[ちゅうい!]
・ 『恋する小惑星 (アステロイド)』と『まちカドまぞく』のクロスSS
・ 直接の元ネタは『独り言呟きスレ (基本なんでもOK) @24』 の349番目のレスです (レスを書き込まれたBBS住人様と、それに反応されたBBS住人の皆様に感謝ッ! 勝手にこんなSS書いちゃってごめんなさい...)
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3761&ukey=0#res349
↑ このページの349番目のレスです。
・ 元レスにはない独自設定がかなり多め
・ みらたちとミカンたちは、既に知り合いで仲良しという設定。時間軸的にはミカンの呪いが解除される前です。
本編は次のレスから始まります!
「ねぇ、わたしたちどこに向かってるの?」
わたしの問いに対し、わたしの手を引きながら貴方はこう答えたよね。
「まぁまぁ、それは後のお楽しみってことで」
回答を先延ばしにされたけど、不思議と嫌な感じはしなかったよ。
だって、一緒に上っていけば。この手をずっと繋いでいれば。
きっと、とっても楽しいことが待っているんだもん。
「わかったよ、じゃあ行こうか!」
自分自身を奮い立たせて、わたしは歩み始めた。
...このときのわたしは、知らなかったんだ。
こんなにも、ハードな道のりだったなんて。
みら 「ミカンちゃん、待ってぇ...」 ゼェゼェ
ミカン 「あ、ごめんなさい! 魔法少女と普通の人とでは体力もだいぶ違うのに、つい進みすぎちゃったわ」
みら 「ううん、いいの。でも...ごめん、ちょっと休ませて...」 ハァハァ
ミカン 「そうね、わたしも休もうかしら。よいしょっと」 ポスッ
みら 「座るところだけには困らないんだよね、ほんと」 ポスッ
ミカン 「だってここ、非常階段だものね」
みら 「何なら、上も下も全部椅子みたいなものだもんね」
ミカン 「背もたれ小さすぎない?」
みら 「しかも直角」
ミカン 「座り心地も決していいものじゃないわ」
みら 「でも、どうしてか腰掛けたくなっちゃうんだよね」
ミカン 「わかるわ〜」
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ミカン 「そうだ、飲み物でも飲むかしら? はい、ミカンちゃん特製のオレンジティー」 スッ
みら 「うわぁー、美味しそー!! それにいい香り...」
ミカン 「でしょ〜〜? わかってもらえて嬉しいわ♪」
みら 「ミカンちゃん、これ飲んでもいい?」 キラキラ
ミカン 「勿論よ! わたしの自信作、たーんとおあがり!」
みら 「はーい、いただきまーす」 ゴクン
みら 「〜♪」 ポワポワ
ミカン 「そんなに喜んでもらえると、わたしまで嬉しくなっちゃうわ! それじゃわたしも...」 ゴクン
ミカン 「〜♪」 ポワポワ
みら 「ミカンちゃんって何でもできるんだね! 尊敬しちゃうよ!!」 キラキラ
ミカン 「っ!」 ビクリ
ミカン 「そ、そんなに褒めてもオレンジティー以外何も出ないわよぉ!!」 ビュォォォッ
みら 「ちょ、ミカンちゃん!? なんかあそこの窓からすごい風が入り込んできてるんだけど!?」
ミカン 「あわわ、どうしよどうしよ、呪い出ちゃってるよぉ」 グルグルメ
みら 「お、落ち着いてぇ!! 風がどんどん強くなって... ひゃっ!?」 ペラン
ミカン 「みら!?/// 貴方、ぱんつ見えちゃってるわよ!?///」 カァァァ
みら 「み、見ないでぇーー!!///」 プシュー
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みら 「こんなのってないよ... あんまりだよ...///」
ミカン 「ほ、本当にごめんなさい...。まさかこんなことになるとは...」
みら 「わたし、もうスカート履くのやめちゃおうかな...」
ミカン 「だ、大丈夫よ心配しなくても。こんなの滅多に起こることじゃないもの」
みら 「そう、かな...?」 ウルウル
ミカン (かわいい)
みら 「うぅ... あおにも見られたことなかっt...いや、あったか」
ミカン 「えっ!?///」
みら 「一応言っておくけど、部活とか体育とかの着替えでだからね? あと温泉とか」
ミカン 「そ、そうよね.../// わかってたわよ最初から///」
みら 「ほんとかなぁ...?」 ジトー
