クロが他のクリエメイトやエトワリアの住民と交流していく二次創作です。
今まで書いたクロss+新しいssを加えていきます。
拙い文章ですが、見ていただけると非常にうれしいです。
場合によって各作品のネタバレが入るかもしれません。
クロはエトワリアのラビットハウス2号店の中でブラックコーヒーを飲んでゆっくりしていた。クロはこの喫茶店の雰囲気が好きだった。
「ようクロ、ブラックコーヒーなんか飲んでいっぱしの大人の女性気取りか?」
センがクロをからかった。
「そんなんじゃないよ。何となく苦いのが飲みたかったんだ」
一方、チノ、ココア、リゼが物陰でクロの噂話をしていた。
「ブラックを飲むなんて大人ですね」
チノがクロに感心していた。
「うむ、若いのになかなかやるわい」
チノの頭のティッピーもクロを何だか認めていた。
「それにしても、クロっていっつも棺担いでいるな。もしかしてあの中にたくさんの銃器が!」
リゼが海外映画のようなことを妄想していた。
「それよりクロちゃんって小さい双子を育てているらしいよ・・・ようしそのことを聞いてみよう!」
妹大好きのココアがクロの所へと向かっていった。
「クロちゃん!ラビットハウスのブラックコーヒーはおいしい?」
ココアがクロに顔をのぞかせた。
「ああ、ここのコーヒーはとってもいい・・・。確か君は保登心愛だったね?」
クロも愛想よくココアに返事をした。
「ところでクロちゃんにはかわいい猫耳の妹達がいるんだよね!」
ココアが目を輝かせて聞いた。
「え?ニジュクとサンジュのことかい?」
クロはココアがニジュクとサンジュのことを知っていることに驚いた。
「うん、いっつもその子達のことを話しているってクリエメイトの間じゃ噂だよ!クロちゃん!!」
その言葉を聞いてクロは少し驚いた。
「セン、そんなに私は2人のことを言っているのかい?」
「お前自覚なかったのかよ!?」
センはクロの質問に驚いていた。センは間近で双子を心配しているクロを間近で見ていたからなおさらだ。
「ふふ、クロちゃんはまさにニジュクサンジュちゃんのお姉ちゃんだね!」
ココアはクロに感心していた。自分もお姉ちゃんとして頑張らなければならないと思った。
「よしてくれ、私はあの2人の姉になった覚えなんてない」
クロは本心からそう思った。いずれ自分と双子とは別れの時がやってくると思っているからだ。
「ええ?でもクロちゃんって双子の傷を治したり、服を作ったりしているって聞いたよ?」
ココアがあまりにもペラペラ話すので、クロはかなり驚いた。
「なんで君がそんなことを知っているんだ!!」
「ランプちゃんから聞いたの。聖典にそう書いてあったらしいよ」
クロはランプのことを恨めしく思った。ニジュクとサンジュの日常を他のクリエメイトに言いふらすのはなぜだかすごく恥ずかしかった。
「おいおいクロ、もうちょっと素直にあの2人ことを話せばいいんじゃね?」
センが茶化すので、クロはセンを殴った。
「もう、そんなに謙遜にならなくても・・・」
ココアは照れるクロに突っかかった。
「別に謙虚なんかじゃない。私なんかより君の方がニジュクとサンジュのいいお姉ちゃんになれそうだよ」
クロは本心からそのようなことを伝えた。
「ええ!?そういわれると照れちゃうな〜」
ココアは褒められたと思って手を振った。
「いや、そこは『クロちゃんの方がお姉ちゃんっぽいよ』って言うべきじゃないか?」
思わぬココアの反応に、クロは思わず突っ込んでしまった。
「まあ、私もチノちゃんの立派なお姉ちゃんとしての誇りを持っているよ!!」
ココアは誇らしげだった。
「チノってあの小さい子・・・」
「チノちゃんは13歳だよ!」
「え?」
クロはチノのことをまだランプやシュガー、ソルトぐらいの年齢だと思っていたので驚いた。
「チノちゃんはすごいんだよー!!頭もいいしコーヒー入れるの上手いし!」
「もう、ココアさんったら・・・」
チノは陰からココアがべた褒めするのを聞いて恥ずかしがっていた。
「ああ、彼女はかなりしっかりしている」
「うちの元気すぎる2人にも見習って欲しいぜ・・・」
センはニジュクサンジュの手のかかりっぷりを思い出していた。
「そういうクロちゃんも、ニジュクちゃんサンジュちゃんを自慢に思っているよね!」
クロは少し考えた。
「そうだね・・・あの2人はすごいよ。いろいろな可能性が秘められている。まさに何にでもなれると思う」
「2人がエトワリアに来たら、私の妹たちに加えてよ!」
「ああ、ニジュクとサンジュも君と一緒にいたら楽しそうだ」
