ステラのまほうの短編SSとなっています
注意点として、百合要素を含みます
それでは、よろしくお願いします
「たまちゃーん、今から一緒にスケッチしない?」
「あっ、裕美音!今やることはないからいいけど…」
「そう?じゃあやるってことで!」
「わあっ!?ちょっと待ってて!準備するから!」
私とたまちゃんは向かいあうように座る。
「裕美音、絵の題材はどうするの?」
「うーん……そうだ!」
私はとっさに思いついたことを口に出してしまった。
「お互いの絵を描くのはどうかな?」
たまちゃんも頭が真っ白になった顔をしている。やっぱりこうなるよね…
「え……えぇぇ!?そっそれって…」
「私がたまちゃんの絵を描いて、たまちゃんが私の絵を描くの」
「うん……でも、絵を描く時は体が動いちゃうよ…?」
「大丈夫!服も構図も自由でいいから」
「ならよかった…」
そう言うと、私もたまちゃんもスケッチブックと筆をとっていた。
「確か服はこんな感じで、髪の寝癖が…」
「えーっと、どんなポーズだったっけ……うーん…」
描きはじめて数時間ほど経ったころ、
「たまちゃーん、描き終わった?」
「今終わったよ」
たまちゃんは先に描き終えていた私のもとに走り寄ってくる。
「じゃあ裕美音から絵を見せて」
「えー?私はたまちゃんのを先に見たいな」
「言い出しっぺなんだからいいでしょ?」
「もう、仕方ないなー」
私はスケッチブックを開いて、たまちゃんに絵を見せる。
「『眠ってるたまちゃん』だよ!」
「うん……って何で!?何でこの姿を!?」
「たまちゃん、いつもより長く眠ってたから見ちゃった」
「みっ見てたの!?」
「でもたまちゃん、遅くまで起きて絵を描いてるんだもん。すごい成長だよ」
「裕美音は私のことを自分の子供扱いしてるの?」
「そういうことじゃなくって、純粋に幼馴染の成長を喜んでるの」
「あ、ありがとう!じゃあ私の絵も…」
そう言うと、たまちゃんはスケッチブックを見せる。
「『私と裕美音のふたり』だよ!」
ん…?この構図は、昔の写真の…
「昔もこれからも一緒だよ、なんてね……って…」
…たまちゃん、そんなのずるいよ……心に響かないわけがないもん…
「裕美音、どうしたの?」
「たま…ちゃんっ……うぅっ……ありがと…」
涙が溢れて止まらない…
「ねぇ裕美音っ!大丈夫!?」
たまちゃんは泣き崩れる私を抱いてくれた。
「たまちゃぁん!ずっと私のそばにいて……離れないで…!大切な…人だから…」
「うん…離れたりなんかしない、だから裕美音も私のそばにいてね…!」
「あり…がと……これで…ずっと一緒だよね…」
「ぐすっ…そうだね…」
私もたまちゃんも、泣き止むことを知らずにただ抱き合っていた…
きらファンではおじさまとBLが強調されて(特に裕美音が)ネタキャラみたいになってますが、幼馴染視点も良いものですね
感想ありがとうございます!
幼なじみらしい感じになったか自信がなかったのでそう言ってもらえて感謝です…!
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