櫟井唯が某お金大好きな怪獣になる話です。
登場作品『ゆゆ式』『キルミーベイベー』
相変わらず拙い文章ですが、どうかよろしくお願いいたします。
アタシは、ライネさんのトレーニングを終えて里へ帰っている所だった。帰ったら今日はどんなことで2人に弄り回されるのかな・・・。トレーニングあがりの液体は最高!とかいうのかな。
物思いにに耽っていると、どこからともなく音が聞こえてきた。それはまるでコインが落ちるような音だった。
アタシは気になって音のする方に行ってみた。目の前に、非常に大きなマユがあった。このマユの中から音が聞こえてくる。まさかエトワリアのモンスターがこの中から誕生するのか!?アタシは気持ち悪い虫のモンスターが生まれるのを想像して、震えあがった。
アタシはきららにこのマユのことを伝えに行こうかと思い、マユに背を向けた。思えばこの行動が命取りだった。
「うわ!」
アタシの背中に何かが覆いかぶさった。それはさっきのマユだった。
「なんだこれは!離れろ!!」
抵抗も虚しく、アタシはマユの中へと飲み込まれていった・・・。
朝が来て、アタシは目が覚めた。
「ふわああ〜」
よく寝た・・・。今何時だ。ア辺りをキョロキョロすると、なぜかアタシは外にいることに気が付いた。あれ?なんでアタシこんなところで横になっているんだ?昨日何かあったような・・・。
とりあえず私はゆずこと縁の所へ戻ることにした。昨日帰ってこなかったから、2人とも心配しているだろうな・・・。
アタシが里へ戻ると、なぜか里の人々はこっちを見てざわめいていた。アタシは気になったがとりあえず2人の所へ帰るところにした。
「ゆずこ!縁!心配かけてごめん!」
里にはゆずこと縁がいた。
「あ!唯ちゃん帰ってきた?」
「もう、心配した・・・」
アタシの顔を見た2人はなぜか硬直していた。
「ん?どうしたお前ら?」
「唯ちゃん・・・随分イメチェンしたんだね・・・」
「は?」
ゆずこは急に妙なことを言い出した。
「唯ちゃん、お口がチャックみたいになっているよ〜」
縁の顔は引きつっていた。
「お前ら一体何をいっているんだ?」
アタシに黙れと言っているのか?この2人は?
「とりあえず鏡を見てみて?」
ゆずこが出した鏡を見て、アタシは驚愕した。
「げ!?な、なんじゃこりゃ!!」
アタシの体はでっかい黄色の怪獣みたいになっていた。口はサイフのように大きく、目はカタツムリみたいに伸びていた。左胸にメーターのようなものがついている。
「もしかして新しい着ぐるみ?」
「わあ〜斬斬新だねえ」
2人にそんなことを言われながら、アタシは急に腹が減ってきた。胸のメーターがなぜだ
か減っている。
「お腹すいた・・・このままじゃ・・・死ぬ・・・」
気が付いたらアタシはモンスターを倒して稼いだコインを猛烈に食べていた。
「ちょっとちょっと唯ちゃん、コインなんて食べたら死んじゃうよ?そこまでお金が好きなの?」
「良い子が真似したらどうする〜?」
ゆずこと縁が注意するのは当然だった。アタシだってコインなんぞ食べたくない。
「そうはいっても・・・なぜだか食べたくなるんだよ」
胸のメーターは増え続け、気が付けば2万にもなっていた。
「なに?唯ちゃんコイン中毒?」
「どんな中毒だよ・・・」
私は縁の台詞に思わず突っ込んだ。
「そういや昨日、変なマユに飲み込まれたな・・・」
アタシは昨日のことを思い出した。
「とにかくきららちゃんとランプちゃんに相談しに行こうよ」
ゆずこの言うとおりだった。いつものやり取りをしても仕方がない。
「そ、それはエトワリアに伝わる呪い、コインのマユですね!!」
事情を説明した所、ランプは驚愕の表情をあげた。
「なんだそれは?」
「唯様が昨日遭遇されたマユは、お金にうるさい人をひきつけて、モンスターにしてしまうのです・・・!」
「誰がお金にうるさいって?」
「いえいえ、お金にうるさいのが唯様の魅力なので!」
そんなもんがあるとは、このエトワリアはなんでもありだな。
「ランプ、どうすれば元の唯さんに戻るの?」
きららがランプに質問をした。
「このエトワリアで有名な祈祷師にその方法を聞けますよ」
