注意
このお話は、落語にある「初天神」のネタをエトワリアで再現してみた内容です。なおフェンネルが主役のお話です
第33作目です(きららファンタジアの熱はまだまだ冷めない)
なおフェンネルの口調が荒い場面でキャラ崩壊しているのではと思いますが、公式設定です(ブチ切れると、傭兵時代のヤンキー口調になるので、キャラシナリオか、2021年のバレンタインイベで分かります)
なおフェンネルが一人称で『私』と言っていますが、読み方は『わたくし』なので、そこを上手く解釈願います(漢字変換すると同じなので)
過去作はpixivにて(https://www.pixiv.net/users/2873290)
ある年始の日
フェンネルは、休暇で神社へお参りに行く事にした
フェンネル:「今年は、話題のあの神社へ参りますわよ」
フェンネル:「そこで噂の縁結びの御守りをアルシーヴ様の為に、授かりに行きますわよ」
フェンネル:「お受け取りになった、アルシーヴ様はきっと」
フェンネルの脳内妄想
フェンネル:「アルシーヴ様、どうかお納めください」
アルシーヴ:「これを私にか?手に入れるのが大変だっただろう」
フェンネル:「アルシーヴ様に、運命の人との巡りあわせがあることを祈りたいと思えば大した事でもありません」
アルシーヴ:「だとすれば、その御守りの効果は出ているようだな。運命の相手は目の前にいるのだからな」
フェンネル:「えっ、運命の相手は私ですか?アルシーヴ様、御戯れを〜」
妄想終わり
フェンネル:「アルシーヴ様、いけませんわ、そんないけない関係は」(まだ醒めていない様子)
フェンネル:「おっと・・・興奮しすぎましたわ、さあいざ参りますわよ」
出掛けようとしたフェンネルを、セサミが呼び止める
セサミ:「フェンネル、出掛けるのですか?」
フェンネル:「え〜そうよ。アルシーヴ様の為に、有名な神社へ参りますわ」
セサミ:「だったら、シュガーも連れていってあげて下さい」
フェンネル:「えっ!嫌ですわ、私一人で行こうと思っていたのに」
シュガー:「シュガー暇だよー連れてってよ〜♪」
フェンネル:「ソルトと遊んだら?」
セサミ:「ソルトは、ラップの練習に集中したいため、出掛けました」
シュガー:「最近ソルトも一人で遊んでいるから、シュガーつまんない」
フェンネル:「じゃあランプと一緒に遊びなさいよ」
セサミ:「里で遊ぶランプが、シュガーと遊んでくれるとは考えにくいです」
シュガー:「ランプと一緒じゃつまんないよー」
フェンネル:「ならジンジャーのところへ行きなさいよ」
セサミ:「ジンジャーは、修行でしばらくどこかへ行きました。屋敷の従業員は休暇なので、実質屋敷には誰もいません」
フェンネル:「じゃあカルダモン・・・無理ね、ハッカはアルシーヴ様と一緒に出かけていますし」
セサミ:「私も、神殿の催しの件で色々忙しいので、シュガーの面倒は見られません」
フェンネル:「もう自分の部屋で、遊んでいなさいよ。普段から遊んでいるのに」
シュガー:「連れて行かないんだったら、シュガーね、フェンネルがこっそりと読んでいた同人誌のタイトルを、言いふらしに行っちゃうよー♪確かね〜『アルシーヴ様、なんて激しい動き、私イッてしまいますわ〜』だったような」
フェンネル:「それどこで知ったのよ!(奥に隠してあったはずなのに・・・)」
セサミ:「そんなアルシーヴ様関連の破廉恥な同人誌を・・・神官として恥ずかしくないのですか?」(ちょっとドン引き)
フェンネル:「もう・・・分かったわよ(セサミの恰好も神官としてどうなのよ?)」
シュガー:「わーい♪」
セサミ:「頼みますね」
渋々シュガーと共に、出掛ける羽目になった・・・
フェンネル:「いい事?私についていく以上これ買ってくれとかワガママ言うんじゃありませんよ」
シュガー:「シュガーいい子にしてるよ〜♪」
フェンネル:「全く・・・アルシーヴ様の心労を察するわ」
シュガー:「いい子にしたから、帰りにお菓子買って」
フェンネル:「何調子のいい事言ってるのよ・・・もう、買わないわよ」
シュガー:「フェンネルのケチ」
フェンネル:「(チッ、本当に生意気なガキね)」(舌打ちした)
そして神社へ着く(転移魔法で行ったので早い)
