閲覧注意とはうたいましたが、実際はそんなバイオレンスなSSではありません。
ただ、リゼさん推しな方はあまり見ない方がよいかもしれません。
ラビットハウス
リゼ(私はある喫茶店でアルバイトをしている)
リゼ(隠れ家的雰囲気のオシャレな喫茶店だ)
リゼ(アルバイトを始めた時はどうなることかと思った時もあったが)
リゼ(今ではこの喫茶店、ラビットハウスで働くことが、何よりもかけがえのないものになっている)
ココア「ただいま〜」
リゼ「おっ、お疲れ〜」
ココア「おはようリゼちゃん!!」
チノ「お帰りなさい、ココアさん」
ココア「ただいまチノちゃん!!モフモフ〜!!」
チノ「やめてください、ココアさん」
リゼ「ほら、早く着替えて準備しろ」
ココア「は〜い」
チノ「全く、ココアさんは……。ありがとうございます、リゼさん」
リゼ「イヤイヤ、いいって」
リゼ(……………………)
リゼ(たまにアイツのストレートな感情表現が羨ましく思うよ……)
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チノ「今日もお疲れ様です」
ココア「お疲れ様〜」
リゼ「お疲れ、またな」
リゼ(今日は時間が合わなかったかな)
ガチャッ
タカヒロ「皆お疲れ様」
リゼ「〜〜〜〜////」
チノ「お父さん、おはようございます」
ココア「おはようございます!!」
リゼ「あっ、あのっ。……お疲れ様でした〜〜!!////」ピューッ
帰り道
リゼ「ハァ……、ハァ……」
リゼ「思わず逃げるように立ち去ってしまった」
リゼ「せっかく話が出きるチャンスだったのに……」
リゼ「不意打ちは卑怯だろ……////」
リゼ(チノの親父さんを見るとドキドキするようになったのはいつからだっただろうか)
リゼ(だけどきっかけは覚えている)
リゼ(あの日のことは忘れもしない)
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チノ『リゼさん、ナポリタン二つとトマトサラダを一つお願いします』
リゼ『わかった』
リゼ『まずはお湯を沸かして、その間にソースだな……』
リゼ((アルバイトを始めて今日で二週間くらいか……))
リゼ((だいぶ慣れてきたかな……))
リゼ((ん?いや、先にサラダを提供した方がいいか……))
リゼ((お湯は沸いたな))
リゼ((さて、次はパスタを茹でて))
リゼ((その間にソースと……))
ガラッ
リゼ((しまった!!鍋が落ちる!!))
リゼ『熱ッ!?』
ガランガランバシャア
リゼ『……やってしまった……』
チノ『どうしたんですか?大きな音がしましたけど』
リゼ『あっ、いや……、その……』
チノ『!?』
チノ『大丈夫ですか!?』
リゼ『ああ、いや……、大したことはないんだ……』
リゼ『落ちそうになった鍋を素手で受け止めようとしちゃって……』
チノ『は……、早く手当てを……、ええっとどうすれば……』オタオタ
チノ『お……、おじいちゃん……。あれ……?寝てる……?』オタオタ
ティッピー『スヤァ』zzz
リゼ((おじいちゃん!?霊的なものか!?))
