紺 「千矢...?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ
[Attention!]
この作品は『うらら迷路帖』を題材としたSSです。
あくまで上記原作とは一切無関係な所謂二次創作 (或は三次創作) です。
創作の関係上、大いに独自設定 ・ 捏造 ・ 原作を逸脱した点が存在します。
特に、紺ちゃんがSBTK (嫉妬深い巽紺) と化しています。
時系列的には、なつみ屋が成立した後のお話です。原作のアニメ化範囲外のネタバレを含んでいますので、閲覧の際はご注意を。
書き溜めありです。と言うより、既に最後まで完成しています。
最後に、私ははりかも先生の新作がきららに連載される日を、末永く待ち焦がれています。あの世界観が大好きなんだァ...。
以上の点を了承してくださる方は、どうかお付き合いください。
千矢 「なんでー? ぺろぺろは親愛の印だよー? ぺろぺろ」
臣 「だ、だからぁ... 舐めていいとこと駄目なとこがぁ...」
千矢 「でも、ここお耳だよ? 変なところじゃないって。ぺろぺろ」
臣 「あっ、やっ、はげしいぃぃっ!!」 ビクンビクン
紺 (何よこれ、浮気現場!? あんなに乱れちゃって...) キリキリキリキリ
紺 (あ、どうもこんにちは。巽紺です。今日は出掛けたふりをして、こっそりなつみ屋に戻ってきました。そしたらこの有様です)
お狐様 (ま、本当はお財布忘れたから戻ってきただけじゃけどな) コォォン
紺 (やめてお狐様、真相をバラさないで。ていうか勝手に出てこないで)
紺 (...さて、気を取り直して...いや、取り直したくなかったんだったわ)
紺 (もう、信じられない! わたしという女がありながら、臣に浮気するなんて... もうこれはお仕置き確定ね。うふふふふふ♪♪) ハイライトオフ
お狐様 (おぉこわいこわい)
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お狐様 (なぁ紺よ。ところで、先程まで誰と話していたんじゃ? 適当に話にノッただけで、妾には相手の姿が見えなかったのじゃが...)
紺 (... あれ? わたし、誰に状況説明してたんだろ...?)
お狐様 「」
紺 「」
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千矢 「えへへ。やりすぎちゃった」
臣 「」 ピクピク
千矢 「臣、どうだった?」
臣 「... 責任、取ってよね」
千矢 「へ?」
臣 「わたしをこんなにした責任。高く付くわよ」
千矢 「うぇぇっ!? お、お金とかあんまり持ってないよぉ」
臣 「違うわよ。別にお金じゃない」
千矢 「おぉ、臣にしては珍しい」
臣 「その代わりに今度... そ、その... い、一緒にお出掛けとか、してほしいなって...///」
千矢 「うんっ、いいよ! それくらいお安い御用だよ!!」
臣 「...///」
紺 「... 呪ってやる」 ボソリ
お狐様 (そういう滅多なことを言うんじゃあない。臣はお主の友達じゃろうに)
紺 (わかってるもん。だけど、あんなに千矢といちゃいちゃして... どんな手を使って千矢を籠絡したのかしら)
お狐様 (妾には、臣の方が千矢の虜にされたように見えたが)
臣 「...」 ピタッ
千矢 「臣? どーしたの、わたしにぴったりくっついて」
臣 「ちょ、ちょっと寒いから千矢の熱を貰おうと思っただけよ、他意はないわ」
千矢 「そっか。じゃあ、こうしたらもっとあったかいよ!」 ギュッ
臣 「ひゃっ」 ピクッ
千矢 「ね、ぽかぽかでしょ?」 ギューッ
臣 「そ、そうね.../// ちょっと暑いくらいかしら...///」 カァァッ
千矢 「えっ、暑い? わたし、離れた方がいいかな?」 パッ
臣 「ぁ...」 シュン
臣 「...」 ガシッ
千矢 「 ... 臣...?」
臣 「やだ。離れないで」 ギュッ
千矢 「...うん、わかった」 ギュッ
臣 「///」 ギューッ
紺 (... お狐様)
お狐様 (嫌じゃ)
紺 (まだ何も言ってないじゃない)
お狐様 (どうせろくなことにならん、聞くに値せんわ)
紺 (勝手に決めつけないで?)
