こんにちは、カレルと申すものです
これで17作目ですね。
今回はリクエストの「鯨井さんが主役」の話です。
オリジナルキャラクターも登場するのでそちらが苦手な方は注意を!
こちらは「アニマエール!」の二次創作になります
注意事項
*キャラクターの独自解釈
*独自設定
*原作との乖離
*妄想
*オリジナルキャラクター
等が含まれるので苦手な方は注意してください
鹿乃「おはよう、汐凪」
汐凪「ん? …おはよう?」
鹿乃「? 何よ、呆けた顔して」
汐凪「いや、なんで鹿乃がここにいるのかな〜って考えてたから」
鹿乃「まったく! 一人暮らしが辛いって呼んだのはあんたでしょうが!」ドッ
汐凪「ええっ! そうだったっけ?」
鹿乃「もう! 連絡が入ってたからここに向かったんですけど はい!」スマホトリダシ
汐凪「あっ! ほんとだ 午前3時に『寂しい』連絡してある…」
鹿乃「はぁ… 寂しいっていつも学校で会っているじゃない 起きて急いできたのよ」
汐凪「そ、それは… バスケの練習で疲れて、帰宅したときにそのまま寝ちゃって、起きた時に急に鹿乃に会いたくなって…」
鹿乃「…… ご飯作ってあるから冷める前に食べましょうか」
汐凪「う、うん」
――――――
汐凪&鹿乃「いただきます」
汐凪「うん!」モグモグ
汐凪「やっぱり、鹿乃のご飯はいつもおいしいわね」ニコッ
鹿乃「…褒めても何も出ないわよ!」サッ
汐凪「ほんと腕がどんどんと上がっていっているわよね」パクパク
鹿乃「ま、まあ 大学に入ってご飯をつくる機会が多くなったから上達はするわよね」
汐凪「この味噌汁も私好みだし流石!って感じよ はぁ… 朝からこんな豪華な朝食が食べられるなんて夢みたい」
鹿乃「はいはい、今日は2限目から講義だけれどそんなのんびりと食べていると遅れるわよ」
汐凪「そうだね」パクパク
汐凪&鹿乃「ごちそうさまでした」
汐凪「片づけは私がやるわね」
鹿乃「それはありがたいわね 任せるわ」
汐凪「鹿乃はそこらへんでくつろいでてね」
鹿乃「ええ、そうさせてもらうわ」
汐凪『う〜ん 一人暮らしっていう割には鹿乃の世話になりっぱなしよね よく鹿乃の家に遊びに行ってご飯とか作ってもらってたからその延長線上でこうなっちゃったのかな、きっと鹿乃も迷惑しているわよね…』
鹿乃「汐凪、そういえばレポートの課題は終わらせた?」
汐凪「…! えっ?」
鹿乃「ん? だから課題よ」
汐凪「ああ… 課題ね まだ終わっていないけど」
鹿乃「そうなの、まだ終わっていないなら早めにやりなさいよ」
汐凪「そういう鹿乃は終わったの?」
鹿乃「もちろん終わっているわよ」
汐凪「おお、もう終わっているのね 確か提出期限は月曜日ね、今日は金曜日だから3日はあるわね」
鹿乃「そうね、文章を考えるのがちょっとめんどくさいけど、まだ基礎だから3時間程度あれば完成するわ」
汐凪「へぇ、週末に一気にやろうかしら…」ボソッ
鹿乃「ふ〜ん それでもいいけど、後期からだんだんと難しくなるらしいから覚悟しておきなさいよ」
汐凪「うっ… そういえば先生もサークルの先輩もそんなこと言っていたような…」
鹿乃「そうよ、だからまずは表題と名前を書いてスタートね」
汐凪「…わかったわよ! でも今日もバスケの練習があるから帰ってからになるわね」
鹿乃「ふ〜ん…」
鹿乃「そういえば、大体いつぐらいに帰ってくるかしら?」
汐凪「う〜ん 4時くらいから始めて7時くらいに帰れるかな…ってなんで聞いたの?」
鹿乃「なんでって、それは夕ご飯を作るからに決まっているじゃない」
汐凪「え〜っ! それは悪いわよ 今日だってこんな早朝に呼び出しちゃって…」
鹿乃「まったく、こんな早朝に呼び出した癖に気を使うなっての」
汐凪「ううっ…」
