バッファローマン「そうだ!納得いかねーぜ!」
ブロッケンJr.「俺たちは巽屋代表の十番占だ!間違いなく受験資格があるはずだぜ!」
ザ・ニンジャ「茶屋内の予選を勝ち抜いて、時江先生にも認められている!」
アシュラマン「どういうことなのか説明しろ!」
試験官「えーっと、ですから……」
臣「みんなの言う通りよ。これまで試験のために必死に頑張ってきたのに、試験を受けることもできないなんて……」
うらら迷路帖のSSです。一部原作には本来登場しないキャラクターが出てきますが許してください。
数ヶ月前
私の名前は二条臣。
私の実家二条家は古くから続く由緒正しい名家、なのだが最近は没落し生活費を稼ぐために家族全員で内職に励むほど生活は困窮している。
そんな生活に終止符を打つべく私はうららになることにした。
優れたうららになれば地位も名誉も、何よりお金が手に入る。
兄弟達に見送られながら旅立った私は、うららたちの集まる町、迷路町に向かった。
優秀なうららを多く輩出している名門茶屋の巽屋に入門し、修行することになった私は早く一人前になれるように必死に修行し、その結果同期の中でずば抜けた成績を残している。
だけど……
他のうらら「ワイワイガヤガヤ」ワイワイガヤガヤ
臣「……」ポツーン
いまだに友達ができていない
臣「修行に夢中になり過ぎて友だちを作る機会を完全に逸してしまった。しかもなんか孤高の天才うららみたいな余計なレッテル貼られてるみたいで、みんなに敬遠されてる」
臣「別に私は天才なんかじゃないのに……なんでこんなことに」
臣「でも考えようによってはこれでよかったのかも。うららはみんなライバルなんだから余計な馴れ合いは不要」
臣「一匹狼、もとい一人臣でも私は大丈夫……」
時江「本当にそうかしら?」ヌッ
臣「と、時江先生!?」
時江「独り言は全部聞かせてもらったわ。ずいぶんと悩んでるみたいね」
臣「別に悩んでませんよ。友達がいなくても私はやっていけますから」
時江「そう。無理して友達を作ることはないけれど、十番占九番占の頃の仲間っていうのは結構特別な存在なのよ。私もそうだった」
臣「先生……」
時江「仲間、友だち、ライバル、馴れ合い。そういう言葉じゃ言い表せない存在になるの」
臣「でももう私はいいです。みんな私から距離をとってるみたいだし、今さら……」
時江「こういうことは遅いも早いもないわ。何かちょっとしたきっかけがあれば距離は縮まるものよ」
臣「そう、ですか」
時江(この子はうららとしての実力は申し分ないけど、こういうところはまだまだ未熟ね。師匠の私が一肌脱がないと)
明くる日の授業
時江「今日の授業は班を作って行います。みなさん5人1組の班を作ってください」
名もなきうららその1(二条さんが余ってる。けど一緒の班になったら足を引っ張っちゃいそうだし)コソコソ
名もなきうららその2(二条さん…成績優秀な彼女に私なんかが近づいたら迷惑よね)タイサンタイサン
臣(まあ、こうなるとはわかってたし。別に私は一人でも…)
???「おい!お前!」
臣「え?」
⁇?「こっち班に入らねえか?まだ4人しかいなくて一人たりねぇんだ」
臣「えーと、あなたは?」
???「おいおい、もう入門して数ヶ月経つっていうのにオレの名前覚えてねえのか。まあ、巽屋は人が多いから仕方ないか」
バッファローマン「オレの名前はバッファローマンだ。お前は二条臣だったよな」
臣「え、ええ」
臣(ずいぶんと大きな人だ。頭にツノも生えてるし)
バッファローマン「おーい、一人連れてきたぞ!」
ブロッケンJr.「これで5人揃ったな」
臣(軍人みたいな格好をしてる)
ザ・ニンジャ「たしか二条臣だったな。よろしく頼む」
臣(こっちは忍者だ)
アシュラマン「カーカッカッカ!」
臣(この人腕が六本もある)
臣(みんななんというかその……)
時江「班分けは済んだようですね。ではまず教科書の38頁を開いてください」
バッファローマン「えーっと、38頁っと…」ビリっ!
バッファローマン「あ!教科書が破れちまった!」
ブロッケンJr.「おいおい、何回目だよそれ。いくら1000万パワーの馬鹿力と言っても教科書破りすぎだろ……あ」スパーン!