お狐様 (ならば言うてみぃ。妾に何をさせようとしていたのか)
紺 (千矢か臣に催眠掛けて、この状況を終わらせてほしい)
お狐様 (ほれ見たことか、やはりろくでもない邪念ではないか)
紺 (千矢に掛けて本当の運命の相手を思い出させてもいいし、臣に掛けて千矢に抱いてる間違った感情を正させてもいいわ)
お狐様 (傲慢すぎる)
紺 (どっちならやってくれる? むしろ両方でもいいわよ)
お狐様 (だから妾はやらんと言うとるじゃろうが)
臣 「zzz...」
千矢 「寝ちゃった。疲れてたのかな? よしよし」 ナデナデ
臣 「...♪」 ニコッ
千矢 「どんな夢見てるんだろ? きっと楽しい夢なんだろうなぁ」
千矢 「あ、それとも夢占いかな? それはそれで、何を占ってるのか気になるよ」
千矢 「...」 スッ ← 水晶玉を取り出す
千矢 「... やめとこ。後で本人に訊けば事足りるよね」 チラッ
臣 「えへへぇ... ちやぁ... zzz...」
千矢 「... わたしも眠くなってきた...ふぁぁぁ」
千矢 「おやすみぃ...zzz」
紺 「...」 スッ ← 水晶玉を取り出す
お狐様 (お主、いよいよ手段を選ばなくなってきたな)
紺 (お狐様が非協力的なのが悪いのよ、文句言うなら力貸してよ)
お狐様 (妾の力を何だと思っとるのだ)
紺 (畏み畏み...)
お狐様 (祝詞を唱え始めたぞ、こやつ本気じゃな)
紺 (... アレ? ちゃんと唱えたのに何も映らない)
お狐様 (しかも失敗しとるし)
紺 (やっぱり母様や千矢のように巧くはいかないか。ということで協力して)
お狐様 (嫌じゃ)
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紺 「結局、耐えきれなくなって逃げ出してきちゃった」
お狐様 (お主、意外と純情 (ぴゅあぴゅあ) じゃしのぉ)
紺 (ふんっ! 今のわたしは悪い子だもん、不良女狐だもんっ!!)
お狐様 (根っからの優等生が何か言うておるわ)
紺 (うぅ...)
??? 「紺? どうしたのよ、そんなしょぼくれて」
??? 「紺ちゃん大丈夫?」
紺 「あ、小梅にノノ...」
小梅 「具合でも悪いの? 見た感じ特に具合が悪そうには見えないけど」
紺 「あ、ううん。別になんでもないわよ」
小梅 「無理してる人に限ってそういうこと言うのよね、あたし知ってる」
ノノ 「紺ちゃん、わたしたちでよければ力になるよ」
紺 「... わかった。話す。実はね...」
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小梅 「えぇー!? 千矢と臣が... むぐっ、もがもが」 バタバタ
紺 「ちょ、静かに。わたしだってとても信じられないわよ」
ノノ 「でも、実際に目撃しちゃったってことはやっぱり...」
紺 「そうよね、きっと千矢は、臣と結ばれて...」
小梅 「うーん、それはちょっと論理が飛躍してないかしら」
紺 「...」
小梅 「... 紺?」
ノノ 「紺ちゃん?」
紺 「... 決闘よ」
小梅 「は?」
紺 「決闘を申し込むッ!! 臣にッ!! 千矢を賭けてッ!!」 ドーーン
ノノ 「紺ちゃん、何言ってんのさ...」
お狐様 (出たの、妙なところで変に思い切りの良い紺の性格が)
お狐様 (因みに、本来決闘は犯罪じゃ。お主らは決して真似しないように。お狐様とのお約束じゃよ☆)
お狐様 (... あれ? 妾は誰と話しておるんじゃ?)
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紺 「ということで... 臣、いざ尋常に勝負ッ!!」 バァァァァン
臣 「」
千矢 「あ、紺! 元気?」
紺 「うんっ、元気よ☆」 キュルルン
小梅 (お、正気を取り戻したか?)