「私は唯ちゃんはこのままでもいいかな、面白そうだし」
ゆずこが洒落にならないことをいった。
「嫌だよ!」
「自分の体の中にお金を入れると、盗られる心配が絶対にないね〜」
縁がそんな能天気なことをいった。アタシ自身が貯金箱ってか・・・。
「うおおおおほりゃあああああ!!」
ランプが紹介した祈祷師、シャーさんは不思議な踊りをしていた。
「きえええええええええ!」
「痛い!」
なぜかシャーさんは、持っていた棒をアタシのメーターに叩きつけた。
「・・・このエトワリアに召喚されたクリエメイト、ソーニャに戦って勝てばそなたは元に戻ることができるぞい!」
「ええ?」
「えー?」
「ええ・・・」
アタシたち3人は思わずえってなった。なぜソーニャさんを倒したら元に戻るのかさっぱりわけがわからない。
「う〜ん、暗殺者パワーを打ち消すとどうにかなるとか?」
「暗殺者パワー?近づいたら殺す・・・っていうオーラがでるみたいな?」
縁の妙な言葉にゆずこがさらに珍妙な言葉を創り上げた。
「とにかくソーニャさんの所へいって相談しに行きましょう!」
きららの言うとおり、ここでいつものやり取りをしていても仕方がない。
「ソーニャちゃん優しくしてくれるかな?カタギには手を出さないのかな?」
縁はそういうが、ソーニャさんがちゃんとこの珍妙な事件を理解してくれるか心配だった。
アタシたち5人はやすなさんとソーニャさんに会いに行った。みるとやすなさんがなぜか頭から血を流している。
「ぺろ、これはケチャップ?」
ゆずこ、絶対に違うぞ。これは本物だ。
「一体何があったんですか!?」
「な、なんだお前は!?来るな!!」
ソーニャさんはアタシの今の姿を見て驚いている。ああ、ややこしいことになりそう・・・。
「ソーニャちゃん、これは唯ちゃんだよ〜」
「なんだと!?」
「ちょっとうちの唯ちゃんがお金にうるさかったせいでね、呪いをかけられたんの〜」
ゆずこが誤解されるような説明をした。
「そ、そうなのか?」
「違うわ、ゆずこも頭から血を流したいか?」
「か、堪忍してください・・・」
ゆずこはブルブル震える側で、きららが釈明をしてくれた。
「唯さんは呪いのマユを拾ったせいでこんな姿になってしまいまして・・・やすなさんはどうして怪我を?」
「こいつは私の頭に納豆をかけやがったんだ!!」
「なぜそんなことに!?」
この2人は相変わらず想像を絶する行動に取る。
「唯、私とこいつを一緒くたにするな」
心の中を読まれた!暗殺者って怖い・・・。
「どうりでソーニャちゃんからゴリラの匂いがするわけだねぇ」
「なに!?私からそんな匂いが!?」
縁にそのようなことを言われてソーニャさんはショックのようだった。
「ゴリラってこういう匂いがするんですか!?」
きららはなぜかゴリラという言葉に興味津々であった。
「なるほど、しかしなんで私が唯に負けたら唯の姿が元に戻るんだ?」
「わかんない・・・」
とりあえずみんな一先ず落ち着いて、私の事情を説明することができた。
「ほら、きっと暗殺者パワーって奴だよ」
「ソーニャちゃんの暗殺者パワーわけて〜」
「・・・やっぱり唯も苦労しているようだな」
ソーニャさんはゆずこと縁を見て、アタシが2人に振り回されていることを察したようだ。前に出会ったとき、ソーニャさんと私は似ていると思ったが・・・。
「は!きっとあれだよ、唯ちゃんは実は前ソーニャちゃんが言っていたターニャちゃんで・・・」
「あれは嘘だと言ったろ?」
ターニャって一体誰なんだ?やすなさんを見ると、確かに苦労しそうであった。
「よし!唯ちゃん私の敵をうって!怪獣みたいな姿になっているからソーニャちゃんの倍は強いはず!!」
やすなさんはさっきソーニャさんにやられたことを根に持っていたようであった。
「唯ゴンヌvsソーニャちゃんだね!」
「怪獣映画か!」
縁に唯ゴンヌなんてセンスのなさすぎるネーミングを付けられるのは、死んでもいやだなあ・・・。
「さあ、アクション!!」
ゆずこはなぜか持っていたカチンコを鳴らした。(後から聞いた話だが、やすなさんに借りてもらったらしい。あの人は一体どんなものを買っているんだ?)