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みら 「そろそろ進もっか」 ズァッ
ミカン 「そうね、そうしましょうか」 ズァッ
みら 「それにしても... わたしたち、どれくらい進んだんだっけ?」
ミカン 「そうね...。確か、ここが6階... いいえ、7階みたい」
みら 「結構上ったんだね。でも、何だか最上階に辿り着く雰囲気にないんだけど」
ミカン 「うん、だってこのビル地上30階建てだもの」
みら 「地上30階建て!?」
ミカン 「因みに地下も5階まであるわよ」
みら 「何なのこの建物!?」
ミカン 「一応エレベーターはあるんだけど...」
みら 「使おう! 即刻使おう!!」
ミカン 「... 残念ながら、壊れてしまってて使用不可なのよね...」
みら 「そんなぁ...。じゃあ、やっぱりこの階段上るしかないんだぁ...」
ミカン 「ちょっとした運動にもってこいの良物件よ!!」
みら 「ちょっと何言ってるのかわからない」
ミカン 「なーんて。ちょっとした冗談よ」
みら 「あ、やっぱり?」
ミカン (...でも、桃ならあるいは簡単に行き来できるのかしら? 普通にできそうで怖いわ)
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ミカン 「魔法少女のわたしは兎も角、少なくとも普通の人間であるみらが、この先の道のりも徒歩で進んでいくのは苦痛だと思うの。だから...」
みら 「...?」
ミカン 「いっそのこと、最上階までみらを投げちゃおうかなって思うんだけど、どう?」
みら 「」
ミカン 「あら? みら、どうしたの?」 キョトン
みら 「いやいやいやいや」
みら 「無理だよっ! そんなことされたらわたし死んじゃうよ!! 間違いなく!!」
ミカン 「えー、でもー」
みら 「でも、じゃないよ! それよりは死なない分、全部徒歩の方が何百倍もましだよ!!」
ミカン 「ぶー... わかったわよ」
みら 「ミカンちゃんって、たまに怖いこと言うよね...」
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みら 「はぁ、はぁ... 15階到着...。これでやっと半分だよ...」
ミカン 「...やっぱり、わたしに投げられてみない...?」
みら 「嫌だよっ!! いくらミカンちゃんのお願いでもこればっかりは全力拒否!!」
ミカン 「そう、残念...」
みら 「逆に、どうしてそんなに投げたがるのさ」
ミカン 「だって、その分時間と体力の節約ができるじゃない」
みら 「命がなくなっちゃったら元も子もないってこと忘れてない?」
ミカン 「大丈夫大丈夫、魔法少女のわたしなら安全に投げられるはずだから」
みら 「ミカンちゃんが投げるまでの問題というより、むしろわたしの着地の問題だと思うんだけど」
ミカン 「そこは... うん、頑張って☆」
みら 「却下」
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ミカン 「地上22階よ、みら! あと8階分上ったら最上階!!」
みら 「そ、そうだね...」 ゼェゼェ
ミカン 「ここまでノンストップで駆け上ってきたんだし、そりゃ息切れもするわよね」
みら 「わたしにして見れば、ミカンちゃんが全然息切れしていないことの方が衝撃だよ...」 ハァハァ
ミカン 「魔法少女になった時点で、体力とかは生身の人間よりだいぶ強化されるみたい。多分それの影響も強いわね」
みら 「魔法少女かぁ。わたしもなってみたいなぁ」
ミカン 「...! そ、そうね!! 叶うといいわね!!」 アセアセ
みら 「?」
ミカン 「ささっ、張り切ってくわよぉー!!」 タタタ
みら 「ちょ、早すぎだよぉ!! 引っ張らないでー!!」
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みら 「27階まで来たよ...」
ミカン 「...ここまで来たら、投げても...」
みら 「絶対にNGだよっ!!」 カッ
ミカン 「意志は思ってたより固いみたいね...」
みら 「逆に、この高さからうっかり足を滑らせたら間違いなくスプラッタものだもん」
ミカン 「うわぁ... 確かにそれは見たくないわね...」 ザァァァァ
みら 「急に雨が降り出した!?」
ゴロゴロゴロゴロ... ピシャァーーン!!