鹿乃「バスケの練習が終わったらまっすぐ私のところに帰ってくること!良いわね」ビシッ
汐凪「うん、わかったよ」
鹿乃「いい返事ね」
汐凪「そういえば夕ご飯は何にするの」
鹿乃「それは ひ み つ、帰ってからのお楽しみよ」ニコッ
汐凪「そうなの…」
汐凪『今日の夕ご飯は鹿乃と一緒に食べるのね 何を作ってくれるんだろう、エビフライとかだと嬉しいわね』
鹿乃「あっ、そうだ 今から家に帰ってお弁当を作るけど何が食べたい」トウトツ
汐凪「いきなりね… って帰っちゃうの?」
鹿乃「そうよ、急いでこっちに来たんだから それにお姉さんにご飯を作るのも忘れていたからね」
汐凪「…それはもみじさんにも悪いことしちゃったな」
鹿乃「ああ、それは問題ないわよ、まだこの時間は寝ていると思うし、ご飯の匂いがしないと起きないだろうし」
汐凪「そ、そうなんだ…」アセアセ
鹿乃「まぁ、そういうわけで帰るわ」
汐凪「うん… ありがとう」
鹿乃「…もうちょっと喜んでくれたらよかったのになぁ〜」ボソッ
汐凪「? えっ?」
鹿乃「ふふっ あっ、そうだ汐凪」バタン
汐凪「えっ、なに?」
鹿乃「ちゃんと布団は干しなさいよ、においが染みついているわよ」
汐凪「え、ええええ!!」///
「ちょっと!鹿乃! ガッ っていないし…」
「もう」パタン
汐凪『…私の臭いって…たしかに昨日は練習が終わってシャワーだけ浴びて帰ってきたけど汗臭さが消えてなかったかしら ………もう!学校行くから布団は干せないし、お風呂だけでもちゃんと入って鹿乃に笑われないようにしなきゃ』
――――――
[大学]
汐凪「おはよう、瑠花」
瑠花「んん、おはよっ! … ふ〜ん、今日はかのんと一緒にいないんだ」ジロジロ
汐凪「うん? 今日はいつもより早く来ようと思ったからね」
瑠花「なんか、かのんと喧嘩した?」
汐凪「…いいえ」オヨギッ
瑠花「ふ〜ん まぁ、付き合ってるといろいろあるしね うちもそこは詮索しないでおくよ」
汐凪「? よくわかんないけどありがと」
瑠花「ううん… やっぱりナギちゃん一人の時にこの話を振っても盛り上がりにかけるなぁ…」ボソッ
汐凪「瑠花、なにか言った?」
瑠花「いいや、何でもないよ あっ!そうだ、今日の微積はテストだけど勉強はした?」
汐凪「ま、まあまあかな〜 瑠花は?」
瑠花「うちもまあまあかな まだ高校の延長線上みたいなものだからね」
汐凪「でも微積ってちょっと苦手ね なんとかテストはやってるけどもっと勉強しないといけないわね」ピロリン♪
瑠花「ん! ナギちゃん、スマホなってるよ」
汐凪「うん!電話だ ちょっと席外すね」
瑠花「了解 彼氏からでもかかってきたのかなぁ」ニヤニヤ
汐凪「ちょっ、私にそんなのいないって分かっているわよね」///
瑠花「なはは ごめんごめん、これは言葉のアヤだよ」
汐凪「もう、すぐ戻ってくるよ」タッタッタ
瑠花「うん、じゃあこの席を温めて待ってるよ」
〜〜
汐凪<もしもし、あっ、鹿乃>
<うん、うん 教室にいるわよ>
<ん? うれしいわね>
<うん、じゃあ>ピッ
〜〜
汐凪「おまたせ」
瑠花「おかえり〜 かのんはなんて言ってた?」
汐凪「鹿乃はもうすぐで学校につくからどこにいるのか聞いてきただけね」
瑠花「ふ〜ん じゃあ、かのんが来るまではうちらはうちらで最後の悪あがきでもしようかね」
汐凪「悪あがきって… まぁ、たしかにこれが最後の小テストだし良以上は取りたいわよね」
瑠花「うんうん うちはこのままいけば最高評価も取れそうだし」
汐凪「へぇ〜 確かに瑠花は頭いいもんね」
瑠花「ふふーん もっとうちを褒めてもいいんだよ」キラキラ
汐凪「じゃあ、褒めるのはなしね」
瑠花「ええ! なんで〜 せっかく褒めてくれたらうちが手取り足取り教えてあげるのに〜」プクー