「ええと、とりあえずすみません・・・」
アタシは黄色くなった右腕でソーニャさんを軽く押した。
「ぐわああああ!やられたあ!」
ソーニャさんは仰々しい動きをして倒れた。
「ああ、これは八百長臭いというか八百長だねえ」
「八百屋さん?今度調べてみる?」
ゆずこの八百長という言葉に、縁は情報検索部の部長っぽい提案をした。
「ちょっとちょっと唯ちゃん!もっとマジでやってよ!そんな生半可な戦いじゃ元に戻るわけないよ」
やすなさんが私に抗議をした。うわあ・・・他力本願だなあ・・・。
「うう、なんだか気持ち悪い・・・」
突然私は急にお腹が痛くなった。
「唯ちゃん、大丈夫?酔った」
「酔ってないわ・・・」
こんな時でもゆずこに突っ込んでしまう。
「うう・・・もうだめだ・・・」
私は盛大に食べていたコインを吐きだした。コインが落ちるときの独特な音が辺りに響く。
「うひゃあ!ソーニャちゃん大量のコインだよ!!これは誰にも渡さないよ!」
やすなさんが落ちたコインを、地べたに這いながらネコババしまくっていた。ソーニャさんはやすなさんを哀れな者を見るかのような目で見ていた。
「良かった・・・呪いは解けたみたいですね・・・」
きららにそういわれて、アタシは人間に戻ったことに気が付いた。
「ああ、ホッとしたよ・・・」
「でももうちょい唯ゴンヌのままでいてほしかった気もするな〜」
「うん、ちょっとかわいかったからね〜」
ゆずこと縁にかわいいといわれて、少しだけ嬉しかった。
「確かに、唯ゴンヌ様もなかなかお美しい姿でした・・・!」
ランプは怪獣になった姿のアタシも好きだったみたいだ。さすがである。
「きゃああああああ!!?やすなさんが!!」
きららが悲鳴をあげ、アタシらはやすなさんの方を見てみた。
「あれ・・・?なんで私が怪獣に?」
なんと今度はやすなさんが、さっきまでの私と同じような姿をしているじゃないか!
「きっとあれだ、お前がさっき散らばったコインを盗んだからだ。お前にはぴったりの姿だ」
「嘘でしょ!?あ、ソーニャちゃんを倒せば元に戻るんだよね!よし勝負しぐほぉ!!」
やすなさんは台詞を最後まで言わせてもらえずパンチ一発で沈んでしまった。
それからやすなさんは何度も怪獣の姿でソーニャさんに挑んでいったが、未だに勝って戻ることができていないらしい・・・。
これでこのssは以上です。読んでいただきありがとうございました。
おおまかなストーリーも『ウルトラQ』第15話「カネゴンの繭」に沿ったものですが、なんだか妙に記憶に残っています。
今までに書いてきた、主なクロスss
『黒いお姉ちゃ』
『ご注文はうさぎですか?』と『棺担ぎのクロ。』
http://kirarabbs.com/index.cgi?read=1754&ukey=0&log=past
『96足す963』
『がっこうぐらし!』と『棺担ぎのクロ。』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=1904&ukey=0
『夢胡会』
『がっこうぐらし!』と『夢喰いメリー』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=2276&ukey=0
ツッコミどころしかない(誉め言葉)中、元ネタがあったりノリがそれっぽかったりで良かったです
やすながソーニャを倒すのは無理ゲーな気がするんだが、やすなは元に戻れるのだろうか……。
ソーニャはやすなと標的以外には、本気で〇るような真似はしないという一面が現れていますね(〇すつもりで攻撃してもやすなは平気だというギャグアーマー持ち)
良い作品でした。(第17作への感想レスもお礼申し上げます)
>>18
感想ありがとうございました。
ソーニャもやすなも他のクリエメイトに対しては普通に接するみたいなので。
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