ブロッケンJr.「やべえ!ベルリンの赤い雨発動してたから教科書が真っ二つに!」
ザ・ニンジャ「全くお主らは何を馬鹿なことを…あ」ボゥ!
ザ・ニンジャ「しまった、忍術で指から火を出したままだったから教科書が黒コゲに!」
時江「こら!そこの班何やってるの!」
アシュラマン「おい!お前らのせいで先生に怒られちまったじゃねーか!」
臣(なんだか面白い人達だな)クスッ
時江(………)
後日
時江「突然ですが宿舎の部屋替えを行います」
名もなきうららその1「えーどうしてですか?」
時江「宿舎の一部の部屋が老朽化してるから修理することになったの。だから残った使える部屋にみんなを振り分けることになったわ。今まで四人一部屋だったところを五人で使ってもらうことになるから狭くなるけど我慢してね」
臣(部屋替えが、まあ私は部屋が変わっても関係ないし)
臣「私の新しい部屋は……あそこだわ」
臣「失礼します」ガラガラー
バッファローマン「ん?」
ブロッケンJr.「お前は?」
ザ・ニンジャ「この間の?」
アシュラマン「最後の一人はお前か」
臣「あなた達はこの間の!?」
バッファローマン「なんだか最近縁があるみてぇだな。まあ、これからよろしく頼むぜ」
臣「ええ、これからどうかお見知り置きを……」
ブロッケンJr.「おいおい、なんだか堅苦しいぞ。肩の力抜けよ同期の仲間なんだからよ」
臣「な、仲間?」
ザ・ニンジャ「それはそうだろう」
アシュラマン「ライバルでもあるが、まあ今は仲間ということでいいんじゃないか?」
バッファローマン「ま、とりあえず仲良くやっていこうぜ」
臣「あ、ありがとう」
時江「……うふふ」
臣「そういえば、バッファローマンは何占いをするの?」
バッファローマン「オレの占い?オレの得意な占いはツノ占いだ」
臣「ツノ占い!?」
バッファローマン「どんな占いかっていうと……まあ見てもらった方が早いな。ついてこいよ」
巽屋の中庭
バッファローマン「こいつがオレの占物だ」デデーン
臣「何!?そのボロボロのカカシみたいな物!」
バッファローマン「まあ見てな。今からこれを使って臣の未来を占ってやるぜ!」
バッファローマン「いくぜ!ハリケーンミキサー!」
臣「あーっと!!バッファローマンがカカシに向かって突進していく〜」
バッファローマン「オラ!!」ドン!
臣「バッファローマンがカカシに激突!カカシが空中に舞い上がった〜」
バッファローマン「オラオラオラ!」
臣「落ちてきたカカシにツノで攻撃!!回転を加えてさらに上空へ!」
バッファローマン「一発!二発!」
ノノ「散髪〜」シャキンシャキン
千矢「いや〜!!」
バッファローマン「四発!!」ドッシャーン!!
臣「カカシが落下!地面にめり込んだー!!」
バッファローマン「こうして落ちてきたカカシの角度やめり込んだ深さを見て占うんだ。ふむ、近い将来臣に水難が降りかかると出ている。多分にわか雨か何かだろう。出かけるなら傘を持って行った方がいいぜ」
臣「え、ええ」
ブロッケンJr.「オレの占いは手刀占いだ」
臣「全然知らないわ」
ブロッケンJr.「まあなんでもいいんだが今日はこの柿を使うか。いくぜ!ベルリンの赤い雨!!」スッパーン!!
柿「」ゴト
臣「柿が横一文字に綺麗に切れた!なんで切れ味なの」
ブロッケンJr.「こうして切れた果物の切り口とか種の位置を見て占うんだ。うーん、どうやらにわか雨が降るようだ。出かけるなら傘を持って行った方がいいな」
臣「え、ええ」
ザ・ニンジャ「何?拙者の占いが見たい?拙者の占いは……」
臣「きっと炎を使うんでしょうね」
ザ・ニンジャ「ん?よくわかったな。拙者の占いは焦熱占いだ」
ザ・ニンジャ「まず黒い提灯を用意し、火をつける!くらえ焦熱地獄!」ボゥ!!