汐凪「うそよ、瑠花はすごいわね」ナデナデ
瑠花「なっ! ガタッ」///
汐凪「ん? なによ」
瑠花「…いや、何でもない…」ドキドキ
汐凪「さっ、鹿乃が来るまでは時間があるしやっちゃいましょうか」
瑠花「りょうかい…」
〜〜
汐凪「…これくらいでいいのかな?」ザワザワ
瑠花「うん、これくらいでいいんじゃない」
瑠花「一通り範囲はやったことだし、問題ないとおもうけどねぇ」
汐凪「よしっ、これで大丈夫だわね」
瑠花「ははっ、教室もテストが近づいてきてざわついてるね」キョロキョロ
汐凪「ならもうそろそろ鹿乃が来る頃かな」
瑠花「ふむ、あっ!来たみたいね」
〜〜
鹿乃「お待たせ、ちょっと遅れたわ」
汐凪「鹿乃、待ってたよ」
瑠花「おお、かのん遅かったね」ニヤッ
鹿乃「ええ、待たせたわね で、入江は相変わらずの様子ね」
瑠花「ふふっ、かのんはそういいつつ結構機嫌いいじゃん ナギちゃんと何かあった?」
鹿乃「別に “何も”なかったわよ」
瑠花「ふ〜ん まっ、ナギちゃんが鈍感だからそんなもんか、焦ってもよくないよ」
汐凪「鈍感?」
鹿乃「まったく、入江は何を言い出すんだか、あれは汐凪から誘って…」
汐凪「ちょっと!ストップ」///
瑠花「なはは かのん、そろそろ時間だから席でもついて」
鹿乃「そ、そうね 話はあとでしましょうか…」
汐凪「もう… 鹿乃こっちだよ」
鹿乃「え、ええ…」
〜〜
[二限目終了]
汐凪「よ〜し おわったわね」
鹿乃「おつかれ はい、お弁当よ」
汐凪「わぁー!ありがとう!」パーッ
鹿乃「まぁ、大したものでもないけど、あなたの好物も入っているわよ」
瑠花「ねぇ、ここで話していても仕方ないし移動しようよ」
鹿乃「そうね、そういえば入江はご飯持ってる?」
瑠花「いいや、持っていないけど」
鹿乃「そう、それは良かったわね 汐凪のお弁当を作るときに余った具材を詰めたからあなたもどうかしら?」
瑠花「いいの!?」パーッ
鹿乃「ええ、一応友達だからね」
瑠花「一応って… まぁ、いいや」
汐凪「よかったわね 鹿乃の作るご飯は本当においしいから、これでお弁当デビューね」
瑠花「うん、ありがとう…」ポワポワ
鹿乃「さっ、行きましょうか」
〜〜
汐凪「うーん 天気がいいわね」
鹿乃「ただめっちゃ熱いわね、さっさと日陰に行きましょうか」
瑠花「夏だからね、あともう少しで夏休みに入るからがまん我慢」ザッ
鹿乃「そうね、あとちょっとで夏休みだものね」
汐凪「夏休みかぁ、何をしようか今から楽しみだわ」
瑠花「夏といったら海にプールに、川っしょ」
鹿乃「全部水系じゃない? っと日陰は涼しいわね」
汐凪「そうね、海とかはいいわよね」
瑠花「海、いいよね うちは海を見ると無性に叫びたくなっちゃうんだよね」
鹿乃「あなたが? そんなにストレスをためるようには見えないけどね」
瑠花「いや、別にストレス発散の為に叫ぶわけじゃないからね、開放感から来るんだよ 心の叫びってやつね」
汐凪「瑠花、海に行くなら早いところ計画を立てないとね」
瑠花「ああ! 確か夏休みは地元に帰るとか言っていたもんね たしか、かのんも一緒だったっけ?」
鹿乃「そうね、お姉さんをそこに置いていくのは気が引けるけどまぁ、しょうがないわよね」
汐凪「そこに置いていくって… 確かに鹿乃なしでは一週間と持たないような気がするけど」
鹿乃「お姉さんは社会人だし、お盆休みには叔母さんのところに帰ると思うけどね」
瑠花「へぇ〜 かのんって親戚のお姉さんと一緒に住んでるんだ いがい〜」
鹿乃「ああ、そういえばあなたには言っていなかったわね」
瑠花「うん うちはてっきりナギちゃんと同棲してるんだろうなと思っていたけどね」
