。ボクが普通じゃないから、雲雀ヶ丘さんに、久米川さんに、萩生さんに、江古田さんに、クラスの皆に、小平先生に。何度も、何度も。
 もしかしたら。普段からボクは、周りにボクという名の不幸を、無自覚に振り撒いていたのではないか。そうやって、負う必要のない気苦労を、無責任に負わせていたのではないか。
 普通の人になる。型から外れたまま凝り固まったボクが、その型にすっぽり収まれる日は、果たして来るのだろうか。いいや、きっと永遠に...。

25 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:48:06 ID:0TYCkygRHF
 「椿ちゃん? さっきからお顔暗いけど、大丈夫?」
 「はっ!? は、花小泉、さん...」
 声のした方を見ると、ボクのことを心配してか、花小泉さんが近づいてボクを見つめていた。
 「ねぇ、椿ちゃん。わたしの想像通りなら、多分椿ちゃんは何か大きな悩み事を抱えているよね」
 花小泉さんの優しい声が聞こえる。包み込まれそうな、優しい声が。

26 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:50:01 ID:0TYCkygRHF
 「もし良かったらさ。その悩み事、わたしに聞かせてよ。誰かに打ち明けることで楽になれるって、よくある話じゃない」
 やめて。お願い、優しくしないで。これは、ボクの中で消化しなきいけない悩み。キミに話してしまったら、またキミを巻き込んでしまう。負担を増やしてしまう。
 「... 駄目、かな? わたし、迷惑だったかな?」
 「っ...!?」
 花小泉さんの一言に、衝撃と寒気を憶えた。違うよ。迷惑なのは、いつもボクなんだよ。だから、話すわけにはいかない。いかない、のに。
 「ぼ、ボクはっ!」
 やめろ。それ以上言うな。付け焼き刃な悪足掻きは、彼女の不安そうな顔の前に砕け散る。

27 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:52:01 ID:0TYCkygRHF
 「ボクは、普通の人生を送りたいんだ。こんな異質で歪な生き方なんて、嫌なんだ!」
 目から水滴が零れる。駄目だ、止められない。抑えきれない。
 「は、花小泉さんみたいに、明るくて快活で、誰からも愛されて、幸せで... そんな普通な人生に、どうしても憧れちゃうんだよ」
 花小泉さんは、ボクのことをじっと見つめている。何をするでもなく、ただ、じっと。
 「ぼ、ボクはっ、どうしたら、どうしたらいいのかな...? もう、わかんないよ...」
 声が、小さくなっていく。次の言葉が、うまくまとまらない。何か、何か言わなきゃ。その意思とは裏腹に、何一つ言葉は出てこない。

28 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:54:06 ID:0TYCkygRHF
 「... 椿ちゃん。今から、敢えてちょっと酷いことを言うね」
 花小泉さんは、いつもよりも暗い顔でそう言った。え、酷いことって何...?
 「もし、椿ちゃんがわたしのことを普通って言うなら、それは大きな間違いだよ。流石のわたしにも、自分が普通じゃないことくらいわかる。だって、こんなに周りに心配かけてばかりの子なんて、そう多くはないでしょ」
 『自身に不幸が次々と舞い込む』ことではなく、『周囲を心配させる』ことを危惧する。それが花小泉杏という人間なのだと、ボクは既に理解している。
 花小泉さんは、ボクに視線を合わせたまま続ける。

29 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:56:10 ID:0TYCkygRHF
 「だから、椿ちゃんがわたしに憧れたのなら... 憧れてくれたのなら、それは『普通になりたいから』なんかじゃないの」
 花小泉さんの、瞳。ボクをじっと見つめる、瞳。その引力に、ボクは捕らわれて、動けない。
 「逆にさ。『普通じゃない』ことって、何がいけないのかな? 誰かと違うやわらかい発想を持って、誰かと違う新しいことが言えて、誰かと違う面白いことができる。そんな生き方が、駄目だなんて思えないんだけどなぁ」
 反論も、相槌の言葉も、細かな断片となってすり潰される。決して威圧感はないのに、ボクはそれに抗うことができない。その現象に理由をつけることすら、できない。

