【必ずお読みください!】
きらファン2周年に投稿するss、登場するキャラの間に大きな格差が存在してしまっています!
好きなキャラが異様に冷遇されてしまっている方々、申し訳ありません!
戦闘にがっつり参加するキャラ、セリフ一つのキャラ、手紙で登場するキャラ…
本当に申し訳ありません!
また、今回の作品はキャラクターを出すのが目的なのでストーリーは二の次になっています…。
お久しぶりです、ルナ・ソレイユです。
前回の投稿から約1ヶ月…本当にお久しぶりですね…。
この作品は、きららファンタジア2周年記念として作成させていただきました。
きららファンタジア2周年!2周年ですよ!おめでとうございます!
全9話(+エピローグ)で構成されているので、丁度当日に最終話が投稿…できるといいなぁ…と思っています。
こんな作品ですが、最後まで付き合っていただけると嬉しいです!
ここは、エトワリア。
以前、女神が消滅する危機があったが、それ以外は至って平和な世界。
そんな世界の中心、言の葉の樹にある、女神教会では、今日も女神候補生の教育が行われていた。
「…であるため、分解などした魔道具を2つ…おい、ランプ。」
「…ふぇ!?ね、寝てませんよ!」
「はぁ…お前はそんなんだから聖典学以外全教科補習になるんだぞ?」
「うぅっ…」
ランプはこれ以上の追求を避けるため、教科書に目を落とす。
「…続けるぞ。 魔道具を2つ以上並べると干渉し合い、思いもよらない現象が…」
授業が再開されても、全くもって集中できていないランプ。
(今日の授業が終わったら、里で何をしましょうかね!)
ランプの集中を妨げるのは、聖典に登場する人物…クリエメイトが集まる里の存在。そして、そこにいるのはクリエメイトだけではない。
(今頃…きららさんは何をしているのでしょうか…)
数年前、きららと出会ったランプ。一緒に旅をしていくうちに、大切な相手へとなっていったのだ。
「…それでは、本日の授業はここまでとする。…ランプはこの後、補習に来るように。」
「そ、そんなぁ!」
ランプの悲痛な声が、神殿中に響いた。
* * *
「や、やっとおわりました…」
補習から開放されたランプは、ふらふらになりながら歩いていた。
「よ、ランプ。」
「ジンジャー!どうしました?」
「いや、実はきららに渡してほしいものがあるんだ。」
ジンジャーはランプに、黄色く光ったオーブを渡す。
「これは…せんしのオーブ、ですよね?きららさんが幼い頃から持ってた…」
「ああ、きららが、オーブの成長が止まった気がするって持ってきたんだ。私が見れたのはせんしのオーブだけだったが、確かに中のクリエが飽和していたんだ。そこで、私は…」
「ジンジャーさん、おっけーです!素晴らしい金髪像です!」
「おや、ランプさんも。補習は終わったのですか?」
「ランプちゃん!みてみて!ついにこの街にも金髪像が立つんだよ!」
「おいおい、一応、金髪像じゃなくて女神像だからな?」
ジンジャーのもとにやってきたのは、忍、苺香、穂乃花。3人ともクリエメイトである。
ジンジャーの家の前にはたしかに巨大な女神ソラの像が。
「この像はただのシンボルじゃないんだ。この街で起こっている犯罪は、ほぼ半数が魔法を使ったもの。そこでこの像は特定のタイプのクリエや魔力を検知し、無効化してくれるんだ。」
「へー、そんな効果があったんですねー。」
「忍ちゃん!?」
「最初にジンジャーさんが長い説明してくださったじゃないですか!」
「…そうでしたっけ?」
「…忍は聞いてないと思っていた。…っと、こんなところで話しているんじゃなかったな。せんしのオーブ、くれぐれも頼んだぞ?」
「はい!」
ランプはオーブをかばんに入れ、ジンジャーに別れを言った。
「…それでは、カレンに会いに行きましょう!」
「最近、ずっと修行詰めみたいですが、大丈夫でしょうか…」
「憔悴しきったカレンちゃんも素敵だよ!」
* * *
ランプは、クリエメイトの里に戻ってきた。瞬間移動の魔法を覚えればもっと早くつけるのに、と思わないでもないが、ランプはその練習のための時間も惜しいと思ってしまうのだ。
「きららさん!」
ランプは、里の入り口で見つけた人物に声をかける。
「ランプ!課題はもう終わったの?」
「はい!バッチリです!」
「…本当かなぁ。」
「本当ですよ!…あ、忘れるところでした!ジンジャーから預かりものがあったんです!」
ランプはせんしのオーブを渡す。
「わ、ありがとう!」
「いえいえ!…ところで、きららさんは何を…」
その時、きららの通信機に着信が入る。
「あ、ちょっとごめんね。…千矢さん!どうしましたか?」
『そろそろてーじ連絡の時間だから…』
「そうでした!どんな様子でしたか?」
『魔物の子たちについてだよね?今のところはパパリザーとか、クロモンソルジャーとか、いつもみる子ばかりかな?』
通信機越しにクリエメイトである千矢の声がきららの耳に届く。その千矢の声のトーンが少し落ちる。
『でもね、奥に進んでくと…少しずつ、嫌な感じがしてくるんだ。』
「嫌な感じ…ですか。」
『うん。…なんかどろどろして…人の悪いところをぎゅっと集めたような…』
「わかりました。」
『こっちからの連絡は以上だよ。』
「はい。それでは通信を終わります。」
きららが通信を切る。とたん、ランプが目を輝かせた。
「すごい、かっこいいです!」
「そ、そうかな…」
「何かの作戦をしているみたいで、とてもかっこいいですよ!」
「何かの作戦…って言っても魔物の生態調査だけどね。」
「魔物の生態調査…ですか?」
「うん。どこにどういう魔物が済んでいるかの調査だね。千矢さん、宮子さん、ハナさん、陽子さん、マヤさんに行ってもらってるんだ。」
きららの説明は熱心に聞くランプ。
「きららさんは行かないんですか?」
「うん。もしもみんなが危険なことになっても、私が<コール>すればすぐ離脱できるから。」
「そうですね!」
「…ていうのは建前。危ないから来ないでって千矢さんに言われちゃって…」
その時、きららの通信機に再び着信が。きららが本体のボタンを押す。
「はい、どうしま…」
『きららさん、大変なんデス!』
「どうしたんですか、ハナさん!」
『この森のヌシみたいな魔物がいたんデスけど…』
『ごめん、失敗しちゃった…。いたっ…』
苦しそうなマヤの声。きららは千矢に通信をつなぐ。
「千矢さん!コールしますか?」
『…。ごめん、お願いできる…?』
「わかりました。…<コール>!」
叫ぶと、きららの目の前に青い魔法陣が展開される。そしてその上に光で人の形が形成される。…やがて、光が収まると5人のクリエメイトが息も絶え絶えに立っていた。そして、マヤが崩れ落ちる。
「マヤさん!」
「っ…。ごめん。」
「気にしないでください!…<いやしの力を!>」
「ごめんね、きらら…。私達なら大丈夫って過信しちゃった…。」
「それをいうなら私の方こそです。もっと…私がしっかりしていれば…」
「それよりさ、とりあえず今回行けたとこまでの調査報告しようよ!な!」
重くなった空気を払拭するように、陽子が声を上げる。
「そ、そうデスね!」
「それでは私からー。すぅー…クロモンクロモンソルジャーリザーパパリザーコリス…この辺りでみる魔物ばかりでしたなー。」
「ちゃんと分けて言えよ!」
「えっと、クロモンと、クロモンソルジャーと、リザーと、パパリザーと、コリス…たしかにそうですね。」
「って分かるのかよ!」
きららが手元のメモ帳にメモをする。
「…これでよしっと。マヤさん、身体の調子は…。」
「うん、大丈夫そうかな。ありがと、きらら。」
「どういたしまして。…千矢さん、その森の主について気づいたことはありますか?」
「…他の子たちが、怯えて近づいてなかった。多分、最近現れたんだと思う。」
「最近…。他になにかありますか?」
「…あの子のこと、しってる気がするんだ。うまくは言えないけど…」
「なるほど…わかりました。」
きららはメモをしまい、立ち上がる。すると不意に、きららの肩が叩かれた。
「はい…ライネさん!それからカンナさんも!どうしたんですか?」
「私達、ちょっと用事で里を少し開けることになるの。だからきららちゃんに言っておこうかと思って。」
「何かあったんですか?」
「ええ、ちょっとね。」
「…ちゃんと、帰ってきてくださいね。」
「ええ、もちろん。…カンナ、いきましょう。」
ライネがカンナに声をかける。するとカンナは少し不満そうな声を出す。
「…行くのは良いんだが…ポーション半分持ってくれないか?」
「私とカンナで同じ数持ってるでしょ?」
「それはそうだけどな…」
「ほら、行くわよ!」
「わかったから引っ張らないでくれ…」
カンナとライネの力関係に苦笑いしつつ、きららはコールしたクリエメイトたちを『解散』した。
「皆さん、ありがとうございました!」
「困ったことがあったら、またいつでも呼んでくださいね!」
「次はなにか食べる仕事が良いですなー」
「おぉ、それいいな!」
「ほんとにごめん!」
そして、千矢が一歩前に出る。
「きらら、気をつけて。…なんとなく嫌な予感がする。」
「…わかりました。」
そう言って、千矢たちはそれぞれ帰路についた。
「さて、ランプ。私達もなにか食べに行こっか!」
「そうですね!」
きららとランプも連れ立って商店街の方へと歩いていった。
というわけで、第1話はこれで終了になります。お付き合いいただき、ありがとうございました!
第2話は明日投稿予定です。
「憔悴しきったカレンちゃんも素敵だよ!」
しれっとヤバいこと言ってる穂乃花ちゃんwww
ちっぽけな オーブをひとつ 参考書と一緒に かばんに詰め込む
ライネさんとカンナさんが出るというだけで大☆事☆件感がありますね。
>>10
ありがとうございます!