臣「口から火が出た!」
ザ・ニンジャ「そして焼け残った提灯を見て占うという……」
臣「ねえザ・ニンジャ」
ザ・ニンジャ「なんだ?」
臣「これって巽屋で修行し始めた頃に習った流れ星占いとほぼ一緒じゃ……」
ザ・ニンジャ「こういうのは言ったもの勝ちだ。焦熱占いなんて言ったら何か凄そうだし、派手で客受けもいい。しかしなかなか当たるのだぞ」
臣「確かに客受けの良さは大事だけど……」
ザ・ニンジャ「それはそうと臣に水難が降りかかると出ている。にわか雨が降るかもしれないから出かけるなら傘を忘れないようにな」
臣「あ、どうもありがとう」
アシュラマン「オレの占いはアシュラ(トリプル)占いだ」
臣「とりぷる?」
アシュラマン「ああ、早速見せてやろう!アシュラ占い!」
臣「な、六本の腕を生かして水晶占いとタロット占い、そしてこっくりさんを同時に行なっている!!」
アシュラマン「ふー、出たぜ結果」
臣「余計なお世話かもしれないけど、一つでいいんじゃ」
アシュラマン「これは三つの占いの結果を分析してより細かい結果を出すのを目的とした占いだ。ふむ、雨降り二つに晴れが一つ、晴れのちにわか雨ってとこだろう、出かけるなら傘を持って行けよ」
臣(また、にわか雨って、本当かしら)
時江「あら、臣さん。ちょうどよかったわ。実はお使いを頼みたいの、町の知り合いのところにこれを届けて欲しいのだけど」
臣「わかりました。行ってきます」
時江「ありがとう。それと、新しい同居人とはうまくやっているかしら」
臣「え、それは普通ですが」
時江「でもあなた前より毎日楽しそうよ」
臣「そ、そうでしょうか?じゃあお使い早いとこ行ってきます」ダッ
臣(そういえば、にわか雨が降るって言ってたような。こんなに晴れてるし、それに傘を持っていったらなんか負けた気がする)
おつかい終了
臣「無事届け物も済んだし、雨も降ってないわ」
臣「やっぱりハズ……」
ザーーーーーー!!!!!!!!!!!!
町人A「うわあ!!雨だ!!!」
町人B「雲ひとつなかったのにー」
臣「」
臣「…ただいま」
バッファローマン「おお、臣。遅かったな、ってずぶ濡れじゃねーか」
ブロッケンJr.「傘持って行けって言ったのに忘れたのか?」
アシュラマン「カーカッカッカ!ドジなやつだな」
臣「…す」
ザ・ニンジャ「す?」
臣「すみません!実力を侮っていましたー!!」ドゲサー
寝室にて
バッファローマン「zzz」グカー
ブロッケンJr.「zzz」スピー
ザ・ニンジャ「zzz」ゴゴゴー
アシュラマン「zzz」バゴアバゴア
臣「zzz ん?ここは夢の中?あ、あんなところに大きなビフテキが!」
ビフテキデーン!
臣「どうせ夢なら食べなきゃ損よね。いただきまーす!」ガブ!
臣「zzz」ガブ!
バッファローマン「いっ!痛てー!!」
ブロッケンJr.「ん?どうしたバッファローマン?」
アシュラマン「うるせーぞ!」
ザ・ニンジャ「何事だ!」
バッファローマン「臣が寝ぼけてオレの腹に噛みつきやがった!!
臣「うーん、ビフテキ固い。むにゃむにゃ」ガブガブ
ブロッケンJr.「あはははははは!!」
ザ・ニンジャ「ブッ!!バッファローマンのことを牛のステーキか何かだと思っているようだな」
アシュラマン「確かに牛だからな、こりゃ傑作だ!カーカッカッカ!」
バッファローマン「笑ってないで、誰かこいつを叩き起こせ!!」
授業中
時江「では本日は手相占いの勉強をします。隣の席の人の右手を見て占ってみましょう」
臣「アシュラマン。右手を見せて」
アシュラマン「右手?どの右手だ?」←右手が三本ある
臣「ブッ!せ、先生こんな時はどうすれば……」
時江「と、特殊な例すぎて教科書にも載ってないわ」
巽屋裏庭にて
時江「臣さん、ブロッケンJr.さん。悪いけど裏庭の雑草を刈ってくれませんか?」
臣&ブロッケン「わかりました!」
ブロッケンJr.「鎌で雑草を刈るって結構面倒だな」
臣「そうね、体力使うわ」
ブロッケンJr.「オレならベルリンの赤い雨を使った方が早いな!」スパン!スパン!
臣「あ、ずるい!」
ブロッケンJr.「悔しいならお前も使えばいいだろ?」
臣「そんなのできるわけ……」
1時間後
ブロッケンJr.「お、なかなかうまいじゃねーか」スパン!スパン!