30 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 00:58:01 ID:0TYCkygRHF
 「わたしは、逆に椿ちゃんに憧れてるんだよ。嘘じゃないよ、例えばわたしを助けてくれたあの日のことは、昨日のことのようにはっきり憶えてるもん」
 「っ...」
 あの日。文化祭の日。彼女の目には、ボクはどう映っていたのだろうか。花小泉さんは ─少なくとも上辺では─ チモシーとボクの繋がりに気付いていない。それならば、彼女の視点ではボクはただ、彼女の前に立って仮初の防御を辛うじてしただけになる。それだけなのに、そこまで言ってくれるなんて。
 いや、違う。今の一番の驚きは、そこじゃない。花小泉さんが、ボクに憧れている...?

31 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 01:00:07 ID:0TYCkygRHF
 「そうだよ、わたし椿ちゃんに憧れてるの。ふふっ、そんなに驚いちゃって」
 花小泉さんが、いつもより大人っぽい笑顔を浮かべる。きっと、今の彼女の前ではどんな誤魔化しも効かない。
 「だからね、椿ちゃん。『普通の子』になりたいのなら、わたしは止めないけどさ」
 普通にならなきゃいけないだなんて、思わないで。花小泉さんは、凛とした声でボクに言った。

32 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 01:02:01 ID:0TYCkygRHF
 「椿ちゃん、今日はありがとうね」
 「お、お礼を言うのは、ボクの方、だもん...」
 気付けば、空は殆ど真っ暗。この街に、今日も夜がやって来た。
 この後ボクたちはいい感じのディナーに... 行く予定はないし、どちらかのおうちにお泊まり... する予定なんてもっとない。何事もなく解散して、また学校で会う。それだけだ。
 ... ていうか、何を期待してるんだボクは。あまりにも浮かれ過ぎだ。正直な話、花小泉さんと一緒にいられることはとても嬉しいけども。

33 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 01:04:03 ID:0TYCkygRHF
 そんな浮かれポンチなボクを見透かしてか、花小泉さんが笑う。
 「寂しい?」
 彼女は、一言そう呟く。ボクは、それに無言で頷く。会話はそこで一旦途切れ、ボクたちの間に静寂が広がる。
 辺りを見回す。眩しいとまでは言わないが、かなり目立つイルミネーションが幾つも設置されている。そうか、もうそんな時期だったのか。ボクはすっかり白くなった息を吐いた。
 去年の今頃、ボクはどんな暮らしをしていたっけな。あの頃のボクは、今のボクの生き方を信じられないだろうな。あまり変わっていないようで、意外と変わった今の生き方を。

34 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 01:05:55 ID:0TYCkygRHF
 拝啓、かつてのボクへ。お元気ですか。1年後のキミは、なんとか元気でやってます。
 きっとキミは、間もなく踏み出すはずの新しい学校生活を、心底不安に思っていることでしょう。今からでも強制的に『普通』の子にならなきゃ駄目かと、頭のどこかで考えていることでしょう。
 大丈夫。キミは独りぼっちにはならないよ。無理をして『普通』になる必要もない。だって、キミの通う新しい学校は、優しさで満ちているから。こうして、大切だと思える友達に出会えるから。
 キミは ─あるいは “ボク” は─ そういう意味で、とってもツイてるんだ。幸福なんだよ。
 尤も、それに気付くのは、ずっと先のことになるだろうけどね。
 だから。
 「は、花小泉、さん」

35 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 01:08:03 ID:0TYCkygRHF
 先ずは、進んでみなよ。自分の思うように。
 「あのね、えっと。ボク、楽しかった、よ。それに、花小泉さんの言葉で、すごく勇気づけられた」
 ボクも、色々と模索してみるからさ。
 「だ、だから、その... ま! また、一緒、に...」
 できないって? ううん、できるよ。
 「い、一緒に! どこかに、お出かけしよう、ね...!!」
 だって、キミはボクなんだから。

36 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 01:10:05 ID:0TYCkygRHF
 「うんっ! 絶対! 約束だよ、椿ちゃんっ!!」
 花小泉さんの澄んだ瞳が、一段と輝いて見えた。