汐凪「ああ、それね 同じ大学に進学することになった時に私も提案したんだけど、鹿乃がちょっとそれは早いとか言っていたから無しになったんだよね」
瑠花「ふ〜ん そうなんだ まだ早いんだ、かのん」ポン
鹿乃「なによ!」キッ
瑠花「…いや 鹿乃から貰ったお弁当をたべようかなぁ〜と ほらナギちゃん!」
汐凪「ん、なにかしら?」
瑠花「お弁当はやく食べようよ せっかくうちもかのんに貰ったし、一緒にいただきますしたいな〜」チラッ
汐凪「そうね、二人ともウェットティッシュ使うかしら?」パカッ
鹿乃「いただきましょうか…」
瑠花「ありがとー」
汐凪「じゃあ」
みんな「いただきます」
汐凪「おぉ!今日はいつもより彩りが華やかね」パカッ
鹿乃「今日は時間があったから奮発してみたの、どうかしら?」
汐凪「うん!すごくおいしい 味付けも私好みだし、特にこの卵焼きが絶品ね」モグモグ
瑠花「それな! でもうちはこのハンバーグを推したいかな、これ冷食じゃなくてタネから作ってるよね」
鹿乃「ほう 入江、よくわかったわね」
瑠花「当然! めっちゃお店みたいに完成度が高いけど、そこから特定の人に向けて喜んで欲しいという気持ちがこもったような味がする これはすごいね」
鹿乃「入江 …あんたに言うのも癪だけど ありがと」
瑠花「もう、かのんは素直じゃないなぁ ナギちゃんとそっくりというか」
汐凪「ええっ! 私と鹿乃って似ているかしら、言われたこと一回もないのだけど…」
鹿乃「ちょっと! 入江、適当なこといわないでよ」
瑠花「なはは! まっ、そういうことよ ごちそうさま、おいしかったよかのん」
鹿乃「えっ、ええ… 箱は回収するわよ」
瑠花「オッケー はい、どうぞ」
鹿乃「まったく それにしてもおいしそうに食べていたわね」
瑠花「そうだよ、かのんのご飯はマジでおいしいからね ふだんの昼食に戻れなくなっちゃいそうだよ」
鹿乃「入江… 大げさに言いすぎよ…」
瑠花「べつに誇張でもないよ、いつもこんなおいしいご飯を食べられるナギちゃんは幸せだね ね〜」
汐凪「ん? ええ、そうね 鹿乃はいつもおいしいごはんを作ってもらいっぱなしで、申し訳ないくらいだわ」
鹿乃「いいのよ 私が好きでやっていることだから」
瑠花「ふ〜ん」ニヤッ
鹿乃「はいはい、入江にもたまにはお弁当を作ってあげるから感謝しなさい」
瑠花「おお、いいね! うちもかのんに胃袋を掴まれたもの、だね」チラッ
汐凪「ははっ、胃袋を掴まれたって まぁ、確かに鹿乃のごはんを食べたらもうそれ以外食べたくないかもしれないわね」
汐凪「… ごちそうさま 鹿乃、おいしかったわよ」ニコッ
鹿乃「…ありがと」///
瑠花「あっ!そうだ ちょっと自販機行ってくるね」
汐凪「うん、わかった」
瑠花「二人は何か欲しい?」
汐凪「う〜ん じゃあお茶が欲しいかな」
鹿乃「私は梅サイダーかしら」
瑠花「ナギちゃんはお茶で、かのんは梅サイダーね 了解、じゃあ行ってくるわ」タッタッタ
汐凪「私もなにか鹿乃の役に立てるように頑張らないと」
鹿乃「別に、何かしてもらわなくてもそばにいてくれるだけでもいいのに」ボソッ
汐凪「ねぇ、鹿乃 何か言った?」
鹿乃「いいえ、何でもないわ」
汐凪「そう もうすぐバスケの試合があるから頑張らないといけないわね」
鹿乃「最近頑張っているものね」
汐凪「そうね、人数がそこまで多くないから控えで私も出場することになってね、ちょっとブランクもあるからどうなるかしら」
鹿乃「じゃあ、応援しに行かないとね」
汐凪「ほんと!鹿乃が応援してくれるならいつもより頑張れそうなきがするわ」
鹿乃「ふふっ、じゃあ試合当日はたくさんお弁当を作って応援しに行くわね」
汐凪「応援かぁ…」シミジミ
鹿乃「ん?どうしたの」
汐凪「あの子たちは、どうしてるのかなって」