穂乃花ちゃんはどんなカレンちゃんも好きなのです…!
>>11
ありがとうございます!
果たしてライネさんとカンナさんはどのように活躍するのか、それともしないのか…!ですね!
>>12
ありがとうございます!
不穏ですね…。マヤちゃんも元気になってほしいです!
>>13
ありがとうございます!
一体どのようにすれば倒せる魔物なのでしょうか…
これから第2話「アルシーヴと魔物」を投稿します。
説明回です()
ここからお読みいただく方は、>>1をご確認の上お読みいただくことをお願いいたします。
「ランプー?そろそろ起きないと大変だよー?」
「やれやれ、せっかくきららが来てくれているっていうのに…」
ランプはまどろみの中、きららの声を聞いた。そして…きららがいるはずがない、これは夢だ、と結論づけて再び眠る…
「とりゃあー!」
…ことは、毛布をはいだきららによって阻止された。
「…なんできららさんがここに?」
「今日はちょっと用事があって、せっかくだからランプと一緒に神殿に行こうかなって。」
「わ、わかりました!急いで準備します!」
「やれやれ…ところできらら。用事っていうのは昨日の報告かい?」
「うん。もともとアルシーヴさんからの依頼だったからね。」
ランプが用意しに言ったのを確認して話し始めるふた…1人と1匹。そして、きららは更に声をひそめる。
「…それに、気になることもあるんだ。」
「…気になること?」
「うん。ランプには心配かけたくないんだけど、昨日のまも…」
「お待たせしました!ランプ、準備完了です!」
きららがなにか言う前にランプが戻ってきて、話を中断させる。
「きららさん、マッチと何を話していたんですか?」
「え!?えっと…」
きららがわかりやすくうろたえる。マッチはため息を一つついた。
「ランプ、君のことについてだよ。」
「え、私…」
「最近毎日補習だから大丈夫なのかって心配してるって話。」
「そ、そうでしたか…」
「え、えっと…」
途中で口をはさもうとしたきららも勢いに押され口をつぐむ。
マッチの巧みなフォローだったが、きららは知る由もない。
「そ、それでは行きましょう!きららさん!」
「う、うん…」
「やれやれ。」
* * *
神殿に着き、ランプと別れたきららは、神殿の中を歩いていた。
「おや、きららさんではありませんか。」
「あ、セサミさん!」
ちょうど図書室の前を通ったとき、セサミがきららに声をかける。
「今日はアルシーヴ様への報告でしたね。途中で合流できてよかったです。アルシーヴ様の部屋にご案内いたしますので。」
「はいっ!」
歩き出したセサミに大慌てでついていくきらら。
「つきました。こちらです。」
「あ、ありがとうございます。」
きららが部屋に入り、セサミが扉をしめた。
「きららか。今日はわざわざすまないな。」
部屋の中にはアルシーヴと…
「やぁ、きらら。」
「クロさん!どうしてここに…」
クリエメイトであるクロが、何故ここにいるのかを説明しようとしたとき、横からもう一つ声が割り込んだ。
「ソラあ色々なところを旅してまわっていたからさ。
今回の調査に旅の記憶は役に立つっていう…イテッ!」
「セン、きららがこまってるだろう。」
「ったく…相変わらず荒いなぁ…」
「こうでもしないと、センは止まらないからね。」
センを殴り飛ばしつつ、クロはきららに謝る。
「済まないね、急に。…ただ、大まかにはセンの言ったとおりだ。たとえ聖典世界でも、旅の知識と記憶は大いに役立つっていってくれてね。」
「実際、大いに助けられているからな。感謝している。…ところで、きららの調査結果も聞かせてもらって構わないだろうか。」
「あ、そうでした!」
きららはメモを取り出す。
「この辺りの魔物と大きくは変わらないみたいです。」
「ふむ…動物系統が主か…」
きららは机の上に広がっている地図を指して説明する。
「ここから…この辺りまでの分布です。」
「ふむ…頼んだのはこの奥までだったが…分布が変わったということか?」
「いえ、いなかったんです。」
「いなかった、か。」
「はい。一体、主が居たようです」
「主、か…」
アルシーヴはつぶやく。
「ちょっといいかな。」
横からクロが口を挟む。
「主というのは、ここからここまでは攻撃してこなかったんだね?」
クロが魔物の居ない範囲を示して言う。
「はい。近づいたときに攻撃を受けたそうです。」
「そうしたら、もっと近くまで魔物が居てもいいと思うんだ。つまり、この魔物は最近居付いたんじゃないかな。どんな魔物だったんだい?」
「おばけのような魔物…と千矢さんは言っていました。」
きららは昨日、落ち着いた千矢から聞いた特徴を伝える。
「…千矢が、か?」
「はい。」
「そうか…。実はあらゆるところで、特殊な魔物が目撃されている。」
「ただ、その魔物が目撃されているのは特に共通項がなさそうなんだ。たとえば…」
クロが地図の砂漠の部分を指す。
「ここにうさぎ型の魔物が目撃されている。それから…」
今度は北の方、雪国を指す。
「この国の近くでは、水着を着た女性型の魔物が確認されているね。」
「み、水着…」
きららが頬を赤らめる。
「そして、場所に共通点はないが、魔物たちに共通していることはある。それは、聖典世界の特徴が現れている点だ。」
「やっぱり…。」
きららがつぶやく。アルシーヴはそれを聞き、うなずいた。
「きららも気づいていたか。…召喚士として、このように『世界の概念』を<コール>することは可能か?」
「…おそらく不可能です。<コール>は釣りのようなもので、私は釣り針を垂らすことしかできません。」
「…海自体を移動させることはできないか。」
「…オーダーではできないんですか?」
「確かに、オーダーならば可能だ。だが、それと同時にクリエメイトも召喚されてしまう。魔物の周辺にクリエメイトが見られなかったのが不自然だ。」
それきり、きららとアルシーヴは黙ってしまう。
「…実際に行って調査したほうが良いかもね。」
クロが口を開く。それにアルシーヴが答えようとした瞬間、
「アルシーヴ様!報告書書き終わったよ!褒めて褒めて!」
「シュガー!待ってください!アルシーヴ様は…」
シュガーとソルトが部屋に入ってきた。報告書には秘、と書いてあるが思い切り掲げているため、見る人が見たら見えてしまうだろう。
「…あ!召喚士のおねーちゃん!来てたんだ!」
「申し訳ございません。シュガーには後できつく言い聞かせておきますので…」
「あはは…気にしなくていいですよ。ちょうど会議も…難航してましたし…。」
苦笑いをするきらら。ソルトは机の上を一瞥する。
「例の巨大魔物の件ですね。」
「ああ。…きららのおかげで一体新たに発見された。だがそれ以外一切進展がない。」
「なるほど。…直接行ってみてはいかがでしょう。」
「ああ。先にもクロに言われている。だが…」
「ソルトの計算によれば、精神攻撃を行えるクリエメイトを連れて行くと良いのです。」
「…つまり、策がある、ということだな?」
「はい。」
「…1つだけ条件がある。ソルト、お前もついていけ。」
「…了解しました。」
ソルトが返答する。するとそのタイミングを見計らったのか見計らっていないのかわからないが、
「ねぇ、アルシーヴ様!もう良いでしょ!ほめてよー!」
「おうおうお嬢ちゃん、頑張ったじゃねーか。」
「クロおねーちゃんのおまけは良いから!」
「おまけ…」
「まぁまぁ」
クロがセンをなだめる。シュガーはそのすきにアルシーヴに飛びついた。
「わっ!飛びつくな!」
「……え〜、むぅ…。」
渋々と行った様子で引き下がるシュガー。ちなみに秘報告書は机の上に無防備に置かれている。
「ほらシュガー、行きますよ。」
「はーい」
シュガーはソルトと一緒に部屋を出ていった。
「やれやれ、だ…」
アルシーヴは乱れた服を整える。…一瞬動きが止まる。
「アルシーヴさん?」
「あぁ、なんでもない。それでは、後にソルトに里に行ってもらう。そのソルトと一緒に巨大生物の調査…加えて討伐をお願いしたい。」
というわけで、第2話はこれで終了になります。お付き合いいただき、ありがとうございました!
第3話は明日投稿予定です。
オーダーの副作用だけが発生してるような状況ですね。
精神攻撃と聞いてなぜか葉山ちゃんが浮かんだんですがしばかれるでしょうか。
「むぅ…」なシュガーちゃんかわいいです。
クロのおまけや、マッチの数えかたが一匹だったり、キャラいじりが面白いです。
>>21
ありがとうございます!
確かに精神攻撃といえば照ちゃんですね…(違う、そうじゃない)
>>22
ありがとうございます!
キャラいじりは序盤ならではだと思うので、ここぞとばかりに詰めました()
>>23
ありがとうございます!
続き気になっていただけるとは…
き、期待しない程度にお願いします!