--fin--

37 名前:ペンギノン[sage] 投稿日:2023/12/25 01:12:03 ID:0TYCkygRHF
[あとがき]
はい、ということで終わりです。チッチーチモチモ...
『あんハピ♪』については、2022年3月に投稿したぼくっ娘みらSSの執筆時点では原作未読でしたが、その後原作を全巻集めて読了しました (時期的には私がカレル様に「椿ちゃん主役でSS書いて」とか無茶振り仕掛けた頃ですね)。原作6巻は我々椿ちゃん推しにとっての聖典だと勝手に思っています。
最初はきらファンをやっている中でぼくっ娘 (正確には "ボクっ娘" ですが) な彼女に惹かれて興味を持ったのですが、原作を読んでみると勇気を持って行動する場面がとても魅力的なことに気付きました。SS冒頭で言及した文化祭での一件は、その象徴ともいえましょう。こんなのヒーローじゃん...
そんな椿ちゃんですが、個人的にははなことの絡みが尊いなと思っていて、そのため本作ははなつばの友情を強調する感じに仕立ててみました。底抜けに明るく包容力も高いはなこの性格が影響したのか、椿ちゃんってはなこには比較的早い段階から心を開いていたような気がします。こんなのヒーローじゃん... (2回目)
何故だか猛烈に応援したくなる系少女、椿ちゃんをみんなも推していこう!!
最後になりますが、ここまで読んでくださった方に心から感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。

38 名前:ペンギノン[age] 投稿日:2023/12/25 01:14:05 ID:0TYCkygRHF
[これまで書いたSSリスト (順次追加) ]

・ 『あお 「くじら座の変光星の女の子」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3596&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29338408.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17271872

・ 『変な生き物 「遂に誰からも本名で呼ばれなくなった」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3602&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29371224.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17272934

・ 『クレア 「わたしは鍵の管理人」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3607&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29421806.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17274145

・ 『クロ 「この丘から見える星空は」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3619&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29460066.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17278807

・ 『きらら 「ツンツーンください!!!!!!!!」 サンストーン 「いきなりでけぇ声あげんなよ うるせぇよ」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3637&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29571518.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17279756

・ 『みさ 「みらがかわいすぎて生きるのがつらい」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3650&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29631528.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17280762

39 名前:ペンギノン[age] 投稿日:2023/12/25 01:16:04 ID:0TYCkygRHF
・ 『シャミ子 「杏里ちゃん、一緒に帰ろ?」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3668&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29760440.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17285569

・ 『千矢 「風邪を引いた夜のお話」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3681&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29831832.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17286656

・ 『スズラン 「飯奢ってくれ」 ロベリア 「図々しいわね、呪うわよ...」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3702&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29946896.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17289587

・ 『シャロ 「貴方が教えてくれること」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3720&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/30014131.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17291478

・ 『みら 「あおー、ぼくの着替え知らない?」 あお 「!?」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3727&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/30053806.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17291693

・ 『舞 「わたしが歩んできた道は」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3742&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/30108512.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17293779

40 名前:ペンギノン[age] 投稿日:2023/12/25 01:18:04 ID:0TYCkygRHF
・ 『千矢 「山で遊んだお話」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3754&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17318983

・ 『あお 「みらが知らない女性と仲良く話してる」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3764&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17415852

・ 『ランプ 「うつつさんがきらきらしています」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3770&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17474617

・ 『ユウ 「クラスのみんなにおでこぱしーしまくってたら海果がすねた」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3775&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17523413

・ 『桃 「シャミ子、ごめんね...」 シャミ子 「...」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3781&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17572005

・ 『あお 「君の心を覗きたいんだ」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3793&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17654759

・ 『小春 「全然釣れないよー」 ??? 《諦めないで!》 小春 「!?」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3801&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17717125

・ 『みら 「このレンズの向こうには」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3809&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17771186

41 名前:ペンギノン[age] 投稿日:2023/12/25 01:20:05 ID:0TYCkygRHF
・ 『あお (幼) 「こんにちは」 ニコッ みら 「えっ...?」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3824&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17916835

・ 『メディア 「よければ一緒に」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3830&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17952603

・ 『琴音 「もふもふ」 ファー 「琴音、どうしたの?」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3842&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18057909

・ 『ココア (2部) 「しゃーろちゃんっ♪」 シャロ 「こ、ココア!?」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3864&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18246741