臣 (こっそり逃げよう...) コソコソ
紺 「さぁ、臣をおしおきしなきゃねー」 ハイライトオフ
臣 「」
小梅 (駄目だったか...。臣、せめて骨は拾ってあげるわ)
ノノ (なにこれ)
臣 「わ、わたし何かした!? ねぇ、心当たりないんだけど!?」
紺 「ふーん... そんなこと言っちゃうんだぁ... ふーーん...」
臣 「こ、紺... なんかこわいよ...」 ピクピク
千矢 「紺、寂しかったの? こっちにおいで」 テマネキ
臣 「千矢!? 今の紺はちょっと危険よ!?」
こん 「こぉぉん///」 スリスリ
臣 「えぇ...」
小梅 「デレッデレじゃないの」
ノノ 「やっぱり紺ちゃんは千矢ちゃんに勝てないんだね...」
臣 「よくわかんないけど助かった...」
こん 「こぉぉぉぉん///」 ゴロゴロ
----------
臣 「そうだったの... あれ、見られてたんだ...」
千矢 「ねー、見られてたんだねー」 ノホホン
紺 「ぐすん... 冷静になってみたらとんでもないことしちゃってたわ... ごめんなさい...」 ウルッ
臣 「ほらほら、泣かないで」 ナデナデ
千矢 「わたしもなでるね、なでなでー」 ナデナデ
紺 「うぅ... ありがと...」
小梅 「何よ、この幸せ空間は」
ノノ 「いいじゃんいいじゃん、こっちの方がわたしたちに合ってるよ〜」
小梅 「まぁ、確かにね」
千矢 「小梅とノノもおいでー、なでなでしてあげるよー」 ヒョイヒョイ
小梅 「何言ってんのよ、そんなこと言われても行くわけないじゃない」 テクテク
ノノ 「ねー、行くわけないよねー」 テクテク
紺 「迷わず千矢の方に向かってきてるように見えるのだけど」
小梅 「もう、駄目じゃないノノ」 テクテク
ノノ 「小梅ちゃんこそうっかりさんなんだから」 テクテク
臣 「いよいよ全員千矢に群がってきたわね」
小梅 「ほんと、千矢って罪深いわ」 ゴロゴロ
ノノ 「責任取って、ずぅっと一緒にいてもらわないとねぇ♪」 クスッ
臣 「ノノ、言い方がどこか色っぽい...」 スリスリ
紺 「ち、千矢はわたしのものだもん...」 ズモモ
千矢 「よーしよしよし」 ナデナデ
----------
[夜]
紺 「zzz...」
小梅 「zzz...」
ノノ 「zzz...」
臣 (三人とも寝ちゃったみたいね。わたしもそろそろ寝ないとな...) ポスッ
臣 (... どうしよう、眠れない。わたしにしては珍しいかも)
千矢 「臣」
臣 「うにゃぁ!? な、なんだ、千矢か」
千矢 「ちょっと、お散歩しない?」
臣 「えっ?」
千矢 「わたし、何だか眠れなくってさ」
臣 「え、えっと...」
千矢 「... 臣も、そうなんだよね?」 ササヤキ
臣 「っ...!」 ゾクゾクッ
千矢 「さ、行こっ」 グッ
臣 「ひゃっ!? あ、えっと、うん...」 モジモジ
千矢 「夜のお散歩、楽しもうね」
臣 「え、えぇ...///」 テレテレ
----------
千矢 「うわぁー! お星様すっごく綺麗だね♪」
臣 「こんなにいっぱい見えるのって珍しいかも」
千矢 「お月様もまんまるだぁ」
臣 「風も気持ちいいわ... ほんと、素敵な夜ね」
千矢 「吠えたくなっちゃうなぁ」 ウズウズ
臣 「... 何故??」
千矢 「臣もわかるよ、いつか」 フフッ
臣 「わかってたまるか」
千矢 「えー、わかるよー。誰しも野生に還りたくなるものなんだよぉ」
臣 「ないないない」
千矢 「... 急に話変えるけどさ」
臣 「ん?」
千矢 「昔ね... って言っても、十番占だった頃なんだけど、流れ星占いってのをやったことがあって」
臣 「あぁ、あれね。提灯に穴を開けて燃やすやつ」
千矢 「そうそう。それで、占い自体は失敗しちゃったんだけど、そのとき誰かの声を聞いたんだ」
臣 「誰かの、声...?」
千矢 「誰の声かは、結局わからなかった。ただ、今でも気になってるんだ。何を言ってたのかって」
臣 「...」
千矢 「だから、この機会に、臣にも訊いておこうって思ったの。臣は、そんな感じのことって経験ある?」
臣 「... ううん、少なくとも憶えてる限りでは全く」
千矢 「そっか、ありがとね。今日の星空があまりにも綺麗だから、ふと思い出しちゃった」
臣 「力になれたのなら何よりよ」
臣 (占い中に、誰かの声...? 千矢は一体、そのとき何を聞いたのかしら。それに関しても気になるけど、千矢については兎に角謎な点が多い)
臣 (いつかの夢占いで視た、千矢によく似た女性。あの人は恐らく伝説の一番占で... 多分、千矢のお母さん。ならば、どうして姿を消した? こんなに頑張って親を捜している娘に気付かないほど、一番占の力は大したことがないのか?)
