こんにちは、カレルと申すものです
28作目ですね。
こちらは「きららファンタジア」と「あんハピ♪」の二次創作になります。
注意事項
*キャラクターの独自解釈
*独自設定
*原作との乖離
*妄想
等が含まれるので苦手な方は注意してください
[ジンジャーの執務室]
ジンジャー「……メイド長」
メイド長「はい!椿さんのことですわね」
ジンジャー「……よく分かるな」
メイド長「えぇ、ジンジャー様のことは知り尽くしているという自負がありますから」
ジンジャー「そうか どうにも椿との距離があるように感じるんだよな」
メイド長「ふむ……単に会う機会が少ないからということもありそうですわね 椿さんは人見知りが激しいようですし」
ジンジャー「あぁ、そうだな ならやはり毎日会う時間を作った方がいいな よし!メイド長、椿に伝えてくれるか?」
メイド長「……すいませんジンジャー様……恐縮ながらご意見よろしいでしょうか?」
ジンジャー「……ん?なんだ?」
メイド長「はい…… 私から椿さんに伝えると言うのは少々他人行儀だと感じまして……やはり本人から言うというのが喜ばれるのではないでしょうか」
ジンジャー「……メイド長!」
メイド長「すみません差し出がましいことを言ってしまって……」
ジンジャー「いや、良い意見だ ……やはりいけないな、公務が体に染み付いてしまって、言葉を伝えるのにも大仰な形になってしまう…… 椿とは仲良くなりたいのだから私の方から伝えるのが筋というものだな……」
ジンジャー「……では、行ってくる」
メイド長「はい! ご武運ををお祈り申し上げますわ」
――――――
[椿の部屋の前]
コンコン
ジンジャー「私だ、ジンジャーだ 椿、入っていいか?」
ガタッ! バタバタ!
椿「ジンジャーさん!? ちょ! ちょっと待ってください」ドタドタ
ジンジャー「おう、待ってるぞ」
ドタドタバタバタ!アクティベーション チモシー! ガガガ
ジンジャー(すごい音がしているな……)
ガチャ
椿「は、はぁはぁ……お、お待たせしました まさか、ジンジャーさんが来るなんて ハアハア なにか内密の話ですか」オドオド
ジンジャー「いきなりですまないな 椿に伝えたいことがあって、直接言った方がいいと思って来たんだ」
椿「そうなんですか……」
ジンジャー「あぁ 単刀直入に言うが、お前と仲良くなりたいんだ」
椿「仲良く……ですか?」
ジンジャー「そうだ、例えば呼び捨てで呼んだり、敬語じゃなくてタメ語で話したりなんかだな もちろん無理強いはしないが」
椿「ジンジャーさん ……それも新しい思いつきですか?」イブカシゲ
ジンジャー「……いや あの時はすまなかった だがこれは前から思っていたんだ、一緒にこの屋敷に住んでいるんだから家族だと思っているんだ」
椿「家族……? ジンジャーさん」チラッ
ジンジャー「ん? なんだ」
椿「一緒に住んでいるのが家族なら、住み込みのメイドさんたちはジンジャーさんの認識では家族ですか?」
ジンジャー「……そうだなぁ…………とても乱暴な言い方になるが私はメイドのことは家族だとは思っていない」
椿「……」
ジンジャー「これはあいつらに敬意を払っているからだということだけは勘違いをしてほしくない」
椿「……ちょっと考えさせてください」
ジンジャー「あぁ、今日はもう遅いし私はここで失礼するぞ おやすみ あっ!そうだ 明日のはなこたちとのお茶会、私も参加してもいいか? 誘われているんだ」
椿「……!! は、はいっ! お、ぉやすみなさい…」
ジンジャー「おう! また明日」カチャ
――――――
[寝室]
