劇場版あんハピ♪ みんなで奏でる幸福の旋律
2017年に発表された劇場版あんハピ♪のノベライズです。
地元が田舎過ぎたのかいつまで経っても公開されないので自分で小説を考えようと思います！
https://kirarabbs.com/upl/1586234363-1.jpg
1 ギリギリセーフ(前)
｢行ってきまーす！｣
｢はい、気を付けてねー｣
母の桜に見送られて元気に家を出る少女・花小泉杏、通称はなこはすぐに街の異変に気がついた。
『あっっちゅい！ばか！熱湯ばか！』
『仕方ないだろっ！急にお湯が傾いたんだから』
『リュックサックに穴が空いててお弁当落としちゃった……』
『お気に入りのお茶碗が真っ二つに……』
｢何だか今日は大変な目に遭ってる人が多いなー。ねー猫ちゃ……｣
ニャー！
｢痛っ！まだなでさせてくれないみたい……｣
道行く人を眺めながら猫達に手を伸ばすが、手の甲を引っ掻かれてしまう。
｢じゃあ、またねー｣
しばらく通学路を歩くと
ビシャッ！
走ってきた車に水をかけられた。
｢ああ～。塗れちゃった……まだ時間あるから家に戻ろう｣
はなこは仕方なく家に引き返した。
｢遅刻遅刻ー！あっ｣
教室に入る途中に椿を見つけた。
｢椿ちゃんおっはよー！｣
｢っ！…………あ、えっと……お、おは、よう、花小泉さん……｣
金髪碧眼で外国人の様な外見をしているがれっきとした日本人だ。
｢そういえば最近小平先生ずっと休みだね｣
｢うん……。ボ、ボクも……今……調べてる……あっ｣
｢え？調べてるって何を？｣
｢ち、ちがっ……。何でもないっ……｣
椿は慌てて逃げ出した。
｢またねー｣
1ギリギリセーフ(後)
｢あっ！ヒバリちゃん、ぼたんちゃん｣
ヒバリとぼたんを見つけるなり駆け寄ってハグをした。
｢はなこっ！｣
｢はなこさんおはようございます｣
ゴールデンウィーク明けでみんな1週間ぶりの再会になる。
｢ヒバリちゃん、アルバイトどうだった？｣
｢ええ。力仕事だったからかなりきつかったけどその分バイト代はたくさんもらえたわ｣
ヒバリは両親に会うための旅費を稼ぐためにゴールデンウィーク中限定で工事現場でアルバイトをしていた。
｢それに、辛いと思った時も……あの人がすぐそばにいてくれたから……乗り越えられた｣
｢好きな人と一緒に働くなんてロマンチックですねー。それに比べて私は……。ゴールデンウィーク前日に階段から落ちて両手、両足、あばら、背骨、尾てい骨骨折でほとんどベッドの上でした……。｣
｢それよりはなこ、大丈夫だった？いつもより来るの遅いから心配で……。｣
｢へ？大丈夫って何が？｣
｢今ニュースであなたの通学路が……｣
｢……何でヒビキはいつも1年の教室に行くの？後輩たちビックリしてたよ｣
｢今までの癖だっ！｣
ヒビキとレンがドタドタと登校してきた。
｢よかった。大丈夫だったんだね。花小泉さん｣
レンが安心した様に笑う。
｢だって丁度花小泉さんの通学路で爆発事故があったみたいで｣
レンがスマホの速報画面をみんなに見せる。
｢えっと……8時過ぎ｣
｢ああっ！いつもそれくらいにあそこ通るよ！それでパトカーとか救急車が止まってたんだー｣
｢それで、今日は何で遅れたの？｣
ヒバリはズイッと詰め寄る。
｢えっと……水溜まりの横を歩いてたら、猛スピードで車が走って来てビシャーッて制服全体にかかっちゃったから家に帰って着替えてたよ｣
はなこはスカートをつまんで説明する。
｢よかった……｣
｢そこの五人、話に花を咲かせるのはいいがもうとっくにHRの時間を過ぎている。雲雀丘と久米川は早く席に着け。堂々と遅刻した江古田、萩生、花小泉は立っていろ｣
｢｢｢はーい｣｣｣
｢みんなごめんねー。今日も小平先生は休みなんだー。ボクにもさっぱり分かんなーい。あと、来週からは中間テストだからファイトオー！｣
臨時の鷺ノ宮先生がコツコツと教卓を叩く。鷺ノ宮先生が出欠を録り、ウサギのロボットチモシーが連絡事項を伝える事でHRは終了した。
作者です！
まさか時間が経ってから評価される上にまとめサイトにも掲載なんて思いもよりませんでした！
続きは近日中に公開予定です！
2 秘密組織（前）
「レレレレン!!大変な事が分かった！」
響が教室に転がりこんできた。
「どうしたの。響、そんなに慌てて。」
「担任が休んでいる理由が分かったぞ！これを見てくれ！」
響はバン！と机の上にあるＢ5サイズの紙を広げた。
その紙には『アンハッピー症候群計画ドンヨ～リ』と書かれていた。
「それがどうしたの。面白そうだね。」
「この裏に小平先生の印鑑が押してある！やつは悪の組織に関わっているに違いない！」
響の言った通り、裏の右下に小平という印鑑が押されている。
「はあ……。」
レンは響の話についていけず、適当な相づちを打つ。
「それだけでは無い！書かれている日付！担任が休み始めた前日になっている！」
「あ、本当だ。でも、どうしてこれを響が？」
「ああ。少し喉が乾いたので自販機でジュースを買おうとしたのだが、道に迷ってしまって地下に来てしまったのだ」
「自販機外だよ」
「それで、何となく扉を開けるとそこは小平専用のルームだったのだ！以前幸福実技に使ったサイコロやカードがあったから間違いない！」
「そういえばそんなの使ったね。」
「そこで机の上に置いてあった紙を見つけたのだ。」
響は勝ち誇った様に腰に手を当てる。
「回覧板に書いてあったね。『アンハッピー症候群に要注意』って」
「響達で諸悪の根源である奴等を倒そう！元々あいつにはさんざん振り回され恨みもあったしな！」
「そうだね。花小泉さん達も付き合ってくれる？」
レンははなこ、ヒバリ、ぼたんの方を見る。
「なっ……。きさまら！一体いつからいた！」
「えっとね……。小平先生が悪の組織に関わっているに違いない！って言ってる所から」
「ヘイヘーイ！どうしたのカナ？みんなで井戸端会議？」
チモシーがトコトコとやって来た。
「あっ！チモシー聞いてよ！小平先生が悪の組織に入ってるんだって！」
はなこが驚きながらチモシーに説明する。
「ええっ！それは大変だね！みんなで変身して戦わなきゃね！ボクはマスコット妖精として応援してるよ。じゃあ、ボクはご飯食べてくるねー。あ、そうそう。さっき萩生さんが持ってきた紙、本物だよ」
『『『！？』』』
チモシーはそう言って教室を出て行った。
「本物って……。じゃあ、小平先生は本当に？」
「わあ～！じゃあ、今週末5人で調べよう！」
響の方向音痴がいい方向に転がりましたね…！
チモシーは一体どこまで知ってるのか……
更新したときはぜひss更新スレに貼っていただけると嬉しいです！
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