[Attention!]
この作品は『きららファンタジア』を題材としたSSです。
あくまで上記原作とは一切無関係な所謂二次創作 (或は三次創作) です。
SSによくある会話形式ではなく、クレアちゃんの語りのみで進行します。
創作の関係上、大いに独自設定 ・ 捏造 ・ 原作を逸脱した点が存在します。
原作のクレアちゃんと性格が違うかもしれません。できるだけ再現したつもりではありますが、多分できてません。ごめんなさい。
書き溜めありです。と言うより、既に最後まで完成しています。
最後に、クレアちゃんカワイイヤッター!!
以上の点を了承してくださる方は、どうかお付き合いください。
わたしは鍵の管理人。
前の仕事はお花屋さんです。
勿論今でもお花は大好き。
今度また何か育てようかな。
わたしは鍵の管理人。
鍵が繋ぐは異なる世界。
出逢うは素敵なクリエメイトたち。
里はその度活気を増します。
わたしは鍵の管理人。
召喚中はいつでもどきどき。
余りに緊張しすぎるせいで。
噛んじゃうことも時々あります。
わたしは鍵の管理人。
異世界から来るクリエメイトと。
最初に逢えるのはわたしなんだよ。
ランプに言うとすねられちゃいそう。
わたしは鍵の管理人。
召喚業務は一人じゃできない。
きららさんが居るからできます。
予定合わせはちょっぴり大変。
わたしは鍵の管理人。
このお仕事は不定期だから。
いつ頼まれても動けるように。
鍵のメンテは欠かせないんです。
わたしは鍵の管理人。
召喚したら仕事はお仕舞い。
ちょっぴり寂しい気持ちもあるけど。
嬉しさの方がよっぽど大きい。
わたしは鍵の管理人。
わたし、たまに思うんです。
もしお花屋さんを続けていたら。
どんな暮らしをしてただろうって。
わたしは鍵の管理人。
クリエメイトと関わる暮らし。
だから、きっと今のわたしと。
楽しさの意味は違っていたよね。
わたしは鍵の管理人。
この前、不思議な夢を見ました。
里に居るのはわたし独りで。
他は静寂、そんな夢を。
わたしは鍵の管理人。
そう、ただの管理人。
皆のことを取り戻そうにも。
扉は決して開かなくって。
それで漸く目が覚めて。
夢中で館を飛び出しました。
ばったり出会ったコルクちゃん。
思わず抱きつき泣いちゃいました。
その日の天気は霧雨でした。
皮膚には冷たい雨が当たって。
でもコルクちゃんがあったかいから。
わたしは冷えずにいられたんです。
やがて雨は勢いを増し。
そして落ち着き止みました。
後に残るは澄んだ青空。
大きな虹も架かっていました。
虹はかなり近くに見えて。
虹の足には何があるかな。
その独り言をポルカに聞かれて。
行ってみようかとポルカの一言。
コルクちゃんも話に乗って。
わたしとポルカとコルクちゃん。
3人、臨時の旅仲間。
目指す場所は、虹の足。
歩き始めて数十分後。
足がぷるぷる震えます。
運動するのは得意じゃないです。
だけど止まらず進みます。
気付けば虹は薄くなってて。
いつ消えちゃってもおかしくなくて。
不安と焦りが蓄積してく。
きっと旅ってこんなもの。
足が痺れて、息が切れて。
コルクちゃんが手を繋いでくれて。
ポルカも荷物を持ってくれて。
わたし、貰ってばかりだなぁ。
漸く着いた虹の足は。
特段すごい場所ではなくて。
よくある畑の端から出ていて。
気付けば皆で笑っていました。
わたしたちの小さな旅は。
こうして静かに終わったのでした。
コルクちゃん、どうもありがとう。
ポルカ、ほんとにありがとう。
召喚の館、窓の外。
今日も里は賑やかです。
虹もとっくに消えてしまって。
だけどわたしは憶えています。
一見何でもない場所にこそ。
楽しいことの欠片があって。
それに気付けた素敵な旅は。
わたしの大事な宝物です。
鍵の手入れを難なくこなし。
ちょっと長めに伸びをしました。
わたしは鍵の管理人。
それがわたしのアイデンティティ。
わたしにできることは少ない。
それでも、わたしにできることなら。
全力を以て取り組みたいと。
わたし自身に誓うのでした。
わたしは鍵の管理人。
次は誰と逢えるんだろう。
楽しみすぎてわくわくします。
だから、次回も頑張ります。
--fin--
[あとがき]
はい、ということで終わりです。クレアちゃんは天使。
今回の作品はSSというより詩 (口語定型詩) といった感じでしたが、クレアちゃんで書きたいと発案したときからこの形態にすることは決めていました。
何というか、里の住人の中でクレアちゃんが一番ポエムみたいな人生送ってそう、という印象が自分の中にありまして... (勝手な偏見ごめんなさい)
さて、ここから暫くは誰得な自分語りです。読み飛ばしてくださって構いません。
私は中学生時代、詩を書くことを趣味としていまして (今思えば随分と恥ずかしい詩を量産したものです)、当時からその形態は専ら口語定型詩でした。
伝えたい事柄を一定のリズムに合うように表現するという、ちょっとした言葉のパズルのような要素が、書いていてとても楽しいです。
まだ「きらら」を微塵も知らなかった頃の趣味が、今になって意外な形で役に立ちました。ありがとう、中学生時代の私。
最後になりますが、ここまで読んでくださった方に心から感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。
なお、この作品が2021年に投稿する最後のSSとなります。今年12月から執筆開始した身でたいへん恐縮ではありますが、どうもお世話になりました。
もしよろしければ、来年もお付き合いいただけると幸いです。
[これまで書いたSSリスト (順次追加) ]
・ 『あお 「くじら座の変光星の女の子」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3596&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29338408.html
・ 『変な生き物 「遂に誰からも本名で呼ばれなくなった」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3602&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29371224.html
・ 『クレア 「わたしは鍵の管理人」』: このSS
>>30
作者です! そのお声はもしやロベリア様ッ!?
前回に引き続きコメントありがとうございます!
でもリアライフはやめてあげtうわなにをするはnくぁwせdrftgyふじこlp
このSSを執筆したペンギノン (元 ・ 名無しの作者) です。
このSSをPixivにて公開しましたのでお知らせします。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17274145
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