・ 『悠 「セルリアンブルーの空に」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3888&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18480361

・ 『ランプ 「もし、わたしが貴方のことを好きだと言ったら、どうしますか?」 サンストーン 「いや知らないが」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3919&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18735570

・ 『シュガー 「ソルト、びょーきなの?」 ソルト 「い、いえ。そんなことは」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3935&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18970078

・ 『ひとり 「音楽のない世界なんて、ひどく空虚でつまらない」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3941&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19036663

・ 『イノ 「イヴちゃんが頼もしいです」 イヴ 「猪瀬が頼もしい」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3949&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19187620

・ 『きらら 「思えば遠くへ来たものだ」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3960&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19393373

42 名前:ペンギノン[age] 投稿日:2023/12/25 01:22:06 ID:0TYCkygRHF
・ 『虹夏 「ぼっちちゃん!」 ひとり 「は、はいっ」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=4005&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20252148

・ 『千矢 「ぺろぺろ」 臣 「ひゃんっ! そこはだめぇ」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=4011&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20397978

・ 『虹夏 「向日葵の咲く丘を歩けば」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=4015&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20473065

・ 『みら (いぬみみ) 「わおーん! ぼくだぞー!!」 あお 「また属性増えてる...」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=4030&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20945057

・ 『椿 「普通になりたかった女の子の話」』: このSS

43 名前:ペンギノン[age] 投稿日:2023/12/25 22:01:55 ID:R6F.BnrQ/2
本作品をPixivに投稿しました。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21267395

44 名前:きららBBSの名無しさん[age] 投稿日:2023/12/25 22:36:56 ID:..NawAbEIm
椿みたいなキャラって、「無理に変わる必要は無いけど変わりたい部分で少しだけ踏み出す」ような展開が似合いますよね…
互いが互いのヒーローな関係…別作品でも聞いたような…

45 名前:ペンギノン[age] 投稿日:2023/12/27 23:08:59 ID:dhW3CyqCY.
作者です! コメントありがとうございます!
えぇ、私もそう思います。全部を変えるというよりも、なりたい自分になっていく感じ。
別の作品... なんだかギタリストとドラマーの幻覚が見えますね... (発作)
つまり、雷鳴のようなギターサウンドを轟かす椿ちゃんに脳を焼かれるはなこのお話が有り得る... ってコト!?

46 名前:カレル[age] 投稿日:2023/12/28 23:38:57 ID:D/JRSfSFTX
 原作7巻の黄昏時の公園での背中合わせもかなりアツいですよね!個人的にはこっちがかなりお気に入りです。雰囲気的にもこのSSもしっとりとしていて、潤います。心の奥底に燻っていた感情が思わず出てしまって、自分でも止められなくなって…というシーンがすごくよかったです!
あと、やはり金髪が良いですね、ブロンドも良いですが…。
 私もリクエストを頂くまではアニメはおろか、原作を見たことがなかったので、いろいろな引き出しが広がって本当に感謝です!

47 名前:ペンギノン[age] 投稿日:2023/12/31 00:33:52 ID:KG/zCn5kch
>>46

 わ゛ か゛ る゛ 

失礼、内なる叫びが先行しました。改めまして。
作者です! カレル様、いつもコメントありがとうございます! まさか貴様、金髪同盟!?
7巻の描写もいいよね!! 個人的に静かな場所で語り合うシチュが大好物なので、このSSもそんな感じになりました。
あと、原作だとはなこだけじゃなくて牡丹ちゃんのことも命懸けで助けてるんだよね、椿ちゃん。こんなのヒーローじゃん... (3回目)
私の思いつきに近い我儘を素晴らしい作品群に昇華させてくださったこと、今でも感謝しています。これからも応援しております! 返事が遅れてすみませんでした、良いお年を!!

48 名前:きららBBSの名無しさん[sage] 投稿日:2024/01/01 00:49:20 ID:nVq2eWeULu
偶然学校の帰り際に椿とはなこが遭遇したそうですが、人見知りの椿は帰るときに誰にも遭遇しないように夜になるのを待ってから帰っていました。どうしてはなこはそんな時間まで学校に残っていたのですか?

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