臣 (いや、それは考えられない。一番占は、神様の姿や声すら視通すことができるといわれている。本来は視えないはずの存在をも感じ取れる者が、普通のうらら一人視つけられないはずがない)
臣 (千矢で言うなら、『くろう』も謎だわ。千矢は、自らの得意な占いを『くろう占い』と称する。そんな占い、はっきり言って聞いたこともない。そもそも、祝詞が不要だなんて前代未聞よ)
臣 (『くろう』なる黒い大きなうさぎ? に実質的に頼っている上、発動するかどうかは運次第らしいけど、ひとたび発動すれば何もかもを視通す驚異的な占い。聞けば、千矢たちかつての棗屋の面々が九番占試験の迷路を突破したのは、千矢の力があったからこそだという)
臣 (千矢本人は、産みの母親や『くろう』について何も知らないと言っていた。今は、情報が出揃っていない。しかし、これはいつか必ず、解き明かさなくてはいけないのだろう。そう、必ず...)
千矢 「臣? おーみー!」 ムギュゥ
臣 「ひゃんっ!? ち、千矢!?」 ドキッ
千矢 「だめだよ〜♪そんな暗い顔してると幸せが逃げちゃうよ〜」
臣 「どういう原理よ、もう」 クスッ
千矢 「... でもさ、これって割と当たってると思うんだよね」
臣 「暗い顔してたら幸せが逃げちゃうって話?」
千矢 「そうそう」
臣 「うーん... どうしても解せないのよね。幸せってそういうものなのかしら」
千矢 「だって、楽しいことをしてても気持ちが暗いと、楽しいって思えないでしょ? 美味しいものを食べても、心が真っ暗だと感じる味までそっちに引っ張られちゃう。それって、幸せを掴み損ねてるってことじゃないかな?」
臣 「それは... まぁ... 確かに...」
千矢 「わたしは、臣にも幸せでいてほしいの。勿論、ずっと無理して笑ってろとか言うつもりはないし、それはそれで無理強いだからね」
千矢 「でも、さっきの臣は、ちょっと思い詰めてるような顔してた。それも... たぶん、臣自身のことじゃない、何かで」
臣 「...」
千矢 「... もしかして、わたしがさっき話した流れ星占いのこと、考えてた?」
臣 「!!」
千矢 「図星、なんだね。ごめん、わたしのせいで...」 シュン
臣 「こーらー、暗い顔してたら幸せ逃げちゃうんでしょー?」 ホッペムニムニ
千矢 「ひゃぁぁ、ほっへはふはふのやへへぇ」 アワアワ
臣 「全く、千矢自身がそんな顔しちゃってどうすんのよ」 パッ
千矢 「はぁはぁ... そ、そうだよね... うっかりしてたよ」 ハハッ
臣 「わたしが千矢の占いの話を考えてたのは、事実よ。わたしも、思うところがあって」
千矢 「思うところ...?」
臣 「うん。えっとね...」
千矢 「...」
臣 「... やっぱやめた。自分でも考え纏まってないから、また今度ね」
千矢 「えー!? それじゃあ臣のお悩み解決できないじゃーん!」
臣 「いいのいいの、わたしもあんまり気にしすぎないようにするから」
千矢 「そう...? まぁ、臣がそう言うならそれでいいけどさ」
臣 (... ほっ)
----------
千矢 「ふぅ... ちょっと肌寒いね」
臣 「嘘でしょ...? わたし、寒すぎて震えが止まらないんだけど」 ガクガク
千矢 「そっかぁ、そしたら!!」 ムギュッ
臣 「ひぃぃん!? ち、千矢!?」 ピクッ
千矢 「ふふん、油断してたでしょ?」
臣 「... そういうことを誰にでもしちゃうところ、ほんと悪女」 ボソッ
千矢 「へ?」
臣 「な、何でもないわ/// ていうか、何も言ってないから///」
千矢 「えっと、うん... うん?」
臣 「... でも、ありがと。あったかいわ」 テレテレ
千矢 「えへへー。役に立てたよー」 ニコニコ
臣 「... あんまりそういうことしちゃ駄目よ、勘違いを招くわ」
千矢 「ほぇ? かんちがい?」 キョトン
臣 「... うん、むしろ気付かないほうが幸せかもね」
千矢 「??」
臣 「さ、さぁ! もう行くわよ、千矢」 グイグイ
千矢 「わわっ!? 臣、なんか急に元気になったね」
臣 「き、気の所為よっ///」
千矢 「ふーん、そっか」
臣 「そ、それよりっ! もう少しお散歩しましょ!」 アセアセ
千矢 「そうだね、そうしよっか!」 キャッキャッ
臣 「ふふっ。悪い子になっちゃうわね、わたしたち」
千矢 「いいんだよ、たまにはさ」
臣 「そうね、そうかもね」 ニコッ
臣 (さっきのことは、一旦棚に上げよう。今は、千矢と一緒にいられるだけで充分よね)
千矢 「よーし、眠くなるまで歩こー!!」
臣 「おー♪」
----------
[翌朝 ・ なつみ屋]
千矢 「zzz...」
紺 「ちーやー? ちーやー!!」 ポンポン
千矢 「おなかいっぱいあんみつすぺしゃる!!」 ガバッ
紺 「ひゃぁ!? きゅ、急に起き上がらないでよ!?」 ビクッ
千矢 「ふぇ? あ、紺! おはよ〜♪」
紺 「おはよう... じゃなくて!! いくらなんでも遅すぎよ、いい加減起きなさいっ」
千矢 「あはは... もう皆起きてるのかな?」
紺 「臣以外はね。臣もいつも以上にぐっすりで起きないの」 チラッ
臣 「スヤァ...」 zzz
千矢 「ほんとだー。つんつんしても起きないや」 ツンツン
臣 「むにゃ... へへぇ...」 zzz
紺 「臣は手強いから、いっそ起きるまで放置しとこうかなって」
千矢 「酷くない?」
紺 「だって、ほんとに起きないんだもん」
千矢 「そっか、じゃあわたしも...」
紺 「駄目、千矢は起きるの」
千矢 「酷くない??」
紺 「酷くない酷くない、むしろ世話焼いてくれる人がいることに感謝してほしいくらいよ... ん?」 クンクン
千矢 「紺?」
紺 「...」 クンクン
千矢 「ひゃっ/// 急にどうしたのさ///」 モジモジ
紺 「...」
紺 (このにおい、殆ど千矢のだけど... ちょっとだけ、違うにおいが混じってる。どうしてだろ... というか、このにおいは...) トテトテ
千矢 「?」
臣 「すぅ、すぅ...」 zzz
紺 「...」 クンカクンカ