次の日、きららはソルトとともに、海辺の街に来ていた。
「あ、お姉ちゃん!」
橋を渡った先に居たのは、小さな少女だった。
「あなたは…お久しぶりです!お父さんとはその後、どうですか?」
「うん!お父さんも元気だよ!…最近はお仕事が忙しいみたいで、家に帰ったらすぐ寝ちゃうけど…。」
「そうなんですか…。」
「あ、でも不満はないよ!私も頑張らないと!」
「…えぇ、そうですね。…ところで、この辺りで大きな魔物をみませんでしたか?」
「あー…うん。一応近くには居るけど…ずっと起きないよ?」
「ずっと起きない、ですか?」
「うん。ほら。」
少女が指し示した先には風車の群れ…の中に四つ葉型の魔物。
「最初は倒そうって話だったんだけど、誰も近づけなくて…」
「報告のとおりです。やはりヒバリさんをパーティに入れたのは間違いなかったみたいですね。」
ソルトがつぶやく。今回のパーティは、エンギ、ソルト、ヒバリ、臣、勇魚の五人だ。
ちなみに今回、メリーは不参加である。それには深い事情があって、曰く
『明日はすティーレで期間限定ドーナツが出るのよ!もうこ夢と食べる約束しちゃったわよ!どーせナス女も行くんでしょ?』
…というわけである。若干職務怠慢な気がするが、普段から忙しいメリーのことだ。たまの休息くらいは良いだろうというのが大方の…というか勇魚の意見である。
「はい、わかりました。ありがとうございます!」
「うん!倒しに行くんだよね?頑張って!」
「はい!」
きららたちは魔物のもとへ歩いていく。
近くの風車の影で少し立ち止まり、
「<コール>!」
四人のクリエメイトを呼び出した。
「呼び出されたってことは…そろそろなのね。」
「きんちょうしてきちゃった…」
「大丈夫、落ち着けば自ずと価値筋が見えてくる。」
「よし、やるわよ!」
各々が気合を入れる。そこへソルトが声を上げた
。
「みなさん、作戦を伝えます。…目標はあの魔物です。あの魔物は見えないバリアを貼っているそうなので、ヒバリさんの魔法で壊していただきます。その後、エンギさんと臣さんの2人で精神ダメージをあたえてください。勇魚さんは何かあったときのため、待機をお願いします。仮に戦闘続行が難しくなったとき、きららさんの判断でコールをしてもらい、皆様を里に返します。なにか質問は。」
全員が首を振る。
「それでは行きましょう。」
盾を持つエンギを戦闘に、ソルトたちが続く。
「…ヒバリさん、魔法をお願いします。」
「わかりました。<動かないでじっとしてるのよ!>」
ヒバリが叫ぶと、緑色に光るたまが飛んでいく。そして、何もなかった空間に亀裂が走った。
「もう一度お願いします。」
「はい。<エキスパート・ソーサリー>!」
達人のオーブにたまっているパワーを放出した強力な魔法で、亀裂のはいった場所をもう一度攻撃する。すると、パリン、と音を立ててバリアが破壊された。
「それでは臣さん、エンギさん、お願いします。」
ソルトはそういった後、自分も走る。無論、調査のためだ。
「…そういえば、服は脱がなくてもいいのか?」
「…ええ、今回はあなたもいるから、そこまでの戦力は必要ないわ。」
臣は魔物に手を当てる。そして反対の手でエンギを掴んだ。そして動きが止まる。夢の世界にはいったのだ。そして、 戦場が沈黙に包まれてしばらく後…
「ぐっ…うぁ、うああああっ!」
「ヒバリさん!?」
「だ、大丈夫ですかっ!」
きららと勇魚が声をかけるが、それに応えられないヒバリ。
その時、ソルトが叫んだ。
「臣さん!エンギさん!起きてください!攻撃をやめてください!」
そして…臣が目を開けた。
「どうし…あぁ、理解したわ…。くっ…」
臣が唇を噛みしめる。遅れてエンギも戻ってきた。
「まさか、この魔物は…」
そして、きららが万が一のためにつけていた通信機に通信が入る。
『きららちゃん!大変!大変なんだよ!』
「どうしたんですかっ!」
『あのねあのね、大変なの!…ってあっ!くるみちゃん!』
『それじゃあ何も伝わらないだろ!…きらら。はなこと牡丹が倒れた。原因は全くわからないが…。りーさんもヒバリに何かあったんじゃないかって心配して…。』
『胡桃っ!余計なこと言わなくていいの!』
『あー、わり。…とにかく、そういうわけなんだが…』
胡桃は何でもなさそうに…それでいて真剣な声で言う。
「胡桃さん、お二人の容態は…」
『それなら由紀…じゃなくて美紀が詳しいから代わるよ。』
『くるみちゃーん?』
『先輩、邪魔です。…数分前、道を歩いていたら急に牡丹さんが苦しみ始めたんです。いつもの骨折とかではなく、違う苦しみ方をし始めて…これは異常だと思い、近くの悠里先輩の家に駆け込みました。…横にしていて、今は弱っていますが落ち着いて寝ています。』
きららはヒバリを見る。ヒバリも気を失っていた。
「ヒバリさんも…」
といいかけて、きららは以前のことを思い出す。
『グ、グギギ…』
『サボ…!』
『きらら…?』
胡桃の声で現実に引き戻される。
「あっ、すみません!ヒバリさんは大丈夫です!叫んだり倒れたりなんてしてません!」
『っ…。あ、ああ、そうか…。それなら…よかった。…以上で通信を終了します。』
通信が切れる。
「…勇魚さん、回復をお願いできますか?」
「は、はいっ!<だ…大丈夫ですか?>」
勇魚が魔法を使う。しかし、ヒバリは目を覚ます様子がない。
「…皆さん、コールを解除します。私達もすぐ戻ります。<コール>!」
きららが叫ぶ。すると、四人のクリエメイトの姿がかき消えた。
「ソルトさん、私達も…。」
「…はい。里にワープします。」
ソルトは苦しそうな顔をしながら、手を掲げてワープをした。
* * *
きらら達が召喚の館に戻ると、悠里がヒバリを抱えていた。
「全然…大丈夫じゃないじゃない…」
「ゆ、悠里さ…」
「これが大丈夫だって言えるのっ!?そんなわけ無いじゃないっ!」
そこで悠里がはっとする。そして目を伏せた。
「…ごめんなさい。私のため…なのよね。」
「いえ…私も本当のことを言うべきでした。ごめんなさい…。」
そこへクレアが割り込む。真剣な面持ちのクレアは、手に鍵を握りしめていた。
「きららさん。こちらでも試しましたが、ヒバリさんは通常の回復魔法では回復しませんでした。」
「ご、ごめんなさいっ!」
クレアの横にいる花名が頭を下げる。
「花名のせいじゃないから大丈夫だよ。…ヒバリさんの今の状態は非常に危険です。ヒバリさんを構成するクリエに大きなダメージがありました。これを治すには…」
「再召喚、ですか…」
「はい。悠里さんから聞きましたが、はなこさん、牡丹さんも同じ症状だそうです。3人を一気に狙って召喚をするのはきららさんが危険です。そこで…これを使います。」
「それは、召喚チケット…?」
クレアが星の5つ描かれたチケットを取り出す。
「はい。以前、神殿でコールカードというものを作っていたときの副産物だそうです。これに念じることで、この世界とつながったことのあるクリエメイトの方々を選んで呼ぶことができます。これの使用には召喚士と鍵が必要ですが…」
「なるほど…わかりました。それを使いましょう。」
きららがチケットを受け取る。するとチケットが淡く光りだす。
「…クレア!」
「はいっ!いってみましょう!」
きららがチケットを地面に置き、クレアがそこを狙って鍵を突き刺す。
「<コール>っ!」
すると、地面の魔法陣からクリエが飛び出し、ヒバリに飛んでいく。そして、
「うーん…。あっ…魔物!魔物はどうなったの!」
「落ち着いて、ここは里よ。」
「…そう、なのね…。」
きららとクレアはヒバリが回復したのを確認すると、はなこと牡丹も召喚を行った。
「…それでは、改めて今回の内容を整理しましょう。」
ソルトが場を仕切る。
「あの魔物は、おそらく変質したクリエで構成されています。それが結晶化していわゆる星彩石のようになって、外部からの魔力によって動いていました。」
「つまり…ゴーレムってことですか?」
「はい。…といっても外部から流れているのは単純な魔力です。指示などが含まれているわけではなく、ただクリエが活性化しているように見えました。…私が確認したことは以上です。他になにか分かった人は居ますか?」
ソルトが周りを見回す。臣がすっと手を上げた。
「私から一つ。あの魔物の夢の中でみた景色なのだけれど…大きな建物…おそらく学校があったわ。そこでは勉強している人たちと、スポーツに打ち込んでいる人たちと…遊んでいるようにしか見えない人たちが居たわ。…ヒバリ、心当たりはない?」
臣がヒバリに目を向ける。
「おそらく、天之御船学園だと思います。私達の通っていた学校…」
「やっぱりね。つまりヒバリ達の世界を基にした夢…というよりも精神世界ね。私からは以上よ。」
部屋が静寂に包まれる。そこでソルトが声を出した。
「他になにかある人は居ますか?…ないようなので、アルシーヴ様に報告してきます。…それからヒバリさん、申し訳ありませんでした。ソルトの計算ミスのせいで危険な目に合わせてしまって…」
「いえ、これであの魔物を倒すヒントになれたなら…。」
「…ありがとうございます。…ではいってきます。」
ソルトがワープする。
「それではパーティを解散します…。ありがとうございました…。」
きららがそう言って館を出て…
「キララ!大変なんだよ!」
アリスに捕まった。
というわけで、第3話はこれで終了になります。お付き合いいただき、ありがとうございました!
第4話は明日投稿予定です。
召喚チケって、そうやって出来てるのか…
「あんハピ」から採れるクリエのゴーレムだから、その世界のクリエメイトにダメージが移るのかな?
あ、新作来てる!こう言う不穏な奴好きなので楽しみにしつつしっかりインスパイアさせていただきます!
当たり前のように花名クレがカップルで行動してる、こういう「らしさ」が感じられる描写好きです。
致命オートカウンターは厄介すぎですね。
>>34
ありがとうございます!
そうですね…そのクリエが採れた世界のクリエメイトにダメージがフィードバックする感じですね…
>>35
ありがとうございます!
楽しみにされてる…き、期待に添えるかわかりませんが、頑張ります!
>>36
ありがとうございます!
七賢者達とはどんどん絡んでほしいと思っています!
>>37
ありがとうございます!
この二人はセットだろう…と思っているので、自然と一緒にいる感じがします!