鹿乃「あの子たち?」
汐凪「ほら、チア部の子たちよ 私たちが試合の時はいつも応援してもらっていたから懐かしくなっちゃって」
鹿乃「ああ、そういえばあの子たちからチアのお披露目会があるって連絡来てたわよ」
汐凪「ほんと、それっていつ?」
鹿乃「ええと、ちょっと待っていて」
鹿乃「えっと…7月30日ね」
汐凪「確かその日は土曜日ね 行こうかしら」
鹿乃「わかったわ そう連絡しておくわね」
瑠花「おっまたせ〜」
鹿乃&汐凪「あっ おつかれ〜」
瑠花「そういえばうちがいない間に何話していたの〜」
汐凪「えっと、私たちの母校のチア部の子たちがねチアのお披露目会があるから来ませんか、って招待がきたから行くって答えたの」
瑠花「へぇ〜 それっていつやるの?」
汐凪「7月30日だね」
瑠花「ふ〜ん ちょうど期末テストが終わった後だしいいね」
汐凪「そうだ、瑠花も一緒に行かない? 鹿乃、ちょっと聞いてみてよ」
鹿乃「ええ、別にいいわよ」
瑠花「ちょっと、ごめん! その時はバイトでいけないんだ」
鹿乃「そ、そうなのね、じゃあ残念だけど」
汐凪「そうね」
瑠花「ごめんね、せっかく誘ってくれたのに」
汐凪「いいわよ、でもその代わり海に行く予定は空けておいてね」
瑠花「うん、それは何が何でも行きたいよ!」
鹿乃「いい返事ね よほど楽しみに聞こえるわね」
瑠花「あっ、そうだ かのんは水着持ってる?」
鹿乃「えっ!? …持っていないけど、何かしら?」
瑠花「ええっ! かのんは水着持っていないの!?」
鹿乃「…悪いかしら」ムッ
汐凪「瑠花、実は私も…」スッ
瑠花「おっと、マジか… これは買いに行く必要があるな、二人とも今週の日曜日は空いているかい?」
汐凪「私は空いているけど… 鹿乃は?」
鹿乃「ええ… まぁ、一応空いているけど」
瑠花「オッケー! じゃあ決まりだね」
鹿乃「ちょっと…」
瑠花「ねえねえ、かのん、ナギちゃんのかわいい水着をみたくないのん?」コソッ
鹿乃「…でも」チラッ
汐凪「?」
鹿乃「…いいわね」ポワポワ
瑠花「うんうん、いい返事だねぇ」
汐凪「三人でお出かけなんて久しぶりだわね」
瑠花「うちもめっちゃ楽しみだよ」
鹿乃「そうね、何だかんだで私も結構楽しみだわ」
汐凪「ねぇ、もうそろそろ時間だから戻らない?」
鹿乃「もうそんな時間なのね」
瑠花「了解、 じゃあ戻ろっか」
――――――
[三限目終了]
瑠花「う〜ん やっとおわったぁ!」ブンブン
鹿乃「いや 入江、定期テストが終わったあとの帰り道みたいな開放感を出してるわね…」
汐凪「ははっ 何その的確なたとえ」
瑠花「なはは まぁ金曜日だしね あと、部活が後に残っているからこれぐらいのテンションがないとやってられんのです」
鹿乃「ふ〜ん あなたも部活頑張っているのね」
瑠花「まぁ、ナギちゃんには負けるけどね〜 ナギちゃんはもうベンチ入りしているし、ねー」
汐凪「運が良かっただけよ 瑠花もうまいし、一緒に試合に出る日も近いと思うわ」
瑠花「…… そうだね!いつかナギちゃんを抜いてエースになっちゃうかもね」
汐凪「ははっ、楽しみだわ」
ワイワイ
鹿乃「ちょっと! 盛り上がっているところ悪いけど、そろそろ帰らせてもらうわね」
瑠花「おお! おつかれさま」
汐凪「うん、またね」
鹿乃「ええ、じゃあね」タッタッタ
瑠花「う〜ん さてと、うちらも体育館に行こっか」
汐凪「そうね、時間まではまだ時間があることだし着いたらシュート練しましょうか」
瑠花「いいね! じゃあ、どっちが多くポイントを決められるか勝負しようよ 負けたらジュースを奢るとか」
汐凪「面白そうね、でもやるからには負けないわよ」
瑠花「ふふーん うちも負ける気はないから」
汐凪「じゃあ、勝負ね」
〜20分後〜