リゼ『あ〜〜、早くお湯を沸かし直さないと……』
チノ『駄目です!!手当てを先にしないと!!』
リゼ『い、いや、お客さんを待たせると悪いし、早く作り直さないと……』
タカヒロ『二人とも大丈夫かい?』
チノ『あっ……、お父さん……』
リゼ『すっ、すみません……。鍋をひっくり返してしまって……』
タカヒロ『リゼ君、手を火傷しているね』
リゼ『あっ、はい……、すみません……』
タカヒロ『チノ、すぐに手当てを』
タカヒロ『少しぬるい水で十分程度冷やすんだ』
タカヒロ『その後に水分をふき取って薬を塗ってガーゼを当てて包帯を巻くんだ。あまりきつくしないようにね』
タカヒロ『救急箱の場所は分かるね』
チノ『はっ、はい!!』
リゼ『あっ、あの……、注文が……』
タカヒロ『それは私が用意する。気にしなくていいよ』
リゼ『あっ、ありがとうございます……』
チノ『早くこちらに』
ティッピー『スヤア』zzz
チノ『水を汲んできました』
チノ『少しの間手を付けててくださいね』
チノ『手のひら以外に火傷したところはありますか?』
リゼ『いや、ありがとう。大丈夫だ……』
チノ『それじゃあ救急箱をとってきます』
数分後
チノ『それでは薬は塗ったので包帯を……』
リゼ『ごめんな。その……、迷惑をかけて……』
チノ『私も父も迷惑だなんて思ってないです』
チノ『それよりも体をいたわって安静にしていてください』
リゼ『ああ……、ありがとな……』
チノ『これでよしと。包帯、きつくないですか?』
リゼ『いや、大丈夫』
チノ『良かったです。すみません、お店を父にまかせっきりだと申し訳ないので……』
リゼ『ああ、親父さんを助けてあげてくれ』
チノ『はい』
チノ『手、動かしちゃダメですからね』
リゼ『分かってるよ』
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リゼ(その後、カフェタイムの時間を早く切り上げてチノの親父さんは私を家まで送ってくれた)
リゼ(親父はいなかったけど、チノの親父さんはうちの使用人たちに頭を下げっぱなしだった)
リゼ(私の不注意が原因で怪我をしたんだからチノの親父さんには何の落ち度もないのに、なんだか申し訳ない)
リゼ(でも、この日を境にラビットハウスが何の変哲もないアルバイト先から私の特別な場所に変わっていった)
リゼ(チノと働くことが、帰り際にチノの親父さんと……、タカヒロさんと挨拶を交わすことが私の何よりの楽しみになっていった)
リゼ(そういえば、チノともっと仲良くなりたくて、ぬいぐるみを作ってプレゼントしたこともあったなあ……)シミジミ
リゼ(そして後々、タカヒロさんに対する感情が普通じゃない、特別なものだと気づくことになるわけだが……)
リゼ「年齢差が…………」
リゼ(チノが私の三つ下……)
リゼ(タカヒロさんはほぼ間違いなく私の親父と同じくらいの年齢……)
リゼ「私のこと、子供としか見てないんだろうな……」
リゼ(なんで好きになった人があんなに年上なんだろうか……)
黒服A「お嬢、お帰りなさい」
リゼ「……え?ああ……、もう家か……。ただいま」
ある日 街中
リゼ(おっ、チノじゃないか……)
リゼ「チノ〜!!」
チノ「あっ、リゼさん」
リゼ「今帰りか?」
チノ「はい」
リゼ「じゃあ、一緒に行くか」
チノ「はい、行きましょう」
リゼ(そういえば、もし私がタカヒロさんと結婚したら)
リゼ(チノが私の娘になるんだな……)
リゼ(チノが私をお母さんって呼んでくれたりとか……?)
リゼ(……………………)
リゼ(なんか全く想像できないな)
チノ「どうしたんですか?難しい顔をして」
リゼ「いや、ちょっと変なことを考えていた」
リゼ(……チノのお母さんって亡くなってるんだよな)
リゼ(どんな人だったんだろうか……)
リゼ「なあチノ」
チノ「はい、何でしょうか」
リゼ「少し話しづらいことかもしれないんだけど……」
リゼ「チノの母親ってどんな人だったんだ?」
チノ「私の母ですか……」
チノ「とても優しい人でした」
チノ「私が機嫌が悪い時とか、どんな時でも私の味方をしてくれるような人でした」
リゼ「……もう会えなくなって、寂しくなったりしないのか?」
チノ「……いえ、今の私にはたくさんの友人ができました」
チノ「もう寂しくはありません」
リゼ「そうか……」
リゼ(本当か?)
リゼ(私だってたまに寂しいと思う時もあるっていうのに)
リゼ(ココアがいるから平気なのか?)
リゼ(だとしたら、ココアには少し妬いてしまうな)
リゼ「なあチノ」
チノ「はい?」
リゼ「その……、なんだ……」
リゼ(もし寂しくなったら私に甘えてくれてもいいからな)
リゼ「もし寂しくなったら私を母親だと思って」チノチャ~ン!!リゼチャ~ン!!