それでは、第4話「ハッカとねこ」を投稿します
…が、執筆中、この回辺りでこのままのペースだとキャラクターが全部でない、ということに気づいたため、この回からキャラクターを出すことに専念していますなので、そこをご了承いただける方のみ、よろしくお願いします。
アリスに連れられて、きららはスティーレに移動した。
「あれ?きららちゃん!どうしたの?ドーナツ食べる?」
メリーと小夢がドーナツを食べていた。
「いえ、自分で頼むので大丈夫ですよ。」
「そ、そう言うと思って…用意していたのよ…感謝しなさい…」
「夏帆、落ち着きなさい。無理してキャラ作らなくていいから。」
明らかにテンションの低い夏帆がドーナツを持ってくる。
「…うん、わかった。」
「…キララ、本題に入っていい?」
「…はい。」
「実は…シノと連絡が取れなくなったんだよ。」
「忍さんと…ですか?でしたら寝てたりする可能性も…」
「ホノカとも連絡が取れないんだよ。それに…」
「苺香とも連絡が取れなくなったわ。」
「そんな…」
きららが驚く。そこへ、
「苺香が大変だと聞きました!」
苺香の姉の愛香が扉を壊さんとする勢いで入ってきた。後ろには疲れ切った様子の美雨とひでり。
「愛香さん…走るの…早いわね…」
「苺香さんのことになるとすごいですよね…」
そしてもう一人、きららの後ろからがたっと音がした。
「あばばっ!?」
「かおすちゃん!?」
「最初から居たわよー。特に問題なかったから無視してただけー。」
メリーが何でもないように言う。
「なんで盗み見してたの、かおすちゃん!」
「こ、小夢ちゃんが…違う世界の人たちとお菓子食べてるのがもやもやして…」
「かおすちゃん、嫉妬してたの?」
「わ、私が嫉妬だなんておこがましい…」
「もー、かおすちゃんは可愛いなぁ…!」
「小夢ちゃんに抱きつかれ…夢のような感触ですぅ…」
「ええっと…。」
きららが困惑する。無理もない。あそこまでだらしない顔を見せられたら、誰しも困惑するだろう。…尤も、ランプなどは喜びそうだが。
「…忍さんや穂乃花さん、苺香さんとの連絡の件ですが…直接向かってみましょう。もしかしたら何かあったかもしれませんし…。」
「私も行くよ!シノが心配だもん!」
「苺香も心配…!私も行く!」
「私も行きます!」
その時、空中に魔法陣が浮かぶ。その魔法陣が回転し…
「ハッカ、参る。」
ハッカが現れた。
「ハッカさん!どうしたんですか?」
「街に異常。援助要請。」
「街って…ジンジャーさんのところ…ですか?」
「そう。」
「ジンジャーさんが…危険…なの?」
店の隅から声がした。きららが振り向くと、机の上に祝詞の教科書を広げたノノが。
「私も行く…!」
ハロウィン以降、色々あってジンジャーと仲良くなったらしい。何があったのかは割愛させていただく。
「マツコモイルヨー!」
ノノが抱えてる人形からも声がする。…とはいえ、いつものことなので誰も気にしない。
「わかりました。それではアリスさん、夏帆さん、愛香さん、ノノさん、ハッカさんで臨時のパーティを結成します。…ハッカさん、ワープをお願いできますか?」
「不可能。街周辺に飛べず。」
「そうなんですか!?」
きららが驚いていると、再びスティーレの扉が開かれた。そこには、
「憂さん!梓さん!どうしたんですか?」
「それが…知り合いがきららさんを連れてくるようにって言ってたんです!」
梓が手短に言う。それを憂が引き継ぐ。
「あくまできららさん一人を連れてくるように…とおっしゃってました…。」
きららが悩み始める。それをみたハッカが声をかけた。
「…行くべき。」
「ハッカさん?どうして…」
「勘。…しかし勘、頻繁に当たる。」
「あはは…。でも、ハッカさんの勘にかけてみます!」
きららはスティーレを出て、梓と憂についていく。すると、
「だから、ここは祠なんだって!」
「ちゅー!」
「ちゅー!」
「ぢゅー!」
青い妖精…オルバが3匹のネズミと喧嘩をしていた。ピンクの妖精が横でわたわたしている。
「…アモルさん、どうしたんですか?」
「…!きららちゃん!…あのネズミさんたちが、私達の祠を壊そうとして…オルバが怒ったのだけれど、言葉が通じないみたいで…。」
「そうなんですか…ってあれ、あずささん?憂さん?」
きららが気づいたとき、梓と憂はネズミのところで何やら話していた。きららとアモルが慌てて追いかける。
「お二人とも、どうしたんですか?」
「はい、ちゅうさんとどんちゅうさんに話を聞いてました。」
「入り口の近くに怪しい石があったので、壊そうとしたみたいです。ねこの町を守るために…」
「ねこの町、か?」
オルバが聞く。
「はい。こことは少しずれた世界にある町で、この世界とつながる入り口がどんどん変わっていくんです。たまたまこの祠から妖しい力を感じたみたいで…」
「そうだったのね、ごめんなさい、驚かせてしまって。」
アモルがネズミ…ちゅうたちにあやまる。言葉は通じなくても、謝ったことは伝わったようだ。
「ちゅー?」
「うん。」
ちゅうと憂が再び会話する。
「ついてきてほしい、といっています。」
言われたとおりきららがついていくとそこには、人間のようなねこがたくさん居た。
「ここが、ねこの町…」
「はい。どうやらお告げで、きららさんを助けるように、とあったみたいです。」
「そうですか…。」
「にゃー。」
ねこがきららに近づき、輪っかの形のものを渡す。
「ありがとうございます。これは…」
「ブレスレットだそうです。これをつけていると、あらゆる魔法を防ぐことができるらしいです。この町では、『破術のブレスレット」と伝えられているそうです。」
「破術のブレスレット…」
「にゃー!」
ねこがきららの服の裾を引っ張る。
「ついてこいってことですか?」
「にゃ。」
ねこは短く返事をすると、奥へと歩いていく。
「にゃー。」
「ここに入れってことですか?」
「にゃ!」
「ここが目的地に一番近い出口だそうです。」
「私達は里に戻って、皆さんに報告しますね。」
「わかりました、憂さん、梓さん、ありがとうございました。それからねこさんもありがとうございます。」
「にゃー!」
猫たちに見送られながら、きららはねこの町を出た。
そして、
「にゃにゃ…どうすればいいのにゃ…!」
きららの目の前に、猫耳をはやした不思議な女の人が。
「えぇっと…どうかしたんですか?」
「にゃにゃっ!人間!?どうしてこんなところにいるのにゃ!」
「い、色々ありまして…。森を出て一番近い街に行きたいんですけど…。」
困った顔を見せるきららに、猫耳をはやした女の人…タマミは頭を回転させる。
(街はここから左にゃ…。そして右は滑り台のようになっているから…よし、)
「右の方に歩くとつくのにゃ!」
「わかりました!ありが…きゃー!」
「大成功なのにゃ!」
タマミは満足そうに右をみた。…やがて、きららの声は左側にどんどん移動していく。
「…すべり台が曲がっていたのにゃ…これじゃあぎゃふんって言わない…っていうか結局ぎゃふんってなんなのにゃー!」
そしてタマミは肩を落とした。
一方、
「きゃー!」
すべっていたきららは、急に舗装された道に飛び出す。
「いたた…ここはどこですか…?…ここはっ!」
きららが目の前を見ると、そこはジンジャーの治める街だった。
というわけで、第4話はこれで終了になります。お付き合いいただき、ありがとうございました!
第5話は明日投稿予定です。
てっきりクリエメイトや里娘、神殿のキャラ達だけかと思いましたが、もしかして敵キャラも含めた名有りのキャラを全員出そうとしています?すごい挑戦ですね。頑張ってください。
今までのイベントのキャラが何人も出ててしっかりと話に絡んでて凄いです…!
次に誰が出るのかワクワクしますね!
>>46
ありがとうございます!
イベントごとに様々なキャラクターが登場するので、組み合わせるのがとても楽しいです!
>>47
ありがとうございます!
はい、まとめてみたらすごい人数居て結構焦りました…無茶して出したキャラや、進行に関わらないキャラも出てしまっていますが、大目に見てください()
>>48
ありがとうございます!
きらファンの2周年を頑張って凝縮してみました!お楽しみいただけていたら嬉しいです!
>>49
ありがとうございます!
全キャラを絡ませることができるわけではないですが、なるべく多くのキャラが本編に絡むように頑張りました…!