瑠花「負けた〜!」バタン
汐凪「ふぅ… 何とか勝てたわね」ハァハァ
瑠花「くそっ、あそこで外していなければ勝っていたのにぃ くやしー!」
汐凪「瑠花、楽しかったわ」サシダシ
瑠花「ふっ、勝者の余裕ね」ガッ
「ありがと」
汐凪「体も温まってきたしいい勝負だったわ」
瑠花「なはは、気温が結構高いのにこれ以上温まっちゃったら溶けちゃうよ」パタパタ
汐凪「ふふっ、それもそうね」
瑠花「もう、めっちゃ熱いし早く扇風機の前に行こうよ、あと水も」
汐凪「その前に散らばったボールを籠に戻さないと」
瑠花「ええ〜っ めんどくさいなぁ」
汐凪「瑠花、私との勝負に負けたんだからやりなさいよ 私もやるから」
瑠花「…ナギちゃんもやるなら勝敗意味ないような」ボソッ
汐凪「さっ、先輩がくる前にやるわよ」
瑠花「りょ、りょうかい!」
〜〜
??「おう! 鯨井と入江じゃんか おつかれ〜」
汐凪「尾白先輩、おつかれさまです」
瑠花「おつかれさまです」
尾白「おう、おつかれ ドリブル音が聞こえたからいるのはわかっていたけど、こんなに散らかして熱心だねぇ」キョロキョロ
汐凪「あっ! すいません、まだ片づけが終わっていなくて」
瑠花「ちょうどさっき勝負が終わって今から片付けるところでした」
尾白「ああ、みんなが集まってくるまでに片付けてくれればいいから」
汐凪「はい、わかりました」
「ほら手を動かして」
瑠花「うん、わかってるよ」テキパキ
汐凪「ふぅ…スポーツドリンクが欲しいわね」
瑠花「ん? ああ、りょうかい これが終わったら走ってくるわ」
汐凪「そうね、私が勝負に勝ったものね」
〜〜
瑠花「よ〜し 終了!」
尾白「終わったか 最後の片付けもそれぐらいテキパキやってくれればいいのになぁ」
瑠花「もう、尾白せんぱい うちはいつも真面目にやっていますよ っていうか尾白せんぱいはいつものんびりじゃないですか」
尾白「おっと、そうか 痛いところつかれたな はっはっは!」
瑠花「なはは じゃあうちはちょっとジュース買ってきますね」
尾白「行ってらっしゃい」
汐凪「うん、ありがと」
瑠花「スポーツドリンク〜♪」タッタッタ
尾白「鯨井、体の調子はいいか?」
汐凪「ええ、だいじょうぶです」
尾白「どうもこの暑さが原因か、体調が優れない子が多いからね 鯨井も昨日はちょっと疲れているように見えたから気を付けなよ」
汐凪「そうですか… 心配してくれてありがとうございます」
尾白「まっ、試合が近いし緊張しているのはわかるから気楽にね」
汐凪「はい!」
瑠花「おっまたせ〜」
汐凪「あっ、瑠花 ありがとう」タッ
瑠花「はい、スポーツドリンクだよ」サシダシ
尾白「へぇ〜 私も欲しいな」
瑠花「尾白先輩はうちと勝負してないので無理ですよぉ」
尾白「なら今から勝負しようぜ 私に勝てたら飯を奢ってやるよ」
瑠花「いやですよ、うちが勝てる要素ゼロじゃないですか」
尾白「う〜ん つまらんな、鯨井はどう?」
汐凪「えっ!と… 私はこの後予定があるので遠慮しておきます」
尾白「ふ〜ん まっ、いいや もう少しでみんな来ると思うし準備しておけよ」
瑠花「はーい」
汐凪「わかりました」
――――――
[シャワー室]
汐凪「ふぅ… 疲れたわね」
瑠花「ほんと、めっちゃつかれたよ」
汐凪「でもあとは帰るだけだから気持ちが軽いわね」
瑠花「あぁ… 汗が流れていく感覚はよいものだよ」
汐凪「ええ、体を動かした後のシャワーは格別ね」
瑠花「あれ? ナギちゃん、今回は念入りに洗ってるね、いいものがあるんだけど貸そうか?」ザッ
汐凪「ちょっと、瑠花!」
瑠花「あっ…ごめん ///」ササッ
汐凪「もう… 瑠花、何を貸してくれるの?」
瑠花「ああ…えっと、これだよ」サシダシ
汐凪「これは結構高いものじゃない 使っていいの?」