チノ「あ、ココアさん」
ココア「二人とも偶然!!チノちゃん今日もかわいいねえ」ダキッ
チノ「もうっ、ココアさん。くっつかないでください」
ココア「えへへ〜〜」
リゼ「……………………////」プルプル
チノ「あ、リゼさん、すみません。聞こえなかったのでもう一度お願いします」
リゼ「すまんチノ!!何も聞かなかったことにしてくれ〜〜!!!!////」ダダダタダダ
チノ「えええっ、リゼさ〜ん!?」
ココア「リゼちゃん、行っちゃった。何話してたの?」
チノ「えっと……、私の母のことを話してたんですけど」
チノ「最後の言葉が聞き取れなくて……」
リゼ(何をやっているんだ私は!!)
リゼ(あんなことを言ったらチノに本心を悟られてしまうじゃないか!!)
リゼ(どんな顔してラビットハウスに行ったらいいんだ……)
数日後 街中
ココア「リゼちゃん、元気にしてるかなあ」
チノ「ずっとアルバイトお休みしてますからね」
ココア「休み中に連絡しても全然返事が無いんだもん」
チノ「休むと連絡が入ってからそれっきりですからね」
ココア「お見舞いの品いっぱい持ってきたから、早く元気になってもらわなくちゃ!!」
チノ「喜んでくれるでしょうか?」
ココア「大丈夫!!私が愛情とかいろいろたっぷり込めたからね!!」
チノ「いろいろって何込めたんですか」
天々座邸前
ココア「え?いない?」
黒田bb「ええ、少し前に出かけられまして」
ココア「病院かな?」
チノ「どうしましょうか……」
黒服C「よろしければ帰ってくるまで中で待っていかれますか?」
ココア「えっと……。いえ、今日は失礼します」
ココア「あの、これ。リゼちゃんにお見舞いで持ってきたんですけど」
チノ「本人が帰ってきたら渡してもらえますか?」
黒服D「かしこまりました」
ナカナカタイミングアワナイネエ
ソウデスネ
黒服E「……お嬢、体調を崩されてたっけか?」
黒服F「いやあ、そんなことはないと思ったけど……」
街中
チノ「あんまり音沙汰が無いとさすがにちょっと心配です」
ココア「まあ、きっとすぐに元気になるよ」
チノ「だといいんですが……」
ココア「……チノちゃん、せっかくだから帰る前にいろいろお店見て回ろっか」
チノ「そうしましょうか……」
ココア「おっ、あんなところにリゼちゃんが好きそうなものがたくさん並んでいるお店が!!」
チノ「この街にも本当にこんなお店があるんですね」
ココア「リゼちゃんいるかなあ?」
チノ「病人がこんな所にいるわけないです」
カランカランアリガトウゴザイマシタ~
リゼ「いや〜、この店はいつ来ても楽し……い……な……?」
ココア「ふぇ!?」
チノ「ええ!?」
リゼ「やあ、奇遇だな……、二人とも……」
リゼ(やばい……、私は今、病気でアルバイトを休んでいることにしているのに……)
リゼ(こんな休日を満喫しているところを見られたら……)
リゼ(休んている本当の理由なんて言えるはずもないし……)
チノ「リゼさん、あの……」
ココア「リゼちゃん病気なんでしょ?こんな所にいて大丈夫なの?」
リゼ「あ……、あ……、うあ…………」
リゼ「うわあああああ!!ココアちょっとこっちに来てくれえええええええ!!!!」ドドドドグイイイ
ココア「リゼちゃん元気そうで何よりだよおおおお!!!!」ギュウウウ
チノ「お二人とも待ってくださ〜〜〜〜い!!」
広場
リゼ「ハァ……、ハァ……」
ココア「もおお!!リゼちゃん!!強く引っ張らないでよ!!」
リゼ「すまない……」
ココア「それに!!リゼちゃん病気なのもしかして嘘なの!?凄い元気だよね!?」
リゼ「待ってくれ!!話す!!全部話すから!!でもお願いがあるんだ!!」
リゼ「今から話すことはチノとタカヒロさんには秘密にしておいてくれないか……」
ココア「……何か事情があるんだね」
リゼ「ああ。まあ、客観的に見たらしょうもない事情かもしれないんだが……」
ココア「……分かった。聞かせてよ」
リゼ「じ……、実はな……。私……、タカヒロさんのことが……」
リゼ「す……、好き……、なんだ……」
ココア「え?」