フェンネル:「やっぱり人が多いわね。屋台も多いわね」
シュガー:「うわあーいい匂いがするよー♪」
フェンネル:「(これは目的の場所まで行くのは大変そうね・・・)」
シュガー:「(何か買ってよ〜)」(目をキラキラさせる)
フェンネル:「そんな目で見ても無駄よ。約束は守りなさいね」
屋台の並ぶ道を歩いていると・・・当然いい匂いがするので
シュガー:「あっ、美味しそうなたこ焼き発見」
フェンネル:「こら、そんな事を言っても買いません。第一歩く時、手が塞がるから大変よ」
シュガー:「言っただけだよ〜」
フェンネル:「先に進むわよ」
また歩いていると・・・シュガーが指を差す
シュガー:「あっ、ベビーカステラだ」
フェンネル:「そんな物は、町でも売っていますわよ、屋台で買う物じゃないですわ」
シュガー:「でもあれ、クロモンの形で面白そうだよ」
フェンネル:「駄々をこねないの、置いていくわよ」
また歩いていると・・・シュガーが
シュガー:「あっ、綿菓子だ〜」
フェンネル:「あまり食べたら、また虫歯になりますわよ」
シュガー:「シュガーにとってお砂糖は命だよ」
フェンネル:「第一、その綿菓子製造機は、神殿にもあるわよね?神殿に帰ったらいくらでも作れるでしょ」
シュガー:「あまり使ったら、セサミに怒られたよ・・・」
フェンネル:「セサミが砂糖の減りが早いと言っていた理由はそれだったのね、全く」
シュガーのワガママを回避しながら、やっと目的の社に着く
フェンネル:「やっと着いたわ・・・」
シュガー:「フェンネル、お賽銭頂戴」
フェンネル:「お金持ってないの?(お金があったら自分で買うわよね)仕方ないわね・・・それぐらいならいいわ」
二人はお賽銭を投げて、手を合わせて願い事を思う
フェンネル:「(ランプが頑張って、アルシーヴ様の苦労が報われますように)」
シュガー:「(お菓子いっぱい食べられますように、ケチなフェンネルの財布の紐が緩みますように)」
願い事を言った後に、御守りがある場所へ行き
フェンネル:「どれだったかしら、縁結びの御守りは・・・」
シュガー:「ねえフェンネル、おみくじ引きたいよ」
フェンネル:「まだ子供なんだから別に要らないでしょ」
シュガー:「やだやだ!」
フェンネル:「ワガママを言わないの」
シュガー:「だったら、今からフェンネルが読んでいた同人誌のタイトルをここで叫んでいいんだ?」
フェンネル:「ああもう分かったわよ!」
シュガー:「やったー♪」
フェンネル:「(このクソガキは本当に・・・)」(内心超激おこ)
フェンネルの本命である御守りを授かった後、帰る方向へ歩く
フェンネル:「さあ帰るわよ」
シュガー:「屋台で何も買ってくれないから、シュガーつまんない・・・」
フェンネル:「最初からそういう考えだったのね」
シュガー:「ジンジャーだったら買ってくれるのに」
フェンネル:「ジンジャーと比べるんじゃないわ(全く・・・ジンジャーもシュガーに甘いんだから)」
歩いていると、正月の遊具を売っている屋台を見つけて
シュガー:「あっ、面白そうな屋台発見♪」
フェンネル:「あっこら、走らないの」
シュガー:「フェンネル、駒とか羽子板とか売ってるよー♪」
フェンネル:「そんな事言っても買わないわよ」
シュガー:「あの大きな凧欲しいな〜」(凧を指差す)
フェンネル:「あれは看板で売り物じゃないわ」
店主:「それは看板ではなく、売り物ですよ」
フェンネル:「ちょっと余計な事を、言わないで下さる」
店主:「もっと大きな凧も奥にありますが」
シュガー:「シュガー、見たい見たい♪」
フェンネル:「また余計な事を・・・」
店主が更に大きな凧を持ってくる
シュガー:「わあ凄い凧だー♪」
店主:「お嬢ちゃん、こんな凧はどこにもないよ。どうですかお姉さん」
フェンネル:「私は買うだなんて言っては・・・」
シュガー:「ここで買わなかったら、七賢者の名折れだよ」(フェンネルを煽てている)
フェンネル:「シュガー、煽てても買いません」
シュガー:「アルシーヴ様だったら、買ってくれたかもしれないのに」
フェンネル:「こら!アルシーヴ様を引き合いに出すなんて畏れ多い事を・・・身の程を知りなさい」
