祝! 3/27 コミックス第1巻発売!(唐突なダイマ)MAXの「SAN値直葬!闇バイト」のキャラクターがエトワリアに来たら……なSSです。
多分、きららベース(静画)で読める分の情報ぐらいしか使ってないはずなので、良かったらこちらだけでも。
https://seiga.nicovideo.jp/comic/57784?track=verticalwatch_cminfo5
作者は百合を入れずにいられない性分ですが、SAN直の方はそういった要素は薄いので代わりに(?)きらランがあります。
あかり「ここが今度の仕事先か」
こよ「これまでと雰囲気違うね」
あかり「確かに、今まではだいたい陰湿な場所だったのに明るくてのどかな田舎って感じだね。
ここにも暗黒ぬいがいるのか」
こよ「どうなんだろ……
あれ、そういえば……」
きらら「たまには一人で散歩もいいものだな…
昔を思い出すなぁ…ランプ達と会う前…
あの頃は世界の危機に立ち会うなんて、思ってもいなかった…
もちろん、今の方が楽しいけど、こういう時間もまた必要なんだって…」
あかり「いたぞ!あれが暗黒ぬいか!」ドドドドド
こよ「あかりさん、ちょっと待って」
きらら「えっ?うわっ」ガキィン
あかり「杖で受け止めた!?
こいつ、できる!」
こよ「あかりさん、その人は人なんじゃ……」
きらら「わ、私は多分あなたとは初対面ですし、敵じゃないと思います…
落ち着いて話をしませんか…?」ガッガッ
あかり「店長が言ってた!何だっけ?何かかわいいになってるって
こんなにかわいいなら強力な暗黒ぬいなんだろう
きっと捕まえれば今まで以上のボーナスも……」
こよ「それがおかしいよ。
今まで、実際にはかわいいとは無縁の気持ち悪いのが多かったから、
こんな普通にかわいい女の子はきっとそういうのとは関係無いよ」
きらら「かわいいって…私のこと、ですか?」
あかり「この暗黒ぬい、照れてる…?」
ぐううううううううううう
あかり「しまった……空腹が……」
きらら「あの、おにぎり食べます?」
あかり「感謝」
こよ「今まで戦ってたのにそんな一瞬で!?」
あかり「空腹の子供に食べ物をくれる人に悪はいない…!
……ぐあああああああああああぁぁぁぁ」
こよ「あかりさん!
そんな、あかりさんが何を……
毒を盛られても仕方ないことはしましたけど、毒を盛るなんてあんまりです」
きらら「そんな、私のお弁当で、毒なんて……」
あかり「辛い!ワサビを丸かじりしたように辛い!」
こよ「辛いって…
辛いはずだよ…ワサビが丸ごと入ってるもの」
きらら「お二人はクリエメイトなんですね。
ツンツーンをワサビと呼ぶということは」
あかり「クリ…?何かいかがわしい…?」
きらら「何と聞き間違えたのか知りませんが……
信じてもらえないと思いますが、ここはお二人がいた世界とは違う世界で……」
あかり「そうだろうね」
こよ「そうですよね」
きらら「そんなあっさり?」
あかり「私達、バイトでいろんなところ行ってるからね。
今回も店長に飛ばされたのかなぁって」
こよ「それなんだけど、私は気付いたらここにいたって感じで、店長からの指示や依頼の
覚えがないって言うか……」
あかり「そう言えばそうだ。まあ、説明してる時間がなかったとかかな」
きらら(コールやオーダーがされた気配はない……
すると、やはりこの人達の言う店長という人の仕業でしょうか…?
そもそもこの人達はどこの世界の方なんでしょう…?
こんなときは……)
きらら「コール……ランプ!」
ランプ「うん…?
あ、きららさん、私をコールしてくれたんですね。
あ、でもそれならもっとおしゃれな服着てれば良かったかな…」
こよ「うわわ、急に人が出てきた!?」
あかり「そういう魔術?この人も魔術が使えるんだ」
きらら「えっと、初めて会うクリエメイトの方がいらっしゃったので、
ランプなら知ってるかと……」
ランプ「むぅ……人を辞書替わりにして……
一人で盛り上がってた私が馬鹿みたいじゃないですか……
えっ?クリエメイト!?」
きらら「……」
ランプ「この方は……!