リゼ「……………………////」
ココア「えええぇぇぇぇぇぇえええええぇえぇええぇえええ!?」
ココア「いやちょっとリゼちゃん!?チノちゃんのお父さんは既婚者だよ?」
リゼ「だが今は独身だろう!?」
ココア「子供もいるんだよ!?しかもリゼちゃんとあんまり年齢変わらないし!!」
ココア「チノちゃん、あのサイズでも本当はもう小学校は卒業してるんだからね!?」
リゼ「分かってるよ!!でも好きになっちゃったんだからしょうがないだろ!!」
リゼ「あとチノが小っちゃい云々の話は触れてやるな!!」
ココア「いや……、まあリゼちゃんがチノちゃんのお父さんを好きなのはわかったよ」
ココア「それは確かに当事者とその娘には話せないことだけどね?」
ココア「でもズル休みすることと繋がらないよ?」
リゼ「それは本当にすまない」
リゼ「ただ、納得はしてもらえないかもしれないが、理由はちゃんとあるんだ」
リゼ「私がアルバイトを休む直前に、私がタカヒロさんが好きなことをほのめかすようなことをチノに口走ってしまってな……」
ココア「それで顔を出しづらくなったと」
リゼ「そういうわけだ……」
ココア「う〜〜ん。チノちゃん、リゼちゃんがそんなこと言ったって特に話してなかったけどなあ」
リゼ「本当か!?」
ココア「うん、たぶんチノちゃん気付かなかったんだよ」
リゼ「良かった……」
ココア「だからリゼちゃん、次からちゃんとアルバイトに来るんだよ?」
リゼ「ああ……。本当にごめんな……」
リゼ「でも、チノとタカヒロさんにどうやって説明すればいいか……」
リゼ「もう風邪ひいたじゃ通らないだろうし」
リゼ「かといって本当の理由なんて言えないしなあ……」
ココア「ふっふっふっ……。リゼちゃん」
ココア「お姉ちゃんにまっかせなさ〜い!!」
リゼ「おお!!なんかいい手があるのか!?」
ココア「二人にはリゼちゃんのその辺のデリケートな事情を隠してうまくごまかしとくよ!!」
ココア「だからね、リゼちゃん!!安心してまたアルバイトに来てね!?」
リゼ「ココア……。今日以上にお前が頼りになると思ったことはない……」
リゼ「私はいい友人を持った……」
ココア「だからね?リゼちゃん。リゼちゃんも私をお姉ちゃんと呼んでもいいんだよ?」
リゼ「いや、それはまた話が違う」
翌日 ラビットハウス
リゼ(とりあえず、私が休んだ理由はココアがうまくごまかしといてくれてるんだよな……)
リゼ(これまでの失態の分、きちんと働いて返さないとな)
リゼ(……よし!!)
ガチャッ
リゼ「お……、おはようございま〜す」ソロ~リ
チノ「おはようございます、リゼさん」
リゼ「お、おはよう……」
チノ「……………………」
リゼ「……………………」
リゼ(え?無言?)
リゼ(ど……、どうする……?)
リゼ「ご……、ごめんな〜。長いこと休んで……」
チノ「どうして休んでいたんですか?」
リゼ「え……。えっと……、ココアから聞いてなかったかな?」
チノ「私はリゼさんの口から聞きたいんです」
リゼ「い……、いや〜、その〜、風邪をひいてたというか……」
チノ「昨日はそんな風に見えませんでしたが」
リゼ「き……、昨日は……、ほとんど……」
リゼ「そう、ほとんど治りかけてたからそう見えた……、だけで……」
リゼ「いや……、いろいろさ。いろいろあったんだよ、その……、本当に……」
チノ「連絡したのにどうして返事をしてくれなかったんですか?」
チノ「まさか、リゼさんが何か隠していることを私が気付かないとでも思っているんですか?」
リゼ「いや……、それは……、その……」
チノ「ハァ……。私には教えてくれないんですね」
チノ「ココアさんには話したのに……」クルッスタスタ
リゼ「チノ……」
ラビットハウス 更衣室
リゼ(あっれ〜……。ココアの奴うまくごまかしといてくれるって言ってたのになあ……)
リゼ(あんなに怒ってるチノ、初めて見たよ……)
ガチャッ
ココア「リゼちゃ〜ん……」メソメソ
リゼ「ココア……。どうした」
ココア「リゼちゃんの休んだ理由……、うまくごまかせなかった……」