みら 「か、雷!? もしかして、これもミカンちゃんの呪いの影響!?」 ビクッ
ミカン 「ひゃぁっ!? こ、怖いよぉ」 プルプル
みら 「はっ!? だ、大丈夫だよミカンちゃん、わたしがついてるから!」 ギュッ
ミカン 「...ありがと」 ギューッ
みら 「どう? ミカンちゃん、少しは落ち着いた?」
ミカン 「うん、大丈夫そう...。何度も何度も巻き込んじゃって、何てお詫びしたらいいか...」
みら 「そんなの気にすることないんだよ! よし、ラストスパートかけてこ!!」
ミカン 「...そうね! わかったわ、わたしも一緒に頑張る!!」 フンス
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みら 「あ、あと1段... やった!! 上りきったよ!! 成し遂げたんだ!!」
ミカン 「おめでとうみら! それじゃあ、例の場所に案内するわ、ね... あ」
みら 「ミカンちゃん?」
ミカン 「...重大なこと忘れてたわ」
みら 「重大なこと?」
ミカン 「言葉で説明するより見てもらった方が早いわ。あれよ」 ユビサシ
みら 「どれどれ...」 ジッ
< 地続きになっていない不思議階段と、その先にある扉
みら 「」
ミカン 「ちょっと色々あって、あそこの階だけ階段が途中で分断されちゃってるの。でも、実はあの先が目的地で...」
みら 「どうしたらああなっちゃうのさ!? というか、あそこまで行くにはどうしたらいいの!?」
ミカン 「え? 普通にぴょーんって」 ピョーン...スタッ
ミカン 「Like this」
みら 「What!?」
ミカン 「まぁ、確かにちょっと跳ぶには幅が広いかしら」
みら 「ちょっとどころじゃないよ! 普通の魔法少女ならたとえ問題なくても、普通の人間には到底跳べる距離じゃないって!!」
ミカン 「そ、それもそうね」 アセアセ
みら (はぁ... もう、諦めて投げてもらうしかないかも...) チラッ
みら 「...あれ? ミカンちゃん、この扉はどこに通じてるの?」
ミカン 「あ、その扉からでも一応わたしたちが目指してる大部屋には行けるわ」
みら 「そうなの!? つまり、こんな危険なチャレンジしなくても辿り着けるってこと!? やったー、それじゃあ早速...」 ガチャ
ミカン 「待って!」 ガチャ... トテトテ
みら 「何、ミカンちゃん? ごめんだけど、投げるのはもうなしだy...」
みら (ミカンちゃん、何かを手に取って...ん!?)
ミカン 「たしかにこの部屋に入るだけなら、そちらの扉でもいいわ。しかし、こっちの扉の先には特別なアイテムがあるの。それは、このシトラスレディ変身セットよ!」 バァァァン!!
みら 「し、シトラスレディ変身セット!?」
みら (そこにあったのは、シトラスレディ ─魔法少女としてのミカンちゃんの姿─ に変身することができる即席セットでした。実は魔法少女にちょっと憧れていたわたしは、思わず...)