「…不明。」
ハッカがつぶやく。
「未だ魔法使えず。」
「私もだよ…」
「ここにコールされてから魔法が使えなくなったよね…。」
「私も使えませんわ…。」
「…マツコさん、どう?」
「ダメダヨ、マホウツカエナイヨ」
「みなさんが魔法を使えない理由も、私が魔法を使える理由もわかりませんが…今はまず、ジンジャーさんに会いに行きましょう。」
きららたちが歩き出そうとすると、少し遠くからきららたちを呼ぶ声がした。
「…きらら。」
「コルクさん!小物市ですか?」
「そう。」
「私もお手伝いしてるんだ〜!」
コルクの横からメグが顔を出す。きららは品物を見る。
「色々持ってきたんですね!…あ、このオルゴール可愛いです!」
「それはメグの商品。クリエメイトの商品はセンスがいいと評判。」
「そうなんですか!」
「あと…面白いとも評判。」
コルクが示した先をきららが見ると、それに気づいたのか、ココアが手を振り返し、チノがお辞儀する。
「やっほーきららちゃん!ラビットハウスの出張所だよ!」
「少しでも多くの人に知ってもらうため、グッズを作って売っています。」
「淹れたてじゃなくて申し訳ないが…コーヒーのサービスだ。」
「あ、ありがとうございます!」
きららがカップを受け取る。
「それから、」
とコルクが反対を指す。すると、こはねとこてつが気づいた。
「きららちゃん来てたんだ。ここはこはねちゃんの発案した…」
「応援グッズ売り場だよ!今ならなんと、応援パンツが半額!」
「…こはね、本当に売るのか…?」
「私は構いませんが。」
「せ、先輩がそう言うのであれば!」
宇希が微妙な顔をし、ひづめは小物市が楽しいという様子で、花和はそれについていく。
きららはけっこうです、とやんわり断ってコルクのもとに戻っていく。
「というわけで、最近クリエメイトの出店を眺めるのがブーム。」
そう言うとコルクは表情…は変えないが、張り詰めた空気を作る。
「ところで…これは一部で噂になっていること。この街で、魔法が使えなくなっている。」
「…それはいつからなんですか?」
「今日。昼頃から徐々に。」
「そうなんですか…」
「それから。ちょうど今日、あの像が設置された。」
そういってコルクは、ソラの形の金髪像を示す。
「あの像と、魔法が使えないことになにか関係が…?」
「少なくとも、私はそう睨んでいる。」
コルクの言葉に、きららの表情も曇る。
「あれを設置したのって…」
「ジンジャー。」
「ですよね…。」
「で、でもっ!」
そこで声を上げたのは、ノノだ。
「ジンジャーさんはそんなことする人じゃ…ないです…!」
その声に、きららがうなずく。
「ジンジャーさんがなんの考えもなしに、するとは思えません。ジンジャーさんに話を聞かないと…」
その時、きららの肩に手が置かれた。
「よ、きらら!どうしたんだ?」
「ジンジャーさん!実は…」
きららはこの街で魔法が使えなくなった旨を話す。ジンジャーは一度目をつむって言う。
「ついてきてくれるか?」
「はい。」
ジンジャーが歩き出す。きららはコルクに会釈すると、ジンジャーについて行った。
「おーい、忍、苺香、穂乃花!ちょっと来てくれ!」
像の近くでジンジャーが叫ぶ。すると、3つの影が走ってきた。
「戻ってきま…アリス!アリスですか!?会いたかったです…!」
「夏帆さんまで…!それに、お姉さまも!?」
「みんな来てくれたんだ!」
アリスも忍に向かって走る。そして、アリスが忍に抱きついた。
「シノ!良かったぁ…連絡つかないから心配したんだよ…!」
「連絡…?来てないですけど…。」
「えっ…でも…」
忍が通信機を取り出す。
「あ、電源が切れてました!」
「もう、シノったら…」
「では電源をつけますね!…あれ?」
「シノ?ちょっとかして…?…本当だ、つかない…」
その様子を見たきらら達も、通信機を確認する。結果、起動したのはきららだけだった。
「全員が起動しないなら分かるが…何できららのだけ起動するんだ?」
「私にもわかりません…」
きららが答えたとき、像の向こうから声がした。
「ジンジャー!アルシーヴ様からのご命令ですわ!」
それはフェンネルだった。フェンネルはジンジャーのもとまで走ってくると、続けて言う。
「今すぐ、像の稼働を停止させてくださいまし!」
「おいおい、何でだよ…」
「アルシーヴ様からのご命令は絶対です!」
「いや、理由を聞いているんだけどな…」
「私も知りませんわ。ですが…アルシーヴ様は考えがあるのではなくて?」
「…きらら、アルシーヴと連絡を取ってもらえないか。」
「は、はいっ!」
きららが慌ててアルシーヴに通信する。
「アルシーヴさん?」
『どうした、きらら。』
「いえ…今ジンジャーさんの街に来ているのですが、フェンネルさんが像を止めろって…」
『ああ、私が指示した。』
「ジンジャーさんが何故止めなければいけないのかわからない、と…。そもそも、この像はなんですか?」
『その像は犯罪抑制のものだ。危険な魔法のみを抑えるための予定だったが…シュガーに調べさせたところ、通常の魔法も止めてしまうことがわかった。…フェンネルも話はちゃんと聞いておけ…。』
「なるほど…」
「そうだったのですね!さすがはアルシーヴ様!」
「つまりは像の暴走か…」
各々が各々の反応をする中、アルシーヴはきららに聞く。
『ところで…抑制魔法が効いているはずだが、なぜきららは通信できているんだ?』
「私もわからないんですけど…あっ!」
『どうした、きらら?』
「私、『破術のブレスレット』というのを持っていて…多分それだと思うんですけど…」
『破術のブレスレット…だと?実在したのか…理解した。要件は以上か?』
「はい、大丈夫です!」
『そうか。』
アルシーヴとの通信が切れる。それをみたジンジャーは、像に手を当てて、何やらつぶやく。そして像が一瞬光った。
「通信機の電源がつきました!」
「良かったよぉ、シノ!」
忍とアリスがひし、と抱き合う。それを横目にみつつ、ジンジャーがきららに向かう。
「破術のブレスレットか…ちょっと見せてもらってもいいか?」
「はい、いいですよ。」
きららはブレスレットを外すために、戦士のオーブをつけた杖を像に立てかける。
きららが杖から手を話したその時、オーブと像はまばゆく光りだした。きららたちは耐えきれず、目をつむった…
というわけで、第5話はこれで終了になります。お付き合いいただき、ありがとうございました!
第6話は明日投稿予定です。
シュガーちゃんがちゃんと仕事をしている…!
毎回気になるところで終わるの締め方がうまいなと思いました。
>>57
ありがとうございます!
シュガーちゃんも日々成長中です!
どこで切るか、は毎回悩んでいます。なので、気になるところで終わる、と言っていただけたのは嬉しいです!
最初に目を開けたのは忍だった。忍は空を見上げて、暗いなぁ…と思った。
「アリス、空がとても暗いですよ!」
「え、空?…うわぁ!」
やがて、忍とアリス以外も次々に目を開け、叫び声をあげる。
「あれ、みなさんどうしたんですか?」
「し、しの、しの、しのぶちゃ、しのぶちゃん、あ、あれ、あれ…」
「ノノちゃん、あれはただの空ですよ?」
「違います!あれは…魔物ですよ!」
きららが言う。と同時に忍の顔が青くなる。
「ま、ままま魔物ですか!?」
忍ははわはわし始める。
きららが杖を拾う。しかし、せんしのオーブが外れ、魔物に吸収されてしまった。
「そんなっ!?」
きららが驚いていると、後ろから声が聞こえた。
「みなさん、こっちデス!」
「カレン!どうしたの?」
「今日はBrocante…なので警備の手伝いをしていたデス!」
「そうじゃなくて、どうしてカウボーイハットをかぶってるの?」
「カッコイイからデス!」
「西部服なカレンちゃんもクールだよ!」
きららたちはカレンのもとへ走る。そこへ、他の方向から二人…片方は走ってきて、もう片方はふらふらと足を運んでいた。
「カレン、これは一体何なんだ?」
「ハイ、サクタイチョー!わからないデス!」
「元気よく否定するな…」
「さくぅ…はやいわよ…」
「あ、ニナ…すまない…」
きららが振り返る。相変わらず巨大すぎて全貌がわからない。
その時、通信機から声がした。
『ねーねーきららちゃん、すごいよ!大きいよ!』
「え、ええと…」
『るんちゃんは端折りすぎ。なんか巨大な樹が遠くの方に突然出てきたの。」
「樹、ですか?」
『うん。』
トオルとるんの言葉を聞いたきららは頭をひねる。
『あ、あの…』
『どうしたの、青葉さん』
『多分あっちの方、ジンジャーさんの街だと思うんですけど…』
『木くらい突然出てくるんじゃないか?』
『それはナギが今テストプレイしているゲームの話やろ…』
「ジンジャーさんの街…ってここじゃないですか!」
まさか…と思いながら目の前の巨大な黒い物体を見る。
「すみません、その樹の色ってなんですか?」
『えっとねー、黒だよ!真っ黒だよー!』
『青葉ー、ナギー、どうだー?』
『八神さん、それどころじゃないんですよ!見てください!』
『ん?…言の葉の樹が増えてるじゃん…』
『え?…あ、本当だ…』
『青葉?この前行ったよな…?』
『それは…その…』
「言の葉の樹…だとするとこの魔物は…」
『あ、えっとねー、それだけ!じゃあねー!』
「あ、はい!」
るんからの通信が切れる。そして、きららが魔物を見上げると、いきなり肩を叩かれた。
「やぁ、きらら」
「わっ!…なんだ、カルダモンさんでしたか…」
カルダモンさはきららの隣に立って魔物を見上げる。
「大変なことになっているみたいだね…」
「はい…。」
「…アルシーヴから言伝を預かっている。」
「アルシーヴさんから…ですか?」
「そう。あの魔物が、変質したクリエでできていることは知っているね?」
「はい。そして、あの魔物に精神攻撃をすると、その世界のクリエメイトのみなさんに…」
「精神攻撃だけじゃない。物理的、魔法的な攻撃でもダメージが入ることが分かった。」
「それって…攻撃できないじゃないですか!」
「1つだけ、確実に攻撃できるものがある。それは、純粋なクリエの力だ。」
その言葉を聞き、きららが悩む。
「クリエの力…」
「あぁ。クリエの力で、変質したクリエが正常に戻るんだ。」
「でも…どうやって…」