リゼ「やっぱりそういうことか……」
ココア「ごめ〜〜ん……」メソメソ
リゼ「いや、いいんだ……。私がもともと悪いんだし……」
リゼ「でも、私に休んだ理由を聞いてきたってことは」
リゼ「本当の理由は秘密にしておいてくれたんだろ?」
リゼ「十分だよ。ありがとな、ココア」
ココア「そこだけは絶対的に死守したんだけど……」
ココア「チノちゃん……、話しかけてもずっとツンツンしてて……」
リゼ「……巻き込んですまない……」
ココア「ううん、気にしないで」
ココア「リゼちゃんも大切な友達だもん」
ココア「それに、チノちゃんのお父さんには勢いでちゃんとごまかせたから。そこは安心して」
リゼ(それはごまかせたというよりも、思春期特有の何かしらを感じ取って触れないでおいてくれたっていう感じが……)
リゼ(さすがに私の気持ちに気付いたわけではないだろうが……)
リゼ「本当にありがとう、ココア」
--------
----
チノ「ありがとうございました」
ココア「ありがとうございました〜!!」
リゼ「ふう……、これで今日の営業は終了だな」
チノ「そうですね、お疲れ様です」カチャカチャフキフキスタスタ
ココア「あ……、あの……、チノちゃん……」
チノ「何ですか?」クルッ
ココア「この後……、その……、夕飯の買い物に行かない?」
チノ「いえ、結構です。私一人で十分です」クルッスタスタ
ココア「うぇぇ……。チノちゃん……」
リゼ(取り付く島もない……)
ココア「うう……、チノちゃんが機嫌を直してくれない……」メソメソ
リゼ「……本当にごめん……。巻き込んで……」
ココア「大丈夫、気にしないで。私は平気だから……」
リゼ「……ありがとう。なんとかチノとうまくやってくれ……」
ガチャッ
タカヒロ「リゼ君」
リゼ「タ、タカヒロさん!!」
ココア「お疲れ様です!!」
タカヒロ「お疲れ様、ココア君」
タカヒロ「リゼ君、休んでいる間、いろいろ大変だったみたいだけど、大丈夫だったかい?」
リゼ「あっ……、その……、はい……。何とか……」
リゼ「その……、すみませんでした……。何日も休んでしまって……」
タカヒロ「いやいや、気にしないで大丈夫だよ」
タカヒロ「今日も一日お疲れ様」
リゼ「はい……、お疲れ様です……」
帰り道
リゼ「嘘をつくのは心が重い……」
リゼ「それに……、チノにどうやって機嫌を直してもらえばいいのやら……」
リゼ(その後、チノにどうにかして機嫌を取り戻してほしかったのだが)
リゼ(まともに相手をしてもらえなかった)
リゼ(そうこうしている間に一週間が経過した)
天々座邸 リゼの部屋
リゼ「はあ……」ボフッ
リゼ「今日もチノは機嫌が悪いままだったなあ……」
リゼ「ココアに対してもずっと同じ態度のままみたいだし……」
リゼ「……………………」
リゼ「なあワイルドギース……」
リゼ「隠し事が原因で友達を怒らせてしまったときに」
リゼ「その隠し事を内緒にしたまま仲直りするにはどうしたらいいんだ……」
ワイルドギース「……………………」
リゼ「……モヤさまが変な時間にやってる……」
リゼ「……………………」
リゼ「……おもしろ〜〜……」
ブー ブー
リゼ「……誰だ?」
リゼ「……ココアか」
ピッ
ココア『リゼちゃ〜ん!!』
リゼ「おいどうしたココア」
ココア『なんかチノちゃんが恐いよ〜〜!!』
リゼ「やっぱりまだ怒ってるのか……」
ココア『怒ってるというかね……』
ココア『なんだか壁に向かってクリリンがどうとかとっくに御存じなんだろうとか』
ココア『ぶつぶつと独り言を……』
リゼ「メチャクチャ怒ってるじゃないか!!」
ココア『チノちゃん、もう何日もまともに口利いてくれない……』
ココア『全く機嫌を直してくれない……』
ココア『私……、そろそろ本当に辛くなってきたよ……』
リゼ「ココア……」
リゼ「……………………」
リゼ「すまなかった、ココア」
リゼ「もう全部話していいぞ」
プツッ
ココア「リゼちゃん?」
--------