臣「見様見真似でやってみたらなんとかなっちゃったわ」スパン!スパン!
臣たちの部屋
バッファローマン「これより第五回プロレス大会を、はじめる。ルールはバトルロイヤル形式で最後まで生き残った奴の勝ちだ!」
ブロッケンJr.「いくぜ!ハンブルクの黒い霧!」
アシュラマン「なんの!竜巻地獄!」
バッファローマン「お、ニンジャが油断してるぜ!くらえ!バッファローハンマー!」
ザ・ニンジャ「読んでいたぞ!順逆自在の術!」
バッファローマン「ぐあ!」
臣「今よ!臣キッズ魚雷!」
ザ・ニンジャ「ぐあ!な、なかなか効いたぞ、臣」
バッファローマン「やるじゃねーか、臣」
ワイワイガヤガヤ!
時江「コラ!今何時だと思ってるの!!」
バッファローマン「やべえ!先生だ」
臣「zzz」スースー
ブロッケンJr.「あ、こいつ寝やがった!一人だけ怒られないようにする気だ!」
ザ・ニンジャ「狸寝入りだろ!さっさと起きろ!」
アシュラマン「やい卑怯だぞ!この野郎!」
臣「……ふふふ」
時江(この子も楽しくやってるみたいね。よかったわ。でも罰は受けてもらうわよ臣さん♪)
そして楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
時江「もうすぐ九番占選抜試験です。しかし、知っているとは思いますがこの巽屋の中から本試験に進めるのは、巽屋内の予選を勝ち抜いた1チームのみです」
臣「全員受験できるわけじゃないなんて、厳しい試験ね」
ブロッケンJr.「ああ、全くだ」
時江「ではみなさん。予選に向けて4、5人のチームを組んでください。もし自信があるならチームを組まず一人で試験を受けても構いませんよ」
名もなきうららその1「ねーチーム組もう!」
名もなきうららその2「うん!いいよ!」
臣「・・・・・・」
臣「どんどんチームが決まっていく…私は」
ブロッケンJr.「おい、臣!何ぼーっとしてんだ」
臣「え?」
バッファローマン「来いよ!さっさとチーム組もうぜ!」
臣「え?私と組んでくれるの?」
アシュラマン「カーッカッカ!何を寝惚けた事言ってるのだ。当たり前だろ」
ザ・ニンジャ「臣、お主がチームにいてくれたら拙者も心強い」
バッファローマン「臣がいてくれりゃあ100人力、いや1000万人力だ」
ブロッケンJr.「いっそ臣がキャプテンってことでもいいくらいだぜ」
臣「み、みんな!」グズン
バッファローマン「おいおい、何泣いてんだよ!試験合格どころかまだ予選も始まってないっていうのに」
臣「そうね……絶対にみんなで九番占になりましょう!」
みんな「おう!キャプテン!」
そして予選が始まった
バッファローマン「超人十字架落とし!」
ブロッケンJr.「ブレーメンサンセット!」
ザ・ニンジャ「忍法業火羽輪の術!」
アシュラマン「アシュラ稲綱落とし!」
臣「ナパームストレッチ!!!!」
臣チームはライバルチームを次々に撃破し、ついに巽屋代表となったのであった。
臣チームの各メンバーの実力、そしてそのチームワークは凄まじく、誰もが本試験の合格を確信していた。
しかし、本試験当日事件は起きてしまう。
臣「私たちが九番占選抜本試験を受けることができないってどういうことですか?!」
バッファローマン「そうだ!納得いかねーぜ!」
ブロッケンJr.「俺たちは巽屋代表の十番占だ!間違いなく受験資格があるはずだぜ!」
ザ・ニンジャ「茶屋内の予選を勝ち抜いて、時江先生にも認められている!」
アシュラマン「どういうことなのか説明しろ!」
試験官「えーっと、ですから……」
臣「みんなの言う通りよ。これまで試験のために必死に頑張ってきたのに、試験を受けることもできないなんて……」
時江「その事については、私が説明します」
バッファローマン「せ、先生!いったいこれはどういう事なんだ?!」
時江「みなさんには申し訳ないことをしました。実は今日になってあなたたち、正確には臣さんを除いた四名は受験の資格がないことが判明したのです」
臣チーム「な、なんだってー!!」
時江「四人が受験できない理由は二つあります」
臣「ふ、二つも?」
時江「一つは臣さんを除いた四名が男性であるということ。知っての通り男性はうららになれません」