「それはわからない。ただ、そうでなくてもあの魔物は厄介だろう。人手を連れてくるよ。」
「それなら私がコールで…」
「ここで無理に力を使う必要はないさ。それじゃあ行ってくる。……連れてきたよ。」
カルダモンが消え、再び現れた。後ろ手に荷台をひいている。
「う…酔った…」
「大丈夫?リンちゃん!」
「酔ったときは逆回転すると冷めやすいでー。…嘘やでー」
「嘘かよ!」
「はーい、リン。飴なめると楽になるよー」
リン、なでしこ、あおい、千秋、恵那が運ばれてきた。
「リンじゃないデスか!」
「お、カレン。」
「あいつを倒して賞金稼ぎしマスよ!」
「うん、関係ないかな。」
カレンとリンの親睦が深まる中、
「なに、なに?お祭り?」
「お祭り好きだぜ!」
「いや、ちがうだろ…」
「そう。ここに集まっているのは、あの魔物について。」
「本田珠輝でも倒せない敵を倒して、さらに差を広げるんだから!」
「いや、関係ないんじゃないかな…」
「そうよ、一人だと危ないわよ?」
小物市に美術品を出品していたノダ、トモカネ、ナミコ、キョージュ、水葉、沙英、ヒロが集まってくる。そして、気配を感じたきららが空を見上げると、
「〜♪〜♪」
はるみが魔物にぶつかり、
「いたい」
落ちてきた。
その落ちてくるはるみを、
「よ…っと」
ソーニャが受け止める。ソーニャは晴海を地面に下ろすと、きららの方向に走ってくる。
「きらら、この手紙を預かってきた。」
「ソーニャさん、ありがとうございます!」
きららは手紙を開ける。中身はあぎりの筆跡で書かれていた。
『お気をつけください〜その魔物は危険ですよ〜』
「…えっと…?」
きららは手紙を見直すが、他に書いてあることはなさそうだった。
「どうした、きらら?…本当に相変わらずだな…。樹にしなくていいぞ。」
「は、はい!」
「それよりもあの魔物…どうやって戦うんだ?」
ソーニャが魔物を見ながらつぶやく。それにきららが答える。
「あの魔物は、おそらくこの世界のクリエで構成された魔物です。通常通りに攻撃をしてしまうと、この世界の人々に大きなダメージを与えてしまう可能性があります。あの魔物を倒すには、強力なクリエの力でもとに戻すしかないそうです。」
「そうか…」
ソーニャがそういったとき、魔物が動き出す。
「おいおい、なんだよ!」
「お、応援すれば止まるかな…?」
「ち、チノちゃんっ!」
巨大生物は震えると、大量の黒い人影を生み出してくる。
「あの人、カレンちゃんそっくり!」
穂乃花が示したその影は、黒い光を穂乃花に向けて打ち込む。
「<まほうつかいカレンのタロット魔術>!」
カレンの持つタロットカードが光となって、黒い光の玉を消す。
「カレンちゃん…!」
「怪我がなくてよかったデス。…それにしてもあの影の攻撃…私の<月夜の鬼コーチ侍>にそっくりデシタ。…あの影は、私達クリエメイトと同じ能力を持っていると考えたほうがいいデスね…。」
一瞬、しんと静まり返る。そして、リンが一言。
「カレンが頭良さそうなこと言っていると、違和感があるな…」
「え、そうデスか?」
誰も言葉には出さなかったが、全員の心の中は共通していた。
「…えっと、そ、それじゃあいきましょう!ハッカさん、あの影はどうなっていますか?」
「大気中の魔力、変換。クリエ、無関係」
「つ、ま、り、ノダちゃんパワー炸裂させちゃっていいってことでしょ?」
「そうですね…!皆さん、行きましょう!」
「…2回目。」
>>62
修正があります。
誤:ソーニャが受け止める。ソーニャは晴海を地面に下ろすと、きららの方向に走ってくる。
正: ソーニャが受け止める。ソーニャははるみを地面に下ろすと、きららの方向に走ってくる。
大変失礼いたしました。
というわけで、第6話はこれで終了になります。お付き合いいただき、ありがとうございました!
第7話は明日投稿予定…と言いたいところなのですが、明日は投稿できないかもしれません…。投稿できなかた場合は明後日に7、8話を同時に投稿させていただきます。
クリエメイトたちは降りてきた影に向かって走り出す。その中に、クリエメイトでも七賢者でもない人が一名。
「コルクさん!何で来ちゃったんですか〜!」
「メグはメグの戦い方をすればいい。大丈夫。足手まといにはならない。なんなら…」
コルクが言いかけて、メグの後方に迫る流れ弾に気付く。
瞬間、跳躍。
メグが振り向いたときには、コルクがナイフを振り下ろした後だった。
「なんなら、頼ってくれていい。」
「コルクさん、かっこいい…」
その流れ弾の先に居たのは、
「疲れを軽減する呪文です!<ラブアンドピース精神です!>」
「<大事な部分が抜けてるよ!>」
アリスがフラスコを、大きな羽をつけた影に投げつける。影に当たった瞬間、発光。魔力が開放されるとともに、アリスの手にフラスコが戻る。
影の方は、怯むことなく、突如現れた杖状のものを使って線路を空中に作り出す。その線路に人ののったトロッコが現れ、アリスに向かって岩を投げていく。
「アリス!」
「きゃあああ!」
「<メモリア・サンスクリーン>」
アリスが叫ぶのと同時、もう一人の声が聞こえた。
アリスとしのの前に、薄い膜がはられる。そして、岩が落ちてきた。
「ひゃああ…あれ、あんまり痛くない…」
「まったく、人騒がせなんだから!
「アヤ!」
「綾ちゃん!」
影を防いだのは、綾だった
「…アヤ?何で水着なの?」
「この服のほうが守りやすかったの!」
先程に比べて圧倒的にパーティバランスの良くなったアリス達は、影の方向に向き直った。
さて、そこから少し離れた先、こちらは比較的マイペースに戦っていた。
「ねーねー、今カゲさんが出したあの板なにー?」
「はぁ?あんた達、ペンタブも知らないの?」
「私達、デジタルには疎いからね…」
「乃莉さんなら知ってるかしら?」
「現在は画面に絵を映して直接かける液タブ、というものも存在する。」
「うおー、すげー!」
三人が盛り上がる中、全く盛り上がっていない人が一人。
「ちょっとあんた達…寒っ…こっち手伝えー!」
ナミコの声が、虚しく響いた
* * *
「みなさんが頑張っているのに…私は…」
きららは少し離れたところで、クリエメイトたちが戦っている様子を見ていた。杖を握る手には力が入る。
「…ランプが感じていたのって、こういうことだったのかな…。」
その時、誰かの声を聞いた…気がしたきららは、はっと顔を上げる。そして、誰も居ない右横を向く。
「でもっ…私には…」
目を伏せるきらら。しかし、しばらくすると徐々に顔を上げていく。
「…そうですね。みなさんのことをサポートする。それも大切な仕事…。」
その後、きららは首を傾げる。
「私のことを…ずっと見てくれている人…?えっ、今からくる?空から!?ま、待ってください!」
きららは手を伸ばしたままの状態で呆然とする。
「慈さん…行っちゃった…。」
きららが伸ばした手を下ろす。すると…
「うわぁー!!!」
「ランプ!?」
空からランプが落ちてきた。それをきららはなんとか受け止める。
「な、何で空から!?」
「アルシーヴ先生に飛ばされたんです。」
「…というと?」
「つまり…」
* * *
『ランプ、気が逸るのは分かったが、お前が行っても状況は…』
『それは早計じゃないかな』
『何?』
『ランプはたしかに無鉄砲だ。だけれどそれは、裏を返せば可能性だ。あの魔物を止められる可能性…それにかけてみる気はないかい?』
『だが…。』
『良いじゃないの、アルシーヴ。私だってランプから何度も助けられているもの。』
『ソラ様!…し、しかし、』
『送ってあげて。ランプならやってくれるわ。』
『…わかりました。…おい、クロまる、クロりん、クロのしん!』
『『『くー!(はい!アルシーヴ様)』』』
『ランプについて行ってくれ。報酬は…もふもふだ。』
『『『くー…!くー!(もふもふ…!わかりました!行ってきます!)』』』
『よし、それではその窓の前に並べ。』
『な、何故ですか?』
『良いから並べ。…いくぞ、<ルナティック・』
『ま、まさか…』
『ミーティア>』
『攻撃魔法を移動に使わな…うわぁー!』
『『『くー!(わぁー!)』』』
『アルシーヴもツンデレね。』
『…違います。』
* * *
「…というわけです。」
「アルシーヴさん、豪快…あれ、つまり…」
きららがなにかに気づいたとき、空から鳴き声。
「「「くー!」」」
3匹のクロモンが落ちてきて、地面に刺さる。
「だ、大丈夫ですか!」
「「「く、くー…。」」」
「な、なんとか大丈夫そうですね…。」
「…きららさん、現状はどうですか。」
「うん。今はクリエメイトのみなさんが影と戦ってる。だけど、本体には攻撃できていない。本体を倒さないと…」
「あの魔物は変質したクリエで作られているんですよね。」
「な…何で知って…」
「先生に聞きました。…聖典世界や、クリエメイトの方々にもダメージが入ってしまうことも…何で隠してたんですか?」
「そ…それは…クリエメイトが危険って聞いたら、ランプが落ち込むと思って…」
「何もできないほうが嫌です!それに…」
ランプは目を伏せ、顔を赤らめ…
「きららさんに隠し事をされているのが、もっと嫌です。」
ランプの赤が、きららに伝染する。
「ら、ランプ…そ、その…ごめんね…」
「い、いえっ…」
訪れる静寂。それを破ったのはクリエメイトの声だった。
「きらら!任務完了だ!」
「は、はいっ!それでは、次の攻撃に備えて待機していてください!」
「イエッサー!」
リゼが戻っていったところで、地面が揺れ始める。
「なにっ!?地震っ!?」
「違います!きららさん…魔物がっ!」
ランプの指し示した先では、魔物が根を伸ばし、地面に突き刺していた。
とたん、エトワリアが色褪せる。
「こ、これって…さむっ…。」
急激に下がる気温。それは雪まで振らせていた。
というわけで、第7話はこれで終了になります。お付き合いいただき、ありがとうございました!
第8話は明日投稿予定です。
親方!空から女神候補生が!
カウンセラー佐倉先生好きです。
クロモン三連星まで出てくるとはさすがです。
>>72
ありがとうございます!
きららとランプ尊いですよね…!
はるみは常に平常運転な印象です
>>73
ありがとうございます!