ジンジャーは机に向かってペンを走らせている。今日の出来事や考えたことを書き出しており、寝る前の日課となっている。
『今日も平和だった 皆がこの平穏を享受できるように私が頑張らないとな、リアリスト共の起こした事件の処理もほとんど片付いたし、忙しさも一旦落ち着いた さて、日記でも書こうか……』
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【09/07 Fry】
今日はなかなか忙しい一日だった。
週定例の七賢者会議ではシュガーがソルトのフォロー無しに真面目に発言していて関心した。あいつなりに成長してるんだな。
そして、私は最近巷を騒がせている「龍殺し」について報告した。そいつは報告(情報の取捨がまだできていないので憶測を含むので会議では事実のみを)では龍を殺すだけでは飽き足らず、眼球と心臓を抜き取っていた。(心臓はその場で食べたという噂もある)これは恨みか、勲章か、いずれにしても猟奇的だ。
最近になってその足跡がクリエメイトの里周辺で途絶えており、今の所住民への被害はないが、ドラゴンを殺せる程の力を持っていて何も情報がないというのは不審だと思っている。確たる証拠もなく疑うのは悪いと思うが、どんな小さな綻びでも放置すれば痛い目に遭うことは身に染みてわかっている。これについては慎重に検討したい。
この件について報告して思い出したことがある。以前、龍殺しを追っているといっていた少女のことだ。「友を殺された」とやつについて語るときの恨みの籠った瞳は今思い出しただけでもぞっとする。
復讐の結末はいつの時代も決まっている、できれば双方出会ってほしくないところだ。
次にカルダモンの話では、辺境の地域では小競り合いが続いているという報告があった。あの事件の煽りを受けたものであると言っていた。結局リアリストの件も氷山の一角だと思い知らされる。やはり、この燻りを消すためには良質なライフラインの整備が1番なのではないかと考える。それと雇用の充実も必要だ。
その後街の施設の視察があり、そこの一部元リアリスト構成員の働きぶりを確認した。以前のような絶望と苦しみに満ちたような表情は消え、ぎこちないながらも笑顔を見せるようにもなって嬉しい気分にもなった。ただ私を見ると、体が強ばっているやつもいた。そいつも笑顔になって欲しいな。
屋敷に帰ったあとは、公務の処理をした。これはいつも通りなので特筆することもない。
夕食を済ませ、明日の日程を確認した。明日ははなこ達が椿に会いに来るようだ。会いに来てくれる友人がいるというのは素晴らしいものだな。
彼女達は午後来るということらしく、私は午前にしか仕事がないのでちょうどかち合うことになる。はなこには以前、お茶会に誘われたことがあるが椿に気を遣って断った。しかし、今回は参加をしてみたい。お茶会は淑女の嗜みだからな。
あとは椿の事だな。さっき家族と言った時の表情は少し変だった。なにか、「家族」またはそれに準ずるもの、なにか思うところがあるのだろうか。失言だったのかもしれない。ここは素直に「友」と言うべきだったのかもしれない。
これは椿たちの聖典を読めばわかることかもしれないが、そんなことをして一方的に知っていても、真に仲良くはなれない。聞けるなら直接聞いた方がいいに決まっている。ただし、タイミングには注意する必要がある。言うべきタイミングは逃さない。
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[翌日]
ぼたん「ジンジャーさん 私たちをこんな素敵なお屋敷に招いて下さりありがとうございます」