千矢 「紺が野生児に!?」
臣 「...zzz」 モゾモゾ
紺 「... やっぱり」 ボソリ
千矢 「あのさ、紺? さっきから一体どうしt」
紺 「浮気したわね、千矢」
千矢 「... へ?」
紺 「わたしの知らない間に、臣と。そういえば、昨日もいちゃいちゃしてたものね、やっぱりそういうことなんだぁ」 ハイライトオフ
千矢 「??」
紺 「悪いことした子犬は、ちゃ〜〜んと躾けないとねぇ? あははははっ♪」 ハイライトオフ
千矢 (え、え、え?? わ、わたし、何かした? 紺を怒らせるようなこと、何かした? 何を間違った? それさえもわからないんだろーりんろーりん...) アババババ
臣 「むにゃ...」 ゴロゴロ
千矢 「お、臣がこっちに転がってきた!? 臣、お願いだからわたしを助けて!」 チラッ
臣 「にゅぅ... ちやぁ... にへへぇ...」 ギュゥッ
千矢 「!?」
紺 「...」
臣 「きのうは... ありがと... たのしかった... zzz」 ムギュゥゥゥ
千矢 「お、臣っ、ちょっと苦しいよ///」 モジモジ
紺 「... ふーん... これでもう言い逃れできなくなったってわけね」 ハイライトオフ
千矢 「... はっ!? ち、違うよ紺、誤解だって! 昨日はただ、ちょっと臣と夜のお散歩を...」
紺 「問答無用ッ! 恨むならはれんち浮気者な自分を恨みなさいッ!」 ゴゴゴゴゴ
千矢 「た、助けてお狐様!」
お狐様 (無理言うでない、妾にもできることとできないことがある)
紺 「この期に及んで他の女の名前を呼ぶなんて、もう許さないわ...」 ハイライトオフ
千矢 「いや、お狐様だからね!? そのひと紺の相棒だからね!?」
紺 「うるさい... 悪い子犬はじっくり躾けてあげるから...」 ハイライトオフ
千矢 「ひ...」
千矢 「ひぎぃぃぃぃ!!」
小梅 「... なにこれ」
ノノ 「あ、これでおわりだよ〜」
小梅 「え、あんた誰と話してんのよ」
臣 「ちや... また、あそぼうね... えへへ...」 zzz
--fin--
[あとがき]
はい、ということで終わりです。無自覚女たらし千矢概念。
今の季節は夜でも肌寒いどころか蒸し暑いですが、なつみ屋関連のお話は冬〜春の出来事なので、原作との整合性を優先して書かせていただきました。半年前に投稿しろ? それはそう。
さて、今回のお話のキーパーソンである二条臣 (にじょうおみ) ちゃんは、アニメ化された範囲には登場しない原作限定キャラクターです。我々きらファン民にとっては、アニメ化作品の原作限定キャラとして初めてゲームに実装された記念すべき存在でもありますね。
『うらら』ってメインの登場人物五人がとても仲良しで、特に千矢は誰と組んでもあまあまな感じになる印象ですが、アニメには登場しないからか臣と絡んでいる作品はそう多くない気がします。
ま、なければ作れってことで、今回この作品を作ったというわけですよ。別に千矢紺を否定するわけじゃないですし、むしろかなり大好きなんですけど、それはそれとして千矢臣流行れ。
最後になりますが、ここまで読んでくださった方に心から感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。
[これまで書いたSSリスト (順次追加) ]
・ 『あお 「くじら座の変光星の女の子」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3596&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29338408.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17271872
・ 『変な生き物 「遂に誰からも本名で呼ばれなくなった」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3602&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29371224.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17272934
・ 『クレア 「わたしは鍵の管理人」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3607&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29421806.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17274145
・ 『クロ 「この丘から見える星空は」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3619&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29460066.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17278807
・ 『きらら 「ツンツーンください!!!!!!!!」 サンストーン 「いきなりでけぇ声あげんなよ うるせぇよ」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3637&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29571518.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17279756
・ 『みさ 「みらがかわいすぎて生きるのがつらい」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3650&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29631528.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17280762