みら 「ごめんミカンちゃん、やっぱりわたしのことそっちまで投げてくれない?」 ガチャ... タタタ
ミカン 「食いつきがずごい!?」
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[結局、投げてもらいました]
みら 「すごい...。全然怪我しなかったよ」
ミカン 「わたしの言ってた通りだったでしょ?」
みら 「そうだね、疑ってごめん」
ミカン 「全然大丈夫よ! 気にしてないわ」
みら 「...それで、あの...」 モジモジ
ミカン 「わかってるわよ、これでしょ?」 スッ < シトラスレディ変身セット
みら 「うひゃぁー!! これを使えばわたしも魔法少女になれるんだね!?」 ワクワク
ミカン 「まぁ、擬似的ではあるけどね」
みら 「すごい! それでも充分すごいよ!! では早速...」 ピタッ
みら 「...」
ミカン 「みら?」
みら 「ミカンちゃん、一つ訊きたいんだけど」
ミカン 「えぇ、いいわよ」
みら 「やっぱり、変身する時は服を脱がないといけないの?」
ミカン 「そうね。桃みたいに超高速で変身するのでなければ、普通に着替えるのと変わらないわ。でも安心して! 放送できない箇所は、謎の汁がかかって見えないようになってるから!」
みら 「安心できないよ!」
みら 「つまりあれかな? わたしはこれから全☆裸になっちゃうってこと?」
ミカン 「その認識で間違いないわね、恐らくは」
みら 「はぅぅ...。で、でも、魔法少女になれるまたとないチャンスだし...」
ミカン 「無理しなくてもいいのよ?」
みら 「... 決めた! わたし、やるよ!!」
ミカン 「そう? みらがそれでいいなら、いくらでも協力するわ」
みら 「... ごめんね、あお...」 カァァァ
ミカン 「その反応やめて、やましいことしてるみたいな気分になっちゃうから」
あお 「くしゅん」
あお 「... なんか嫌な予感がする...」 ゾワッ
----------
みら 「それじゃ、いくよっ!!」 カチャ
ミカン (...) ゴクリ
みら 「おぉっ!? こ、これは... いけるかも!?」ピカァァン
ミカン 「そうね、なんかいい感じ... あ」
みら 「ふぇっ!? きゅ、急に身体を包んでた謎の汁が消えて... ひゃぁぁ!?」 スッポンポーン
ミカン 「み、みら!? 落ち着いて、新人ちゃんにはよくあることよ!!」 アワアワ
みら 「や、やっぱりこうなったぁぁぁ///」 モジモジ
ミカン 「だ、だから落ち着いて! そんなに動き回ると逆にやらしく見えるからぁぁ///」 ハナヂダバー
みら 「ミカンちゃんこそ落ち着いて!? 鼻血出てるからぁ、出血多量で倒れちゃうからぁぁ!!」
ミカン 「と、取り敢えず早く変身を済ませて! 貴方、まだ裸なのよ!?」
みら 「うぇっ!? あ、うん...///」 ポンッ
ミカン 「... うん、オッケーよ。何はともあれ」
みら (シトラスレディ)「こ、こんな辱めを...///」
ミカン 「いえ、正直初回からこんなにうまくできるなんて上々よ」
みら 「これで上々なの!?」
ミカン 「そうなのよー。中には、色々あった挙げ句魔法少女服が消滅しちゃって、戦闘中ずっと全☆裸で乱舞することを強いられる子も...」
みら 「そ、そんな殺生な!?」
----------
ミカン 「因みに、仮初ではあるけど体力も強化されてるのよ。ほら、ジャンプしてみて」
みら 「こ、こう?」 ピョォン
みら 「す、すごい!! 身体が軽い!!」 キラキラ
ミカン 「魔法少女の利点はこういうところなのよね」 ウンウン
みら 「さーて、それじゃあ」
ミカン 「行きましょうか」
ガチャ
みら 「あれ? 意外と普通の部屋...。強いて言うなら置かれてる家具が高そう」
ミカン 「そうね、確かにそう思うかもね。でも、ほら」 スチャ
みら 「こ、これは!?」
ミカン 「すごいでしょ、珍しい鉱石がこんなにいっぱい!!」
みら 「これ、全部ミカンちゃんが?」
ミカン 「いいえ、これっぽっちも」
みら 「そ、そうなの!? じゃあ、これは一体...」