ジンジャー「こちらこそありがとう 里のことなどクリエメイトから直接知りたいこともたくさんあるし、お前たちとの親睦も深めたいしな」チラッ
椿「……」
ヒバリ「はい」
はなこ「うん! ジンジャーさんと仲良くなれるのは嬉しいね! でも……チモシーも一緒にいたら良かったなぁー」
椿「!? ……えっと」
ジンジャー「チモシーは執事の業務で忙しくてな、こちらに顔を出せないんだ」
はなこ「そうなんですね、残念だなぁ…… でも!また今度もあるからね、チモシーの分も楽しまないと!」
椿「は、はいっ……!」
……………………
ぼたん「ふわぁ…… とても良い香りですね、それに茶器も可愛らしいですね」
ジンジャー「ふふっ! これは遠方の工房から取り寄せた特注品でな、その土地の土でしか出せない色らしくて私のお気に入りだ」キラキラ
はなこ「へぇー! ゴクッ! あちち……」ガタッ
ぼたん「!! 急いで飲んではいけませんよ、はなこさん」
椿「花小泉さん、だ、だいじょうぶ……?」
はなこ「ふぁいひょうふだよ ひょっとヒリヒリふるだけ」パタパタ
ジンジャー「どうやら、舌を火傷したようだな ちょっとまっ……」
ヒバリ「まったくはなこ、”大人しく休んでいなさい”よ キュルン」
はなこ「あれ? ……痛くない」キョロキョロ
ジンジャー「なかなかの回復魔法だな」シゲシゲ
ヒバリ「そうですか? 温泉宿に行った時に身につけたもので、そう言って貰えて嬉しいです……そうだ、私クッキーを持ってきたので食べてください」
はなこ「やったー! ヒバリちゃんのクッキーがまた食べれる!」ピョンピョン
ぼたん「ええ、ヒバリさんの作るお菓子はとてもおいしいですから」
ヒバリ「大袈裟ね、そんなにハードルをあげないで欲しいわ ……さて、狭山さん、ジンジャーさん、上手くできたかは分からないけれど召し上がれ」
ジンジャー「おう! ありがとう」サクッ
「……んっ! 美味い 甘さが控えめでこの紅茶にもピッタリだな」
椿「おいしい…… 前食べた時と同じで優しい味……」
ヒバリ「気に入って貰えて良かったわ」ホッ
はなこ「あれ?椿ちゃんはヒバリちゃんのお菓子食べたことあったっけ?」
椿「あっ……えっと……」モジモジ
ぼたん「はっ! そういえば、小平先生が以前狭山さんにも渡したと仰っていたような……」チラッ
ヒバリ「えぇ! そうね、ひとりで食べきれないとも言っていたかしらね」
はなこ「へぇー! そうなんだ サクッ うん、椿ちゃんおいしいね!」
椿「は、はい!」
…………………………
はなこ「ねぇ、ヒバリちゃん ここのお花すっごく綺麗だよね!」
ヒバリ「ん……?えぇ、そうね 里や周辺でも見たことない植物だし珍しいわね」
ジンジャー「ヒバリもなかなかお目が高いな これは東の地のアルマスという地に生えている植物で根っこが解熱剤としてよく使用されているぞ お前たちも乾燥した根っこは見たことがあるんじゃないか?」
ヒバリ「へぇ〜 ……なら、これは見たところこれも薬草みたいですね」
ジンジャー「正解だ これも同じところに生えていて、葉が炎症を抑える効果、根が腹下しを抑制する効果らしい ただ、効果の程は私は試していないから分からないがな」
はなこ「確かに! ジンジャーさんすっごい丈夫そうだし、怪我もあまりしなさそう」
ジンジャー「わはは! そうだな、最近は覚えている限り風邪も引いたことがないな」
ぼたん「はわぁ 私もジンジャーさんの健康体に肖れれば良いのですが……」
ジンジャー「ははっ、なれるさ 体質の違いはあればこそ、人間の体は傷つくごとに強くなる 適度な運動と休息があればおまえも健康体になれるはずだ」サシダシ
ぼたん「は、はい!」パキッ!