・ 『シャミ子 「杏里ちゃん、一緒に帰ろ?」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3668&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29760440.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17285569
・ 『千矢 「風邪を引いた夜のお話」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3681&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29831832.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17286656
・ 『スズラン 「飯奢ってくれ」 ロベリア 「図々しいわね、呪うわよ...」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3702&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/29946896.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17289587
・ 『シャロ 「貴方が教えてくれること」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3720&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/30014131.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17291478
・ 『みら 「あおー、ぼくの着替え知らない?」 あお 「!?」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3727&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/30053806.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17291693
・ 『舞 「わたしが歩んできた道は」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3742&ukey=0
https://kirarafan.com/archives/30108512.html
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17293779
・ 『千矢 「山で遊んだお話」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3754&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17318983
・ 『あお 「みらが知らない女性と仲良く話してる」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3764&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17415852
・ 『ランプ 「うつつさんがきらきらしています」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3770&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17474617
・ 『ユウ 「クラスのみんなにおでこぱしーしまくってたら海果がすねた」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3775&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17523413
・ 『桃 「シャミ子、ごめんね...」 シャミ子 「...」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3781&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17572005
・ 『あお 「君の心を覗きたいんだ」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3793&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17654759
・ 『小春 「全然釣れないよー」 ??? 《諦めないで!》 小春 「!?」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3801&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17717125
・ 『みら 「このレンズの向こうには」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3809&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17771186
・ 『あお (幼) 「こんにちは」 ニコッ みら 「えっ...?」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3824&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17916835