黒乃あかり様に明治こよ様!?
比較的新しい聖典の方なので、これほど早くお会いできるとは!
あかり様はメンタルとフィジカルで、こよ様は魔術適正でとても恐ろしいものを
狩っているとても強いお方で……」
こよ「やだ…この子なんか恐い」
あかり「なんとなく、おっさんと似たものを感じるな……
そう言えば、おっさんは……いないか……
戦力的には心許ないはずなのに何故か安心するな…」
ランプ「お会いできて嬉しいです!
きららさんも、この場に呼んで頂いてありがとうございます!」
こよ「私達のことを知ってるの?」
ランプ「はい!それはもう」
あかり「よくわからないけど、私達、急にこの世界に来て、手持ちも何もなくてね……」
ランプ「はいっ」
あかり「それでちょっと、いろいろと施しとかあると助かるんだけど……」
ランプ「はい!それはもう、今は私も持ち合わせがありませんが、里へ戻れば食料でも
貯金でも何でも差し上げます!」
あかり「そうか、それじゃ里とやらへ…」
こよ「あかりさん、初対面の人にたかるのは……
え〜と……あなたも止めてあげて……」
きらら「そうだよね……ランプはクリエメイトされいればいいんだよね……
私なんてクリエメイトを呼ぶだけの機械だもんね……
そのためにランプが破産したって本望でしょ……」ブツブツ
ひよ「ひえっ
何だか黒いオーラが出てる……
やっぱりこの人は暗黒ぬい……?」
あかり「なんだって!?騙された!覚悟!」
ランプ「きららさんは暗黒ぬいなんかじゃありません!
格好良くて可愛くて強くて優しくて誰よりも勇気があって、私の大切な人です!」
きらら「もう……言いすぎだよ……」
こよ「黒いオーラが消えた…?
むしろ、眩しいばかりのオーラを感じる…」
あかり「私にもわかる……これは、伝説のリア充オーラ…?」
こよ「そんなのあるんだ……」
きらら「ところで、自己紹介がまだでした」
あかり「言われてみれば」
こよ「ここまで、何やってたんだろう……」
あかり「つまり、この世界は私達みたいに別世界から来た人間が普通に生活してるのか」
きらら「そういうことです」
こよ「本という形で知られてるって何だか怖いね」
あかり「出演料が貰えるなら」
ランプ「それでしたら私めが」
こよ「それはいいです」
あかり「いや、貰えるものは貰うのが礼儀と」
こよ「おにぎりで満足しなよ」
あかり「こよちゃんが言うなら仕方ないな…
中のワサビは…ポケットにでも入れておこう
後で売れるかもしれないし」
きらら「ツンツーンです」
こよ(そここだわるんだ……)
きらら「ところで、お金でしたら、お願いしたいことがあるんですが…」
あかり「コレ次第で何でもやりますぜ」
きらら「他ならぬクリエメイトですので、それなりに出るとは思いますが…」
あかり「交渉次第ってことか…まあいいかな」
こよ「危険なことでしょうか…?」
きらら「危険ではありません。
今、ツンツーンを栽培しようとしていて、それを手伝っていただこうと」
あかり「これは、異世界で現代知識で無双の展開か!?」
こよ「あかりさん、ワサビ栽培の知識あるの?」
あかり「ない!くっ、元の世界で調べて戻ってくれば…」
こよ「そもそも、来た状況もわからないのにそんなに手軽に行き来できる…?」
あかり「くそ、こんなときに店長の助けがあれば…」
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きらら「ここがツンツーン農場です」
あかり「意外に本格的だな」
ランプ「土地はありますので……
きららさんの功績に報いるために皆さんがいろいろ動いてくれたこともありますが」
こよ「きららさんってそんなに活躍したんですね」
