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【SS】あやめと椎奈、一夜の魔法
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1 名前:屑藻津きな◆gO0DHE5DSo6[age] 投稿日:2019/11/02 01:34:30 ID:EzzYs9ekDy
SSは初投稿です
文章など至らない部分はありますが、よろしくお願いします

2 名前:屑藻津きな◆gO0DHE5DSo6[age] 投稿日:2019/11/02 01:34:54 ID:EzzYs9ekDy
「これで今日の部活は終わりです。オンリーまであと1週間なので、徹夜も考えてますよ」
「はい…」
「それじゃ、またなー」
部活帰りの道、しーは私に声をかけ、
「あや、シナリオの進捗はどう?」
「ああ、ダメだよ。」
「やっぱりね。仮にもプロジェクトリーダーがそんな様子で大丈夫かしら」
しーは私を言葉で的確に突き刺してくる。まぁ、こんなのいつもの事だ。
「私にも事情があってだなー、しー、今回私はお前たちのことも…」
「とにかく早急に書き上げて。今夜は泊まり込みよ」
「あ、あぁ…分かった」
喉から出かかった言葉は無慈悲にも遮られた。仕方ない。言われた通りにしよう。

3 名前:屑藻津きな◆gO0DHE5DSo6[age] 投稿日:2019/11/02 01:35:35 ID:EzzYs9ekDy
しーは黙々とディスプレイに向き合っている。とても私の考えには気付きそうにない。
「あのさ、シナリオなんだけど、しーとしてはどんな風なのがいい?」
「…書き切れる範囲で無理ない内容、ね」
「そりゃそうだよな…」
まるで考えを見透かされたようだった。まぁ、人を思ってのことだから当然だが。
でも、私は思い切って伝えることにした。
「私も、今回はそうしようと思うんだ」
「何で?」
「いつもシナリオは一人で走ってばかりだったから、今回くらい気を遣いたいんだ」
「…突然優しいことを言うのね」
そう言うとしーは席を立ち、私の方へ向かって来た。

4 名前:屑藻津きな◆gO0DHE5DSo6[age] 投稿日:2019/11/02 01:36:08 ID:EzzYs9ekDy
「あや、自由に書いていいわ」
「え?」
「あやのそういうところ、私は好きよ」
「!?」
「これで性格が追い付けばいいのに」
「あ…うん」
ムカっとするのと共に、何だかホッとした気分だった。すると次の瞬間、しーは私の方に体を倒してきた。
「こうすればもっと意欲が出るかしら」
「よせ、集中できない」
しばらくシナリオを書き続け、気が付くと夜が明けていた。どうやら寝過ごしたみたいだ。起きたときも、しーとは体を寄せたままだった。
結局、その日にシナリオは書き終わらなかったが、私はどうにも満足感に浸っていた。

5 名前:ルナ・ソレイユ◆yodjdoerBO2[age] 投稿日:2019/11/02 10:06:12 ID:3Tc1Kflj2C
いいですねしーあや!
あや側から行くのかと思ったらまさかの椎奈から!いいですね!(語彙力)

6 名前:名無しさん[age] 投稿日:2019/11/02 12:37:05 ID:7sbYEZQoEV
一緒に寝るの尊い

7 名前:名無しさん[age] 投稿日:2019/11/02 12:52:19 ID:NwnmjvaGBl
好きです(直球)いいぞもっとやれです…っ

8 名前:脱出かおすの人です[age] 投稿日:2019/11/02 13:26:16 ID:3NrmivVk6h
ほ…本当に初投稿!?
一晩中身体と身体が触れ合うなんて…(歓喜)!!!

9 名前:屑藻津きな◆gO0DHE5DSo6[sage] 投稿日:2019/11/02 15:41:04 ID:/KpPscuc.6
感想ありがとうございます!

>>5
今回はあや目線だったので、そっちの方がいいかな…
って考えてました

>>6
尊いですよねー

>>7
本当はもっとやるつもりだったんですが自重しました

>>8
SS自体は細々と書いてきてましたが、ここでは初めてなのです

10 名前:◆BaMzAK82VoE[sage] 投稿日:2019/11/02 23:29:08 ID:f9TVz2rqIP
あやめと椎奈のあやしい関係(ぼそっ)

次はもっと親密になっても良いんですよ?(ちらっちらっ)

11 名前:屑藻津きな◆gO0DHE5DSo6[sage] 投稿日:2019/11/02 23:32:24 ID:/KpPscuc.6
>>10
次のSSはもっと百合要素強め、と?
いいですねー

12 名前:宵月アリス◆KMHZF9hYDLk[age] 投稿日:2019/11/24 04:37:42 ID:od56KUVwqW
しーあやだ……!
いやもう尊い……続きぃ……