・ 『メディア 「よければ一緒に」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3830&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17952603
・ 『琴音 「もふもふ」 ファー 「琴音、どうしたの?」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3842&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18057909
・ 『ココア (2部) 「しゃーろちゃんっ♪」 シャロ 「こ、ココア!?」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3864&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18246741
・ 『悠 「セルリアンブルーの空に」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3888&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18480361
・ 『ランプ 「もし、わたしが貴方のことを好きだと言ったら、どうしますか?」 サンストーン 「いや知らないが」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3919&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18735570
・ 『シュガー 「ソルト、びょーきなの?」 ソルト 「い、いえ。そんなことは」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3935&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18970078
・ 『ひとり 「音楽のない世界なんて、ひどく空虚でつまらない」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3941&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19036663
・ 『イノ 「イヴちゃんが頼もしいです」 イヴ 「猪瀬が頼もしい」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3949&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19187620
・ 『きらら 「思えば遠くへ来たものだ」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3960&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19393373
・ 『虹夏 「ぼっちちゃん!」 ひとり 「は、はいっ」』
https://kirarabbs.com/index.cgi?read=4005&ukey=0
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20252148
・ 『千矢 「ぺろぺろ」 臣 「ひゃんっ! そこはだめぇ」』: このSS
ちやは誰と組ませても良い(ん?)
呪うならこのコトリバk……(違)
臣も割とたらしなところあった気がするので監視は必要ですね。監視用の映像転送機能付マツコさん名付けてマツコさんデラッ(ry
一番悪いのは紺を怒らせた理由が分からないところでは……
最終的に千矢紺結婚しそうなところまで行くこともあって、臣には切ない感じになりますね。その無自覚が!爛漫さが!罪だ!(きらら関係無い)
この紺がよく7年待てたというのはまた別の話……
投稿お疲れ様です!
いつ見てもペンギノンさんのssは非常に良いですが、今回は貴重なうららssなのが嬉しいです!
うららはきらファンで知った身ですが、今では5本指に入るくらい好きなきらら作品です!
千矢と臣の2人きりで親交を深める感じと、それに嫉妬して迷走する紺、これは是非とも映像付きで見たいものですねぇ…。
紺とお狐様の掛け合いもお笑いコンビみたいで面白いですw
あと個人的には、ノノが砕け気味の口調で結構ストレートにものを言っているのが好きですw
あのコミュ障だった子が千矢達の影響で逞しくなったのか、それとも今まで以上に遠慮せずに言えるようになったのか、どっちにしても好きです!
うららは千矢紺が王道な感じはありますが、今回のようにそれとは違う組み合わせも大いにアリだと思います!
「なければ作れ」のお考え素晴らしいです!私も見習わなくては…。
そして個人的に好きなうららカプは千矢小梅です。あの犬猫が戯れている感じが非常に好きなのです…!
それから遅過ぎにも程がありますが、きらファン終了時の某ssにコメントして頂きどうも有難う御座いました!
文章力が非常に乏しい故に、失礼なことも書いてしまいそうで後回しにしているうちに返信にこんな時間がかかってしまいました…。
あとPixivではまだ何も上げていないにも関わらず、フォロバして頂けたのも嬉しいです…!
長くなりましたが、今回も素敵なssを有難う御座いました!
>>60
作者です! コメントありがとうございます! コトリバコは草 (カレルさんはいいぞ)
そういえば確かに臣も人たらしな節ありましたね...。あと、マツコさんでr... のネタはSSアイディアスレにも記載があった気が。書いてもいいn (ry
千矢ちゃんは人懐っこいからね、誰もが魅了されてしまうのも仕方ないんだ...