ランプ「はい!それはそれは素晴らしい活躍を…まずアルシーヴが……」
あかり「長くなりそう……
それで、私達は何をすればいいんだ?」
きらら「普通に農場の管理を…いい感じのものの収穫に、あとは草取りや虫取りです」
あかり「地味だけど、貰えるもの貰えるなら何だっていいよ」
きらら「あかりさんはブレませんね」
ランプ「そこがいいんです」
きらら「あ、それから…」
こよ「え?」
きらら「たまに魔物が出るので追い払ってください」
あかり「うわっ」ドカッ
あかり「倒しちゃってもいいよね」
きらら「大丈夫と思いますが…」
こよ「危険はないって……」
きらら「すいません、あかりさんなら危険に入らないと思って」
こよ「あかりさんなら……うん……」
(きららさんも似たようなタイプなのかな)
ランプ「まだ始めたばかりで生育も悪いので、気長にやって頂ければ良いです」
あかり「やはり現代知識、現代知識さえあれば……」
こよ「う〜ん……」ゴニョゴニョ
キラキラ
きらら「これは一体……?」
こよ「浄化の魔術です。ワサビは水が綺麗なところで育つと聞いたことがあります」
あかり「こよちゃんナイス!ボーナスはずんでもらおうか」
ランプ「はいっ!こよ様の手柄ですがあかり様にも出すようにアルシーヴに働きかけます」
あかり「よしきた」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
あかり「うわっ何だ?」
こよ「農場から怪物が…」
きらら「もしかして、この怪物が水を汚していたんでしょうか?」
ランプ「それで、こよ様に浄化されて怒って出てきた?」
あかり「『水清ければ魚棲まず』か…筋は通ってるな」
こよ「魚というよりカエル……」
あかり「なんでもいい!こいつをぶっ倒したらボーナスだな!」
きらら「私も戦います」
ランプ「私も」
こよ「え、援護しなきゃ……」
あかり「くっ、強い……」
ランプ「きららさんとあかり様の攻撃が効かないなんて……」
きらら「魔法も物理も効いてはいます……しかし、決定的なダメージになりません」
こよ「何か……探さなきゃ……」ペラペラ
あかり「これでも食らえ!」
きらら「効いた!?」
ランプ「こ、この攻撃は……!」
きらら「知ってるのランプ」
ランプ「『前の展開でポケットに入れたもので殴りつけたら効果てきめんだった』!
物語の主人公のみが使えるという幻の技!
やはりあかり様は主人公です!」
きらら「?」
あかり「何でワサビが特効な奴がワサビ田にいたのか知らないが、このまま押し切る!」ドカドカ
こよ「汚れた水にいたぐらいだから、ワサビの抗菌作用が効いてるのかな…?」
きらら「あかりさん!こよさん!」
あかり「どうした!?」
きらら「ツンツーンです!」
こよ「今そこ気にする?」
あかり「弱らせたぞ、こよちゃん、いつもの!」
こよ「は、はい……
てぃび・まぐなむ・いんのみなんどぅむ・しぐな・すてらるむ……」
あかり「よし、血抜き成功だな」
ランプ「ギャアアアアアアアアァァァァ」
きらら「ランプ!?どうしたの!?」
こよ「私も初めてコレを見たときはそうなりました……」
きらら「?」
こよ「きららさんはコレが気持ち悪くないんですか?」
きらら「言われたら不気味かも」
こよ「普通の人は、ショックを受けるんです…」
あかり「これは暗黒ぬいだったのかな?
ただ、この世界で売れるかな?」
フッ
あかり「あ、消えた」
こよ「この世界だと、血抜きすると消えちゃうのかな」
あかり「いや、これは店長が掠め取ったに違いない…!」
こよ「そんな決め付け…」
あかり「このために私達をこの世界に送り込んだのか…!