瑠花「んん、ただ使いすぎには気を付けてよ」
鹿乃「ありがとう じゃあ使わせてもらうわね」
瑠花「なはは 今日は予定があるんでしょ?それの応援も兼てね」
汐凪「ええ、すごくいい匂いね 私も同じの買おうかしら?」
瑠花「おお、それはいいね でもかのんが…いやなんでもないや」
汐凪「?」ザーザー
瑠花「じゃっ、うちは先に上がってるわ」ササッ
汐凪「ええ、わかったわ」
汐凪『今日はなんだか瑠花が気を使っているような気がしたわね、理由はわからないけど新鮮だったわ これが終ったら鹿乃とご飯が食べられる… 楽しみだわ』
〜〜
汐凪「お待たせ」
瑠花「来たね、じゃあ帰ろっか♪」
汐凪「ええ」
瑠花「ああ、ナギちゃんは帰ってから予定があっていいなぁ うちは普通に帰ってご飯食べるだけだからな〜」
汐凪「そんな予定ってほどでもないのだけれど…」
瑠花「なはは、まぁそういうもんだよね」
汐凪「そうかしら …そうね!」
瑠花「うわ〜っ もうお腹が減って仕方がないよ」グーッ
汐凪「瑠花の家はもうすぐだから我慢しなさいよ」
瑠花「なははっ! 腹の虫には逆らえないってね、別にナギちゃんだけに聞かれるだけだからモーマンタイ」タタッ
汐凪「あっ、瑠花!」
瑠花「じゃあね また日曜日に会おうや あと、かのんにもよろしく」ザッ
汐凪「行っちゃった…」
汐凪「まったく… じゃあね」
――――――
[家路]
今日は短いながらもいろいろなことがあった。
朝は鹿乃に起こしてもらったり、微積の最後の小テストをしたり、昼には日曜日に鹿乃、瑠花と買い物に行く約束をしたり、チア部のお披露目会に行こうということになったり、午後には瑠花とサークル活動の前に勝負をして勝ったり。そして、鹿乃がいまご飯を作って待ってくれている。
私はそんな贅沢をかみしめている。些細なことだけれども私、いや私達には重要なことだ。
鹿乃は昔からの付き合いだが、瑠花とは大学で初めて知り合って仲良くなった。同じ学科で彼女がバスケサークルに入っていることが分かり、そこからますます仲が良くなりこうして三人で休日に買い物に行くほどにまでなった。
『はぁ… 綺麗ね』
周りには人の気配も明かりもない、星が輝き始めた夜空を見てそう感じた。
ここは地元とは違う場所だけれど、空を見ればほとんどの違いがないと思わせられる。ただ静かに光っている月と星の共演を眺めながら、家路へと急いだ。
しばらく歩いていると住んでいるアパートの光が見えてきた。
昨日は何の感慨も湧くこともなく、吸い寄せられるように家の扉を開けていたが、今日は違う。階段を上がる足音は間違いなく弾んでいるし、鼻歌を歌いそうなくらい気持ちが舞い上がっている。
そう、家に鹿乃がいるからだ。この扉を開ければ安心する顔が笑顔で私を迎えてくれるはず。
そんなことを思いながら、扉をあけた。
「あっ! おかえりなさい」
「ただいま、鹿乃」
私の思った通り、彼女がとびきりの笑顔で迎えてくれた。
「ごはん、できているわよ」
そういうと彼女は私の髪を撫で、隣に立った。
その様子は、いつもとは違い妖艶さを感じるほどであり、何か嗅ぎなれない香りも漂っているような気がする。
「ふふっ、さっ、食べましょうか」
「ええ…」
私はそう答えると、鹿乃に手を引かれダイニングに入った。
[完]
あとがき
ここまで読んでいただきありがとうございます
今回、鯨井さんたちが主役の回なので、原作で二人が登場する回を読み直してみたのですが、ほとんど出番がないことに改めて驚きました。そして一緒に登場する回は「チア部永年名誉部員」と最終話、アニメの最終話をいれれば3回ですね。そんなに登場していないにも関わらず、絶大なインパクトを残してくれた鯨井さん。流石バスケ先輩です!