椿&ヒバリ「あっ……!」ガタッ
ジンジャー「えっ……!? なんの音だ…………!」
ぼたん「どうにも骨が折れたみたいです……」プルプル
ジンジャー「!? す、すまない! 力を入れすぎたか!? いや……確かに力をセーブして握ったはずだが……」オロオロ
ぼたん「いいえ、ジンジャーさんのせいではございません きっとジンジャーさんの偉大なオーラに私が勝手に恐れを成して、折れてしまったのだと思います……」
ジンジャー「そんなわけないだろ!アロエ、ぼたんを治療してくれ」
アロエ「承知いたしました 牡丹様、お手を拝借いたします 添え木と包帯で固定して……」サササッ
ぼたん「ありがとうございます…… 体が弱いばかりにあなたに迷惑をおかけしてすみません」
アロエ「いえいえ、久しぶりに私のスキルが役に立って良かったです ”リカバリー” キュルン これで大丈夫ですね、失礼します」ササッ
ぼたん「ありがとうございます!」
はなこ「すごい手際だったね 早すぎて目で追えなかったよ アロエさんだったっけ?」グルグル
ジンジャー「アロエは私がまだ未熟だった頃に医療班の長をやってもらっていたからな その後あまり怪我をしなくなったから、医療班は解散したんだよな……」シミジミ
ヒバリ「……ジンジャーさんが怪我をする姿なんて想像もできないわね」ボソッ
はなこ「ねーっ 魔物にもじゃれつかれても大丈夫そう」
ジンジャー「わははっ! よく言われるよ、ただ最近ミノタウロスのフルスイングを素手で受けたら爪が割れてな、あれは痛かったな」ウンウン
はなこ「すごーい! あっ!いつの間にかシフォンケーキがテーブルに置いてあるよ」
ぼたん「ほんとですね、お話に夢中になって気が付きませんでした」
ヒバリ「うーん! 焼き立てでいい香りね ぼたんの家でお茶会をしたのを思い出すわ」
ぼたん「そうですね」
はなこ「さゆちゃんは元気にしてるかな〜?」
ヒバリ「……私たちがここにいることを知ったら、大騒ぎしそうね……」
ぼたん「私たちがここにいるあいだは向こうはどうなっているのでしょうね」フト
椿「さゆちゃん……?」ボソッ
ぼたん「あっ!すみません…… 椿さんやジンジャーさんがご存知でない名前を出してしまって」
ぼたん「あぁ!いゃっ……! 気にしなくて…………っ!…えっと……? ふぅーっ!……久米田さん…さゆちゃんさんって…………どんな人ですか………………!」ガバッ
ぼたん「さゆちゃんはですね、私の妹です! 行動力があって、優しくて、自慢の妹です!」
椿「久米田さんの妹さん……きっと素敵な方なんだと思います」
はなこ「さゆちゃん、ぼたんちゃんのためにプールを作ったり、サンルーム作ったり凄かったなぁ」
椿「ぷ、プール!? 本当にすごい方ですね……」
ヒバリ「そうね……それに変装もできて、高速で動けて忍者みたいな子だったわ」
椿「……さゆちゃんさん、なんだか久米田さんと正反対みたいな感じがするな……」
ぼたん「ふふっ、よく言われます お互い長所が違っていて、さゆちゃんがいうには私は”頭が良くて頑張り屋さん” さゆちゃんはさきほど言ったように強くて、行動力があって優しい子です」
はなこ「いいよね! ぼたんちゃんたち姉妹! そうだ♪椿ちゃんとジンジャーさんはきょうだいとかいる?」
椿「ボクは、いないです……」
ジンジャー「私もその類はないな だが、少し憧れるところではある きょうだいが居たらどうなのだろうと思うことはあるな」
はなこ「そうなんだ、なら私たちはきょうだいいない仲間だね! あっ、でもぼたんちゃんもヒバリちゃんも入ってだいじょうぶだよ」
ぼたん「まぁ! 私も入れていただけるのですね」パァー
ヒバリ「フッ、きょうだいいない仲間なんだから私たちが入ったら前提が崩れるじゃないの」
はなこ「えへへ、でも仲間は多い方が楽しいよ」
ジンジャー「そうだな!」
椿「活動は何するか分からないけど、雲雀丘さんも久米川さんも入ってくれたら嬉しいかな……」
ヒバリ「なら、名前は変えないといけないわね ”きょうだいいない仲間”じゃなくて何かいい名前があるかしら?」
はなこ「うーん……、名前…………いい名前はすぐには思いつかないね……ぼたんちゃん、椿ちゃん、ジンジャーさん、いい名前あるかな〜」
ぼたん「うぅっ…… 私ごときが口出ししてよろしいのでしょうか?それに、まともなネーミングが浮かぶかも怪しいです……」
