このssは以前卯の花先生がきららファンタジアのジューンブライドイベントの時に描いたイラストから着想を得たssです。
「そう、六月でジューンブライドだから結婚を題材にしたまんがを描こうと思っているの。だからチア部のみんなにモデルになってほしいの」
「モデルって結婚は男女でするものですけど、私たちはみんな女子ですよ」
「ここは女子高だし頼める相手がほかにいないから……」
「そうですか。それでウェディングドレスはどうするのですか?」
「それは演劇部に借りようと思っているんだけど……」
「そうですか。どうしますか?こはねさん」
「もちろん、受けるよ。だって困っている人は見過ごせないもん」
「ありがとー。今から演劇部に行ってウェディングドレスなどを借りてくるね」
そう言って漫研の人たちは演劇部に向かっていった。
「お待たせー」
程なくして漫研の人たちはウェディングドレスとスーツを持ってきた。
「すっごくキレー」
ウェディングドレスを見たこはねちゃんが感嘆の声を上げる。確かにウェディングドレスはすごくきれいだと思う。
「それで、誰がこれを着るの?」
「そんなのひづめに決まっているでしょ?」
「いいや、こはねが着るべきだ」
花和ちゃんと宇希ちゃんがそう言ってくる。正直私は私以外だったら誰が着てもいいと思っているんだけど……。
「それなら、くじで決めるというのはどうかなー」
『クジ?』
「赤い印が付いた割りばしを引いた人が新婦役で黒い印が付いた割りばしを引いた人が新郎役をやるの」
そう言って漫研の人が割りばしを出してきた。その割りばしは六本あってチア部のみんなで引かないといけないみたいだった。
「あ、私もウェディングドレス姿のチア部を描きたいので引きません」
「ダーメっ」
兎和ちゃんがそう言うも断られてしまった。引きたくないなーと思いつつも引かないといけないみたいだった。
「それじゃーみんな引いてねー」
私たちは割りばしを引くことになった。当たりませんようにと思いながら割りばしを取る。
「あっ」
私が引いた割りばしには黒い印が付いていた。私が新郎役をやることになってしまった。
「うー、黒い割りばしを引いてしまった」
「ぴよっ。こてっちゃんが黒い割りばしを引いたんだね」
「えっ?」
「私がこてっちゃんの花嫁だよ」
そう言ってこはねちゃんが見せた割りばしには赤い印が付いていた。私とこはねちゃんの二人が新郎新婦役として結婚を題材にしたまんがのモデルになることになった。
「うー、私がこはねの新郎役になりたかった……」
「ひづめの花嫁衣装が見たかった……」
「なー虎徹私と代わってくれないか」
宇希ちゃんが私にそう言ってくる。私が新郎役なんて無理があるから宇希ちゃんの提案に乗ろうとしたら、
「公正なくじの結果なんだからダーメ」
漫研の人がそう言ってきた。やっぱり新郎役にならなきゃいけないみたい。
「うーちょっと恥ずかしいよー」
私はそう言いながら新郎役としてスーツに着替える。
「別に変じゃないよね……」
着替え終わったけどみんなに変って言われたらどうしよう。
「みんなお待た……」
私は息をのんでしまう。ウェディングドレス姿のこはねちゃんはとてもきれいだったから。
「こ、こはねちゃん。その服、す、すごく、きれいだよ」
「ありがとー。こてっちゃんもその服すごくかっこいいよ」
「あ、ありがとう……」
変って言われたらどうしようと思っていたけどこはねちゃんにそう言ってもらえてうれしい。
それから私たちは新郎新婦役として漫研の人たちの指示に従って様々なことをすることになった。。
「それじゃーバージンロードを歩くみたいな感じで歩いてみてー」
こはねちゃんと一緒に歩いたり、
「それじゃー花嫁に指輪をはめてみて」
こはねちゃんの指に指輪を付けたり、
「それじゃあブーケを投げる動作をして」
花嫁衣装を着たこはねちゃんがブーケトスの動作をしたり、これ以外にもさまざまなことをこはねちゃんとした。
「ふー疲れたよー」
「そうだねー」
漫研の人たちの手伝いが終わり、私たちは制服に着替えながら会話をする。
「それにしてもさっきのこはねちゃんはすごくかわいかったなー」
私は小さくそう呟く。
「ぴよっ。こてっちゃん。何か言った?」
「な、なんでもないよ。なんでも」
私はこはねちゃんにそう言いながら着替えるのだった。
「あっ。スマホに何かきてる。」
その日の夜スマホを開くと通知が来ていた。
「一体何だろう?」
そう思いながら開くとそこにあったのは漫研の人たちが撮った今日の写真のまとめだった。そこには当然ウェディングドレス姿のこはねちゃんも映っていて。
「やっぱり、こはねちゃんはすごくかわいいな……」
私はこはねちゃんの姿を見てすごくドキドキして……。
「あれっ、私なんでこはねちゃんを見てこんなにドキドキしているんだろう……」
私はこの日以来こはねちゃんを見るとなぜかドキドキするようになってしまった。
というわけで投稿しました。
卯花先生がきららファンタジアのジューンブライドイベントの時に描いたこはねと虎徹のイラストもとにしたssを書きたいなと思っており、どうせなら六月の時に書きたいなと思っていました。ようやく書くことができました。
>結婚は男女でするもの
お堅いのね。こっち(エトワリア)じゃ全然アリよ……と言いたいところだけど舞台がエトワリアじゃないから仕方ない。
先生の判断は尊重するけどどうして宇希じゃなかったんだろう……いや、こっち(こてこは)も全然アリよ?
拝読しました! ジューンブライドどころか6月自体が過ぎ去ってからのコメントをお許しください...
まさかのこはこて、結構ありですね! ちょっとした切っ掛けで相手をつい意識してしまう展開、きゅんとします。こはねさんの見せる愛らしい仕草も相まって、正直虎徹さんの気持ちがすごくわかる。
ただ、この後宇希さんとかいう最強の壁を乗り越えなければならないという事実。頑張れ虎徹! どんな逆境にも喰らいつく虎になるんだ!! (CV. 梅津秀行)
>>11
コメ返信です。
実は私はこはこてが結構好きなのです。なので、虎徹にとって宇希さんは大した壁にはなりません。
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