2月28日 15時 エトワリア
「ここにいられるのももうあと1時間なんですね…。」
「そうね。あんたがこっちに来てからあっという間だった気がするわ…。」
「今頃トオルンも先輩方と色々と周っているんでしょうか。最後くらいユタカもご一緒したかったです…。」
「何言ってるの。トオルさん達とは昨日までずっと一緒にいられたし、最後だからこそ先輩方との邪魔をしないって決めてたじゃない。」
「それに、こっちに来れなかった子だって沢山いるんだし、私達は十分楽しめたわよ。」
「色々ありましたけど、楽しかったですね。」
「ユタカはもうやり残したこととかない?大丈夫?」
「大丈夫です!ライネさんのパンケーキも食べられましたし、思い出の場所も全部周れましたから!」
「ミポリンの方は大丈夫ですか?」
「私も大丈夫。お世話になった皆に挨拶もしたし、行きたい所には全部行けたし、思い残すことはないかな。」
「ただ本当のこと言うと、私も色々な衣装着てみたかったけどね…。」
「ミポリン…。」
「実はですね、ユタカは先輩方や他にも色々な人からミポリンにと衣装を借りていたんですよ!」
「私に? てかずっと気になってたけど、そのスーツケースにはそれが入ってたのね…。」
「まずはこれです! モップの先輩のクリスマス衣装です!」
「ユー子先輩ね。それよりこれ勝手に着ちゃって良いの?」
「ちゃんと頼んで貸して貰ってますから大丈夫ですって! 何を躊躇ってるんですか! 早く着てみて下さいよ!」
「よく似合ってますよミポリン! でも胸の所がちょっと…。」
「何か言った? ユタカ。」
「いえ、何でもないです…。」
「次は色素薄い先輩のお正月の着物です!」
「るん先輩ね。あんたまた名前忘れちゃったの?」
「細かいことは良いじゃないですか! さあ早く早く!」
「着物もよくお似合いです!じゃあお年玉下さい!」
「別にあげても良いけど、ここのお金はもうすぐ使えなくなるわよ…?」
「あ、そうでした…。」
「次は眼鏡の先輩の水着です!」
「ナギ先輩。もうわざとやってるでしょ?」
「どうですかねー? それより早く着ないと時間なくなりますよ!」
「リモコン船長ミポリン! かっこいいですねー!」
「もうちょっとマシな名前はないの?」
「ミポリンは刀とかなしでも関節技で海賊にも勝てそうですね!」
「だと良いけどね。」
「それからこれはトオルンのホワイトデーのとランプちゃんの七夕のですが、これは着れそうにありませんね。お2人とも小さいですから…。」
「今の、2人に言うわよ?」
「ランプちゃんはともかくトオルンには言わないで下さいー!」
「わかってるわよ。あとまだあるの?」
「ええありますよ! それからこれは凄いですよ…。何だと思います?」
「え、何?」
「これは何とあのハイプリスさんの服です!」
「え、そんなの借りてきたの!?」
「ええ、お願いしたら貸してくれましたよ! 一緒にいたロベリアさんの殺気は凄かったですが…。もうお会いすることはないから大丈夫でしょう!」
「じゃあハイプリスさんは今何着てるの?」
「代わりにアオ郎Tシャツをプレゼントしたんでそれでも着てるんじゃないですかね?」
「おおー!今までで一番良いと思いますよ! この服でしたら胸の所もピッタリです!」
「あー、今のは言っちゃおうかなー?」
「やめてー! 今度こそ本当に〇されますー!!」
「これで終わり?」
「まだですよ。最後はこれです。ユタカのメイド服! ミポリンはメイド服好きですもんね!」
「これを私に…?」
「ええそうですよ。それから遅くなりましたが、いつかの3号店で着ていた服もよく似合ってましたよ!」
「あのユタカが出禁食らった時のね(笑)」
「元の世界に戻ったらあのキャラで接客してみてはどうです?」
「それはやめとくわ。」