椿「ボクも咄嗟には……出てこないです……」
ジンジャー「まっ、いいさ 名前はみんなで考えれば ……と言っても今は私も良い名前は全く思いつかないがな ハハッ!これは1週間コースか?」
ヒバリ「……! あの……」
はなこ「あっ! ヒバリちゃんいい名前浮かんだ?」
ヒバリ「えっ!? いいえ……私が言い出したことが大事になってるし、悪いと思ったのよ」
はなこ「そうなの? でも、こうやってみんなでワイワイ考えるのってすごく楽しいよ それに、いい名前が浮かんだらハッピーだよ!」
ジンジャー「はなこの言う通りだな、こんな時間こそが最も幸福なものだ」
ヒバリ「…………えぇ、そうですね」
――――――――――
ジンジャー「おっと、もうこんな時間か……時間はあっという間だな」
はなこ「わぁ! ほんとだ、結構陽が西に傾いちゃってるよ」
ヒバリ「もうこんな時間なのね……帰るときはかなり暗くなっていそうね」
ぼたん「そうですね、暗がりで転んで行方不明になる前においとましましょうか」
はなこ「うん!……でもいい名前が思い浮かばなかったね」
ヒバリ「って、いっても途中から関係ないことを話していたような気がするけど」
はなこ「でも、楽しかったから結果オーライ♪ さっ、神殿にむかおっ!」
ぼたん「はい!」
ヒバリ「えぇ」
はなこ「じゃあね、椿ちゃん、ジンジャーさん」クルッ
椿「は、はいっ……! 花小泉さん、雲雀丘さん、久米田さん、今日は……とてもたのしかったです ……こ、こんどは」ボソッ
はなこ「うん?」
椿「あっ……えっと……また今度です…………」シュン
はなこ「うん! また今度ね!」ブンブン
ジンジャー「あー……ちょっといいか……」
ぼたん「ジンジャーさん、なんでしょうか?」
ジンジャー「ああ、話が盛り上がっていたから言いにくかったんだが、ウチの屋敷の中にはにも転送門があるんだがそっちを使っていくか? 移動の手間要らずだが」
ぼたん「よろしいんでしょうか?」
ジンジャー「ああ、神殿には私が連絡を入れておくから心配しなくていいぞ」
ヒバリ「……なら、ジンジャーさんのお言葉に甘えましょう、はなこもいいかしら?」
はなこ「うん! いいよぉー」
――――――――――――
ジンジャー「ふぅ…… 今日はなかなか楽しかったな、椿」
椿「……ボクは先に部屋に戻っていますね……」サッ
ジンジャー「椿! ちょっと待ってくれ」
椿「えっ!? ……なんですか?」
ジンジャー「すまなかった」
椿「!? えっ、ど、どういうことですか??」
ジンジャー「昨日言ったこと、怒っているんだろ 急に家族だなんだと言ってしまって」
椿「!! 怒ってません、でも確かにびっくりはしました……」
ジンジャー「でも、逃げるように……」
椿「そ、それは…… 久しぶりにたくさんおしゃべりしたから疲れてしまっただけで……」
ジンジャー「そ、そうか…… 私はてっきり嫌われたのかと、目も合わせてくれなかったし」
椿「ちょっと……考え事をしていて、余裕がなかったんです ジンジャー……さん、呼び捨て……どうしようと思いまして」
ジンジャー「ハハッ……良かった でも、すまなかった、混乱を招いてしまってな」
椿「ぼ、ボクもです、昨日変なこと聞いちゃって……」
ジンジャー「いいや、私の方が配慮がかけていたからな、だいじょうぶだよ」
椿「ジンジャー…………さんのこと一緒、に生活しているのに……全然知らなかったんです…… 今日……知ったことも多いです…… そんなボクが家族……?とか受け入れていいのか……」
ジンジャー「……椿っ!」
椿「は、はいっ……?」
ジンジャー「……椿、本当はお前と友達になりたかったんだ ちょっと気恥ずかしくてな、遠回しになってしまった ちょっとずつでもいいお互いに知って、これから仲良くなりたい! だから…………」
椿「…………」
ジンジャー「椿! 私と友達になってくれ!!」
椿「………………」
ジンジャー「……やっぱりだめか……」
椿「はっ! す、すみません、いきなりのことで……放心してしまって……ジンジャー、さんとお友達……」
ジンジャー「嫌なら、正直にそういってくれ 別に態度は変えないよ……」
椿「……いいですよ」ボソッ
ジンジャー「……えっ!?」バッ
椿「ひゃっ!」
ジンジャー「おっと!すまない 本当に了承してくれるのか……?」