あの地平線〜()
気温の低下は止まらず、雪が降り積もっていく。
「と、とにかく…きゃあっ!」
きららが足を滑らせて転ぶ。すると、きららが閉まっていた紙が地面に落ちる。
「大丈夫ですか、きららさん!…何か落としましたよ?」
「あ、あぎりさんの手紙…あれ、文字増えてる…」
きららは増えた文を読む。
『その魔物は世界の生命力を吸い取ってしまうみたいですよ〜?クリエを部寛解して魔物を倒せば生命力は戻るはずです〜』
「あぎりさん、未知数…。でも、早くなんとかしないと、世界の生命力が…!」
「それ、あたしたちにも手伝わせなさい!」
そういいながら跳んできたのは、黒い妖精と雪だるま。つまり、
「暗黒冬将軍さん!黒雪だるまさん!」
「いきなり寒くなったから、起きちゃったわよ!」
そしてもう一組、走ってくる2つの影。
「きらら様っ!」
「急に押しかけてしまい、申し訳ありません…。ですが、海の中が凍ってしまいまして…。地上呼吸のブレスレットを使用してここまで来ました。」
「オトヒメさん!ウミさん!それから…やすなさん…?」
「あ、これは…たまたま来ていただいていたのですが、やはり水着は寒かったようで…」
「さむいよ…」
「えぇっと…着替えればいいのでは…?クリエメイトの皆さんは能力ごと服を替えられますし…」
「…そっか。てーい!」
やすなは正月の晴れ着に着替えた。や砂の頭の中のようにおめでたい服だ。
「それで…そのバカは放っておいて、アイツを倒す方法は?」
「それが…全くわからないんです!」
「わからないって…さっき読み上げていた手紙いわく、もう時間ないんでしょ?」
「…倒し方を探ります。直接攻撃、精神攻撃をせず、足止めをお願いできますか?」
きららからの願いに、暗黒冬将軍は難しい顔をする。
「あれだけの高さだと、届かないかもしれないわね…。そもそも私の能力は、空気中の水分を利用しているし…。」
「でしたら、私の力を使ってください。地上なので、あまり強い力は出せませんが…」
「本当!?それならなんとかなるかも…分かったわ、きらら。まかせて。」
「はいっ!お願いします!」
オトヒメと暗黒冬将軍達は、魔物に近づいていく。
オトヒメの<水の波動>に、暗黒冬将軍の黒い吹雪が合わさり、広い範囲を攻撃する。
「す、すごい…。」
それにあわせて、気温の低下もゆっくりになる。
それにあわせて、気温の低下もゆっくりになる。
「でも…どうしようか、ランプ。」
世界の変化はゆっくりになったものの、倒し方が分かったわけではない。
「相変わらず八方塞がりなんですよね…。」
「でも、だよ。少し前…アルシーヴさんとの戦いのときも全く歯が立たないと思ってた。でも勝てたじゃん。今回も絶対なんとかなるはずだよ。」
「きららさん…」
ランプは頬を叩いて気合を入れる。と、そこに。
「それなら、オレの武器を使ってくれよ!」
聞き慣れた快活な声。そう、彼女は、
「ポルカさん!」
「今の状況にぴったりの武器を作ってきたぜ!…といっても、夢の中で作れって言われた気がしただけなんだけどな…。」
「夢の中で…?」
きららが首を傾げる。
「あぁ。やたら古風な喋り方をする人が出てきてな…よく覚えてないけど。…ほら、ランプ。お前の専用武器だ!」
そういいながらポルカが取り出したのは、
「…聖典…ですか?」
「おう!ランプが持ってる聖典を基にした武器だぜ!」
「す、すごいです…!」
ランプが聖典を受け取る。
「さて、と。それじゃあオレも、クリエメイトたちと合流してくるか!」
そう言ってポルカはクリエメイトたちのいる方へと走っていく。
ポルカが視界から消えたとき、きららは嫌な予感を感じた。そして、巨大なツタが魔物から伸びていたのに気づいたのは、ツタがランプときららをがんじがらめにした後だった。
「びっくりした…ランプ、大丈夫…?」
「…くっ…だ、だいじょうぶ…です…!」
驚いただけのきららと違い、ランプは苦しい表情を見せる。
「でも…クリエ…が…すわれて…。」
そこできららは気づいた。
「…ブレスレットだ。」
きららの持つ、破術のブレスレットの効果で、きららはクリエを吸われていなかった。
「そんな、ランプだけ…。私は一体どうしたら…」
きららが目を伏せたとき、急に軽い浮遊感に襲われる。
ツタが崩れ、自由になったのだ。
「大丈夫だった?」
そこに居たのは、魔法少女のせんし、千代田桃。そして、
「ま、待ってください…。」
「相変わらず速いわよ…」
「おーいシャミ子やーい…振るのはやめろ、酔うわ!」
シャミ子、ミカン、リリスが遅れて走ってきた。
「私は大丈夫です。でも…ランプが…!」
力尽きたランプを見て、うろたえる桃。
「…やってみます!<血液サラサラにして待ってるがいいですよ!!>」
シャミ子の回復魔法もランプには一切届かない。
「これでは…もうどうしようも…。」
きららが弱音を吐く。が、それをミカンが遮る。
「きらら、ランプのことを大切に思ってるんでしょ?なら、大丈夫よ。大切なものを守りたいっていう気持ちが、魔法を強くするんだから。」
「…大切なものを守りたい気持ち…わかりました。」
そう言うときららは杖を構え直す。
「力をお借りします!」
すると、光とともに3人のクリエメイトが現れた。
「お、おもいっきりいくからね!」
「とっておきの…やってみよう!」
「よーし、やっちゃうよー!」
「それでは皆さん、お願いします!<力を貸して!>」
きららが3人のクリエエイトから受けた光をランプに注ぐ。すると、ランプが目を覚ます。
「ランプ!大丈夫!?」
「はい!それどころか、すごい力が湧いてきます!今なら、すごいのが出せます!」
そう言うと、ランプは聖典を掲げる。
「私の絵で、誰かが元気になれたらいいなって」
「スク水メガネネコミミせんし・ゆずこ登場!」
「戦いはキライじゃないけど、やっぱり平和な方がいいな…」
「狼藉者め、成敗してくれるデース!」
「これからはビシバシ神さまに祈って、ガンガン徳を積んじゃうよ!」
「もっと上手におじさまのイラストを描けるようになる魔法とか…ないかな?」
「がおー!悪い子は食べちゃうぞ〜!」
「あんみつ食べれば疲れもふき飛んじゃうね!」
「遥かな旅のすべてをここに!<シャイニング・ダイアリー>!」
クリエメイトたちから受け取った光を、ランプが魔物へと打ち込む。そして…
というわけで、第8話はこれで終了になります。お付き合いいただき、ありがとうございました!
第9話は明日投稿予定です。
申し訳ありません、本日は投稿できません…
明日第9話投稿します
>>82
ありがとうございます!
触手攻め()
ランプの武器といったら聖典しかない!と思い聖典にさせていただきました。
>>83
ありがとうございます!
頑張りました…が、全キャラは活躍させられなかったので…次回はがんばりますっ!()
それでは第9話(最終話)「日常と冒険」を投稿します。
基本的にはエピローグのようなものです。今まで出てこれなかったキャラ達が目まぐるしく登場します()
「あ、優ちゃん、抹茶アイス売ってるよ…ってもう持ってる!?」
「おいしいよ、春香も食べる?」
今日は古物市。前回の古物市が途中で魔物に邪魔されてしまったため、日を振り替えて、普段よりも盛り上げていこう、という趣旨で行われている。
「す、すごい人混みだな…」
「もう、大会さんったら…あら?きららにジンジャーさんじゃない。」
「こんにちは」
「きららちゃんもジンジャーさんも、楽しんでいきましょう!」
大会を背中に隠した栄依子、冠、たまてがきらら達に挨拶をする。きららはありがとうございます、と声をかけて歩いていく。
「甘兎庵出張店舗でーす!…そうだわシャロちゃん、これ飲んで客引きして?」
「コーヒー!?嫌よ!」
古物市の様子を見ながら、きららがジンジャーに声をかける。
「すごい活気ですね…!古物どころか食べ物もありますけど…」
「今回はどっちかと言うとお祭りみたいなものだからな。ステージ発表とか完全に古物市関係ないし…。えっと…その、迷惑かけたな、この前の魔物騒動。私がせんしのオーブと像を干渉させちまって…。オーブの中にたまっていたクリエと像の魔力であんな魔物が生まれて…。」
「それでも、原因を判断して像を壊し、世界中の魔物を止めてくれたジンジャーさんはすごいと思います。…それから、この世界の魔物のクリエを戻したのはランプです。だからランプにもなにかしてあげないと…。」
きらら達はランプの方を見る。
「私達のゲームのほうが面白いでしょ!」
「はじめ、相当気合入ってたもんなぁ。」
「はじめ…ちゃん…落ち着いて…」
「そうよ、他の人の迷惑になるでしょ?」
りんとひふみがはじめを嗜める。
「なにおう、私達のだって…」
「あや、落ち着きなさい。」
「ふむふむ、たしかに面白いねー、ふよんちゃん」
「邪魔するなら帰ってくださいよ…。」
「皆さん、落ち着いてくださ…」
「このままだと負けちゃうよ、紅葉?」
紅葉が、ツバメの言葉にびくっと反応する。
「まあまあ、ランプくんの裁定にまかせようじゃないか。」
ランプに一気に視線が集まる。
「ど、どちらも素晴らしくて決められません!」
ランプが叫んだ瞬間に文句が飛び交う。
「あはは…ランプにはもうご褒美になってそうですね…。」
「…そうだな。」
きらら達は呆れ半分でその場を離れる。そのまま歩いていると、一つだけあまり人がおらず、暗い雰囲気の店が。
「ど、どうしたんですか、流姫さん、翼さん、怖浦さん…。」
「きららちゃあああああん!」
「ひゃああ!」
「先輩、落ち着いてください!」
「ずっとこんな調子で、お客さんが帰っちゃうんだ。」
「そうなんですか…あ、ゆずこさーん、みなさーん!」
きららが振り返って叫ぶ。
「やっほー、きららちゃん!」
「わ−、漫画だぁ!」
「へえ、面白そうじゃん。」
「こ、こわそうだよ…?」
「……。」
「一心不乱に読んでるね。」
「…あっ、そ、それは読まないでぇ−!」
すると近寄り難かった雰囲気が一気に溶け、人が一人、また一人と近づくようになった。
きらら達はそれを見届け、また奥に向かって進むと、先生たちが集っていた。
「こんにちはー!」
「あらきららさん、こんにちは。」
頼子がきららに返事をする。
「みなさんは見て回らないんですか?」
「はい!カレンさんのような人が皆さんに迷惑をかけないとも限らないので…。」