クロは空になったコーヒーカップを置いた。
「じゃあ、私はそろそろこの辺で」
「ありがとう!またいつでも遊びに来てねー!!」
クロとセンはラビットハウスを去り、また旅に出た。
「お姉さんか・・・」
「お前、悪くないって顔をしているぜ」
クロはまたセンを殴った。
終わり
クロとセン、きららとランプは千矢たちうららの元を訪れていた。紺はこっくり占いでセンの運勢を占っていた。
「び・ょ・う・き・・・・成人病に気を付けてください」
「マジかよ〜ハハハ、不安だぜ〜」
「・・・どうしてセンは千矢に甘えているんだい?」
センは千矢に抱かれていた。どういうわけかセンはものすごく脱力していた。
「いや、何だか知らねえけどこのお嬢ちゃんといるとすごいリラックスすんだよ〜」
千矢は動物を惹きつける力がある。そのためコウモリになっているセンまで千矢に魅了されてしまったのだ。
「いいんだよクロちゃん〜センちゃんかわいいから〜」
千矢はセンの頭をナデナデした。
「おお、俺がかわいいとは・・・俺の魅力がわかるやつがいるとはな〜」
クロはだらけているセンに呆れながらも、自分も占いを受ける事にした。
「ええと・・・君は雪見小梅と言ったね?私は君にお願いしよう」
「その呼び方嫌いなの、私のことはミス・プラムと呼んで欲しいわ」
「ではそう呼ぶとしよう、ミス・プラム」
小梅は素直にそう呼ばれたため、うれしく思った。
「あなたは何を占ってほしいの?」
「そうだな・・・私はどのような道を進むべきか教えてほしい」
「進路の悩み?わかるわかる、この年齢になるとね〜」
クロの言葉を小梅は別の意味で受け取った。
「ふふ・・・魔女ミス・プラムのカード占いを受けるといいわ・・・この中からカードを選びなさい」
クロは小梅が並べたカードを一枚めくった。
「あなたが選んだカードは・・・恋人ね、正位置だわ」
「それはどういった意味を持つんだい?」
小梅は得意げにタロットの解説を始めた。
「恋人は絆、信頼、無図美月と言った意味を持つわ」
「う〜ん、どうなんだろう?私はあまり人と関わらないから・・・」
「あら、大魔女ミス・プラムの予言を信じないわけ?」
「そうだね、未来とはどうなるかわわからないからな・・・」
クロはふと、ランプに聞いた小梅のことを思い出した。
「確か君は魔女に憧れているんだってね?君が憧れている魔女って・・・」
すると小梅は赤い顔をした。
「マ、マリのこと・・・!?ままままままマリのこと・・・」
クロは恥ずかしがる小梅を見て微笑んだ。
「すまない、ちょっとからかってしまったかな」
「い、いいわよ!私がマリとの出会いのことを教えてあげる」
クロは小梅からマリのことを聞いた。彼女がいかにマリのことを尊敬しているかがよく伝わった。
「ふふ、君には目指すべき人間がいて羨ましい。センにもちょっとは見習ってほしいものだ」
「なんだとクロ!それはいったいどういうことなんだ!!」
怒るセンを尻目にクロはさらに小梅に聞いた。
「いや、私も魔女にあったことがあって・・・」
当然、ヒフミとマリは同じ魔女と呼ばれてわけであるが、全然違う存在である。
「あら、あなたの世界にも魔女がいるわけね」
小梅はクロの話に興味を持ったそうだ。
「・・・いや、そう呼ばれているけど君がいってたような魔法は使えないし、そもそも姿かたちからして違うし・・・」
「あら、そうなの?」
クロはぜんまい丘の魔女のことを思い出していた。
「私は、魔女というのは自分から名乗るものではなく、他人から呼ばれた時から魔女になると聞いた」
「あら、とっても深い言葉じゃない。そうね、私も自称・魔女になんかならずに、知っている人がいないくらいに有名になって魔女と呼ばれなきゃならないわ」
小梅はすごく高い志を持った少女なのだ。本気で魔女と呼ばれ恐れられたいと思っている。
「それにしても君は魔女を悪い生き物なんかじゃないと証明したいわけなんだよね?」
「当たり前じゃない!マリはとっても意地悪で優しいんだから!!」
「ふふ・・・君はとっても大切な人にあったんだね、とても羨ましいよ」
「あら、そういうクロちゃんだってあの二人に強い影響を与えるかもしれないわよ?」
「何?ニジュクとサンジュのことかい?」
クロは急に双子のことを言われたので驚いた。
「あなたが旅人としてあの猫耳ちゃん達に教えているわけでしょ。そのことは絶対にあの子たちに多大な影響を与えるわ!」
小梅に言われて、クロはニジュクとサンジュが自分の元を離れて旅人になる姿を思い浮かべた。あの二人も、私のことを思って旅をするのだろうか?