13 名前:屑藻津きな◆gO0DHE5DSo6[age] 投稿日:2019/11/24 05:46:00 ID:oTJBdNGAP5
>>12
いきなり上がってきてびっくりです!
続き…しいなんの誕生日おめとかで書きましょうかね……

14 名前:屑藻津きな◆gO0DHE5DSo6[age] 投稿日:2019/12/25 00:59:34 ID:GG7FzgR84J
しいなんの誕生日なので書いてきました。
後日談です。(予定にはなかった)
それでは。

15 名前:屑藻津きな◆gO0DHE5DSo6[age] 投稿日:2019/12/25 00:59:41 ID:GG7FzgR84J
あの日から数週間後……。私たちは無事オンリーイベントを乗り切り、次のコミマに向けた作品も計画が決まってきた。
前作のシナリオを悩みに悩んでいたあやは、今回も進捗が良くないらしく、今回も私の家で作業を共にしている。
無言の作業空間。その中で、私は少しの違和感からあやにそれを問いかける。
「随分と集中してるけど、一体どれだけ長くなってるのかしら」
すると、あやは私の質問で集中力が切れたのか、それに答える。
「……前に自重しないでいいって言わなかったか?」
どうやらあの言葉を真に受けているらしい。あれは好意のブラフのつもりだったのだけれど……。
「ええ、まあ、最小限の量で自分らしく作るのが理想よ」
そう言いながら、私はコップにお茶を注ぐ。
「うん、知ってた。だが、これも私らしくあるため……」
あやは格好付けたような言葉で返してくる。
「いい覚悟ね。徹夜のお供ならこれかしら」
私はエナジードリンクを先ほどのコップに注ぎ、それをあやに渡す。
「それエナジードリンクと何か混ぜただろ……。そんなの飲んだら眠気も尚更サッパリだな」
私の行動はあやに見抜かれていた。流石、長い付き合いともなれば上手くはいかないか。
「さて、冷蔵庫行ってくるか」
冷蔵庫から缶を取ってきたあやは、再び作業に戻る。無言に戻った私とは違い、生き生きとした音を立てながら。
やはり、嬉々としてシナリオを書くあやの姿を見ること……、それが私の創作意欲に繋がるのかもしれない。

16 名前:屑藻津きな◆gO0DHE5DSo6[age] 投稿日:2019/12/25 00:59:54 ID:GG7FzgR84J
それから数日後……。
「お邪魔しまーす」
呼んでもいないのに、あやが家を訪れてきた。
「あら、何の用?」
「今日って誕生日だろ?この前部活のほうでも祝ったばかりだけど……」
あやはそう言うと、弁当箱を取り出し……
「これあげるからさ、くれぐれも風邪は引くなよ」
私が都合よく風邪を引くことを知っているなんて……。嬉しいのか残念なのか、自分自身でも分からなくなった。
「それと、これなんだけど……」
あやはそう言うと、数枚の紙を渡してくる。それを見ると、紙いっぱいの文章が書かれている。
「これは……いつ書いたのかしら?」
私がそう言うと、あやは顔を押さえる。
「あっ……。実はシナリオと同時並行で……」
申し訳なさそうに話すあや。それに対して私は……
「これに時間をかけてた訳ね。もっと雑用を任せたかったわ」
何故だろう、お礼の言葉が出てこない。
「それで、誕生日なのに悪いけど、改めて評価してほしいんだ」
あやのその発言は、以前の発言とは矛盾しているように感じる。
「評価されるための創作じゃないんでしょ?」
私の問いに、あやは迷うことなく答える。
「内輪なら話は別だよ。付き合いの長い人間なら尚更さ」
その言葉は果たして私への信頼なのか。そうであれば嬉しいけれど。
「そう、じゃあ読ませてもらうわ」
私は紙を手に取る。するとあやは、恥ずかしがるような仕草をする。
読んでみたところ、内容はシリアスな百合といった感じだった。
『好きなのに伝えることができない』『思いが相手に届かないのが怖い』と、まるで私の心情を読んだように登場人物の心境が書かれている。
そして、私は思わず感傷に浸ってしまう。
(私だって、あやのことを……。口に出せないけれど……。)
それでも私は決心して、素直に伝えようとした。だが……
「……あやは、こういう恋愛をお望みなのね……」
その思いは、声に出る直前に強がりへと変換されてしまった。

17 名前:屑藻津きな◆gO0DHE5DSo6[age] 投稿日:2019/12/25 01:01:20 ID:GG7FzgR84J
以上です、ありがとうございました。

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