ブロッケンJr.「そ、そういえばそうだ」
臣「でも!でもバッファローマンたちは超人じゃない!人間の男性はダメかもしれないけど超人の男性がうららになれないっていう決まりはないはずよ!」
アシュラマン「そ、そうだそうだ!」
時江「そして、二つ目の理由。それは……この試験がそもそも人間のうららのための試験だということです!」
臣チーム「な、なにー!!!!!!!」
時江「この試験は超人は管轄外なのです!」
バッファローマン「なんだってそれじゃ試験受けられねーじゃねーか!」
ブロッケンJr.「オレは一応ドクロの徽章を外せば人間に戻れるけど、それじゃあ人間の男になっちまう」
ザ・ニンジャ「完全に盲点だった……不覚!」
アシュラマン「ふっ、このオレも完全にお手上げだな」
臣「そ、そんなことって……」
時江「残念だけどこれは仕方のないこと……」
臣「わかりました。なら私試験受けません」
時江「な!?」
ブロッケンJr.「キャプテン!?」
臣「みんなで九番占になるって約束したんです。私一人だけが試験を受けるわけには……」
バッファローマン「バカヤロウ!!」
臣「!?」
バッファローマン「お前には二条家再興っていう夢があるだろうが!こんなところで足踏みしてる暇はねえだろ!」
ブロッケンJr.「そうだオレたちには構うな」
アシュラマン「せめてお前だけでも」
ザ・ニンジャ「九番占になってくれ!」
臣「そ、そんな……」
臣「……みんなの嘘つき!一緒に九番占になろうって約束したのに!チームを組んでくれるって言ったのに!」
ブロッケンJr.「キャ、キャプテン!」
臣「もういいわ。もう仲間なんていらない!そもそも試験は私の一人の力で十分よ!バッファローマンもブロッケンJr.も、みんなみんな大嫌い!」ダッ!
バッファローマン「ま、待てー!!」
ブロッケンJr.「行っちまった……」
ザ・ニンジャ「すまんキャプテン。力になれない拙者たちを許してくれ……」
アシュラマン「だか心配だ。いつもなら一人でも十分合格できるだろうが……」
バッファローマン「ああ、あんな精神状態じゃ占えるものも占えなくなるぜ」
時江「本当にあなたたちには申し訳ないことをしました。ごめんなさい」
ブロッケンJr.「いや、俺たちのことはもういいんだ。それより俺たち試験が終わるまでここで待っていていいか?力にはなれなくても少しでも近くにいてやりたいんだ」
時江「もちろん構いません。試験の様子はあそこに生えているモニターに映し出されています。あれを見ながら応援してあげてください」
時江「試験官の巽時江です。今回の試験は……」
臣(今回の試験課題は地下迷宮大蛇の胃袋に隠された『矢』を見つけ出して脱出すること)
臣(参加チーム10組に対して矢は3本しか隠されていない。しかも迷宮内は試験官うららたちの仕掛けた罠が満載で、試験管も受験者を捕まえる鬼となって迷宮内に潜んでいる)
臣(そもそも迷宮自体が試験官でも把握しきれていないほど広く入り組んでいるんだから九番占試験とはいえ難易度は高い)
臣(でも私ならできる!)
実況試験官「ではいよいよ始まります!九番占選抜試験!今回も注目のうらら達が多数参加しております!占物を質に入れてでも見ておきたい一戦です!」
こうして試験始まった。
実況試験官「あーっと!試験開始直後に眠り始めたのは巽屋の二条臣!夢占いを得意とする天才うららだ!」
臣(わかった!)パチリ
実況試験官「目を覚ました!まさかもう占いが完了したのか?」
臣(こっちの道!罠が一番多いけど矢が一番近くにある!)ダッ!
実況試験官「走り出した!」
バッファローマン「臣……」
大蛇の胃袋内
臣「こっちに落とし穴!こっちはタライが落ちてくる!」
スカッ!スカッ!
臣「そしてこっちには鬼……」
ニナ試験官「キャー!」ドテッ!
臣「……は転ぶから気にしなくてもいい!」
実況試験官「おっーと!流石です!次々と罠を潜り抜けていきます!」
臣「あった!矢!」
実況試験官「いったー!!最初に矢を見つけたのは二条臣だー!!」
臣「……やっぱり私一人で十分だったわ。早くここから出ないと……」
スボッ!