「中央に居て、少しでも見回せる位置にいようと…。」
「そうなんですか!…ところで、烏丸先生は一緒じゃないんですか?」
「…烏丸先生なら…。」
「見てください、久世橋先生!鬼頭先生!やきそばにたこやきですよ!」
「…ということで、楽しみながら見回りをしてくださっているんです!さすが烏丸先生…。」
「……え、えっと、見回り頑張ってくださいね!」
「はい!」
先生たちと別れて、再び奥へと進むきらら達。その前を横切る影が。
「わーい!」
「まてまてー!」
「わー…わっ!?」
「こらユタカ?」
「うっ…」
「…桜さん?」
「う、うみこさん…。」
ずるずる…と引っ張られていく二人を見て、苦笑いをするきららとジンジャー。
すると、そんなきららの肩を叩く者が。きららが振り返ると、
「よ、」
「ロッテさん!」
「この間は海が凍って助けにこれなかった…本当に悪い。また何かあったら、今度はすぐ駆けつけるから!」
「あ、ありがとうございます!」
「私がいいたかったのはそれだけ。じゃあね!」
「はい!また会いましょう!」
ロッテは嵐のように去っていった。
「あ、きららさん、ジンジャーさん!!」
きらら達が歩いていると、再び呼び止められる。声の主は、
「キサラギさん!乃莉さんになずなさん、ほたるさん、裕美音さんも!」
「どうもです!私達の本、見ていきませんか?」
「わ、私達…えっと、4人が中を作って…私が構成と製本をしました…。」
「イラストやデザインをまとめた本ですよ。」
「ジンジャーさん、何でそんな目で見るんですか!普通の絵ですよ!…ボツ何度かもらいましたけど。」
きららは本を手に取り開く。妖精の世界のような絵、かくかくした図形がたくさんつながっている絵、渓谷の風景画、男の子2人が瓦で倒れて空を見ている絵など…様々な方向性の絵が載っている。
とてとて、ときららの横から小さな女の子が歩いてくる。その女の子は本を開いて何ページかめくって、ほたるに目を合わせる。
「うん、きゅうひゃ…500Gになります。」
女の子は表情はあまり変えないながらも笑顔の雰囲気を出しながら、600Gを支払って帰っていった。
「私も買わせてもらいますね!」
「あ、私も!」
きららとジンジャーはそれぞれ1000G支払って本を購入した。
そこからちょっと進んだ先、何もないところに3人が居た。
「葉子さん!双葉さん!…照さんはどうしたんですか?」
「葉山さん、クロモンの虜になってしまいまして…」
「おなかすいたよー!」
「えへへ…可愛いでちゅね〜!」
「くー!(たすけて…)」
「くー!(クロミが捕まっちゃった!)」
「くー!(ど、どうしよう!)」
クロモンたちに囲まれた照はご満悦そうだった。
「えっと…照さん、お二人が待ってますよ…?」
「そうねぇ〜それじゃあいきましょうね〜」
照がクロモンを抱き上げる。そして歩き出した。
「動きましたわ!」
「きららちゃん、すごい!」
「そ、そうですか!?」
きららは腑に落ちない様子だったが、双葉達はお礼を言って去っていった。
そして、きらら達はステージにつく。
「そろそろ始まる時間ですね、ジンジャーさん。」
「そうだな…。ここでランプと合流する予定だったんじゃないのか?」
「そのはずなんですけど…」
「きららさーん!おそくなりましたー!」
「もう、遅いよランプ…。」
「すみません…。」
きららたちが話していると、ステージの上に右大臣、左大臣が出てきた。
「今日は司会のため、特別に呼ばれたのである!」
「一組目はよさこい部の3人である!」
ステージになる、ハナ、ヤヤが上がってくる。
「みなさん、こ、こんにちは!」
「私達、よさこい部です!」
「今日は楽しんでいってくださいね!」
音楽が流れ始め、3人が舞い出す。
「いえーい!」
「こ、コトネ!声大きいよ…。」
観客が盛り上がる中、きららとランプは思い出話をしていた。
「今日で…里に来てから2年ですね…」
「そうだね…長かったような…でもあっという間だったね。」
ステージの上では次の出演者がもたもたしていた。
「ちょっと紺!伝説のうらドルになるんでしょ!」
「ちょ、ちょっと小梅!…あ…えっと……こ、こーん!」
戸惑いながらもステージへ紺がでる。
「紺ちゃん、困ってるわね…!」
「イサミ、楽しんでるよね…?」
きららとランプはステージを見ながら話を続ける。
「この2年で色々なことがありましたね。」
「喫茶店が3つも建っちゃったしね。」
「スティーレと、ラビットハウスと、甘兎庵ですね。」
きららたちが話している中、ステージでは放課後ティータイムがMCを始めていた。
「私達、放課後ティータイムです!5人組のバンドです!メンバーは、ベースの澪ちゃん!」
「よろしくお願いします!」
「ドラムの律っちゃん!」
「よろしく!」
「キーボードのムギちゃん!」
「よろしくね。」
「ギターのあずにゃん!」
「よ、よろしくおねがいします!」
「この5人で!…あれ?」
会場が笑いに包まれる。
「あの衣装、ひげが似合うと思うのじゃ!」
「会長…。ほら、ゆずも行ってきたら?」
「な、何でだよ楓!」
ひとしきり笑ったきららはランプとの会話に戻る。
「ハロウィンやクリスマス、バレンタイン…他にも色々な季節の行事をしたね。」
「はい!ヒナ祭りでの皆様の勇姿を見られなかったのは心残りです…」
「本当にすごかったんだから!」
放課後ティータイムと交代で最後の組、ファル・エア・ロールの伝説のバンドが演奏を始める。
「幻の超人気バンド、またまた再結成よ!」
「みなさん、盛り上がってますか?」
「それじゃあみんな、いっくよー!」
その演奏は、会場の熱を、これでもかと言うほど上げている。
「かなた!あの演奏、すごいね!」
「そうだね、遥!迫力がすごいよ!」
「な、シーちゃんは出ないの?」
「こら、クレア。」
「し、シーちゃんはやめてください!」
ランプは笑顔でファル達の演奏を見つつ言う。
「たくさんのクリエメイトの皆さんともつながることができました。」
「皆さんとのパスも強くなったよね。…でもランプ。私にとって、ランプと出会えたことも同じくらい大きいんだよ。」
「きららさん…」
「ランプ。これからも、ずっと友達で居てね?」
「はい!もちろんです!」
きららとランプは、いつの間にかジンジャーが居なくなっていたことも気づかずに、並んで互いの存在を感じていた。
* * *
ここは、エトワリア。
以前、女神が消滅する危機があったり、世界中に厄介な魔物が現れたりしたが、それ以外は至って平和な世界。
その世界では今日もまた、別の世界のクリエメイトの召喚が行われていた。
「ランプ!新しいクリエメイトだよ!」
「本当ですか!小惑星を探している方々ですか!?それとも個性豊かな方々が集まったアイドルグループですか!?はたまた、チームワークの素晴らしい野球チームの方々ですか!?」
「こらこらランプ、はしゃぎすぎ。」
これからも彼女たちは、きらきらな日常を、はるかな冒険を紡いでいく。
というわけで、これにて「繋がる思い、広がる世界」終了です。お付き合いいただきありがとうございました。
各話ジャンプ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第1話「ランプときらら」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1819#res2
第2話「アルシーヴと魔物」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1819#res15
第3話「悪夢とソルト」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1819#res25
第4話「ハッカとねこ」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1819#res39
第5話「魔法とジンジャー」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1819#res51
第6話「カルダモンとクリエメイト」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1819#res59
第7話「世界と影」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1819#res66
第8話「ランプとおもい」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1819#res75
第9話「日常と冒険」
https://kirarabbs.com/index.cgi?all=1&read=1819#res86
お疲れ様でした。
綺麗にまとまりすぎてご愛顧ありがとうございました感が漂ってませんか。
(確認はしてませんが)全員登場しても冗長になってないですね。
私にはこういうたくさんのキャラが登場する作品は無理だと思うのですごいと思います。三周年の時も期待しています。
>>95
ありがとうございます!
きららファンタジアはまだまだ続いていきます!()
>>96
ありがとうございます!
いえいえ、そんなことないですよ…!まだまだ精進していきたいです!
>>97
ありがとうございます!
リゾチウマーΛさんもぜひ挑戦してみてください!
三周年…が、がんばりますっ!
これだけ長い作品を作るとは、凄いですね(よくアヤヤクスさんとのやり取りをTwitter上で見かけております)
私も並行執筆中の作品だった第12作を投稿しましたが、未だ感想レスなしです(最近はpixivに投稿する作業しています)
お互い高めていきましょう
>>99
ありがとうございます!
いえいえ、pixiv曰く、28,778文字だそうで…まだまだです…(あれ、もしかしてリスインされてます?)
宴会狂騒曲、面白かったです!
>>100
リスインはしていませんね〜(今日初めてその単語知りました)アヤヤクスさんを相互フォローしていたので、よく流れているのが見えました
お褒めの言葉、歓喜の極みです(書いていてよかった)
- WEB PATIO -