こら、原作終盤のネタバレはダメだぞ☆ でも、言いたいことはすっげぇわかる。欺瞞だね!!!!! (ハイプリス様)
そして、原作準拠を意識したことで紺ちゃんが7巻の内容とは別ベクトルの試練を受けてる... 無自覚ドS千矢概念...?
>>61
作者です! コメントいただき感謝デース!!
ま、まさか貴方は... あの日投稿されていた『Aチャンネル』SSの作者様!? まさかコメントいただけるとは何たる光栄なことか...! 私も『うらら』はきらファンから知って原作勢になったので、なんだかシンパシーを感じます。
紺ちゃんとお狐様の掛け合いは、まさにご指摘の通りお笑い的な展開を意識していて、得にテンポの良さを重要視しています。唐突に水晶占いを始めて失敗する辺りとか、書いてて普通に楽しかった。
今回はノノちゃんが割とツッコミキャラとして動いてくれたのですが、確かに序盤の彼女ならそんな立ち回りは簡単ではないかもしれません。ほんと、成長したよね...
そうです、いろんなコンビが存在していいんです! 特に二次創作ではッ!!
私も千矢小梅すきです! 原作でも序盤から千矢ちゃんの髪の毛が小梅ちゃんの服の釦に絡まっちゃった話とかありましたよね。あのエピソードを見て尊さを感じないきららーゼロ人説。千矢ノノを推すのも忘れずに!!
私は自称SS書きですが、同時に文章を読むのが大好きなSS読者ですから! こちらこそ、素晴らしいSSを読ませていただきありがとうございました!! これからも自分のペースでSSを投稿していきますので、どうぞよろしく...!
>>64
作者です! コメントありがとうございます!
...えぇ、そうですね... しかも隣りあって、抱きあって...
でも、忘れないで! そういう出来事は関係なしに、千矢ちゃんと臣ちゃんはとっても仲良しだよ!!
(だいぶ余談ですが、その辺りのエピソードを確認がてら単行本で読んでたら、5巻の最初のページに描かれた千矢臣イラストで無事萌え死にました)
嫉妬心むき出しの紺かわいい!
やっぱり好きな娘が別の娘と遊んでいるのを見てジェラッちゃう、というシチュエーションは微笑ましくて大好きです。
千矢は犬系女子という概念がきらら主人公で一番似合う子って感じが可愛いですよね!
うららは動物要素が強いのも微笑ましくて好きな所です
臣は狼でしたから、つまりは犬とその犬より小さい狼のいちゃいちゃ、いいなあ…
狐も同じイヌ科だし狸もイヌ科、猫も同じ哺乳類だからいっそのことみんな一緒にいちゃつこう!
あと前のスレでの書き込みにですが、動物園SSも楽しみにしてます!
軽い気持ちでのコメントでしたが、お話をお考えになって頂けただけでもとても嬉しいです
人任せだけでなく言い出した自分でも何か書かなくてはと思い、話は無理そうだから図鑑説明的なのくらいはと思い書き始めてみました
…が、アオネコ、エンドウライオン、ナナカワウソ、イヴコウモリの4匹で早くも停滞中です(無能)
>>66
作者です! カレル様、いつもコメントありがとうございます!
嫉妬しちゃう女の子SSで使いやすすぎる問題。使いやすすぎて嫉妬ネタを自粛しようかと一時期悩みすらしました (無理だった)
紺ちゃんに関しては、原作を読み返しても度々SBTKなので (偏見) 特に書きやすかったです。でも、なんだかんだ友達が大好きな紺ちゃんかわいい。
>>67
>>68
作者です! コメントありがとうございます! 星咲動物園SSは全然書けてないので気ままにお待ちください...
確かに、『うらら』って原作でキャラクターと対応する動物が示されてましたね。犬って種族的には狼が家畜化したものと言われているので、やはり千矢臣はシナジーがありますね!!
ていうか、メインキャラ五人の動物、全員食肉目じゃねえか!! ご指摘の通り、小梅ちゃんを除く四人の動物はイヌ科という共通点もありますね。調べてて初めて知ったのですが、アライグマはイヌ科じゃないんですね... (アライグマ科)
動物になったなつみ屋の五人がいちゃいちゃする光景、想像するだけで萌え死にそうです。責任とってください (傲慢)
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