椿「……はい、まだ……ジンジャー、さんを呼び捨てとか……をする心の準備はないです…… で、でも……お互いに色んなことをしれば親しくなれると……思います…… せっかく……歩み寄ってくれているのに、その手は……離したくないです」
ジンジャー「ははっ…… ありがとう……椿 とりあえず、友よ!これからヨロシク!」
椿「は、はいっ……!」フラッ
ジンジャー「おっと! 大丈夫か?」ガシッ
椿「うっ、うーん…… 気を抜いたらふらっときちゃって……すいません……」
ジンジャー「ふぅ……いきなりよろけたからびっくりしたぞ ……椿の負担を考えずに呼び止めてしまってすまなかった、部屋まで送っていくよ」
椿「えっ……!? この体勢でですか……」///
(お姫様だっこ……恥ずかしい……)
ジンジャー「ああ、このほうが運びやすいからな それにまた倒れられたら困る」
椿「……わかりました でも……こ、この姿他の人には見られたくないです……」
ジンジャー「ああ、わかった じゃあ、快適な旅を楽しんでくれよ」
椿「……わ、わかりました」///
[完]
あとがき
ここまで読んでいただきありがとうございます
本作は「春の乙女たち」より以前の話になります、「椿は香らない」を書いているときに思いついたことを書いており、番外編という位置付けです。
因みに本編で“きょうだいいない仲間”についてネーミングを考えるという話がありますが、その名前は私自身、良い名前が浮かばないため募集します。良い名前を考えて頂けたらその名前を実際に本編に登場させるので気が向いたらよろしくお願いいたします。
ここからは本編と関係ないですが、皆さんは「わたしのイチオシきらら」に感想を投稿しましたか? 私はまだですが、いま「アニマエール!」の感想を書いています。アニマエール!は私のきららの原点なので書きたいことがたくさんあるためどうまとめるか苦戦中です。
他にも、「サジちゃんの病み日記」、「しずねちゃんは今日も眠れない」、「きもちわるいから君がすき」など候補はありましたが、やはりアニマエール!が私の中で不動の1位です。
みなさんは、どの作品の感想文を書きましたか?
と、長くなりましたが次の作品でお会いしましょう!
次回は修学旅行編を更新する予定です。
以前書いたssの質問になりますけど椿は魔物と戦ったことがないそうですけど、自分は椿は同じ作品のキャラクター達と一緒に街の外に出掛けたことがあって、その時に魔物に襲われて戦ったことがあると思っています。あなたの作品のなかでは椿は同じ作品のキャラクター達と街の外に行ったことがないということですかが
イチオシきららの企画を初めて知りました…
複数回投稿していいようなので候補全部書けばいいですね(無茶)
>>32
スレチのコメントは控えて、該当SSでお願いします。
あと、この質問自体どう答えていいか分かりません
>>33
確かに全て書ければいいんですけど、「アニマエール!」の感想文でも苦戦しているので多分力尽きると思います。
拝読いたしました!! ジンつばキテる...!?
椿ちゃんと打ち解けたい、友達になりたい。そしてその象徴として、呼び捨てで呼んでほしい。きらファンの公式ストーリーでも度々思っていたのですが、ジンジャーさんってかわいいですよね。
一方で、日記の記述から垣間見える人格者としての姿。きららさん達と対立してた頃も街の住人から慕われていたのも頷けます。
ジンジャーさんに協力するはなこたちの優しさも個人的にぐっときます。ハイ、こういう友情が私は大好物です。
まだまだジンジャーさんのかわいい願いが叶うまでは時間がかかるかもですが、今回の件でぐっと距離が近づいた椿ちゃんとジンジャーさんの更なる活躍が楽しみで仕方ありません! 椿ちゃん推しとしても、次回作を楽しみにしておりますっ!!
ペンギノンさんお久しぶりです!
なにかをするには形からといいますし、豪快なジンジャーらしい仲良くなり方とはどういったものかを考えて書きました。
あとは、七賢者としての責任や統治者としてのふるまいなどを、彼女の視点をとおして少し書いたりするとやはり楽しいです。さすがにガチガチにやるのは難しいかもしれませんが…
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