臣「きゃ!」
実況試験官「おっーと!二条臣!落とし穴にハマってしまった!」
大蛇の胃袋外
バッファローマン「臣!」
ブロッケンJr.「クソ!こんな時に何もしてやれないなんて!」
???「どうやらお困りのようだな」
バッファローマン「ん?誰だ!……っておめえは?」
ブロッケンJr.「あんた!なんでここに!?」
???「ちょっと修行の途中で迷路町に寄ってみたら、まさかお前たちに会えるとはな。とはいえゆっくり話をしている暇はなさそうだ。私が少し力を貸そう」
大蛇の胃袋内
臣「う!体がぬけない!」
実況試験官「落とし穴にはまり下半身がスッポリと穴にハマってしまった!」
臣(こんなときバッファローマンたちがいたら……一人でも大丈夫なんて嘘だ)
臣(一人ぼっちの私はこんなにも弱い。でももう私には仲間はいないんだ)
臣(もう、九番占にはなれないかもしれない)
バッファ・ブロッケン・アシュラ・ニンジャ「諦めるな!」
臣「!?どうしてみんながここに!?私は幻でも見ているの」
バッファローマン「幻じゃあねえ!まあ、似たようなもんだがな」
ブロッケンJr.「さっき知り合いのラーメンマンが通りかかってな。彼の持っていた霊界ポケットで一時的に幽体になってるんだ」
ザ・ニンジャ「お陰で何にも邪魔されずにここまで来れたというわけだ」
臣「ラーメンマン?霊界ポケット?言葉の意味はよくわからないけど要するに一時的に幽霊みたいになっているってこと?」
アシュラマン「その通り、さすが話が早い」
バッファローマン「と、言ってもな。オレたちは手を貸しに来たわけでもアドバイスをしに来たわけでもない」
ブロッケンJr.「第一そんなことしたら反則になるからな」
ザ・ニンジャ「拙者たちが来た理由はただ一つ」
アシュラマン「これを見せるためだ!」
↑の画像の右上の人は忍法顔写しで化けているザ・ニンジャです
臣「こ、これは激励の陣形!!み、みんなごめんなさい!私は……」
バッファローマン「それ以上は言うな」
ブロッケンJr.「わかっている」
ザ・ニンジャ「言葉を交わさなくても」
アシュラマン「我々は繋がっている!」
臣(私はなんでバカだったんだろう。私は一人なんかじゃない。一緒に試験を受けられなくったって。私たちは友情で繋がっている!)ボゥ!!
臣「バッファローマン!ブロッケンJr.!ザ・ニンジャ!アシュラマン!みんなの為にも私は!必ず合格する!うおおおおお!!火事場のクソ力!!!」ピカー!!
実況試験官「おっと!なんということでしょう!二条臣の体が突然光り、強引に穴から脱出したぞ!」
臣「うおおおお!」
実況試験官「早い早い!韋駄天の如く走り出した!同時に罠も華麗に掻い潜っていく!これは史上最速記録樹立か?」
臣「いけえええ!」ガチャ!
実況試験官「やりました!巽屋の二条臣!合格一番乗り!なんと史上最速での合格です!」
臣「や、やったわ」
実況試験官「続いて、一番乗りから大分時間が経過したものの、二番めに合格したのは吉田屋の三人組だ!数度にわたる不合格を乗り越え、悲願の九番占試験合格!よく戦いました!」
実況試験官「試験終了間際にゴールしたのは棗屋の個性豊かな四人組!一発合格です!お見事!」
時江「よくやりましたね。臣さん」
臣「先生ありがとうございます。さっきはすみませんでした」
時江「いえ、あれは私の不手際でした。謝るのは私の方です」
臣「それで、バッファローマン達はどこに?さっきから探しているんですが……」
時江「それが……彼らはあなたの合格を見届けると同時に……迷路町を去りました」
臣「な、何ですって!?」
時江「この手紙を渡してほしいと頼まれています」
臣「これは、バッファローマンの字」ペラッ
オレたちのキャプテンへ
よお、合格おめでとう!
見事だったぜ、さすがオレたちのキャプテンだ
それでオレたちのことなんだが、迷路町を去ることにした
このままいても一番占にはなれないからな
だかうららの道を諦めたわけじゃねえ
オレたちはオレたちの方法でうららを目指そうと思う
いつか必ず立派な超人うららになってみせる!
全員が一人前のうららになったとき、また必ず会おう!
バッファローマン、ブロッケンJr.、ザ・ニンジャ、アシュラマンより
臣「みんな……わかったわ。また……必ず会いましょう!」
九番占二条臣、彼女のうららとしての物語はまだ始まったばかりである。
終わり
超人うららってなんだよ…
というか超人を十番うらにできるなら試験受けれたんじゃ
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