ミカン 「... 実はね、ずっとここに取り残されてたものなのよ」
みら 「えっ...」
ミカン 「このビルは、何年も前に捨てられてしまったのよ。とある会社の本社が入ってたんだけど、当時の社長さんの急死と、深刻な経営難が重なって」
みら 「...」
ミカン 「それで、退去作業中に階段が崩れちゃってね。一応最奥の部屋には辿り着けるのは知っての通りだけど、現場の危険性を考慮して作業は中断された。そして... 今に至るまでこのまま残されている、というわけ」
みら 「そうだったんだ...。それで、この鉱石は...」
ミカン 「はっきりとしたことはわからないけれど、聞いた話によると社長さんが大の地学好きだったそうで。ここは元々社長室だったらしいし、個人的なコレクションだったのではないかしら」
みら 「成程...。つまり、これは社長さんの形見ってことだね」
ミカン 「そう考えると、わたしも切なくなっちゃって。でも、だからこそ、この石がずっと眠り続けるのは悲しいなって。だから」
みら 「そっか。だから、わたしに声をかけてくれたんだね。ありがとう、ミカンちゃん!!」
ミカン 「うふふ、喜んでもらえてわたしも嬉しいわ。そして、この石も...」
みら 「うん、きっとね。喜んでるといいね」
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みら 「... あれ? じゃあ、この変身セットは?」
ミカン 「う゛っ゛」
みら 「流石にミカンちゃんの衣装とお揃いの簡易変身セットなんて、何年も前に亡くなった社長さんが持ってるはずないよね」 ジトー
ミカン 「あ、あはは... えーと、これは...」
みら 「...」 ジトー
ミカン 「...はい、ごめんなさい。わたしが仕込んだものです」
みら 「やっぱりね」
ミカン 「そもそも、このビルも桃が買い取っていたから入れたの。そうじゃなきゃ不法侵入だものね。桃には許可を得てるわ」
みら 「ふーん...」 (か、買い取った...? このビルを...?)
ミカン 「み、みら... わたし、その...」
みら 「ありがとね、ミカンちゃん」
ミカン 「ふぇっ!?」
みら 「わたしのこと、驚かそうとしてくれてたんだよね。お陰で、とっても楽しかった。それに、魔法少女になれるなんて滅多にできない経験だもんね。実はわたし、そういうのにちょっと憧れてたんだよねぇ」
ミカン 「そ、そう? そ、それは... どうも...///」
みら 「えへへ、また一緒に来ようね」 ニコッ
ミカン 「... うん」 ニコッ
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ミカン 「この石、どうしようか」
みら 「社長さんのご家族の家に持っていくのが一番なのかな」
ミカン 「それがね... 社長さんは独り身で、ご家族もいらっしゃらなかったみたいなの。当時の大混乱も、きっとそうした事情が関係してたのかしら」
みら 「そしたらせめて、社長さんのお墓にこれを...」 ヒラッ
ミカン 「あら? 何か落ちたわ」
みら 「これは... 手紙? えっと...」
『この手紙を読んでいる貴方に、お願いがあるのです。
この手紙を発見されたということは、私の収集した鉱石を見つけているのでしょう。これは、私が学生時代から集めてきたものです。故に、個人的に愛着を持っている品であります。
しかしながら、この先私が安泰である保証もありません。万が一にも、望まない形でこの宝物を手放す必要がないとも言えません。
そのようなことがあったとしたなら ─そう、ここからがお願いの本筋なのですが─ その際は、この鉱石を貴方に託したいのです。
私の代わりにこの鉱石たちを守ってくださるのならば、私としてもこれ以上の幸福はありません。
不躾なお話ではありますが、どうか何卒宜しくお願いいたします』
ミカン 「...」
みら 「社長さん、こんなに鉱石コレクションを大事にしていたんだね」
ミカン 「みら、どうする? 託されちゃったけど」
みら 「そうだね... わたしは、敢えてここに残しておこうかなって」