(そういえば私もセンの行動がなんだかかっこよくて、真似をしていたな・・・それにあの旅人は本当に私に旅人としての道しるべを示してくれた)
「さて、私はそろそろ行くとしよう。私たちを占ってくれてどうもありがとう」
「またいつでも来てくださいね」
紺たちに見送られながら、クロはうららの館を後にした。
クロは自分が身に着けている帽子と眼鏡を触った。
「こうやって誰かに影響を受け・・・そしてそれが未来へとつながっていく・・・か・・・」
クロはそのことをかみしめた。
クロとユー子は、お喋りをしていた。
「いやあ、クロちゃん大分寒くなってきたなぁ」
「そりゃそんな恰好をすればそうなるんじゃないか?」
クロがそう突っ込むと、ユー子は一旦無表情になり、顔を青ざめさせた。
「いや、私の言ったことは忘れてくれ・・・」
「そういうクロちゃんはいっつも真っ黒な恰好でしかもそんな大きな棺背負って暑苦しくないん?」
「おまえらはどうしてそんな極端なんだ・・・」
側で聞いていたセンが思わず突っ込みを入れた。
「・・・私がそうすると決めたから・・・それにしてもユウ子、君は君の友達と随分話し方が違うみたいだが・・・」
「ああ、うちは関西という所から来たんよー」
(なるほど、訛りというものか・・・)
クロは今までいろんな国を巡ってきた。そこでいろいろな言語を聞いてきたのだ。クロはそんな時は妙な孤独感を感じてしまった。人がいっぱいるのに世界中で一人だけになったかのようだった。
「いや、うちも最初は標準語に合わそうと思ってたんよね。でもるんとナギと一緒にいる内に自分らしい言葉でええかなって思って・・・」
標準語というのが何なのかはわからなかったが、それを聞いてクロは少し驚いた。自分は青年みたいな話し方をする。棺を担いでいるのもあり、よく他人に笑われていた。そういう話し方をする自分はやはり他の同年代の少女とは違うものであると考えていたのだ。
「・・・私の喋り方はどうだと思う?」
クロはユー子に自分の口調について質問した。
「珍しいな、クロ。お前が自分の喋り方について質問するなんて」
センも少し驚いていたようだった。
「素敵やと思うで!なんだかとってもかっこええ!!まるで童話に出てくるお兄さんみたい!」
「・・・・・・あ、ありがとう・・・」
まさかこのような返事が帰ってくるとはクロも思わなかった。クロはいつから自分がこういう喋り方になったのか回想した。というよりはなぜこのような口調になったのか考えてみた。そして自分に黒い帽子をくれた犬のような顔の旅人を思い出した。
「・・・私には、とても憧れている旅人がいる。子供の時に出会って私の旅の道しるべになった人だ」
「へぇ!そうなんや!!うちも子供頃阪神タイガーズ選手に憧れたことがあったなあ・・・」
「私が今被っている帽子は、このエトワリアに来てから少し変わったがその人のものだ」
「うちも岡本選手のサインボール持っとるで!」
「お前らちゃんと会話かみ合っているか?」
不可思議な会話を見ていたセンは少し心配になった。
「しかしこうして考えると、話し方というのは結構面白いものだね」
「そうやな、まるでアクセサリーみたいやな〜」
「うちもユウ子の話し方は素敵やと・・・」
クロは言いかけて顔を赤くした。いつの間にかユー子の話し方みたいになってしまった。なぜこのような口になったか自分でもわからなかった。
「おや?もしかしてクロちゃんも関西弁話したいん?」
「・・・・・・・」
「クロちゃん〜?もう一度言ってみいや〜」
「・・・・・・」
珍しく誰かをからかうユー子にクロは顔を合わすことができなかった。
次は新ss第4話『黒いキャンプとゆるいキャンプ』です。
どの作品とのクロスなのかはわかると思います。
クロはきららとランプと共に、呪いを解く手がかりを探す旅に出ていた。夕暮れ時、今回は街に辿り着きそうになかったので、野宿することにした。
「う〜ん、どこにテントを張ろうか・・・」
「はい!クロ様!!」