店主:「アルシーヴ様?もしかして神官さんですか?アルシーヴ様の臣下の方ならここで度胸を見せないとアルシーヴ様の格に関わりますよー」
フェンネル:「貴方もシュガーに乗せられてるんじゃないわ・・・」
結局・・・周りの圧に押されて
フェンネル:「あーもう買いますわよ!買えばいいんでしょ」(吹っ切れた)
店主:「ありがとうございます。アルシーヴ様の臣下の方にお買い上げ頂いて光栄です」
フェンネル:「(年明け早々に痛い出費ですわ・・・帰ったらセサミに折半お願いした方がいいかしら)」
シュガー:「わーい。大きな凧だー♪」
フェンネル:「買ってあげたんだから、大事にしなさいよ」
シュガー:「早速遊びたいなー」
フェンネル:「ちょっとだけよ、あそこの広い場所に行くわよ」
二人は広い場所へ行き凧揚げをする
フェンネル:「じゃあ私は見ているから、満足したら言いなさい」
シュガー:「凧揚げってどうやるの?」
フェンネル:「貴方ね・・・欲しいと言っておきながら、凧揚げの仕方も知らないの?」
シュガー:「フェンネルやって見せてよー♪」
フェンネル:「よく見ていなさい」
フェンネルは見事に揚げて見せる
シュガー:「すっごーい♪」
フェンネル:「当然ですわ」
シュガー:「高い高―い♪」
フェンネル:「(我ながら、いい腕ねー♪アルシーヴ様にご覧になって貰いたいですわ)」(ドヤ顔)
フェンネルが凧揚げしていると・・・ある人物が声を掛けてきた
メイド長:「あらフェンネル?こんな所で会うなんて奇遇ですわね。シュガーと一緒という事は、シュガーの御守かしら?」
フェンネル:「そんな貴方は、ジンジャーが屋敷に居なくて暇そうね?」
メイド長:「いいえ、私は、ジンジャー様の為に、無病息災等を祈願しましたわ」
シュガー:「ジンジャーの為に、神社で祈ったんだ〜ダジャレ?」
メイド長:「ちょっと!畏れ多い事を言うんじゃなくって!」
フェンネル:「ブフッww」(ツボに入った)
メイド長:「ジンジャー様を笑ったわね?」
フェンネル:「子供の冗談にそこまで目くじらを立てるんじゃないわ、貴方もそう思っていたんじゃない」
メイド長:「さて私は、ジンジャー様の益々の成長を祈って、凧揚げをして願をかけますわよ」
フェンネル:「貴方に凧揚げできるのかしら?(それ、自前の奴?それともさっきの屋台で買ったのかしら?)」
メイド長:「とくとご覧なさい」
メイド長が凧を揚げてみせる
シュガー:「わあ〜すご〜い」
メイド長:「あらあら、フェンネルより高く揚がりましたわ〜」
フェンネル:「凧は高く揚げればいいってものじゃなくってよ、すぐに落ちたら意味ないですわ」
メイド長:「そんな事言って、実は嫉妬しているのかしら〜」
メイド長の一言で、フェンネルの闘争心に火がつく
フェンネル:「トマホーク女、どちらが長く揚げ続けられるか、私と勝負なさい」
メイド長:「いいですわよー、何か賭けないと面白くありませんわね」
フェンネル:「負けた方は、勝った方の足を舐めるのはどうかしら」
メイド長:「いいですわよー、私が勝ったら私の尻を舐めなさ〜い」(不敵な笑み)
フェンネル:「私が負けるなんてあり得ませんわ(こいつ頭オカシイんじゃないの?)」
シュガー:「そんな汚いのじゃなくて、負けたら屋台でシュガーに何か買ってよ」
フェンネル:「じゃあそうしましょう」
メイド長:「それでもいいですわよ(私の尻から逃げたわね)」
二人の勝負が始まる
フェンネル:「行きますわよ」
メイド長:「さあ揚がりなさい」
両者ほぼ同時に揚がる
シュガー:「すご〜い」
フェンネル:「アルシーヴ様の為に負けられないですわ」
メイド長:「ジンジャー様の為にも、勝ちますわよー」
シュガー:「二人共頑張れ〜」
フェンネル:「ちょっとシュガー、アルシーヴ様にお仕えしているんだから、私を応援しなさいよ」
メイド長:「子供にそんな要求するなんて大人気ないですわよ〜」
なかなか決着がつかないので、退屈になったシュガーがフェンネルにこう言う
シュガー:「ねえフェンネル、シュガーもやりたいよー。見てるだけじゃ退屈だよー」
フェンネル:「うるせぇ!クソガキ!これはアタシが買ったんだよ、勝負はまだ終わってねえ」
メイド長:「あらあら大人げないですわねwwそんなはしたない言葉遣いでは、子供への教育によろしくないですわよー」