ミカン 「その心は?」
みら 「この場所が桃ちゃんの持ち物だとしたら、鉱石たちが置いてけぼりになることはないよね。それなら、きっと」
みら 「この石たちの居場所は、ここなんだと思うんだ。だから、敢えて残す」
ミカン 「... わかったわ。そうしましょう」
みら 「じゃあ、帰ろっか」 ピコーンピコーン
ミカン 「あ、あの、みら...」
みら 「えっ、何?」 ピコーンピコーン
ミカン 「実はその変身セット、時間制限があるの。多分、もうすぐ切れる。それで、制限時間が切れたら」
みら 「切れたら?」 ピコーンピコーン
ミカン 「... 一旦全☆裸になります」
みら 「な、なんですとー!?」 スッポンポーン
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ミカン 「ごめんね...」
みら (私服) 「だ、大丈夫... だよ... ///」
ミカン 「じゃ、じゃあ... 気を取り直して」
みら 「うん、帰ろう」
ミカン 「みら... 今日はありがとうね」
みら 「へ? わたし?」
ミカン 「わたしの誘いに乗って、一緒に来てくれて。階段を上るだけだったかもしれないけど、それでも一緒にお話できて楽しかった」
みら 「ミカンちゃん... わたしも、楽しかったよ!」
ミカン 「また、今度機会があったら、来てくれるかしら?」
みら 「勿論だよ! そのときは、あおも連れてきたいなぁ! あ、そしたらシャミ子ちゃんと桃ちゃんも一緒がいいかな!」
ミカン 「それいいわね! 二人にも話してみるわ♪」
みら 「あはは」
ミカン 「うふふ」
みら 「... えっとさ、ミカンちゃん」
ミカン 「うん、多分わたしも同じこと考えてる」
< 地上30階 (+ 地下5階) 分の階段
みらミカン 「...」
みら 「... わたしたち、ここを引き返さなきゃいけないんだね...」
ミカン 「今度、桃にエレベーターの修理をお願いしてみるわね」
みら 「お願い、そうしておいて」
ミカン 「えぇ、任されたわ」
みらミカン 「...」
頑張れ、ミカンさんとみらさん!! 明日はきっと、筋肉痛間違いなしだぞ!!
--fin--
[あとがき]
はい、ということで。自称SS書きのペンギノンです。今回は番外編として、久々に名無しで投稿してみました。ミニSSとは。
番外編なので、この作品はこれまで執筆してきたSSのリストには追加しません。Pixivにも投稿する予定はありません。あくまで、素敵な夢のお話を拝見したいちBBS住人が妄想を爆発させたに過ぎませんから。
また、私が以前書いたSS (『あお 「みらが知らない女性と仲良く話してる」』) と一部設定が矛盾しますが、所謂パラレルワールドということで。
さて、作品本編についてですが... いやー、思っていたより重い話になってしまった。それに、元となったレスが書き込まれてから随分と時間が経ってしまいました。本当にすみません。
あと、みらちゃんにも謝らないと。二度も全☆裸にしちゃったから...。
ただ、あのレスを初めて拝見したときの尊さを自分なりに言語化したつもりです(なお、同スレで358番目のレスをしたのは私です) 。
もしもこのSSを読んで同じように尊さを感じていただけたとしたら、私としても幸せです。
最後になりますが、ここまで読んでくださった方に心から感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。
カオスな夢だと思ったけどこうして見ると意外と設定はしっかりしている夢ったんだな
あとこれを文章に昇華できるあなたもすごい
>>40
作者です! 早速のコメントありがとうございます!
変身するみらちゃんの姿を想像するだけでね、こうパッションが...
本当に物凄い夢ですよ。なんというか... 尊い (n回目)
みらちゃん + ミカンちゃんという組み合わせだったのも個人的に最高でした。高柳コンビだいしゅき...
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