今作はリクエストでいただいた前半部分のアイデアを使用したものになっています。リクエストのお題と設定やシチュエーションが違うところがありますが、そのほうが書きやすかったのでお許しください。
後半は後日書き上げると思うのでお楽しみに
あと、頂いたリクエストをほぼ消化したので、また新しいリクエストを募集します。
どなたでも気軽にコメントを残していただけたら嬉しいです
というわけで、次の作品でお会いしましょう
いつものぶっきら棒だけど親切なバスケ先輩&おっとりしてマイペースな家庭科先輩とは違う感じが、とても新鮮で良いです。
後輩目線と同期目線での違いというか、こはね達からはまず出てこないであろう「二人がそっくり」という見方も、ずっと一緒に過ごしているからこそな感じですね。
鹿乃さんが瑠花さんに妙に当たりが強いのは、自分より汐凪さんと仲良く見えることの嫉妬から来ているのかなと思えるのも好きです。
本編での出番こそ多くない二人ですが、並んでいるだけで夫婦的な雰囲気のこの二人は本当に良いですよね。
後半も楽しみにしています。
それから、リクエストを再び募集されるということですが、アルバトロスの愛でもほんのちょっとだけ出た修学旅行をテーマで一つ書いて頂きたいと思います。
チア部の五人は勿論ですが、紺や鷲尾さんや先生方の出番もあると嬉しいです。
コメントありがとうございます!
鯨井さんと紅葉谷さんはほとんど完成されている関係なのでどのように変化(またはそのまま?)させようかと今でも考えています。そのせいで後半は予定より遅れると思います。
リクエストありがとうございます
修学旅行…
たしかに宇希先輩の回想編で言っていましたね… すっかり忘れていました。
投稿まで時間が大幅に空く可能性がありますが、気長に待っていただけると嬉しいです。
反応がたいへん遅くなってしまい誠に申し訳ございませんでしたッッ!!
改めまして、拝読しました! ほのぼの大学生ライフ、いいですね...
いつかの大学生こはうきSS (『アルバトロスの愛』) でも思っていたのですが、大学生活の描写の解像度が高すぎる (褒め言葉)
レポート課題の話とか、微積分の試験の話とか、夏休みの話とか... 何といいますか、わざとらしくないリアリティを感じます。
そして、その中の要所要所でナチュラルにいちゃいちゃする汐凪と鹿乃の二人。胃袋を掴まれ、布団のにおいを嗅がれ、水着姿を想像されてる汐凪さん... 書き連ねてみるとだいぶやばいことになってる...
瑠花さんも含めた仲良し3人組で、この先の大学生活も楽しく頑張ってほしいなと思いながら読ませていただきました。
>>51
ペンギノンさんいつもありがとうございます!
派手な行事や出来事がなくても毎日を楽しんでいる、みたいなことを考えて書いていました。(私自身、派手なことには縁がないので…)
二人の関係は少し片思いチックな関係だと思っていて、お互いに大切な存在だと思っていても、感じ方がそれぞれ違う。みたいな言葉では表し難い関係をどう動かしていくのかが難しいです。
まあ、それが楽しいのですが。
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