フェンネル:「うるせぇ黙れ!いい加減落ちろ!ジンジャーの阿婆擦れメイド」
メイド長:「勝つのは私ですわ〜アルシーヴの拾って来た負け犬」
二人:「てめえ何うちの主を呼び捨てにしてんだコラ!!『様』を付けろ!クソアマ!!」
シュガー:「こんな事になるんだったらシュガー付いていくんじゃなかった・・・」
終わり(決着はどうなったかはご想像にお任せします)
最後までお読みいただき感謝申し上げます。色々忙しくて手が付けられない事が多いですが、何とか投稿しました
今回の話は、結構前に考えていたのですが、時期尚早だったので、年末が近くなるまで制作を放置していました(でも他の溜まっている物もほとんど進んでいない件)
今回は、フェンネルがシュガーに振り回されて大変だったという話でしたが、最後はフェンネルが熱くなって、シュガーが今度は振り回されるという落語の話通りです
なおフェンネルがメイド長に『足を舐めなさい』と言っていますが、これはこうのす先生のジンジャーのイラストを参考にしています(アレは凄い絵でしたが、メイド長があらゆる処刑方法を編み出しかねない場面でした)メイド長が『尻を舐めなさい』と言っていますが、これはクレヨンしんちゃんのぶりぶりざえもんのセリフです(何となく言いそうだった)
次回作も期待しない程度に(来年のきらら展が終わっても、きらファンの熱が冷めぬ事を祈ります)
拝読いたしました。
初天神は原作(?)も知ってるので、楽しめました。
凧あげから逆に意固地になるフェンネル、後悔するシュガーの対比が面白いです。
ほかの落語を題材にしたSS小説も可能であれば、読んでみたいです。落語好きのロコちゃんも喜ぶこと間違いなしです。
もちろん、前作の「転失気」もこのSSきっかけに拝読いたしました。
>>18
最後までお読みいただき感謝申し上げます
初天神のオチ通りに作れましたが、ここに到達するまでは結構大変でした(凧を買う場面に結構頭を使いました)
他の落語の話も一応検討はしていますが、上手く行けば作っていきます。
ロコちゃんが落語好きだという設定は、私は第1弾で利用させていただきましたが、浜弓場先生はその設定を忘れていたらしいです(はゆちゃんがギター弾けるという設定くらい消えていた)
次回作も期待しない程度に(あのお下品な第1弾も読んでいただき光栄です)
拝読しました! まともに検討もされず無理と一蹴されたカルダモンさん...
序盤からラッパーソルトで盛大に吹きました。そういえばあの子謎ラップしてたな...
嗚呼、シュガフェンてぇてぇ... あれ? フェンネルさんの弱みを的確に握ってたり周囲の人をうまく取り込んだり、シュガーちゃんなかなか遣り手だな? 恐ろしい子...!
なんだかんだ一緒に楽しんじゃうフェンネルさんかわいい... が、やはりメイド長とエンカウントしたら狂犬化。視線が合ったら即バトル開始とかポケモントレーナーか何か?
最後のシュガーちゃん、もう達観してるよね... こどもは大人のことを割としっかり見てるんだよね... そうだね教訓だね... なんて思ったお話でした。どうか良いお年を!
>>21
いつもお読みいただき感謝申し上げます(感想レスをまた賜り恐縮です)
シュガーとフェンネルの組み合わせは、第25作の慰安旅行の件で閃いたものであります(フェンネルにヤンキー口調させるための組み合わせに面白いと思ったので)
フェンネルとメイド長の因縁は、バレンタインイベでもありましたが、その一回きりで生かされなかったのが悔やまれます(その時の喧嘩の際の汚い言葉の飛ばし合いは面白かったですゾ)
シュガーは、自分の要求を通すために、子供の特権を上手く使いこなしているといつも思っております(ある意味一番子供らしい、むしろソルトやハッカが背伸びしている。その次に子供の特権を上手く使っているのがランプ)
ソルトがラップをしているという設定は、ルームで判明しましたので、引用しました
次回作も期待しない程度に(来年も頑張って制作をします)
>>20
無理せずに頑張りますので、ご期待下さい
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