ランプが元気よく手をあげた。
「なんだい?」
「野営するなら今まさにあの方達がございます!あの方達は今日ここで野営すると聞きました!!」
「あの方達?つまりクリエメイトか?」
センがランプの台詞からそう推測した。
「きらら、一体その者たちは・・・」
クロがきららに質問した。
「はい!その人たちは・・・」
「あれ?きららちゃんじゃない!ランプちゃんもいる!!」
後ろから声が聞こえてきた。そこには野外活動サークルの少女達、各務原なでしこ、犬山あおい、大垣千明がいた。
ランプは彼女たちを見るや否や全力で走っていった。
「うわああああ!なでしこ様!あおい様!千明様!」
ランプの後に3人もついていった。
「こんばんわ、君たちも野宿かい?」
「確かあなたは・・・クロちゃんだよね?」
なでしこもやはりクロちゃんと呼ぶらしい。
「野宿だなんてなんか大げさな言い方だな・・・」
千明が思わず突っ込んでしまった。
「そっちもキャンプする予定?ほなうちらと一緒にキャンプせえへん?」
「きららさん!クロ様!セン様!是非一緒にキャンプさせてもらいましょう!!」
あおいの誘いに、ランプは目をキラキラさせながら提案した。
「もう、ランプったら・・・」
そんなランプを見てきららは呆れてしまった。
「わあ!クロちゃん随分テント張るの上手いなー。さすが旅人やわー」
「そういう君だって随分燃えやすい木々を探し当てているじゃないか」
クロとあおいはお互いのことを褒めあっていた。
「ふふ・・・私はどの自然物が焚火の燃料にしやすいかどうかを一目見ただけでわかる能力を持ってるんやでー。そういう木々は赤く見えるんよねー」
「なに?それはすごいな・・・」
あおいの目は上を向いていた。なでしこと千明はその様子を見て笑いをこらえて震えていた。
「あはははは・・・」
きららはあおいの嘘にあっさり騙されるクロを見て何とも言えなかった。
「それにしても君たちも旅人なのかい?」
クロの質問に、千明は少し悩んだ。
「旅人・・・うむ〜キャンパーも一応そう呼ぶこともできるか・・・?」
「何だかかっこいい響き・・・!」
なでしこは「旅人」という言葉に目を輝かせた。
「ランプからよく君たちの活動のことを聞かされたよ。よければ聞かせてくれないかな?」
「よくぞ聞いてくれました!」
なでしこはクロに自分たちがキャンプをした所を詳しく聞かせた。
「・・・すごいな、君たちの世界にはそんなに綺麗な所がたくさんあるのかい?」
「そうやでー。中にはその景色を見ただけで感動のあまり死んでしまうのもあるんやでー」
「なに?感動のあまり死んでしまうだって?そこまで美しいのか・・・」
「バラにはトゲがあるってか?」
今度はセンまで騙されてしまった。
「お礼に今度は私が旅をした先で美しいと思った場所を話そう」
クロは元の世界で綺麗だと思った場所をなでしこたちに話した。
「すごいね!クロちゃんの世界ってそんな場所がたくさんあるんだね!!私たちもそんな所でキャンプできたらな〜」
なでしこは残念そうにしていた。
「ん?あれは・・・」
クロが何かに気が付いた。クロが指を指した先には、綺麗な緑色をした光が輝いていた。これはグリーンフラッシュと呼ばれる現象であった。
「うわあああ!!綺麗!」
「こんな現象なかなか見られないぞ!」
「奇跡やな〜」
野クルのメンバーはこのグリーンフラッシュを見て感激していた。
野クルの3人とクロ、きらら、ランプは一緒に食事をすることにした。なでしこはクロに話しかけた。
「クロちゃんってなんだかリンちゃんに雰囲気が似ているね」
「リンっていつも一人でキャンプしているという・・・」
「うん、そうなの、いわゆるソロキャンガールなの。でも私はリンちゃんと一緒にキャンプすると楽しいと思うな〜」
なでしこの言葉を聞いて、クロは旅をした頃の事を思い出した。
(そういえば小さい頃はよく何かすごい景色を見つけるとセンを呼んでいたっけ・・・)
(見て見てセン!あの湖すごいよ!!)