おのれ、戻ったらボーナスをせしめてやる!」
きらら「ランプ!ランプ!しっかりして!」
こよ「気を失っているだけなので大丈夫だと思います」
あかり「こよちゃんのときは店長の魔術で治してるからなぁ…
そうだ!」
きらら「いい方法があるんですか?」
あかり「こよちゃんがおかしくなったときに、一緒のベッドに寝て治したことがあったんだ」
こよ「あかりさん?」
きらら「一緒にベッドで……わかりました」
あかり「手伝おうか?」
きらら「いえ、一人でやれます
ランプ、きっと目覚めさせてあげるからね……!」
あかり「ランプちゃん、軽そうとは言え人間一人担いで走ってくのはすごいな」
こよ「すごい誤解をされてるような気がする……」
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あかり「へい、産地直送、新鮮なツンツーンの納品に参りました」
ライネ「農場が順調で、山まで取りに行かなくて良くなったから助かるわ」
あかり「技術革新は異世界人のクリスマスメイドにお任せあれ
ということで何かあったら相談に乗りますよ。報酬があれば」
こよ(いかがわしい方向の間違いにならなくて良かった……)
ライネ「頼もしいわね。覚えておくわ」
(技術的なところはこよちゃんの知識によるところが大きそうだけど)
きらら「あかりさん、お疲れ様です」
あかり「きららちゃん、久しぶり」
きらら「おかげさまで、毎日新鮮なツンツーンが食べられて幸せです」
こよ「ランプさんも元気になって良かったです」
ランプ「その節は……」
きらら「……」
あかり「どうかしたの?」
ライネ「詮索しちゃダメよ。
眠れるお姫様を起こすのは王子様、それとも騎士様かしら?の愛ということね」
こよ「やっぱり、誤解があったんじゃ…」
ライネ「いいじゃない、結果良ければ全て良し、よ」
こよ「あの、私とあかりさんはそういう関係じゃないので……」
ライネ「そういうことにしておくわ」
あかり「?こよちゃんを助けるために一緒のベッドで」
こよ「はい、毎度ありがとうございます。今後ともごひいきに」
あかり「こよちゃん、話の途中で行かないで〜」
- 終わり -
読んでいただいた方、ありがとうございます。
SAN値低めでお送りいたしました。
サ終により、未参戦のキャラクター・作品がエトワリアでどんな活躍をするのか、公式に描かれることはなくなってしまいましたが、それ故に「無い物は自分で作る」の精神が発揮された結果と言えるでしょうか。おっさん(ショゴス)は性格上エトワリアに来てはいけない気がしたのでオミットされています。
またどこかで、ああ! 窓に! 窓に!
「きららのツンツーンに対する執念」は怪物をも凌駕する。
エトワリアでは自給自足がしやすそうなので、あかりたちにとっては過ごしやすそうですね
エトワリアに来れなかったショゴス。
ショゴスは黙っていればかわいいし頼りになるのに、おじさんっぽい絵文字のせいでキモさが…今月号(5月号)でキモさが天元突破して変態の領域に
>>39
コメントありがとうございます。きららさんのキャラ付けにおけるネタと公式の境界が曖昧な作者です。
あかりにはエトワリアでは「足るを知る」的なことを覚えて欲しいところですがそうするとキャラ崩壊にはなりかねない濃いキャラですからね……
ショゴスは外見もキモイはずなのに態度のキモさが上回っているというトンデモさだし……黙ってればかわいいとは……正気度ロール(SANチェック)を……うっ
拝読しました! 執拗に暗黒ぬいに間違われる上、大好物を毒扱いされるきららさん...ww
そんなきららさん、今回はいつになく闇 (病み?) 成分が噴出しているご様子。安心しろ、奴の本命はどう考えてもお前だぞ。
作品の性質故か、他に類を見ないレベルでエトワリアに馴染んでいるあかりさんとこよさん、このまま定住していても不思議ではない気がします。
公式には実装が叶わなかったキャラをエトワリアデビューさせてあげられるのは、二次創作の強みですよね! 私もいずれ、そういう作品書いてみたいな... (なお、執筆時間が足りない)
お久しぶりな方からコメントが!ありがとうございます
この作品のキャラクターならエトワリアもあっさり受け入れそうと思って書いてるので嬉しいです。
リアル優先で、時間ができたらまた何か書いてくれると楽しいですね。
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