「ミポリンはやっぱりメイド服よく似合いますねー! でもユタカの服ですからこれも胸の所が…。」
「…。」
「い、今のも冗談ですって!」
「ふふ、ありがとユタカ。あんたのおかげで何か元気出たわ。」
「そうですか、じゃあ良かったです!」
「あ、トオルさんが呼んでる! ユタカ行くわよ!」
「また来れたら良いですね。」
「その時はロベリアさんに言い訳用意しときなさいよ。」
「まぁ、そうですね…。」
「じゃあユタカ、こっち。」「はい!」
2月28日 16時 今井宅
「んー、つい眠ってしまいましたねぇ…。」
「今何時? ってもうこんな時間じゃない! 大丈夫なのユタカ!?」
「大丈夫です! ユタカは完璧ですから明日の入試くらいちょちょいのちょいですよ!」
「第4第3第2志望と全部ダメだったあんたが言えることじゃないでしょ…。」
「まあなんとかなりますって!」
「あ、そういえばですね。ユタカ夢を見たんですよ。」
「夢?」
「ユタカがこことは別の異世界に飛ばされまして、そこにミポリンやトオルン、それから先輩方もいたんですけどね。」
「そこで茄子女って人に剣術を教えてもらって、あとそこの市長さんみたいな人のお屋敷にメイドとして住み込みで働くんですが、その市長さんに兎耳が生えたり巨大ロボットが出てきたりでとにかく凄かったんですよ!」
「はいはい、ユタカらしい面白い夢ね。」
「あーミポリン信じてませんね? 本当なんですよ!?」
「明日の入試に合格したら信じてあげる。だから早く続きをやりなさい!」
「はいぃー!」
(ユタカ、私もね…。)
(ずっとどこか別の世界に行っていた気がするの。)
あとがき
サービス終了の知らせの時から、今日この日に絶対にこの2人で何かを上げたいと思っており、こちらにて投稿させて頂きました。
私はこの2人が大好きで、ユタカの参戦が確定した時の喜びは今でも覚えており、今後も忘れることはないと確信しています。
終了は非常に残念ではありますが、この2人のエトワリアでの絡みを見られたこと、更にはそれまで知らなかった作品を数多く知ることが出来たきららファンタジアには本当に感謝しています。
初のSSになりますが、昔から文章を書くのが非常に苦手で、こちらで素敵なSSを上げられている方々は本当に凄いと実感しました。
修行中ですが絵も描いている為、少しですがそれも挿絵として貼らせて頂きました。
お粗末な出来ではありますが、お読み頂きどうも有難う御座いました。
拝読しました! Tシャツハイプリス様概念、正直普通にありだと思う。
文と絵の組み合わせ、とても素敵です! やっぱり、推しの子たちには色んな衣装を着てもらいたいものですよね!
思い残したことを消化していくミホとユタカの二人、どこか実世界の我々きらファン民と通じるものを感じます。最後にそれを消化できて、さぞ幸せだったことと思います。
元の世界に戻ってきた二人の記憶に、確かに残っている不思議な異世界。忘れないでいる限り、世界はずっとそこに在る。そんな、ほろ苦くもあたたかなお話でした!
推しのキャラクターの参戦はとてもうれしいものですよね、きらファンをプレイするうえでの最大のモチベーションですからよくわかります。
現実世界に帰還したあとのやり取りの漫画、文章だけでは伝えきれないニュアンスが分かって面白いですね
>>18
>>19
今更にも程がありますが、コメントして頂き有難う御座います…!
憧れのお2人からのコメント、本当に嬉しかったです!
良い感じの文章が全くまとまらず、失礼なことを書いてしまわないか心配でこんなにも遅くなってしまいました…。
自分の大好きなキャラや作品の魅力を伝えられるよう、絵もssも精進していきたいと思います…!
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