(ヘイヘイと)
「同じ自然の景色でも、一人で見るのとみんなで見るのは違うのだろうね」
クロは野クルのメンバーとの交流を通じて、そのことに気が付いたのであった。
私は今、キサラギにお願いしようとしていた。
「あれ?クロさんどうしたんですか?」
恥ずかしくてとても言いづらかった。
「その・・・今日は一緒に寝てくれないか?」
「え?」
キサラギはきょとんとしていた。ああ恥ずかしい・・・。
今日、ゆずこから「インターネット」というものから拾った怪談を聞いた。私は幽霊とかそういったものは怖くないと思っていた・・・。それなのに・・・。
「でね、そのかっこいい男の人は『お前にやられたんだ!!』っていったらしいよ!」
まさかゆずこ達の世界の怪談がこれほど恐ろしいものだとは思わなかった・・・。もう水面を覗くことができないじゃないか・・・。
「あれ?クロちゃん今トラウマ中ー?」
「トラウマ中ー?」
ゆずこと縁が私をからかっていたのを覚えている。ああ、あの2人はもう・・・。
「こ、怖い話のせいで眠れないなんて子供みたいかもしれないが・・・」
「ふ、クロはこう見えて苦手なものが多いのさ」
私はセンの羽根を掴んで黙らせた。
「ふふ・・・いいですよ、今日は一緒にベッドの中で寝ましょうか」
キサラギにも笑われてしまった。
あいにく、ベッドは一つしかなかった。
「私は床でいいよ」
「いえいえ、大き目のベッドですし2人でもいけると思いますよ」
一緒に寝るか・・・。そういうのはあまりしなかったな。私は大きな布団にキサラギと一緒に入った。
「君は私が怖くないのかい?」
「え?なんでですか?クロさんはとっても素敵な方ではありませんか」
「・・・・・・」
キサラギは電気を消して静かに寝息を立てた。
「・・・誰かと一緒に寝るって温かいんだな・・・」
私もまどろみの中へと落ちた。
「それが聖典というものか。本当に私たちのことが書かれているんだね」
クロはランプが読んでいる聖典を覗き込んだ。
「はい!クロ様のこともずっと昔から読んでいます!!ふふふ」
(なんだか怖え・・)
センはちょっぴりランプに恐怖を覚えた。
「おや、これは・・・」
クロはとあるシーンに目が入った。それは以前誰もいない古屋敷に泊った時、ニジュクとサンジュが自分達の耳と尻尾を隠し、どっちがどっちなのか当てて欲しいとクロに言ってきたのだ。
「ああ、この時は困ったね・・・センのかまかけにも引っかからなかったし・・・」
「こっちがニジュク様でこっちがサンジュ様です!!」
ランプはそう指をさした。それを見てクロとセンは驚いた。
「え・・・?二人の違いがわかるのかい?」
「はい!!もちろんですとも!」
「どこがどう違うってんだ」
「顔の大きさが微妙に違うこととか、髪の若干の色合いの違いとか・・・」
「君はタカの目でも持っているのかい・・・!?」
さすがにクロはこれに驚いた。
「やれやれ、保護者の面目丸つぶれどころの話じゃねえな、クロ」
「私が保護者だったらランプはお天道様だよ」
Fin
以上です。ご清聴ありがとうございました。
それと私からクイズを出させてもらいます。
3巻裏表紙に写っているニジュクとサンジュの違いを言ってみてください!
正解は私にもわかりません!!
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