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天々座邸 エントランス
リゼ(全く……、私はつくづく愚かだな……)
黒服G「お嬢、どちらへ?」
リゼ「ラビットハウスだ」
黒服H「お待ちください、もう外も暗いですが」
リゼ「すぐ戻るさ」
ガチャッバタン
黒服I「お嬢……、行ってしまったが……」
黒服J「あとをつけた方がいいだろうか……」
黒服K「でもばれたら滅茶苦茶怒られるぞ……」
黒服L「しかし何か問題が起きてからでは意味がない」
黒服M「じゃあ誰が行く?」
黒服U「俺は無理だぞ!!絶対行かないからな!!」
黒服T「じゃあしょうがない。俺が行くよ」
黒服H「いや待て。俺が行く」
ジャアオレガオレガイクッスワタクシガイキマスワ
ワイノワイノガヤガヤキャッキャッ
黒服U「……いや、そんなに言うんだったら俺が行くよ!!」
ドウゾドウゾ
黒服U「ふざけんなよ!!」
街中
リゼ(私は本当に愚か者だ……)タッタッタッタ
リゼ(そもそも友達を怒らせたり悲しませてまで隠すようなことじゃなかったんだ……)タッタッタッタ
リゼ(だったらもう、選択肢は一つしかない……)タッタッタッタ
リゼ「特攻だ!!」
ラビットハウス
ティッピー「また急に暇になったのお」ゴロゴロ
タカヒロ「親父。ちょっと黙っててくれないか」
ティッピー「何をこの生意気な」
タカヒロ「そういえば、親父」
タカヒロ「チノが最近機嫌が悪いように見えるんだが、何か知らないか?」
ティッピー「ふむ。まあ、あの三人の問題じゃからの」
タカヒロ「俺が口出しするようなことじゃないか……」
ガチャッ
タカヒロ「いらっしゃい……」
タカヒロ「リゼ君……」
ラビットハウス チノの部屋
チノ「そうだったんですか……」
ココア「ごめんね、チノちゃん」
ココア「やっぱり事情が事情だからチノちゃんには話せなくて……」
チノ「いえ……。私の方こそすみませんでした……」
ココア「もし良かったら、明日からちゃんとリゼちゃんとも仲直りしてね」
チノ「はい……」ションボリ
ココア(良かった……。これでチノちゃんのことは解決かな……)
ココア(あとはリゼちゃんがどうなるか……)
ココア(……外から泣き声が聞こえる……)
ココア(心が締め付けられるような……、とても悲しい泣き声……)
ココア「頑張ったね、リゼちゃん……」
数日後 ラビットハウス
リゼ「よし!!今日も働くぞ!!」
チノ「はい、今日も頑張りましょう。リゼさん」
ココア「〜〜〜♪」ニコニコ
リゼ「……なんだよココア。ニヤニヤして」
ココア「いやあ、もし寂しくなったら私がモフモフしてあげるからね」ポンポン
リゼ「結構だ。情けは受けない」
ココア「遠慮しなくていいよ〜♪」
チノ「あっ、倉庫から備品取ってきますね」
ラビットハウス 倉庫
ティッピー「しかし驚いたのお」
ティッピー「あの娘っ子がまさかアヤツに恋心など抱いておったとは」
チノ「そういえば、おじいちゃんはその場に居合わせていたんですよね」
ティッピー「うむ。夜中に突然やってきてのお」
ティッピー「全く、あんな初老のどこがいいんじゃか」
ティッピー「まだ若いんじゃから、いくらでも出会いもあるじゃろうに」
チノ「おじいちゃん、嫉妬ですか?」
ティッピー「違うわい!!」
チノ「ふふっ、でも……」
ティッピー「でも?」
チノ「もしリゼさんが母親になってくれたら……」
チノ「きっと……、毎日楽しいと思います」
ティッピー「……なん……じゃと?」
以上です。
リゼさんは恋する表情が滅茶苦茶かわいいのではないかと思い書きました。カワイイデスネ
あと最後に一言
リゼさんはバータイムの衣装が一番素敵
引き込まれる文章で読みやすかったです。
内容が内容なのにキャラのセリフとか違和感ないのすごいと思いました。
面白かったです!
うおお!!コメントありがとう!!
小ネタに気付いてくれてありがとう!!
あとセリフに違和感ないとか嬉しいです!!(深夜テンション)
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